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ヤンデレ彼女と学校

学校だよ!

で、手をつなぐ相手はさゆりになった。


「暖かいね」


「暑いんだが」


「でも暖かいも~ん♪」


「はぁ……」


で、そのまま教室に着く。俺は鞄を自分の机の横に提げて、椅子に腰掛ける。

そして何故か、隣の席にさゆりが座る。


「えっと、何故隣に?」


「許可が出たからだよ~。今日からわたしは、このクラスの生徒で、席は雪君の隣だから、よろしくね♪」


うん。絶対に脅迫まがいなことしたよねこの子。


そして、一回離した手を、また取ってずっと離さないさゆり。


「なあ、暑いって」


「わたしが暖かいと思ってるんだから、雪君も暖かいはずだよー!」


何その理論!? 俺は暑いんだよ!

しかし、さゆりに離す気はさらさらないようだ……。


「よ! 今日は彩乃じゃなくて別の女の子とイチャラブしてるのか!? まったく羨ましい限りだぜ」


出てきたのは、小学校から今までずっと同じクラスという腐れ縁の、優也(ゆうや)


「お前には、俺の今ある状況が羨ましく見えるわけだな?」


「ああ! 教室でそんな可愛い美少女と手なんか繋いじゃって! お前は全国の非モテな男の憧れだぞ!」


「お前は分かってない! 俺が今楽しそうに見えるか!?」


「見える!」


あぁ、こいつはそういう奴だ。いい奴なんだが俺の気持ちを察してくれよ! なんでさゆりが、俺と手を繋ぐ反対の手で、カッターを握っているのかを考えてくれ!


「えっと、雪君の友達の優也さんですよね? わたしは雪君の彼女のさゆりです! 応援よろしくお願いします!」


「お、俺の名前を知っているなんて光栄だなぁ! よし! 任せろ! 俺が雪とさゆりちゃんが幸せになれるように応援してやるよ!」


はぁ……。優也まであちら側に。周りが全員さゆりについたら俺はどうなるんだ?

まさか強制結婚とか!?

お、恐ろしい! 後で優也には本当のことを言わないとな……。


「わたしと雪君はず~っと一緒だよ?」


はあ、ほんとに結婚しそうな勢いだな……。


そして授業に入る。


「雪君雪君!」


「なんだよ?」


「教科書教科書!」


「はいはい。見せますよ」


「雪君雪君!」


「何?」


「ここ、分からない」


「ああ、ここは、こういう意味でな」


「雪君雪君!」


「ん?」


「だ~い好き♪」


「……」


はあ、なんだかなー。疲れるんだけど、可愛くはあるんだよなぁ。

純粋って言うか、子供っぽいって言うか。そう言うところは可愛くて好きなわけだが……。

でも俺は彩乃が好きなんだけどなぁ……。

このままだと本当にさゆりに流されてさゆりとくっついちゃってってことになりかねない!

これはどうにかできないものか……。


「真冬!」


「……」


「おい! 真冬!」


「は、はい!?」


「お前授業聞いてなかっただろ? 廊下に立ってなさい!」


「は、はい……」


そしてさゆりは当然のように立ち上がり、


「わたしも授業を聞いてなかったので、一緒に立ってま~す!」


と、俺にべったりと着いてくる。


「えへへ、これで一緒だね♪」


また手を握ってくるさゆり。


「さゆりって、本当に俺のこと好きなんだな」


「当たり前だよ! だって雪君なんだから!」


どういう答えだよ!? とも思うが、なんか、さゆりの事、少しは分かったかもしれないな。


「ねぇねぇ雪君!」


「うん?」


「血液ジュースいる?」


「いらんわ!」


うん! やっぱり分からん!

次はお昼ご飯!

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