師匠の初仕事
前半部分がまるっと抜けていました。作者のミスです。
工事現場までは、馬車で2日間かかるらしい。
俺たちは馬車を借りた。マルカさんは馬車の操縦ができるらしい。
道中、ふと俺はマルカさんに尋ねた。
「マークワンの動力って、何なんですか?」
マルカは軽く笑って答える。
「原子力よ。――ま、核さえ壊されなければ大丈夫」
その瞬間、馬車の中の空気がぴたりと止まった。
誰ともなく、全員がマークワン――つまりリゼリナから距離を取っていく。
リゼリナはその様子を見て、ぽつりとつぶやいた。
「……地味に傷つくんだけど」
しばらく、気まずい沈黙が流れたあと。
空気を変えるように、トーマスが俺に尋ねてきた。
「ミリウス、剣の修行……してみないか?」
少し驚いたが、俺はすぐに頷いた。
「ありがとう。
俺も、強くなりたいって思ってた。
もし好きな人ができたら、その人を守れるように──
だから本当は、俺のほうからトーマスに頼もうと思ってたんだ」
ふと、エルミィの様子に目をやる。
彼女は何も言わず、馬車の外の風景をじっと見つめていた。
少し違和感を覚えたが、俺にはそれが何なのか分からなかった。
* * *
馬車を降りたあと、人目のない場所で。
「ミリウス。ちょっと来い」
そう言って、トーマスは俺を物陰に連れていったかと思うと──
無言で、俺の腹に拳を叩き込んだ。
痛い。めちゃくちゃ痛い。
「……ッ、な、なんだよ、急に……!」
「その小賢しい手で、エルミィを“試す”な」
トーマスの声は低く、鋭かった。
目の色もいつもの冗談交じりではない。真剣そのものだった。
「──お前、自分で気づいてねぇつもりかもしれねぇがな」
俺は、何も言えずに黙った。
「“好きな人ができたら守りたい”──そう言って、エルミィの反応を見たろ」
言葉が、胸の奥に突き刺さる。
「それがどれだけ残酷なことか、教えなきゃなんねぇのか?」
トーマスは少しだけ間を置き、静かに告げた。
「剣をお前に教えるって、俺は約束した。だがな──今のお前、その動機も目的も、不純だ」
「マイナス30点。これは、俺の優しさだ」
痛みより、言葉のほうがずっと重かった。
「この点数を、もし彼女の前で俺が口にしたら──あの子は、お前の元を去るだろうよ
作者はやれば出来る子なんです。皆様見捨てないで。




