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元魔王の碧眼勇者  作者: 刹那END
第1章 「碧眼の勇者」
11/20

10話 「覚醒」

「会心の……一撃?」


 某ゲームで聞いたことのある言葉だが、それとは別に何かが頭の中で引っかかる。

 もっと違う場所で、人から聞いた気がしたのだ。

 だが、本当に聞いたのは自分自身ではなく、自分の中にいる誰かであり、頭の中に変な映像が流れ込む。



 薄暗い霧のかかった大部屋で、目の前にボロボロの男性が一人、両手に剣を持って、辛うじて立っている。

 その目の前にいるのは、白い髪に蒼い眼をした少女。

 真っ白な肌がより一層、その眼を綺麗に蒼く輝かせていた。

 彼女は無傷で、男の方はボロボロ。

 戦っているであろう二人。その戦況は、見るからに一方的であった。

 だが、男の一言によって二人の戦いは互角になる。



 流れ込んできたのは、ここまでで、その先どうなったのかはわからない。

 急な出来事に(つかさ)も戸惑いを隠せない。


「どーしたの? 固まっちゃってるけど」

「……いや、なんにも」


 あの光景は、元魔王の記憶なのだろう。白髪の少女は、彼女以外の何者でもなかったのだから。

 だったら、いつの事で、戦っていたあの男は、誰だ?

 疑問は絶えないが、自称元魔王は応えてくれない。


「でさぁ! 会心の一撃のやり方なんだけど!」

「ちょっと、今日はやめとくよ。なんか頭痛い」


 深層心理の世界に引きずり込まれてしまったからなのか、頭がいつも以上に重く感じた。


「そぉ? 調子悪いんじゃ仕方ないね。また今度にしよ!」

「そうしてくれ」


 熱でもあるんじゃないかと思うくらいに、だるくなった身体を動かしながら、店を後にする。

 その日の夜、彼はまた、例の世界に身を投じた。

 勿論、自らではなく、彼女に無理やり連れてこられたのだ。


「無理やりとはなんだ! 私に会えて嬉しくないのか!?」


 真っ白な空間に、真っ白なワンピースを着た、肌の白い、白髪の少女が目の前に見える。

 本日、二度目の事ではあるので、嬉しいか嬉しくないかと聞かれれば、嬉しくないと答えたい。


「なんだと!? 私を二度も拝める日など、普通はないぞ? というか、私が君の中にいる時点で、これから、君は一日に何回も私を拝むことになる」


 一人で落ち着けることが無くなったということか。

 それはとてつもなく、衝撃的な話だ。


「出てってくれることはないの?」

「私にもまだ分らんが、限りなくゼロに近いだろう。それに君は、もう私と契約を交わしてしまった」

「契約……?」


 夢の中だから寝ぼけていたのか、今日の出来事をすっかり忘れていた。

 目の前にいる少女と、本日、キスを交わしたのだ。

 急に面と向かっているのが恥ずかしくなり、目を逸らした。


「どうした? また接吻してほしいのか?」

「ちげえよ!」


 からかっているのか、本気で言っているのか、分からない表情だったが、すぐに微笑して、前者であると分かる。

 自分をからかう為だけに、夢の邪魔をしに来たのか。


「それも私の楽しみではあるが、今回は別件だ。君も気になるだろう? 私がその時代に魔王だったのか?」


 夢に出てきてもらうほど、気になってもいない。

 それよりも、変な映像を見せて、人の体力を奪っていったようなことを、今後一切しないでほしい。


「すまん……私自身も初めての事なのだ。大目に見てほしい」


 しゅんと凹んで見せる彼女は、気を取り直して、話を続けた。


「私は、一個前の魔王。つまり、勇者に倒されてしまった魔王は、私なのだ」


 あの映像を見て、男はもしかしたら勇者なのかもしれないと思っていたが、それはどうやら当たっているらしい。


「君も見たように、私はあの男に倒されてしまうことになる」

「ちょっと待って。その先はもう話さなくていい」


 これ以上、首を突っ込んでしまっては、いけない気がした。

 いつも面倒くさい事から逃げてきた自分の勘が、そう言っていた。


「いいのか?」

「ああ。もう十分だ。それより契約って、面倒くさいことにならない?」

「面倒……? よくわからないが、君の不利益にはならないように私も努めていきたい。っと残念ながら、ここまでのようだ」


 彼女は微笑んで、ふわりと消えてしまった。









 次の日の放課後。彩音に書道部の部室まで一緒に行こうと誘われる。

 どうやら例の作戦の会議を行うらしい。

 気が進まないまま、一緒に女王の部室に赴く。

 部活を二日連続も休んでいいのか、と聞いてみる。


「いやダメだよー。先生にバレたら殺されちゃうから、絶対内緒ね!」


 彩音が魔法を使ってしまえば、殺されるのは先生の方だろう。

 そんな、ありもしない事を考えながら、部室のドアをノックして入ろうとするが、彩音に前を行かれ、ずかずかとドアを開けて入って行ったので、彼女の後を追いかけるように、部室に足を踏み入れた。

