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シグルと冥土の土産どちらが美味ですか。

ミリウスは、ぽつりと口にした。


「なあ、シグル。鳥に戻ってみないか?」


シグルが目をぱちくりさせている間に、ミリウスは背中から鉈を取り出した。その刃が陽光を受けてギラリと光る。


「ミリウス、それ何する気!?」シグルが半歩下がる。


「ウインディーネかトーマスがいれば、傷もすぐ治るだろ? ……ちょっと手羽先の味見でもしてみようかなって」


物騒なことを平然と口にするミリウスに、精霊の娘たちは咄嗟にシグルを背後にかばう構えを取った。エルミィもまた、シグルを庇うように立ちはだかる。


トーマスは呆れ顔で何も言わず、ただ黙っていた。王子はというと、なぜか一層楽しげに微笑んでいる。


ミリウスは鉈をしまいながら言った。


「まあ、何も危険を冒してまで俺たちについてこなくてもいいんだぜ。選択肢は二つ。龍に食われるか、俺に食われるか、だ」


「ふん、そんな脅しで私を追い出せると思ったら大間違いだからね」

シグルはふいっと顔を背けて言い放つ。「イーダ」


(……今のは誰への合図なんだ?)とミリウスは心の中でツッコミを入れつつ、彼女の真意は読み取れなかった。


だが、それでも――シグルがこの旅について来るという事実だけは、はっきり確認できた。



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