表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
77/254

シルフとの契約。


俺はシルフに問いかけた。


「シルフ……どうしたんだ。なぜ、皆の命を危険に晒すような真似を……」


シルフは、振り返らずに答える。


「私がいないと、火の鳥は捕まえられないわ。

マルカが作ったおかしな道具を使っても、毒素は中和できない。

私の風の力で、毒素がミリウスたちに届かないように調整してるの。……今もずっと、ね」


そして、正面からこちらを向いた。瞳に、強い決意を宿して。


「ミリウス。私と契約して。

でないと、皆、死ぬよ」


「……なんで今さら。なんで、俺との契約にこだわるんだ」


俺が問うと、シルフは目を伏せた。


(……やっぱりか)


シルフは、風の精霊王の娘だ。

誇り高き“王族”の血。

それが──イフリートと契約したエルミィに、後れを取ったと感じてる。


半神と精霊の契約は、精霊界では最高ステータスのひとつ。

イフリートも、ミリウスとの契約を望んでいたことがあった。


「私と結婚して、子を成して。

別にエルミィがいたって、私は構わない。

神って、本来──多妻だし」


……その言葉の直後だった。


「構わないって言うなあああああああ!!」


エルミィが、ぶっ殺しそうな目でシルフを睨んでいた。


「シルフが気にしなくても……私が! 私が気にするんじゃあああああッ!!」


その瞬間。


「癒しの雨!」


「業火の嵐!」


ウィンディーネとイフリートが、同時に詠唱を叫ぶ。


「うおおっ――!?」


空が割れ、風が鳴いた。


そのあと、俺たちは、全員、気を失った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