第2話 悪魔は2度死ぬ。
もうそろそろ生まれて6ヶ月だろうか。
赤ちゃんの体と言うものは成長が早いもので、首こそまだ据わってないが、ちょっとの間だけなら座ったり出来るようになった。
あと、俺は用心深いからな、
『この子、全然泣かないわ!?大丈夫かしら!?』
こんな転生モノでよくある展開がないようにちゃんと漏らしちゃった時とかに泣いたりしてるからね。
流石に夜泣きはしないようにしてるけどね。ここが中世ぐらいの文明だったら当たり前かもしれんが、過去の俺の仕事より何千倍も大変なはずだからな。
あと、赤ちゃんてのはいいなぁ・・何もしなくてもいいし。ただ、おしめの時とかクッソ恥ずい。向こうはなんとも思ってないんだろうけど。そういや、お乳の時、感覚からして、多分Dカップくらいかな?
てか何もしなくていいのは嬉しいんだけどさー・・
暇だッーーーー!!!!!!!!!
「あうあっーー!!!!」
「あら?どうしたの?」
はっ!?思わず声が出てしまった.......
素数でも数えて落ち着こう。
1歳と6ヶ月
赤ちゃんの体の成長って随分と早いなぁー
ぼちぼち歩けるようになってきたぞ。それに、単語も分かってきた。
まず母の名前がロザート・シャトーカノンで、父の名前がクロード・シャトーカノンと言うらしい。
シャトーカノンは多分苗字なのだろう。で俺は、いつもヴィオリカとかヴィオちゃんとかって呼ばれてるので、ヴィオリカ・シャトーカノンだな。
俺一応息子着いてるんだけどなんか可愛らしい名前だなぁ・・子は親に似るっていうし、俺も男の娘になるのかな?
あと、この家を探検してみて分かったことがあるんだが、この世界にはスキルや魔法があるっぽい。オラワクワクすっぞ!!
それと、それなりに裕福な家庭のようだ。そのため、メイドが3人とダークセスウルフというペットの魔物もいるっぽい。メイドの名前はドメーヌ、ネル、ロゼで、ペットの名前はジンウォッカ、通称ジオだ。
あと、本がいっぱいある部屋があったので、入ろうとしたんだが母が
「ここには入っちゃダメですよー」
って言われたり、こっそり侵入しようとしても、何故かいつもメイドにみつかって子供部屋にもどされるんだよなーどうしよう気になる。
あー気になるなー・・・
それに暇なんだよなー・・・
そうだな、自分に嘘はついてはいけない!!
よし!
思い立ったが吉日!計画をたてるとしよう!まず、メイド達の行動パターン等を調べたりしたのち、俺がフリーになる瞬間、あの本がいっぱいある所に入るとしよう。そして、その本がいっぱいある部屋を仮称ライブラリ(キリッ)として、
計画名はtruth-seekerだ!!
うん・・・やっぱ普通に本部屋でいいや。それに、計画名とかいらんやろ
3日後
大体の行動パターンが分かったので、頭の中で整理するとしよう
1 午前5時 歯磨きや顔洗いなどの身支度を済ませる
2 午前6時 朝食を作る。
3 午前7時~正午前 買ってきたのか狩ってきたのかしらんが、動物の死体や、山菜等をとって来た後、解体や料理を作ったりする
4 午後1時まで休憩、料理の片付け
5 午後1時家の掃除
6 午後1時半 また家を出る
7 3と同じ
8 午後5時 動物の解体や料理。母もたまに手伝う
9 午後6時 晩御飯。父もだいたい帰ってくる
これから先は自分は赤ちゃんの体故、めちゃくちゃ眠くなるし、寝かしつけられたりするので詮索は無理だった。
だが突破口は見つかった!
ずまり!!狙うべきは行動パターン8だ!!
たまに母も解体や料理を手伝う!!
そのため、その時は俺がフリーとなるのだ!
今は・・・今はただ時を待つのみ
四日後
うおーー!!!!
つ・い・にキター!
何やってんだろ俺?・・・
まあよいとりまタイミングを見計らうとするか。今火を使っているな?
つまりは・・・今だ!!
無事に本部屋に入ることが出来た。中は図書館を疑うレベルで本が置いてあり、結構本とか読むタイプの俺はめっちゃ興奮するんだよなぁ。
当たり1面にある、本棚に羅列されている本を眺める。足音はたてないように、はいはいをして動く。
「キャホッキャホッ」
なんか咳が出てきた。赤ん坊の身体で咳って大丈夫なのかな?まぁ良いだろ。
本部屋を闊歩していくと、1番奥の方に宝箱があった。皆んな、こんな場面で宝箱があったらどうする?
もちろん開けるよなぁ!!!!
とは言ってもアイ・アム赤ん坊。非力だからな。どうしようか・・・
こういう時はジンウォッカを呼ぶ事にしよう。ジオはクソでかくて本来はトラックぐらいの大きさがあるんだが、小さくなれるのだ。
『あ、あう、あーぁ・・・』
何故かこうするとジオが俺のところにくるのだ。良い忠犬を持ったものだな。
早速、颯爽とジンが現れた。毛並みはフワフワで、メイドのネルに手入れさはており、小さくなった今はまじでトイプードルみたいで可愛いのである。本来の姿はデカくて怖くて凛々しいのにな。
「あうあー」
宝箱の方に指をさし、開けろと命ずるが、ジオは難色を示している。
ブルータス、お前もか・・・
てか、この世界には魔法とかあるんだし、ワンチャン念じれば開くんじゃね?
開け!開け!!開け!
いや開くわけないっての。第一俺に魔法の才能がない場合もある。父や母はバリバリに魔法を使えるっぽいがな。
宝箱の方にいき、宝箱を開けようとする。
あ・・・普通に開くやん・・・
中を覗くと、特別そうな鎖で固められた以下にも封印されてますよみたいな本がある。
なんやこの本は、ジオもグルルとうなっている。もういいや、飽きた。ジオと向こうで遊んでよっかな?
『おい?おい?聞こえているのか?締めようとするな!我を解放せよ童。さすれば力をさずけよう。我が名は!!裏であの堕天使ルシファー様並みに強いと言われているバニティ様である!!』
バニティって確か日本語で虚栄だよね?修行論の方の七つの大罪に虚栄ってあったはず。じゃあこいつ下級悪魔じゃね?だって虚栄だしなー、虚栄張ってるだけか?ワクワクして損した。
『おい、聞こえているぞ!我は確かに虚栄の悪魔と呼ばれているがそれは酷くないか?!ほら、我と契約を結べば質量を持った大規模な幻術を見せることも出来るし、アン!その黒いワンチャン噛まないで!』
それも所詮虚栄何でしょ?しかも悪魔とか契約なんかされそうでしたくないし。仲良くなるとしたら俺がもっと強くなってお前を服従させる事にしたからな。ほなさいならー。
『あ、あ!締めないdプツンッ』
ジオーあっちで遊ぼー。
「キャン!!」
クロードやロザートさんとか主人公にはそれとなく酒の名前を使ってます。勿論メイドやジオも酒の名前です。
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