第七十六話 2台のバスの外板張替とドリ大会に出る雅子
なみちゃんとレイ君の再生している悟瑠たちに丸松建設の取引先から足の長い仕事が来てしまった
なみちゃんたちの再生しながら、K-ZC121改を外注に出す準備をやっているとスポットで雅子が譲さんのピンチヒッターでドリ大会に参加することになって
結果はどうなる?
主な登場人物と所有車
佐野 雅子 ヒロイン 25歳 4月生まれ
峠のバトラー⇒TSカップレーサー、11勝目にトライ中。
家業の佐野自動車販売の中古車販売店副店長兼整備工場副工場長、整備の段取り担当の副社長
前職はスーパーの経理兼販売促進
所有免許;大型2種、牽引運転免許、2級整備士免許、危険物乙4、玉掛、ガス溶接、救急救命士、巻き上げ機
レース以外の趣味:
オフロード走行:大型の2軸総輪駆動のエンジン、サスペンションをいじって自分好みした。
パソコン:プログラム組むのも好きでシステムを自力で組める
所有車
大型バス:
観光系 ルーシーちゃん
路線系 獅子丸くん
フーセンちゃん
短尺系 ニジュちゃん
エムエム君
大型キャブオーバーダンプ
4×4 藤子ちゃん
大型ボンネットダンプ
4×2 カービーちゃん
小型車
クーペ イチゴちゃん
僕;佐野 悟瑠 雅子の兄 28歳、3月生まれ 妹の雅子より4学年上
家業の佐野自動車販売に就職して6年目、整備工場の工場長兼副社長。
所有資格 2級整備士、MIG溶接機、レーザー溶接機、ガス溶接、玉掛。免許は大型、けん引免許 巻き上げ機、危険物乙4
カーキチ、スペックオタク、エンジンスワップ大好き
所有車
大型バス:
観光系 ゴーゴーくん
ロザン君
なごみちゃん
路線系 パン君
陽菜ちゃん
キューピーちゃん
大型キャブオーバーダンプ
4×4 サイバー君
小型車
セダン サンゴちゃん
三四郎君
佐野 康晴 僕の父親 56歳 佐野自動車販売の社長、総括責任者。趣味人 マニ割、エギマニ作りの名手 元整備工で板金も得意
所有車
バス:路線系
大型 ニイナちゃん
中型 アサイー君
ケーテン君
小型 いい子ちゃん
大型ボンネットダンブカー
4×4 タフさん
セダン
Q-LS131H改
佐野 康子 僕の母親 54歳 佐野自動車販売 副社長 佐野自動車販売店店長、営業、仕入れ担当
所有車
大型リアエンジン路線バス
錦くん
大型ボンネットダンブカー クレーン車改造済
4×2 デコちゃん
小型車 ハードトップ
E-KE70
加藤 隆弘 28歳
悟瑠の同級生で親友。専学卒業後家業の内燃機整備工場に就職、佐野自動車販売に事業譲渡でそのまま異動。悟瑠の幼馴染。2月生まれ。エンジン加工の名手、エンジンスワップ大好き
所有車両
大型キャブオーバーダンプ
4×4 ラッシー君
大型自家用バス
兎ちゃん
小型車:セダン
エスティーくん
加藤 隆文 25歳
隆弘の弟。雅子より一学年上だが、3月生まれで実はほとんど同い年。工業高校から家業へ就職。佐野自動車販売に事業譲渡でそのまま異動。板金と排気系を作るのが得意
所有車
大型キャブオーバーダンプ
4×4 まゆかちゃん
大型ボンネットダンプ
4×2 きみこ
バス 大型短尺路線系
恋路ちゃん
クロカン4×4
ロックン
趣味:TSカーレース 今シーズン未勝利
松尾 百合 25歳
雅子の親友、丸松建設のお嬢さん。雅子と同じ高校卒業して同じスーパーに入って家業に転職。松尾運輸の副社長。普段はおっとりだがスイッチが入ると途端にせっかちとブチ切れになる 5月生まれ
TSカーレーサー 1勝あげ、2勝目を目指す
所有車
バス:大型観光系
武蔵君
ラムちゃん
大型ボンネットダンプ
4×4 パイ君
4×2 徳次郎君
小型車:クーペ
エスワン
松尾 譲 27歳 百合ちゃんの兄 丸松建設の副社長。マニ割マニア
所有車
バス
キャブオーバー
4×2 ビーフさん
4×2 レイ君
大型ボンネットダンプ
4×2 旦那さん
4×4 ゼットワン
小型車 クーペ
イーサン
松尾 隆 丸松建設の社長 百合ちゃんの父親 56歳 速い車大好き 悟瑠の父親の同級生
