勇者の存在
また新しい単語かでてきた。光の剣はわかる。だか勇者?いわゆる英雄のことか?
「その人族の勇者というのはなんなんだ?」
その問に答えたのはキャシーだ。
「勇者というのはあなたみたいに召喚された強力な力を持った人族なのよ。無詠唱魔法を高いレベルで扱いあなたみたいな光の剣を使うらしいわ。私があなたを召喚したのは勇者に対抗してほしいからなの。」
レーザー近接兵器を装備しサイキックを使うか…超脳内蔵の人造人間か、訓練された天然能力者かも知れないな… いや、そもそも自分のいた銀河系ともかぎらないか。
「そもそも、この戦争は種族間差別が原因なのか?それとも生存環境が圧迫されているから?宗教戦争?まさか捕食対象じゃないよな。」
戦争は外交手段であり、主義のぶつけ合いでもある。自分は神は信じていないが(そもそも犬で兵器だし)神を戦いの理由にするものは一万年以上の人類史についてまわる業のようなものだ。生存闘争なら相手を滅ぼさないと自分が滅ぶという危機感があるが、宗教戦争は神がみとめないからという理由で殺せるので狂気に方向性がつき、止めることが困難になるのだ。
「私たち獣人や亜人は差別されているの。説明でよぶけど獣人や亜人というのも差別用語だから。神様に関しては高位魔法やそれ以上の魔法を使う時に力を借りるから自分の属性によるのだけど、人族は自分たちを(完成された種族)であるという純人思想にもとっいて世界制覇を目論んでいるの。」
社会主義みたいだが、そこまで思想として完成されたものではないな。むしろ貴族主義の典型みたいだ。
「人族は王国国家なのか?」
「ええ。ハイランド王国。私たちの倒すべき敵。」
これは地球歴中世くらいの政治レベルだな。それに重火器に相当するサイキック(魔法)がある。戦争参加は決定だが戦争終結は双方見えてない可能性がある。本気で絶滅か全異種族奴隷化とか考えてたらどっちの国も滅ぶぞ。
「自分や人族の勇者みたいのを召喚して戦力をあげるのはいい。同時に外交の落とし所は考えているのか?」
そういうと二人ともよくわかってないみたいだった。
「この戦争に勝つには相手側のタカ派を倒して、同時にハト派政治家に共存か不可侵を認めさせる交渉人が必要だ。さもないと戦争の終わりが見えないぞ。」
相手側の勇者がもし自分と同じ銀河の人間ならこのくらい分かりそうなものだ。別世界の人間か、それとも戦争好きの異常者か。バカでも狂人でもろくなことがないな…