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戦場の犬 魔法使いの猫  作者: ふーる30代
8/9

シチの実力

精神世界からシチが目覚めるとエーミアさんに隣で撫でられていた。


「あっ。おはようシチくん。身体は大丈夫?痛い所ない?普通は子どものうちに精霊の加護をうけるから、大人でしかも犬の儀式なんて初めてだったから突然倒れてびっくりしたわよ。」


「ご心配おかけしました。精霊契約は無事できましたよ。」


「わかるの?低位精霊と対話したとか?普通は低位精霊は意志疎通とかできないけど?」


「いえ。精霊ではなく守護霊に精霊との仲介者になってもらった形ですね。自分が魔法を鍛えれば自分本来の力も十全に使えるという話になりました。」


「ふぅん。なにか理由があるのね。」


そうエーミアさんが一人で納得したようにしていると。話に入れなかったキャシーが


「これでシチも魔法が使えるようになったんだからこんどはシチの実力を見せてよ。魔力が大きいのは感じていたけど、シチ自身は魔法がない世界からきたんだしどれだけ強いのか把握しておきたいわ。」


なるほど。クライアントに対するデモンストレーションだな。



「了解した。だか自分は手加減が苦手だから模擬戦とかはあまり得意ではない。」


「うーん…。それだと訓練場とかじゃ難しいかも… 森のモンスターでも狩りにいく?」


「狩り?野生動物のたぐいなら問題ないだろうが保護動物とかはいないのか?」


「モンスターは一般には危険な生き物だから積極的に間引かないといけないの。普通の動物との見分けかたは教えるから、今から行こうよ。」




獣人の街から一キロも無い距離に森はある。というより大きな森を街と街道で両断したような形になっていて、街道から少し離れれば森になっていた。


今回は北側の森に来ている。人族の国は南側にあるため、南側のモンスターはある程度生かしているという。


「動物とモンスターの一番の違いは取り込んだ精霊の違いなの。この世界の生き物は全て魔力を持ったら精霊を取り込んでいるの。でも精霊には邪精霊という存在もいるからこれらを取り込まないようにヒトは子供のころに普通の精霊と契約をするの。邪精霊は普通の精霊を食べるから邪精霊憑きは同族でも食べるし、たくさん食べると突然変異するの。精霊が見えるなら邪精霊は悪いオーラをまとって見えるのよ。」


精霊契約は魔法が使えるようになるだけではなかったのか。とシチは思ったが、悪いオーラというのはよくわからなかった。しかしなんか見えるだろうといちいち聞くのはやめておいた。


森に入って十分もしないうちに各センサーが生物を感知した。


「早いな。普通野生動物の狩だと探すのが大変なんだがな。」


目の前に現れたのは自分と同じ位の犬?いや、狼のようだ。鼻先から尾の先までで2メートルくらいか?(シチは戦闘用なので柴犬だけどでかい)


デモンストレーションなら派手なほうがいいか。と戦闘体制をとる。


「質量圧縮兵装・バイトエッジ 、開放。」


首輪型の開放機から顔の前に双刃のナイフが出現し、それのつかの部分にある歯形に噛み付く。


口が塞がったのて、声には出さずに脳内でイメージ入力、レーザーエッジモード、起動。くわえたナイフの刃が変形して、そこからレーザーの剣がのびる。


それを見たエーミアは「光の剣?一体どこから…」などと呟く。


突然の発光は威嚇の意味もあり、これで引くなら野生動物だろうという意図で再度狼を確認する。


視覚的には暗い色の揺らぎ、夏のかげろうに色がついたようなものだが、自分の精霊の影響か理由なき嫌悪感を感じた。悪いオーラとは言い得て妙である。


狼は怯ますに今にも飛び掛かろうとしている。数は5匹。こちらから突っ込んでもいいが、前にデモンストレーションが速すぎてクライアントが見えないことがあったのでカウンターをねらう。


「グルゥゥゥー。」

「ギャウ ギャウ。」

「ウゥーーッ。」



彼らも隙を伺っているようだ。だがあきらめはしないらしい。ならばと前に飛び出すふりをして1メートル位で踏みとどまるフェイントをかける。


「「「「「ガァーーーッッ。」」」」」


この程度のフェイントに引っ掛かるのか?と呆れながらも、軽くステップするように距離を測りながら狼たちの横をとおりすぎた。

「「「キャウン。」」」

3匹は首から上が残ったらしいが2匹は顔ごと消し飛んだようだ。


自分はバイトエッジをノーマルに戻し軽く上に飛ばして、背中にある圧縮機に落とすように収納した。


「まあ、この位は基本的な戦闘かな。もっと大きな相手でも対応は可能だぞ。」


そう、キャシーとエーミアの方を見るとキャシーが

「光の剣って、人族の勇者のなのよ…。これってどういうことなの?」


そう言うのだった。

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