所有車
大型キャブオーバーダンブカー
4×4 サンデー君
大型ボンネットバス
4×2 なみちゃん
小型車 セダン
E-GNY33改
松尾 友香 百合ちゃんの母親、丸松運輸の社長 54歳 旧車大好きながらもオリジナル主義
大型ボンネットバス
4×2 デビちゃん
4×4 てつしくん
大型ボンネットダンブ
4×2 でん六くん
小型車 HB
けいこ
小笠原 愛理沙 24歳 係長
TSカーレーサー
雅子の同じ学校の一つ後輩。小笠原食肉のお嬢さん。元レディス総長(7代目)2児のママ かつて雅子がいたスーパーに勤務 大型免許所持 抜群の運転センス
所有車
小型セダン
TA-GXE10
大型リアエンジン観光系バス
ババロアちゃん
大型キャブオーバーダンプ
4×4 フライヤーちゃん
小笠原 哲史 27歳 愛理沙の兄。別の会社に勤めていたが家業に転職、副社長 大型免許所持 旧車好きでオリジナル主義
所有車
小型車
セダン:E-AE70
クーペ:ましこ
大型路線系バス
マーシーちゃん
中型総輪駆動トラック
美浜ちゃん
長野さん 30歳。 移動販売課 課長代理
バス会社に居たが欲しいバスが排ガスの関係で住んでいる地域で登録できなくて雅子がいたスーパーに転職。今は愛理沙ちゃんの上司 短尺バス好き
所有車
大型短尺系バス
自家用:伊那路
観光系:五平君
路線系:鬼丸君
小型車
クーペ:NE
狩野さん 30歳 業務課長
運送会社にいたが首都圏の事業縮小で地方に転勤になった。偶然募集していた松尾建設に転職
所有車
大型キャブオーバーダンプ6×4
V10:古武道君
V8 :福田屋君
小型車
EHT;ND
綿貫 洋平 スーパーの販売部 課長 37歳
中型リアエンジンバス
ロニー
橋爪 正治 スーパーの社長 61歳
ボンネットバス
ポニーちゃん
デッサン
「お兄ちゃん、K-ZC121改のシャシの改造は?2軸化はうちでやるのかな?2軸にしてくれってそれならサスはまさかと思うけどエアにしてとか?」
「雅子、もらった注文書をよく見ると、ブローしたエンジンの修理か交換とフレーム系は2軸にして総輪エアサス化してくれって依頼されてるんだよ。それならエンジンの修理と2軸化、総輪エアサス化まではうちでやって、ペラは隣の県のペラメーカーで作ってもらえばOK。デフは2軸トラックのもの流用できるよ。と、いうことだからフレームの工事まではうちでやってボディは外注する。先に形と仕様を決めて予約しておけばいけそうじゃん」
「ってことは、大凡半年から1年の仕事かしらね。あとはボディビルダー次第ね。予約は入れておくわよ。南の方と隣の県の二か所当たっておくからね」
「多分半年はかかるよね。矢代さんにK-ZC121改後部のデザインどうするか聞くよ。レン君的なリアエンドとか、伊吹君のようなのならいいけど、デビちゃんとかレイ君ビーフさんみたいな丸い形の後ろは手叩きになりそうじゃん。まさかフロントグリルを剣道面にしてくれとは言わないと思うけどね」
「え?矢代さんからもう一台来ちゃったよ。古いDA90をベースにボディビルドしてこれはキャンパーにして欲しいって。ボディはFRPでいいから、デビちゃんを再現したような形にして欲しいって」
「えええええ?雅子、うちってボディビルダーだっけ?」
「ちがうよお。はあああ、DA90ベースのキャンパー改造は順番待ってもらおうよ。矢代さんがレイ君手放したのはもしかしてキャブオーバーだから?」
「そうかも。DA90ベースのバスの形のキャンパーはデビちゃんの構造を見てっていうか、雅子のパソコンにはデビちゃんを再生した時のデータ残ってるでしょ」
「あるよ、とは言ってもDA90の現車を見ないとわかんないことだらけでしょ。トラックのフレームそのまま使ってバスにしてるとは言っても同じかどうか」
「そうだね。ここであれこれ言っても始まらない。まずはなみちゃん仕上げて公道復帰、レイ君の張替片付けよう。そういえば雅子は譲さんからレイ君のボディカラーの要望あったか聞いてるんだっけ?」
