約束
高校1年の春
私は、あなたとであった。
私の名前は、山本愛里。
今日、この高校の門をくぐる。
「よし、素敵な恋愛をするぞー。」
「朝っぱらからうるさいなぁ」
「わぁっ」
びびったぁ。
「邪魔なんだけど」
「あっゴメン。」
スタスタスタ………
なんなのアイツムカつく。
……まさか、さっきの聞いてなかったよね……。
私は、教室に入った。
席につこうとするとさっきの男が、となりにいた。
「うわぁ、あんたさっきの男」
「なんだよ、人を化けもんみたいに」
「ムカつく。」
私は、おもわず本音を言ってしまった。
「へぇー、ムカつくねぇ。あんた、さっきさけんでたこと、ばらされたい?」
やっぱりさっきの聞いてたんだ。
「何のこと?」
私は、知らないふりをした。
「さぁ、何のことでしょうねぇ」
もう ムカつくムカつくムカつくムカつく。
「あんた、名前は?」
「………俺に聞く前に、自分が名のれよ」
もうホントにムカつく。
「私は山本愛里。」
「あんたは?」
「俺は、樹。」
「ねぇ、樹。お願い。さっきのことは、誰にも言わないで」
「じゃぁ、俺の奴隷になれ。」
「はぁ?なに言ってんの」
「ばらされたいの?」
「……分かったわよ」
それから私は毎日、樹の奴隷になり、樹の言うことを聞いた。
「もう、何でこんなことになったのよー。」
私は、素敵な恋愛をするはずだったのにぃ。
「おい」
うわ、樹だ。
「はいはい。今度は何でしょうか?」
「約束しろ……」
「はぁ?」
「だから、俺とずっと一緒にいるって、約束しろ。」
「何よ急に……」
私は、普段さんざん私をいじめてきた樹が、普段と違う事に気づいた。
「……分かったわよ。」
私はその時、樹が、心の中で何か、とてもおもいことをかかえているような気がした。
私は、その言葉がきになって、放課後、樹のあとをおった。
「病院?」
樹がむかった先は、病院だった。
私は、初めて樹のお母さんをみた。
でも、樹のお母さんは、目を閉じたままだ。
「お母さん……」
樹がそう呟いた。
私は、その言葉を聞き、病院を出た。
「樹のお母さん美人だったなぁ。とても樹のお母さんには思えなーい」
次の日
私は、樹に聞いた。
樹が言うには、一週間ほど前に倒れて、まだ、意識が、もどってないらしい。
でも、私には、樹が嘘を言っていることが分かった。
「愛里ちゃん?」
私は、ふりむいた。
「あのぉ、誰ですか?」
「あー、俺は中原友喜。友喜で良いよ。」
私は、ふしぜんに思った。
「あのぉ、なんで私の名前を知ってるんですか?」
「んー、樹から聞いた。」
もしかして、友喜さんって、樹の友達……。
「それより、愛里ちゃん、樹がどこにいるか知らない?」
「知らないですけど。」
何かあったのかなぁ?
「あのぉ、友喜さん、何かあったんですか?」
私がそう聞くと、急に黙った。
「やっぱり何かあったんですね」
「教えてください。」
「………実は今日、樹のお母さんが、死んだんだ。」
え……………。
「5年前、樹が、車にひかれそうになった時、樹のお母さんが、樹をかばって、車にはねられたんだ。」
「それから、樹のお母さんは、意識不明のままで、この5年間、樹は、樹のお母さんを、救うことに必死だった。でも、お母さんが死んだ今、あいつには、何も残ってない。」
「お願いだ、愛里ちゃん、樹を一緒に探してくれ」
「……分かりました。」
「じゃぁ、何かあったら、俺のケータイにかけてくれ。」
「ハイ……」
私は、すぐに樹を探した。樹は、きっとひとりになるのが、怖かったんだ。
だから私に、あんなことを言ったんだ。
私は、探し続けた。
すると、かわらに樹がいた。
「見つけた。」
「樹、みんな心配して探してるよ……帰ろう…?」
「……
「帰る」ってどこに帰るんだよ……?」
「もう俺には帰る場所なんかない……」
救いたかった人はもういない。ずっと、重かった。逃げ出したかった。
「母さんを死なせたくなかった。どんなに手を汚しても……けど……間に合わなかった。俺は何も救えなかった。」
「もう……何もない」
悲鳴が聞こえる
樹の背中から、
壊れてしまう
樹のこころ、壊れてしまう
「…………してる」
「私が、あんたを愛してる。私じゃ、あんたのお母さんのかわりにはなれないけど、あんたのお母さんに負けないくらい、あんたを愛すから……っ!」
「だから、
「何もない」なんて言わないで……。」
ごめん。あんたの苦しみに気づかなくて……ずっと独りしてごめん。
「もう、一人で進ませない。あんたが苦しむなら、私も、あんたといっしょに苦しむ!」
「もう、独りで背負わせない。二人でいっしょに、生きていくの」
その時、私たちは、甘くとろけるようなキスをした」
全部受けとめる。私のこころと体すべてをかくて私は樹を守る。
「えっ、樹見つかったの!愛里ちゃん、ありがとう。じゃぁ、俺今からそっちに行くから。」
長い夜が明けて、朝がきた。
「樹……」
「愛里ありがとう。」
次の日………
「樹、お葬式だよ」
「あぁ」
「ねぇ樹、樹のお母さんは、わかってたんだよ。樹が苦しんでいること。樹が、独りになるよりも、もうこれ以上苦しまないよう、樹の苦しみ全部背負って、天国にいったんじゃないかな?」
「……あぁ、そうだな」
樹……声あげて泣いていいんだよ。
悲しいこと、もう我慢しないで……。
スゥ……
「樹?ねっちゃった?」
きっと疲れてたんだね。
「愛里ちゃん!」
「あっ友喜さん」
「この間は、樹をいっしょに探してくれてありがとう。」
「いえ、こちらこそ」
「あれ?樹寝てんの?」
「あっはい」
「……そっかぁ……あっじゃあ俺そろそろ行くね。」
そして、お葬式が終わり、私と樹は、樹の家へいった。
「おい、なんだこれは?」
「なにってお掃除するの。」
……………俺には、優しさでしか救えないものがある。温もりでしか癒せないものがある。
それを教えてくれたのが、お前だ………。
「樹?どうしたの?」
「まだ、お前に伝えてない言葉があった。」
「………へ?」
「愛してる」
もう
「愛してる」なんて言葉じゃ言いつくせない。
この小説をよんでいただきありがとうございます。 どうでしたか?たぶんまだ、だめだめでしょう。 この小説は、私にとって、初の小説です。 なんだか、みなさんに、よんでほしくなりました。 今回は、だめだったかもしれませんが、私はいつか絶対、凄い小説を書いてみせます。 そしたら、また、よんで下さいね。