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イリーネ教
マルカ
「トーマスはイリーネ教の信者よ。もっとも、教義なんてあってないようなものだけど」
トーマス
「神と人に差はない。人間ごときが作った格差も存在しない。
もっとも、社会で生活するには障害になるから、表向きは社会のルールに従っているがね。
土着の宗教だが、信者もそこそこいる。よろしく、ミリウス」
ミリウス
「これは貴族侮辱罪だ!警察を呼べ!」
トーマス(楽しそうに)
「そうやって官憲に頼るのは、お貴族様の悪いところだ。
それに、貴族侮辱罪なんて法律はこの国には存在しないんだよ」
ミリウス
「知ってるさ、トーマス」
トーマス
「君も大概、イリーネの子供だ。
だが、我々の知るイレーネではない。
私は女神イレーネを助けたい。ミリウス、エルミィ、私に協力してくれないか」
ミリウス
「いきなりそんなことを言われても、信じるほうがどうかしている」




