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トーマス 2
トーマスはエルミィの方を向き、静かに尋ねた。
「エルミィは、どう思う?」
エルミィ
「……トーマス様のご一存で。
でも――これは私のためでもあります。
母親を助けたくない子供が、どこにいるでしょうか?」
トーマスは苦笑しながら呟いた。
「俺も信仰してるご本尊様が、あれではな……」
エルミィは少し首を傾げ、静かに問いかける。
「トーマス様。……もし母が女神だとするなら、兄と私は――半神ということになるのでしょうか?」
その言葉に、私は小さな違和感を覚えた。
「……エルミィ様が、ロジックで会話している……だと……?」
エルミィはふっと微笑みを浮かべ、
まるでからかうように言った。
「お兄様。それ、そんなに可笑しいことですか?」
私は――答えに詰まった。




