194/254
5分間席を外して下さい。
エルミィは顔を真っ赤にしながら、震える声で私に抗議してきた。
「そ、そんな……男性にそんな欲求をストレートにぶつけられて……! わ、私、どう答えればいいのか……判断に迷いますっ!」
一瞬、場の空気が止まる。
エルミィ、今の発言は――重大な誤解を招くぞ。
「……皆さん、申し訳ありませんが、五分だけ席を外していただけますか?」
私が必死に場を収めようとすると、マルカさんは口元を押さえて笑いを堪えている。
トーマス師匠、お前は“気を利かせる大人ポジション”だろう!? なんで今は黙ってニヤニヤしてるんだよ!
ルカとリゼリナさん! お願いだから助けてくれ!
……そんな私の心の叫びをよそに、精霊四娘がひそひそ声でささやき合う。
「五分って……早くない?」
「ちょっと短すぎるよね……」
……おい。聞こえてるぞ。
-