 部室にはシャーロットとその使用人、そして、八崎の姿もあった。

 八崎を無視して、一人黙々と本を読んでいた様子のシャーロットは、本を閉じる。

 教壇の上に立って、黒板に何かを描いていた八崎は、後ろを振り返って声を上げた。


「よぉ! これでメンバー揃ったな!」


 適当に座っといて、と言われたので、文字通り、黒板と五メートルくらい離れた席に座る。

 あんまり前に行き過ぎると、黒板が近すぎて逆に見づらいので、このくらいの位置がちょうど良いだろう。

 八崎は、二人が部屋に入ってきても、黙々と黒板に地図のような絵を描いていた。

 描き終えて、チョークを置き、手の白い粉を払うと、此方を振り返った。


「じゃあ、今から、『十億円の懸賞金の掛かった金城をみんなで捕まえよう大作戦』の概要を説明すっから」


 長い作戦名に対するツッコミを入れようか入れるまいか、迷っているうちに八崎は説明を始める。


「まず、俺の魔法で魔界の幽霊のいる地域の治安維持局に行く。この前、良と彩音がいた場所な? そんで、そこの職員の中にいる、金城と繋がりを持ってる内通者を見つけ出す」


 金城は、彩音が動けない状態であることを知って、彼女を狙おうとしていた。

 彼女が重傷を負っていると知っているのは、自分以外には、治安維持局の者だけだ。

 治安維持局の者の中に、金城に対して、情報を漏らした者がいると、考えるのが妥当だろう。

 そんな事を知っているのは、金城と話した自分だけで、知らないシャーロットは納得できずに、八崎に尋ねかける。


「どうして、内通者がいるとお分かりになられたの?」

「金城は彩音ちゃんが治安維持局にいる事をあらかじめ知っていたらしい。彩音ちゃんはあの日、治安維持局に行く予定なんて、なかっただろ? だったら、どこからか情報を漏らしているヤツがいるってのが普通だ」

「治安維持局の内部にいるとは限らないんじゃなくって?」

「局内にいなかったとしても幽霊の中にはいるだろう。幽霊の土地は、霊類全体の土地でもある。そう簡単には、獣類の骸骨は立ち入れないよ」


 いつもよりも真剣な面持ちで会話をしている八崎だが、その恰好はだらしないままである。


「それで、内通者を捕まえてやってもらう事は二つ。彩音を狙う理由を吐いてもらうことと、金城と連絡を取ってもらうこと」


 内通者がそう簡単に口を割るとも思えないし、バレたとしても、金城と連絡を取り合うことなど、到底できそうにない。

 その事を見越した上で、この作戦でいこうというのだろうか。


「どういった連絡を取ってもらうおつもりで?」

「それはだな……――――」



 八崎は、それから一時間くらい、作戦についての話をした。

 いつもはダルそうにしているだらしない教師でも、命の懸かった仕事ともなると、いつものようには振舞わない。

 そして、作戦の中では、やはり自分は囮役としてしか使われない。

 金城に狙われている彩音も同様に囮だが、戦闘には加わり、自分は加わらない。

 魔法もまともに使えないということで、八崎から渡されたのは一丁の銃とその銃弾だった。


「銃なんて効くのか? てか、使い方知らんし」

「威嚇にはなるから持っとけ。使い方は、ほれ。こうして、こうして、こう、な? 簡単だ。やってみ」


 八崎の見様見真似でやってみるとできたが、実践でもできるかは、自信がない。


「じゃあ、行くか。魔界に!」


 なんの心の準備もなしに、銃を持たされたまま、急に魔界に行くことなど承知できるはずもなく、「ちょっと待て」と声をかけようと思ったのも束の間、目の前の光景がぐしゃりとひしゃげた。


Latpias(ラトピアス) myliboti(マイリボティ)


 瞬きした内に、先ほどまで屋内にいたのが、屋外になり、目の前に大きな建物が見えた。

 どうやら、八崎の空間移動の魔法によって、魔界に来てしまったらしい。

 その入り口から、見た事のある人物が、姿を現し、此方に向けて挨拶をしてくる。


「八崎さん。元気そうじゃの」

「お久しぶりです。局長さん。お陰様で元気にやっています」


 八崎は、スーツを着た赤ん坊に頭を下げた。

 その後ろには、生前は幼稚園の先生だった、塩谷の姿もあった。


 勇者に対して、警戒心を抱いていた幽霊が、こんなにも協力的なのは、英雄と崇められる彩音だけでなく、八崎という存在も大きいようだった。

 八崎がそんなにすごい人物には見えないが、彼の魔法は便利だ。


「空間移動の魔法とか、俺でも使えるわけ?」


 無視される覚悟でシャーロットに聞いてみると、案外、あっさりと答えてくれた。


「あなたには無理でしょうね。自分でイメージしやすいものや願望が、自分の魔法になるの。空間移動は誰でもイメージしやすいようだけれど、実は誰でもできるものではないわ」


