美少女アンドロイドマーク ワン
――マークワン
正式名称、土木支援用・汎用対人類以外対策アンドロイド。
見た目は、美しい少女。
だがその躯体の内には、岩盤を砕き、都市を支え、敵性存在を殲滅する力が詰まっている。
そして、その心臓部――
動力源には、小型核分裂炉が搭載されている。
「マークワンが万一暴走でもしたら、半径五十メートルは五十年草も生えないって話さ」
そんな噂話があるほどだ。
だが、マルカさんは笑って否定もしない。むしろ少し得意そうですらある。
当然だろう。
このマークワンこそ、**マルカさんが創り、育てた“忠実なる下僕”**なのだから。
俺――ミリウス・レッドウッドは、その日、軽い気持ちで石を拾った。
地面に転がっていた何の変哲もない石ころを、掌にのせ、
ほんの冗談のつもりで、マルカさんの背中に向かって構えた。
「えいっ、なんてな――」
その瞬間だった。
石が液状化し、掌にじゅう、と焼けつくような熱が走る。
次の瞬間、掌の皮膚は炭のように焦げ落ちていた。
「マルカ様に――危害を加えようとする者に、容赦はしない」
静かに、だが機械には似つかわしくないほど怒気を孕んだ声が、
背後から降ってきた。
振り返れば、マークワン。
いつの間にか俺の背後に立ち、赤い瞳がまっすぐに俺を射抜いていた。
その掌はわずかに光を帯び、煙がまだ、そこに立ちのぼっていた。
俺が言葉を失ったままうずくまっていると、
すぐにウィンディーネが現れ、静かに癒しの雨を降らせてくれた。
掌は元に戻った。
だが俺の背筋は、まだ冷たい。
あれは、冗談では済まされなかった。
マークワンの声は、今も耳の奥に焼きついている。
「容赦はしない」
――それは、プログラムではなく、感情に似た何かが込められた宣告だった。
マルカさんは微笑みながらマークワンは
ああ言っているけど、随分手加減してくれているのよう。此処にいるメンバー全員 いきなり首を落とさない様にマークワンに言い聞かせているもの。ミリウスの心臓目掛けて光線を撃たなかった
のが何よりの証拠。




