3話「過去のこと」
3話「過去のこと」
中身が気になったから教室で開けてみると、あの封筒の中身は、何も喋らない私を心配してくれてるような内容の手紙だった。
過去の私のことも知っていて、過去の私のことも書いてあった。
そこには、こう書いてあった「今の玲奈は、本当の玲奈じゃない! もう一度あの頃のような玲奈の笑顔がみたい!!!」と書いてあった。
今は、笑いたくないからそれは、無理だ。
こんな手紙にどう返事をしたらいいのだろうか....
キーンコンカーンコーン
1時限目の国語の授業が始まった。
授業は、地獄でしかない。
先生に当てられたらと、考えると恐怖でしかない。今まで、担任にも無口で接していたから今のところは授業中当てられない。
「飛鳥ちゃんは、空高く飛んで行った。」
気づいたら、みんなが丸読みをしていた。
さっきから、ぼーっとし過ぎていた。
飛鳥ちゃん、どっかで聞いたことあるような...
もしかして今、過去のことが生々しく思い出されて幻覚と幻聴が...
ううん、そんなあるわけない。
飛鳥ちゃんって誰だろ?
私の過去に書いていた小説に出てくる人物かな
いや、飛鳥ちゃんって人物は、私の書いた小説には出ていなかった。
飛鳥ちゃん...誰だろう。
ハッっ!私は、なんで過去に居るような感覚になっているのだ。
今、少し思い出したかも。飛鳥ちゃんは、私の大事な親友だった。
その子は、ある日突然学校に来なくなった。
誰がメールをしても、返事は全くかえってこないし、電話をかけても出てこなかった。
学校に来なくなって、1ヶ月がたった日に先生から飛鳥ちゃんのことで話があると言った。
先生からは病死と、聞いたが飛鳥ちゃんの親からは自殺と聞いた。
私は、飛鳥ちゃんが普段から苦しんでいたことに気づいてあげられなかった。
いつも飛鳥ちゃんのそばにいたのは私なのに。
私は、次の日から無口になることを決めた。
もうこれからは、誰とも関わらないようにしようと決めた。
これが私が無口になった理由。
このことを思い出しているうちに、辛くなってきた。
飛鳥ちゃんにさよならを言いに行きたかったと思いながら授業を受けた。