 移動なんて面倒くさいので、魔法でできれば楽そうだが、誰でもはできないと聞いて、少し残念である。

 八崎も移動なんてだるいとか思っていそうなので、自分にもできる要素があるのではないだろうか、とも思える。


「じゃあ魔法って、イメージできれば、なんでも使えるってこと?」

「そう簡単な話ではないわ。魔法にも段階があって……まあ、今のあなたに話しても理解できないでしょう」


 確かに理解できる自信はないので、途中で止めてくれて、此方としても助かる。


 幽霊の治安維持局に来て、今からやることは、内通者を特定することだ。

 その方法は、魔力の量の多い幽霊を見つけ出すこと。


 内通者として、金城とコンタクトを取るには、魔法を使うほかない。

 また、幽霊は元々、魔力を多く持つ種族ではないので、魔法を使える者も限られてくる。

 その為、内通者は魔力の多い者である可能性が高い。

 魔力が有る無い、多い少ないを特定する事は、慣れれば誰でもできるようになるらしい。


 建物内を歩き回って、局内にいる幽霊に会って、八崎が魔力を確かめていった結果、三人の幽霊に容疑者は絞られる。


「まあ、三人に絞ったのは殆ど俺の勘だけど」


 だらしないおっさんの勘で無実の人が疑われると思うと、なんとも気の毒な話だ。

 そんな事を思っているのを、表情から読み取られたのか、八崎は口を開く。


「三人の中に無実のヤツは多分いねえよ。じゃあ俺は三人と話してくっから。シャーロット、作戦通りに頼むぞ」


 八崎はどこかへ行ってしまった。

 三人が三人とも内通者の可能性がある、と言いたいのだろう。

 それを確かめるのは、八崎に任せるとして、自分は、今から何をすればいいのか分からない。

 このまま、ぼーっと突っ立っていてもいいのか、とやるべき事を探していた時、金髪の女子高生に声をかけられる。


「何をぼーっと突っ立っているのかしら?」


 彼女の言う通り、田んぼに備え付けられたカカシのように立っていた。


「なんかやることあるの?」

「やる事ならありますよ?」


 そう言うと、彼女は手に持った長い縄を自分に見せつけてくる。

 何か変なプレイでも始めるつもりなのか、綱引きがしたいだけなのか。

 どちらにせよ、嫌な予感しかしないので、苦い表情をする。


「変なこと考えてません? 変態さん」


 彼女はニコリ笑ってみせたが、目は笑っていなかった。









「いっ……てぇ……」


 鈍い痛みが頭に走った。

 鈍器で思いっきり後頭部を殴られたかのように、頭の中がぐらんぐらんしている。

 地震が起きたのかと思えるくらいに揺れていた。

 身体はうつ伏せの状態で、頬に地面の冷たさが伝わってくる。

 両手は後ろで金属製の何かで拘束され、足も同様に拘束されている。


「どこだ……ここ……?」


 目を開けたり閉じたりしても、見える景色は変わらず、真っ暗なままだ。

 何も見えず、ここがどこで、今の自分がなんでこんな状況に立たされているのか、分からない。

 一時的な記憶喪失なのだろうか。

 目を覚ますまでの記憶はなく、ただ頭が痛いだけだ。

 一つずつ、自分の身に起きたことを振り返ろうとしても、頭痛が酷く、その邪魔をしてくる。


「くそ……」


 体を起こそうとしても、拘束されているので、無理だった。


(どうしてこうなった……? なんでこんなとこいるんだ……?)


