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舞台裏
私はミリウスに殴られる覚悟はありません。
ブラックウッド家の居間で
トーマス
「ほら、エルミィ。ここ、“半神ということになります”の部分、もっと知的に、こう……“ためて”から言ってみ?」
エルミィ
「えーん……分かんないよぉ……。そんなに頭良さそうな言い方、できないもん」
トーマス(笑いながら)
「できるさ。“やろうとすれば”案外すごいんだぞ?」
エルミィ
「ほんとに……? じゃあ……もっかいやる」
彼女は姿勢を正し、指で台詞をなぞる。
エルミィ(小声で練習)
「……もし、母が女神だとすれば……兄と私は、は……半神ということになります……」
トーマス
「よし、今のは合格。ちょっとカッコつけすぎだけどな」
エルミィ
「やったー!」
ピンポーン(呼び鈴がなる)私は誰が来たか確認する。嬉しい出演者のミリ ドカ ボコ グサ




