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戦場の犬 魔法使いの猫  作者: ふーる30代
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精霊使い

そこは地球の歴史を知るものが見れば中世の町を思い浮かべるだろう。ただし並び建つ家々に統一性がない点を除けば、であるが。

「違う世界からきたのよね。町並みが珍しい?」


「ああ。今まで自分がいた所とは大きく違うな。宇宙開発がされていない惑星なら(魔法文明)がある以上、科学発展の必要性はあまりないのかもな。」


「宇宙ってあの夜の星空のことよね?開発?科学発展?シチの世界って想像つかないわ。」


さもありなんと思う


「その話はいつか、な。とにかく案内してくれ。」

「わかったわ、ついてきて。」


そうして街中から郊外のちいさな林にある小屋まで歩くとキャシーは言う。

「ここが精霊使いエルフのエーミアの家よ。」


また新しい単語がでたが話が進まないのでうなずくだけに留めておく。


「見た目が人族ににてるけどきにしないでね。 エーミア様ー、いらっしゃいますかー?」


キャシーはドアを開けようとする。ノックしないのか?


「返事を聞かないままドアを開けるのは感心しませんよ、キャシー。」


ドアではなく小屋の裏手から現れたのは人間?の女性だった。線が細く耳が長い。色白な肌の女性は小屋の前にあるカフェテーブルとならんだ小さな椅子に座って、対面側の二脚の椅子に手を向けて「かけなさい」といった。


キャシーはともかく自分もか?と思うがここはおとなしく椅子に軽く飛び乗り犬座りをした。


「あらかわいい。この子あなたのペット?」


少し思う所があったが自分のベースである(地球の犬)は最も地球人に飼われた愛玩動物であることを思いだし余計なことは言わないようにした。


「違います。彼は傭兵のシチ。異世界の戦士らしいですよ。今日は彼に精霊契約をしてほしいのです。」

そういうとエーミアは一瞬黙りこんだかおもむろに口をひらく。


「冗談かと思ったけど凄い魔力なのよね…。あなたケットシーの族長から勇者対策に召喚魔法をするように言われたそうね。つまり…」


これは自分の見た目のせいで雇い主が侮られているということか?ならば…


「違いますエーミア様、彼は…「よろしいですか?エーミアさん。私は彼女に雇われた傭兵シチ、私は精霊のいない世界からきました。なのでこの世界で活動するためにあなたの力を借りたいのです。」


「なにこれ喋った!かわいい。キャシーより私が雇うわ。というよりうちの子になりなさい。もっと近くにきて撫でさせなさいよ。」


あぁーいるいるこんな人メンテナンス中に意味もなく触りまくるスタッフとかいたなぁ。というか科学文明がない世界でメンテナンスどうしよう。


重要なことを思い出したシチだったがとりあえず今は精霊契約の話である。


「契約に関しては戦争終結をめどに組まれているのでせいぜい任務外時間での短期契約ということになりますが、今回の精霊契約というものが有料なら、そのぶんそちらの元で働かせてもらってその代金にあてますが。」


「けっこう真面目なのね、いいわ。今から精霊契約の準備をするから林の奥の祭壇まで先に行っててちょうだい。」


そして件の祭壇までは5分も歩けば到着した。エーミアさんは準備といったが手ぶらでやってきたようだ。いやアクセサリーらしきものを身に付けているか?

「ではシチくん。祭壇の真ん中に座って。」


いつもの犬座りである。むりしてあぐらとかはしない。


「やっぱりかわいい。じゃなくて今からあなたの魔法適正をみて、そこに適した小精霊をあなたの身体に呼び込むから。(わが目はその魂を視る。識者の魔眼)」


「どうやら適正自体は基本4属性、中でも土が強くでているわね。あと守護霊つきね。人族の霊だけと。高位属性で闇までいけたら降霊術で呼べるかもね。」

降霊術?また新しい単語だ?しかし今は精霊契約である。この世界にきて精霊という存在を知り、この精霊契約だけは必ずしなければならないとなぜか思っていた。


「では呼ぶわよ。おいで。火霊、水霊、風霊、土霊。この子に加護を与えてあげて。」


エーミアさんのまわりにキャシーより大きな光の玉が4つ現れ、自分に近づいてきた。そして光の玉からそれぞれ光の粒子が自分の身体に浸透していった。


「これは…サイキックセンサーに反応!零距離で血液から脳へのテレパシーだとっ!!これは受け入れるべきものなのか?マインドガードは停止、テレパシーを受信する。」


その瞬間意識が落ちたのだった

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