「なんか、夕焼け小焼けってバスあったじゃん、それと同じにしてとか。なみちゃんは70年代の山〇のピンク赤のツートンにしてだって」
「そうかあ、譲さんのって実際走ってたカラーだよなあ。あ、でももうそのバスは引退して静態保存になっているから良いのか?ビーフさんも同じ夕焼けカラーか。松尾さんちのキャブオーバーバスって全部同じメーカーじゃん」
「そうねえ。キャブオーバーってあのメーカーしかないじゃん。ええと、今日の出勤はお兄ちゃんと隆弘さん、隆文、アルバイト君3人で鈴木さんたちと村上君たちお休みね。次戦はお休みだよね」
「そう。僕ら以外は全員昨日の代休にしてある。今のようにお店の仕事が立て込んでる状態だと、TSカーのメンテナンス難しいよ。それに第6戦に行っちゃったら往復で4日間かかる。その一月後に最終戦じゃあTSカーのメンテナンスとか修理したりする準備が間に合わないって」
「そうよね。最終戦のFが勝負なのね」
「うん。総合ポイントは雅子が2勝している分勝ってるけど愛理沙ちゃんもいいところにいるって言う連続3着以内ボーナスで得してるよ。他は優勝争いに加わることはないよ」
「そうね。今回も2着だもんね」
「そう、今回も連続3着以内ボーナス取ったでしょ。」
「ってことは、最終戦はあたしか愛理沙の勝った方が年間優勝ってことね」
「そう、とはいっても最終戦はセミ耐久なんでとにかく愚直に走ったもの勝ちだよ。トラブル起きないようにでも速く走る。トラブルの兆候見つけたらすぐに対処する」
「そうだよねえ、難しいけどね」
「冷静なドライバーの勝ちだ。熱くなったらやばい」
「そうね、お兄ちゃん。今日の段取りは軽整備だけ?レイ君やなみちゃんちゃんの修理はできないでしょ。鈴木さんたちいないし」
「僕と隆弘と隆文がいるからある程度はできるよ。大型でもエンジンおろしならできちゃうよ。今日はなみちゃんに積む8PDエンジンの仕上げと始動試験をやっておくけどね。エンジンは台の上で回れば簡単に車体に積めるから」
「そうなんだね。隆弘さん、隆文。よろしくね。あ、そうだ。今日の午後一時頃にに矢代さんからBH15とK-ZC121改とDA90を見に来て言われてるんだけど、時間あるかなあ?」
「場所はどこだっけ?」
「T市内のMインターのすぐ近くの鳥羽。15分もあればついちゃう」
「なんだー。それならすぐそこじゃん。まあいいかな?車はどこにあるんだろ」
「なんか、その鳥羽の倉庫の中って聞いた。そこの倉庫に行けばいいのよ」
「と、いうことは午後の1時ごろに鳥羽の倉庫に行けばいいのかな?」
「うん。時間は午後1時って念押しで言っておくわよ」
「雅子、わかった。行ってくるよ。隆弘、隆文。仕事頼まれたBH15とK-ZC121改、DA90のエンジンとボディ、フレームの状態を見るから一緒に来て欲しい。午後1時だって」
「いいよ。乗ってくのはいい子ちゃんだね」
「うん、今日は僕はキューピーちゃんで来てるからなあ。隆弘たちは兎ちゃんと恋路ちゃんで来たんだろ、雅子はカービーちゃんだし」
「そうだ、後はKE70かLS131Hを借りるかだけどな」
「うーん、雅子、駐車場にはいい子ちゃん停められるかな?」
「大丈夫、アサイー君でもOKだって。一番小さいいい子ちゃんの方がいいよ」
「OK、午前中は僕は隆文となみちゃんとレイ君の採寸、隆弘は8PDエンジンのトルクチェックと始動試験頼むよ」
「おう」
僕と隆文は午前中、なみちゃんとレイ君の張替に使う鉄板の採寸で忙殺。隆弘は先週まで組んでいた8PDエンジンのトルクチェックと始動試験していた。
無事に始動用の電源をつないでセルを回すと"ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ"と8PDエンジンがV8独特のエンジン音を立てて目覚め、良い音させ回っていて、車体に乗せる準備が終わっていた。
僕と隆文がやっていたなみちゃんとレイ君のパネルの採寸も順調に行ってて、残すはルーフだけになっていたのだった。
