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キス ミー

エルミィが顔を真っ赤にして、パンをちぎり口に運んだ。

「うん……これは、うん、うん……ね。お兄様の、あの執拗な性格が味に出ていますね。

……私の中の“扉”を、痛くしないように、そっと開ける感じ……かな。」


場の空気が一瞬止まる。

俺は――エルミィの口を手で塞ぐべきか、真剣に迷った。


けれど、彼女は唇を尖らせて、まるで“続きを待つ”ような顔をしている。

……本当に、キスして、舌を絡めてやろうかと一瞬思った。

だが、すぐに我に返る。


(いや違う。俺がエルミィにキスしたいだけだ。)


トーマス師匠がせっかく俺のパンを認めさせようと、シグル相手に真面目に話をしている最中だ。

そんな中でエルミィといちゃついていたら、

――ただの色情狂に見える。


そう思って、俺は黙ってパンをもう一口噛みしめた。

……焼きたてよりも、少し冷めたパンの方が、理性の味がする。





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