マルカさん チョット
ウンディーネ――いや、リゼリナは土下座していた。
「この度は、このような事態になり、大変申し訳ありませんでした」
……人間大の人形が土下座しているのを、四人で囲んで見る光景というのは、なかなかシュールである。
俺は前から気になっていたことを、マルカさんにそっと尋ねようとした。
「マルカさん……ここではちょっと聞けないことなんですが……」
マルカはニヤッと悪い顔になって答える。
「ウチでは、その手の目的の人形も販売してるけど、リゼリナのタイプは違うわよ」
リゼリナも言った。
「……エリウスにそっくり。君は、エリウスの子だね」
その言葉に、エルミィは再び額に前髪を垂らして、顔を赤らめながら言った。
「……お、お兄ちゃん」
……楽しそうだな、エルミィ。
トーマスはぽつりと呟いた。
「武士の情けだ」
俺
「君たちみたいな、頭の良いガキは……大嫌いだ」
……お父さん。
貴方は普段から、一体何をしていたんですか。
今回の件は、完全に俺が悪いんだけど。
沈黙の中、リゼリナが静かに口を開いた。
「……エリウスは?」
少し声を落として答えた。
「三年前に……亡くなりました」
リゼリナは、小さく「そう」とだけ言った。