お昼ご飯を食べていい子ちゃんの暖機が終わると3人で乗り込んで約束の場所に向かって行くときに雅子に言っていた
「じゃあ、雅子、行って来るよ。遅くとも3時には戻れるさ」
「お願いね。明日からはなみちゃんの外板交換とレイ君の寸法取り、パネル作りかしらね」
「レイ君は以前エンジンを6BGに換装したBXD30とボディビルダーが一緒だからBXD30のデータをそのまま使うよ。ボディがキャブオーバーなので、ボンネットの部分はキャブオーバーと造詣が全く違うからどうしようもない。前面とボディサイド、ルーフの部分でBXD30と違っているところだけ採寸だよ。残りはルーフの部分だよ」
「わかった。鈴木さんたちへの引き継ぎメモ書いておくね」
「よろしく」
いい時間になったので、僕と隆弘、隆文は3人でいい子ちゃんに乗って雅子から聞いたところに行った。
時間通りに着いたところ、既に矢代さん親子が待っていた
「御足労どうもありがとうございます。シャシとバスがあるのはこの中なんですよ」
矢代さんが倉庫の扉を開けて案内してくれた。K-ZC121改とBH15を見るとK-ZC121改はボンネットが外されていてエンジンを降ろそうとした後があった、深刻なのはBH15でかぶせてあったシートを剥がすと、全面錆で覆われていて、しかもあろうことかフレームの後ろ周りがかなりのところが腐っていて再生が必要な状態だった。幸いにも前の部分はフレームの回りの錆は少なかったのだった。
ボディは既に溶けかかっていて防錆パスターをしっかり吹いてあるが、ボンネット部分が酷く錆びていて、全部パネルの作り直し、ボディー内部の柱や骨も作り直しになりそうだった。
DA90は荷台がボロボロだったが、フレームや他の状態が良く、キャビン、サスペンションに錆がほとんどない状態だった
「うーん、BH15はこれはガラスは全部があるのが奇跡ですねえ。ボディーの後ろの方は案外錆がないんですね」
「はい、15年くらい前に親父が見つけてきた廃車体です。書類も探してるんですが見つかってないです。最悪ナンバーが付かなくてもいいので何とか再生お願いしたいんです。できればナンバー付けたいですね」
「承知いたしました。DA90はボディーのビルドになりますが、うちでDB110改のボディーを再生したことがあるのでそのデータをつかってやります。長さ調整が必要なのと後面ガラスが平面3枚分割になるのはお許しください」
「いいですよ。それでお願いします。」
「厄介なのはK-ZC121改の方はエンジンですね。おろそうとしたけど無理のようでしたね」
「はい、そうなんです。フォークだけでは無理でした。とはいっても完全にクランクが折れて、コンロッドがオイルパンとブロックを突き破ってるんです。これは載せ替えと丸松建設さんのレン君と呼んでるのような移動事務所にして欲しくてお願いしました。丸松建設さんの軽快君と呼んでるバスは3軸を2軸にしてゼロから作ってもらったとか言ってましてそれならこのシャシのエンジンを直すついでにお願いできないかと思いまして。できればV8にしたいんです」
「V8ですか?承知はしましたが、フレーム幅からするとターボは無理でしょう。もしV8が乗らなかったら直6のターボにします。それからボディビルドをゼロからはさすがに当方でもできないので、専門のビルダーに依頼します。2軸にするのとエンジン換装、エアサス化はうちがやれます。元からトラックの整備や改造はやっていたのでできます。段取りとしてはエンジン換装、エアサス、軸数変更をやってからボディビルダーという流れです」
「それではお願いします。ところでBH15は公道復帰できそうですか?」
「ええと、BH15は書類がないと公道復帰は厳しいですよ。手があるとすればフレームを交換するとか」
「ですよね。このバスって希少なんで何とか復活させて走れるといいんですよ。フレーム交換でもなんでも何とかお願いします。DA90は使う場所が狭いので2.4メートルの幅にしたいんです」
「承知しました。それでは3台の改造の見積もり作ります」
