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無ジルシ  作者: yukia
第一章
3/3

新しい生活

周りの人に見放され、ライナにまでも・・・

そこに差しのべられた手、ジルはどうするのか。

「私と一緒に来てくれる?」

ジルは掴もうと手を伸ばした。

しかしあと少しのところで手が止まる。

このまま掴んでしまっていいのだろうか、ライナにありがとうも言えてないのに。

ジルの手が少しずつ下がっていく。

「ごめん、やっぱり無理だよ。君の期待に応えられそうにないから。」

本当は掴みたかった手が遠ざかってゆく。

「そっか、わかった諦めるよ。でもこれからどうするの?死刑になるのが落ちだよ?」

「それでもどうしても会わなきゃダメな人がいるから。」

「その人は大切な人なの?」

なぜその質問をするのかジルにはわからなかった。

「うん」

「じゃあさ、生きてあった方がいいよね。そのひとのためにも。」

その言葉にグサリと来た

この手を掴んだら生きれるのだろうか、この手を掴んだら元には戻れない気がする。

遠くの方で足音が聞こえる、追手が来たのだろう。

手を見つめて彼女を見る、すると彼女が笑ってくれた。

どのみち命がないなら掴んでしまえと思った。

彼女の手を掴むと、女の子らしい柔らかく温かい手だった。


彼女は背中から羽を生やし。

空高く舞い上がった。

もはや完璧な天使である。

下を見下ろすと下には公開処刑のために集まったたくさんの人がいた。

見物に来たのであろう。

あの中にライナはいるのだろうか・・・

今叫んだら届くのだろうか・・・

唾を飲み込み大きく息を吸った。

「ライナ~、ありがとう~またな~」

その間にもう下は見えなくなっていた。


ライナはそのころ家のテレビを見ていた。

生中継で処刑のニュースがしていたからだ。

助けに行こうと何度も思ったが、親に自室に閉じ込められ、テレビを見ていたらどこのチャンネルでも緊急ニュースが飛び込んできた。

ジルが処刑?嫌だ今までいつも私のそばにいて、ジルがいたから私頑張れたのに。

そう思うと涙が出てきた。

これで何度目だろう・・・

目の前のテレビが霞んで見える。

するといきなり爆発音が聞こえた。

レポーターの後ろに見える建物が煙を上げている。

「なにが起きてるの?ジル・・・大丈夫だよね?」

少し時間がたってから煙が変な動きをした。

一斉に上に向かって上がるような。

まるで煙が加速したようなそんな動きだ。

そしてテレビから信じられない音、いや声が聞こえた。

ジルの感謝の言葉が大音量で入ってきた。

「ジル、どうなったのよ。答えなさいよ。ジル~」

ジルがいなくなったと聞いたのはその数時間後だった。

安堵と喜びそして、不安が胸をいっぱいに満たした。


「あのさ~どこに向かってんだよ、辺り森とか自然だらけだぞ?」

「だいたいおかしいだろ・・・なんでドラゴンとかいんだよ~~~~~~」


「ぎゃおおおおおおおおお」


今ヘヴンとジルはドラゴンに襲われていた。

【かっこいい・・こんなのいたらいいなぁ】

入り組んだ空路を全速力で抜けようやく落ち着くことが出来た。

『ジル君、あそこで休もっか』

おっきい葉っぱの下に着陸する。

「質問することが山ほどあるんだが、いいか?」


『うん、いいよ何でも聞いて』


「まず、この世界はどうなってる?なんでドラゴンとかいんだよ」

「それに人間界と魔法界では次元を行き来すんだろ?」


『なにそれ、違うよ?』

バカにした感じで笑いながら言う

『人間界はね?ごく一部だよ。知らない世界はたくさんある』

『人間界は外殻があるから外の世界はしらないだろうけど、この世界は外殻をはって生きる世界が2つあるの。それが人間世界と魔法世界』

『それでねその周りすなわち私たちが今いるところが、無世界っていうんだ』

『昔は魔人も人間も共存してたらしいんだけどね、でも君がいってたのは間違いではないよ。元々2つの世界は別々の次元にあったらしいし』


そんな次々と出てくる言葉にジルは頭が追いつかなかった。

「ちょっとまて、つまり人間界と魔人界は同じところにあって・・・・うん?」

ここである疑問が浮かぶ。

「じゃあさ、どうやって戦争なんかするんだ?外殻があるんだろ?」


『外殻を通して戦うのよ。外殻にはね外殻ラインってのがあって外殻に通じるゲートがあるの、外殻ラインは人間界と魔人界を結ぶ広い広場で、そこで戦うの』


「それっておかしくないか?外殻があるのに戦っても何も手に入れれないじゃないか」


『違うのよ、それはもう行事なの。戦うしかないのよ』

『産まれた時から敵同士なの、そりゃあ中には戦うのは反対だって人もいるけどね』


「ふ~ん、なんか悲しいな」

そんなことを思いながら自分の今後になにが起こるのかとても不安になってきた。

なんやら色々説明されたがよくわからん

が、とにかくこれからのことを聞こうと思ってヘヴンの顔を見るとまた彼女の方から話し始めた。

『話し戻すけどさ』


「ん?」

ジルにはヘヴンが何を言ってるのかが分からなかった

それを察したヘヴンがはぁ~とため息をつきながら話を続けた

『ドラゴンよ、ドラゴン。なんでいるのか、それはね魔法世界にもともと生息していたのが世界が合成・・・あっ、これを世界融合っていうんだけど・・・それで人間界の生物と魔人世界の生物が一緒に生息することになったの。でもね、圧倒的に魔人世界の生物の方が強かった・・・大体の人間界の生物は絶滅したわ。』


「外殻ってなんで造ったんだ?あんなもんどうやって・・・」


『そんなこと知るわけないじゃない』

とジルの質問を一蹴りすると立ち上がった

『さてそろそろ行くわよ』


「どこに?」


『貴方をこれから連れて行くところわね、魔人と人間の間の人たちが住むところ・・・・無人界・・・・よ』


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