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 プロローグ 入学式

ちょっと待って。

うそでしょ?!これはないでしょ、ーーーと。私は今、声を大にして言いたい。




わたし、木村葉月(きむらはづき)です。

…こんにちわー。

や、今の時間帯だとおはようだった。おはよーございます。

聞いてください、実は私は今年、とある高校に入学することに成功したのだけれど。


ちょっと想定に無かった問題が起きてしまって混乱中なんですよ。


どういう事なのかと一から説明すれば長いようで短い事柄なのですが。

要はいま、まさに今思いだしたのである、前世を。そして今を。

ややこしくなりそうなので前世の自分はこの際省いて説明すれば、この入学に成功した学園はどうやら……その自分がプレイしていた『ゲーム』の世界であるという事。


「なんでこ……」


つい声にだして吐き出しかけ、慌てて口を閉じる。

危ない、いまだ入学式の最中である。

隣に並ぶ男子生徒がちらりと気にかけ視線をよこしたのでへこっと口を緩めて謝っておく。

気弱な女子生徒がつい声を出して慌てた図にでも見えただろう。彼は気にせず前に視線を戻した。


(あー、カッコいい)


実はここ容姿が優れてる、ルックスの良いなどいわゆるイケメン、が多い事で事で有名な学園。ちょっと目を周りに目を配れば3回に一度は綺麗に可愛い美しい様々なジャンルのイケメンズ(女子も可)に出会える。


合格通知を受け取った時の私を見たら、だれが見ても「浮かれてる」と言ったでと思うよ。

いや、実際に言われてたけどね!?

いや、だって普通なら見れないイケメン達がここはウヨウヨしてるんだよ?嬉しいでしょ、テンション上がるでしょ。私は、何を隠そう、いや隠してないけどミーハーであり、無類のイケメン好きなんだー。ふははー、イケメンについて話せば長いからーー。

だからこの高校にはイケメンを見る為だけに入学したといっても過言じゃない。

いや、むしろそれが目的の入学です。はい。


そうです、入学理由はちょっと不純であったかもしれないけれど。

自分に前世があったのにもちょっと分かる。理解は早かった。それも今は省くけど所々にサインがあってねいわゆるデジャヴ的な事が何度かあったから。理解と言うより答え合わせな気分で前世に関しては逆にスッキリな気分でいる。


じゃあ何に対してなのかと言えば。

これがね説明が難しいんだけど、以前にややこしいんだけど。

もともとわたしは説明とかちょっと苦手なタイプで脈絡がないとか主語が抜けてるとか、よく言われる。語力に若干かけるけど一応進学できたのだから問題はないはずだ。


ああ!


そもそもこんな入学式の最中に思い出したことに抗議したい。

こんな大勢がいてシンっと静まった場所ではなく寝室とかであれば「うぎゃー」とか人目を気にせずのたうちまわって寄生のひとつでも上げれたのに。


そのきっかけは未だキラキラオーラを出して優雅に話し中だけど。

教壇に立ち話すあのやったらキラキラしたイケメン副生徒会長。


金髪碧眼ってどこの王子様か。

しかし異国の血が濃いであろう彼の容姿にはとても似合っていてふわりと微笑めばそこかしこで黄色に桃色交じりの声なのか吐息なのかが聞こえる。もちろん私も含めてだけど。


実は、彼が舞台上に上がってそれを見上げている時から、チカチカ何かが点滅しているような感じはあったんだけどね。わあ、イケメンだーーー!……いや、でもしっかしイケメンてのは見てるだけでもいいねー。保養だよぉ。でもあれは完全にファンクラブとかついてるぞ~。あれ程の造りの顔がここにはやはりいっぱいなのかなぁ!すごい!

……ってな感じで興奮しててそのサインは上手に見逃したのである。





ーーーーーーーーーーーー皇紀こうきシア




よく通る見た目の割に少し太い声で彼が私たち新入生に向かってそう名乗って挨拶した時、閃いた。


ここがゲームの世界であって、『私』は転生者であることに。

そしてこの世界は前世の『わたし』がプレイしたゲームの世界だったことに。


そのゲームの名前は”モブもどき”。


なんかホラーっぽいネーミングだと思わない?あ、別にホラーとかじゃなく、このゲームは乙女ゲーム。ほらいわゆる乙ゲーってやつだ。前世の『わたし』はこのゲームを寝る間を惜しんでプレイしていた。

それだけハマっていた。

だってどうして好きだったのかまで覚えてるんだよ。『わたし』はこのゲームのひねくれた感が好きだった。


そうひねくれた感。

きっと製作者はすっごいひねくれ者だったの違いない。

モブもどき。このゲーム主人公はモブである。もう一回言おうかモブです。

しかもただのモブじゃないのだ。

主人公は転生者で前世の世界でプレイした乙女ゲームにモブという立場で転生しました、という設定。

よく小説なんかでは話題になるじゃない。「ここはもしや」とか「嘘!あのゲームの中?」とか。

それをリアルに再現し尽くしたゲームそれが”モブもどき”。

実際、主人公がプレイした乙女ゲームなんてのは存在しない。あったと仮定して作られた乙ゲーなので新鮮な気持ちでプレイできる。だからだろうか。同時に結構難しかった。

だって主人公はモブだよ。否応なしに実際のヒロインさんと仲良くなっていくんだけど一言で言えばものすっごい波乱万丈。何回、バッドエンドになってしまったことか!!!一番好きなエンドは逆ハーだったかな。モブからヒロインの位置に収まり、ヒロインは最後大親友になるという、まっさかまさかのエンドになるやつ。何事もハッピーエンドが一番だものね。


けど、今一番の問題はそこじゃない。いや、そこでもあるけど!


このゲーム、モブ主人公に据えてるくせにモブに対しての扱いがそれはひどい。かなりひどい。適当すぎる。基本バッドエンディングは死だったし。違っても間違いなくお先真っ暗な人生が待っていそうなエンドでした。何故に?嫌分かるけどなんで?

だって選択肢の大半は死に繋がるものばかりだった。よく学園運営出来たなおい。


もちろん本物主人公はそう簡単には死なない。基本いつも危ういのはモブ主人公のみ。

そうだよね、主人公だけどモブだもんね。


ははは~。

……。


ちょっと待ってよ。

私はね、モブ主人公でもなければ、本物ヒロインではもっとない。

そうモブなんだ。もう一度言おう、何度でも言おう。


モブです。


3回のうち1回目か2回目かに見るであろう平凡な容姿です。


ただここにいるイケメンを一度は拝んでみたくて入学した、ただの平凡なモブです。

モブ主人公の命が基本危ないのなら、本物のただのモブの命はどの程度危ないのか。


声を大にして言いたい。

誰が死と隣り合わせの学園生活が送りたいといったよ!!

私が送りたいのはただイケメンをイケメンが気づかないところから、ただ眺める学園生活だー!!









再投稿になります。

まことに勝手ながら当初の『もぶもどき』は削除してしまいました…。


設定を詰め込みすぎたのか上手く話が進まなく。

様々な意見もあり、うーんと思って、

思い切って削除の道を選びました。急ですいません。

お気に入りをしていただいた方には深くお詫びします。



知ってる方も何の話?と初めましてな方にも、作者自身も「楽しめる」小説を書けたらなーと思います。

至らない点にはその……温かい目で柔らかーい言葉を添えてコメントなり頂ければすごく嬉しい作者です。


よろしくお願いします 。


識そらた


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