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マーク ワン
エリウス
「さすが、マルカ工房謹製・マークワンだ」
「対精霊・土木工事用人形としての性能は抜群だな」
「工期も人員も半分以下で済む」
「これで、雨季の川の氾濫による犠牲者も出なくなるだろう」
マルカ
「どう? 私が手がけた人形の成果は」
「今度の予算編成で、正式に採用が決まったのよ」
エリウス
「これで……リゼリナと結婚できる」
マルカ
「私に感謝しなさいよ」
エリウス
「もちろん。神様、仏様、マルカ様」
マルカ
「よろしい♪」
エリウス
「ところで、マルカ――」
マルカ
「できるわよ。汎用だし」
エリウス
「……できるのか?」
マルカ
「特別に試作機、まわしてあげるけど。いる?」
エリウス
「うーん……迷うな。リゼリナに怒られそうだし」
マルカ
「リゼリナは、別に気にしないわよ?」
エリウス
「やっぱり、いらない」
マルカ
「ふふ、気が変わったら、いつでも言ってね」




