マルカさん 一寸2
リゼリナ
「エリウスに嫌われて……短剣で胸を刺しました」
「目が覚めたら、この人形の中にいて。最初は真っ暗で、何も見えなかったんです」
「でも……エルミィがこの人形を起動してくれたおかげで、ようやく自分の状況がわかりました」
「どうやら、この人形と一体化してしまっているみたいで……外には出られないのです」
俺もマルカも、父から聞いていた話とほぼ同じだった。
俺
「……全く分かりませんね。どうして魂が人形に入ったのか」
トーマス
「イレーネにも聞いたが、あいつ自身“自分が何なのか分からなかった”って言ってたな」
俺
「堂々巡りですね……」
リゼリナ
「マルカ、この人形って、いったい何なの?」
マルカ
「これは……ただの市販品よ」
「汎用人――」
俺(遮るように)
「もう、十分分かりました」
「色々と……重なっている部分もあって、ちょっとマズいので」
マルカ
「どうしたの、急に慌てて?」
俺
「“戦乙女”ってことで、話をまとめましょう」
マルカ
「別に……呼び方なんて、どうでもいいんだけどね」
リゼリナ
「マルカ 一寸」
マルカ
「リゼリナもエリウスに似ていたんだよね」
リゼリナ
「君のような頭の良いガキはきらいだよ」




