表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/254

中間の村

中間の村に、小さな宿屋が一軒だけ営業していた。

宿屋の主人は申し訳なさそうに言った。


「お客様は五名ですが、生憎空き部屋はダブルベッドの部屋が二つしかございません」


リゼリナさんは遠慮して、


「私は人形ですので、馬車の荷台で十分です」


俺は思わず、「イヤイヤイヤ」と変な声が出た。


「女性陣三人が部屋を使ってよ。

 俺とトーマスが馬車の荷台で寝るから。

 それで良いだろ、トーマス?」


トーマスも、それが当然だろうという感じで頷いた。

俺は話を続ける。


「リゼリナさんとマルカさんが同室で、残った一部屋をエルミィが使う」


エルミィは即座に口を開いた。


「ヤダ。エルミィはおにいちゃんと一緒がいい」


トーマスはエルミィを宿屋の受付の角に手招きで呼び、一言二言、会話を交わしたあと──

エルミィの額に、デコピンを一発。


二人が戻って来た。


エルミィ:

「この状態では仕方ありませんね。申し訳ありませんが、お兄様、トーマス様は

 馬車の荷台で我慢してください」


エルミィの額の真ん中が赤くなっている。


俺:

(あれ? 今のエルミィの言動、俺は気持ち悪くない)


「トーマス 俺の妹の頭は、壊れた洗濯機じゃないんだぞ」


その夜は、宿の食堂で夜食を取った。

山が近いせいか山菜が多かったが、充分に美味しかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