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怒号

カオス 再び

エドモンドは突然怒り出し、私に向かって叫ぶ。

「おい、小僧。私の一番嫌いなことは“自己犠牲”だ」

「確かに、言葉づらは美しい。だけどな、自分が犠牲になって好きな人が喜ぶか?」


私は、突然怒り出した男を茫然と眺める。

――これだから更年期の男は。


エドモンド

「言いたいことがあるなら言え」


私は(これは真面目に聞かないとマズいやつだ)と悟り、黙っていた。


エドモンド

「私の妹は……大馬鹿だ」

「自ら命を絶った」

「自己犠牲も同じだ」


私は思う。

(仕掛けてきたのは、エドモンドのほうじゃないか)


エドモンドは続ける。


「すぐに諦める奴に、大事な娘はやれん」

「修行して出直してこい」


私は(許すとか許さないとか……いや、第一いらないし。妹だし)


エミリィは、まだ状況がわかっていない。


「パパ、お兄ちゃんと一緒になれないの?」


エドモンド

「こんな見下げた男、こっちからお断りだ」


私は心の中で思う。

(だから最初から断ってるでしょ)


エドモンド

「そうだ、修行が必要だ。ミリウス殿、修行してこい!」


エミリィは首を振る。


「いやだ! お兄ちゃんと離れたくない!」


私は話の流れが見えずに言う。


「エミリィと結婚しないなら、私は修行する必要がないんじゃないか」


至極まっとうなことを言ったつもりだったが、

エドモンドはエミリィと同じ目つきで私を睨んだ。

――その目だけで人が殺せそうだ。さすが親子、似ていると思った。


エドモンド

「ミリウス殿はエミリィと結婚したくないと?」


「だ・か・ら、最初から辞退してるじゃないですか」


エミリィは今にも泣きそうだった。


エドモンド(怖い顔で)

「私の可愛い娘を泣かせたな」


私は思う。

(いや……私は……無関係では……?)

これはどうすれば決着するのでしょうか。

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