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ノーム3
「前世でどんな徳を積んだら、こんないい女二人に同時に言い寄られるんだ……?」
トーマスが首を傾げながら、不思議そうにつぶやいた。
「……トーマス、お前も大概だぞ。
お前を振り向かせるために神を捨てる女に好かれるなんてな。」
思わず返した言葉に、トーマスは少しだけ目を細める。
二人の視線が火花を散らす前に、俺は一歩踏み出し、その間に割って入った。
「エルミィは俺の大事な人だ。
エルミィの敵は、誰であろうと俺の敵だ。――例外はない。」
その一言で、場の空気が一瞬止まった。
エルミィは小さく息を呑み、視線をノームから逸らす。
ノームは、まるで晴れた空のような笑顔を浮かべていた。
勝者は誰か。敗者は誰か。