 自分の中にいる白髪の少女に聞くが、返答はない。

 目を開けて、光を探すが、見つかるのは闇ばかり。

 意識を取り戻して、数分が経過して、やっと暗闇の中に光が差し込んだ。

 眩しさのあまり、目を瞑ってしまい、誰かが助けに来てくれたのかと思ったが、すぐに自らの状況を理解する。


「自分からやって来るとは、マヌケなモルモットだ」


 身震いするほど、威圧感のある低い声。忘れるはずもない。

 光に慣れた目が捉えたのは、肌の色ではなく、真っ白な髑髏の顔。


「金城……!?」

「作戦は失敗だ。お前らは――――俺を舐めすぎだ」


 骸骨の手に握られた黒いものが、良に向けられる。

 意識を失う前は、それを内ポケットに入れていたはずだ。


「こんな玩具じゃあ、俺はもう死なないが、お前と後ろにいるヤツは違う。その脳天に一発撃ち込むだけで、心の臓に撃ち込むだけで、幽霊となって魔界の住人の仲間入りだ」


 後ろに誰かいるのか、とうつ伏せのまま振り返ってみると、まだ目を覚ましていない様子の彩音がいた。

 そして、金城が扉を開けたことによって、自分が今、コンテナのような金属製の大きな箱の中にいることが分かる。

 先に()らなければ、殺られる。


Weith(ウェイス) masfel(マスフェル)!」


 そう思って、咄嗟に出た魔法がそれだった。

 目の前の骸骨を燃やすべく、白い炎が足元から沸き上がり、体全体を包み込む。

 手に持っていた銃が投げ捨てられ、骸骨の纏っていた黒い布は一瞬で灰になった。

 これならいけそうだと、思っていた矢先に思い出す。


『骸骨には火系統の魔法は通じないから』


 碧い眼をした彼女の言う通り、白い炎が消えても、そこには骸骨が平然と立っていた。


「白い使い魔は、出さないのか?」


 投げ捨てた銃を手にとって、再度、銃口を良に向けた。


「俺も流石に油断したが、今回はそうはいかない」


 銃声が鳴り響くのと同時に、一斉に木々にとまっていた鳥ではない変な生き物たちが大空を舞う。

 銀色の箱の周りは、木々の生い茂った森だった。

 その事実に良は気づく事もなく、ただ、痛みに悲鳴を上げる。


「っ……ああああああああああ!!! ぐ……がぁああああ……!!!」


 撃たれたのは右足の脹脛。

 その場所を確認する前に、骸骨は再度、引き金を引いた。

 左足の脹脛。

 右足の太もも。

 左足の太もも。

 弾を入れ替えた骸骨の手は休まらない。

 その内に声すらも出なくなって、コンテナの床には血溜まりができていた。


「ラストか」


 そう言って、最後の一発を脳天に撃ち込もうとした時、引き金を引こうとした指が急に動かなくなる。

 自らの指が凍っているのを確認した瞬間に後ろを振り返ろうとする骸骨。

 だが、既に後ろでは金髪の女子高生が、魔法をかけようとしていた。


Regfniez(レグニーズ)。作戦完了です」


 彼女が息を吹きかけると、一瞬のうちに金城は凍り付いてしまった。


「大丈夫か? 良! すぐに手当てさせるから!」


 シャーロットが血だらけの良に近づくのと同時に、後ろから八崎の走ってくる姿も辛うじて捉えることができた。

 これで全て、終わったと、普通ならば安堵するはずだが、自分だけが気づいていた。

 金城の底知れない狂気。

 口をぱくぱくと動かしながら、凍りついた骸骨の方を睨みつける。


「き……を……つ……け……ろ……!」


 傍にいたシャーロットが、その言葉を読み取ったときにはもう遅かった。

 一瞬の内に骸骨と彩音が、三人の視界から消え失せ、コンテナの周りを数百人の骸骨が取り囲んでいた。


「作戦完了……どこが?」


 良の視線の先、シャーロットと八崎の背後に凍らされたはずの金城の姿があった。その足元に彩音は倒れている。


「俺は同じ能力のヤツをやる。シャーロットは他の骸骨をやれ」

「無理です! 数が多すぎますし、私の魔法の方が、分が悪いです! それに彩音さんが!」


 口ではそう言ったがすぐに周りにいた数十人の骸骨を魔法で凍らせる。


「彩音は、俺がなんとかして助ける! 良は、隙を見て精霊の元に連れてくから!」


 そう言うと、八崎は目の前から消える。

 良はその光景をただ、見ている事しかできない。

 もう体のどこも動かす事もできず、瞼も重くなっていく。

 金城が眠ったままの彩音を担いで去っていこうとする背中が見える。

 彼女は自分を守ってくれた恩人だ。


「ぐ……ぞ……ぢぐじょう……」


 目は段々と、その姿を捉えられなくなっていく。

 暗い闇の中に消えていく。

 だが、彼女だけはだめだ。絶対に見捨てる訳にはいかない。

 血眼で遠のく意識を必死に保とうとする。




 その瞬間、白髪の少女が目の前に現れた。




「言ったはずだ。君が負けることを私は許さない、と」


 少女は、不敵な笑みを浮かべながら、碧眼で血だらけの自分を見つめる。

 すると、彼女は腰を屈めて、顔を近づけてきた。


「君は私に何をくれる?」


 彼女の尋ねかけに答える前に、彼女と唇が触れ合った。

 その瞬間、見えていたはずの白いワンピースの少女はいなくなり、目の前が急に明るくなった。

 同時に、先ほどまで見ていた光景が薄く青みかかっている。





 彼の瞳の色は、黒から青に変化していた。

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