謎多き女マルカ。
マルカはシグルの話を最後まで聞き終えると、軽く微笑んで言った。
マルカ「わが社の製品宣伝活動、ご苦労さまだったな」
シグル「えへへ、ドラマの撮影中に美味しいもの、たくさん食べられたよ!」
その場にいたミリウスがふと尋ねる。
ミリウス「あの……エディって、マルカさんのお祖父さんですよね。それと、ドラマの最終話で生まれた男の子って……マルカさんのお父さん?」
マルカは少しだけ目を細め、含みのある口調で答えた。
マルカ「……そうとも言えるな」
その瞬間、トーマスが低い声で口を開いた。
トーマス「あの“ルナティック・シティーの反乱”。血染めの8月の決起集会――全部、仕組んだのは君の父親だったってわけか」
マルカは頷くでも否定するでもなく、淡々と答えた。
マルカ「そうだ。全部、父が仕掛けた」
思わず口を挟んだエルミィが憤ったように言う。
エルミィ「マルカさんって、どれだけ秘密を抱えてれば気が済むのよ……!」
だがマルカは肩をすくめ、軽く笑った。
マルカ「別に隠してるつもりはないさ。初等教育の社会科でも教えているし、ルナティックの市民は今でも父を英雄として語っている。それだけのことだ」
私の会社の創業主でもあるしな。




