表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/252

出来る女

ミリウスは自室に戻ると、静かに扉の鍵をかけた。

今日は妙に疲れる一日だった――そう思いながら、ふと気づく。昼から何も食べていない。

何か食べようか。使用人に頼めば、何か用意してくれるかもしれない。


しかし――やめておこう。

この屋敷の使用人は、レッドウッド家の人間だ。何を出されるか分かったものではない。


目線を落とした先、自分の鞄が視界に入った。

イルカさんのことだ。何か入れておいてくれたかもしれない。

あの人は、そういう気配りができる、"できる女"なのだ。


淡い期待とともに鞄を開けると、案の定、中にはパンと牛乳が入っていた。

ありがたい――素直にそう思った。

そして、鞄の底にもうひとつ、見慣れぬ封筒が挟まっていた。


マルカ工房の紋が入った、しっかりと封がされた封筒。

机の上のペーパーナイフで封を切ると、中から手紙が一通と、小さな包みが落ちてきた。


手紙には、ただ一言だけ。


> 「危険が迫ったら使って」




そう書かれていた。


封筒に同封されていた小さな包みを手に取る。

中には――避妊具が一つ。

それには、マルカ工房の意匠と共に、

「ご利用は計画的に」 の文字が印字されていた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