遊戯王 ノーム
マークワンの声が静かに響いた。
《……判事および検察の両方にエルミィ様が就任しているのは、公正な公開処刑の場としていささか問題があります。ゆえに、この裁判の判事役は私、マークワンが務めます》
その一言に、俺はひとつだけ、重大な単語を聞き逃さなかった。
「公開処刑……だと?」
マークワンは、無機質な目をわずかに光らせる。
《あくまで“合法的な粛清”でございます。誤解のないよう》
「おい、俺を処刑する気満々じゃねえか! だったら――」
俺は叫んだ。
「弁護人を要求する! 弁護人抜きの裁判なんて無効だろ!」
マークワンは一拍置いて、冷静に答えた。
《要求、認めます。被告ミリウスの極めて不利な立場を鑑み、弁護人の要請は妥当と判断されます》
「じゃあ……ノームを、俺の弁護人に!」
即座に、エルミィが声を荒げる。
「却下! 共犯者が弁護人になれるわけがないでしょ!」
だが、マークワンは微かに首をかしげるように言った。
《情状酌量の余地ありと認め、ノーム嬢の弁護人就任を仮許可します》
遠くで――
ノームは、遠巻きに見ていた。
そして俺と目が合った瞬間――
ゆっくりと首を横に振り、大きなバツ印を両手で作った。
(……完全拒否じゃねえか!)
ノームの心の声:
(やだやだやだやだ、なんで私が火の粉を被らなきゃいけないの!? ミリウスと一緒に膝枕してただけで、共犯扱いとか無理ゲーすぎる……!)




