166/252
盟約
食材にされかけたかと思えば義母と呼ばれ、シグル自身も上げられたり下げられたりで情緒が忙しい中、セバスチャンはその場の空気も読まず高らかに「ここに精霊界と冥界の盟約が正式に結ばれたことを宣言いたします!」と大仰に宣言し、「冥界は、シグルの仲間であるミリウス殿への助力を惜しみません」と付け加えると、王子もなんだか嬉しそうに微笑むが、その感情の希薄さが逆に怖く、そしてそんな未来を敏感に察知した精霊たちは静かに並んでじゃんけんを始め、「第一王子は私が」「いや、ここは譲れない」と本気の勝負を繰り広げる中、冥界は正式に一つの家族になりかけていた。