「はい、お願いします。それから言い忘れてましたが、外板溶接は3台とも丸松建設さんのビーフさんみたいにレーザーにしていただきたいのと、軽快君のように天井吹き出しエアコンが欲しいんです」
「そのあたりはお任せください。正直に言ってレーザーの方がコストは安いです。エアコンは錆対策でルーフのベンチレータ―取っ払うんで必須になります。このところも猛暑のなかエアコンなしはきついですよ」
「そうなんですね。よろしくお願いいたします」
「あとは、今は丸松建設さんのなみちゃんと呼んでる元レントゲン車の公道復帰と矢代さんから丸松建設さんが買ったレイ君の修理で手一杯なので、どっちかが終わったら連絡します。K-ZC121改とBH15のどっちを先に修理するか決めておいてくださいませ。DA90はK-ZC121改をビルダーにだした後にやります」
「はい。先にK-ZC121改をお願い致します。」
「はい、承知しました。段取りやっておきます」
僕らはお店に戻ってレイ君の前の部分とルーフ、なみちゃんのルーフの測定を終えて鉄板をダイレスプレス機に入れて加工していた。
次の日、出勤すると親父が
「悟瑠、仕事が来すぎだろ。加藤運輸のトラックもくるんじゃあ回し切れないぞ」
「うん、それに一番の悩みは矢代さんのBH15で実は書類が見つからないかもしれなくて、どうやって公道復帰させようか悩んでて」
「矢代さんのBH15?ああ、矢代さんが15年くらい前にうちに頼んできたボンネットか」
「なんだよ、親父は知ってるのかよ」
「うん、と言うかそのボンネットを引き上げたのは隆義のところの今は隆のところにあるデニムちゃんだよ。あれで畑に放置されていたのを引きずって来た」
「まじかあ?」
「矢代の社長が自分で部品集めしてたんだが、なかなか集まらなくて倉庫に放置されちまったんだよ。泥は全部洗浄して防錆のパスターを吹いて、電子防錆でこれ以上錆が進まないように対策はしたらしいがいかんせん畑に20年以上眠っていた個体で錆が凄かったのと、やっぱり書類が出なくてなあ。諦めたと言っていたんだよな。シートがはがれた前側と川に近かった後ろのフレームが錆だらけだったなあ」
「そうだったのか」
「そうはいっても社長は自分の身体が動くうちにということと今年か来年で会社が操業50周年ってことで一念発起したんだよ」
「書類かあ。一番厄介だよねえ」
「俺も調べたらP-FG195BAのフレームが合いそうなんだよ。50mmホイールベース違うけどフレームのつなぎ方で調整はできるよ。P-FG195BAフレームにBH15のフロント側をくっつけるとか」
「親父の言う通りだな。そう言えば軽快君は同じやり方だったなあ。良し。フレーム探してみるよ」
「日本の車検制度はフレームの素性がわかっていれば、架装は何のって手も車検は取れる。一部でもフレームあれば、修理扱いでなんとでもなるよ」
「エンジンをどうするかだなあ」
「それは大丈夫だろ。美浜ちゃんと同じH07D+ターボで。先にP-FG195BAのフレームを探した方がいいよ。U-でもいい」
「在庫のEM100を使いたいんだよ。聞く限りじゃあH07Dだとトルクが不足でぶん回す走りになるみたいでさ。静々と走るようにしたいなあ」
「それならシャシはP-だな、もしかしたら積載で残ってるかもしれん、笠木さんのところに頼もう。大型車って言うか商用車のネットワークは半端じゃねえ。積載なら後ろのフレームが補強されているから」
「そうだな。車探しは笠木さんに任せよう。」
「悟瑠、エアサスの部品はすぐに探せよ。4バッグエアサスがいいはずだ。現代の物でも使える可能性はあるぞ。新型のにも設定あって、しかもデフ一緒だろ」
「はいよ。雅子、部品探しよろしくお願い」
「悟瑠。シャシが見つかったら先にエンジンを換装して公認取れ、そうすれば後が楽だよ。公認の後で再改造にすればいい」
「うん、フレーム探してもらってる間になみちゃんとレイ君の仕上げとレン君とビーフさんのエンジンスワップもあるからなあ。ビーフさんは、エンジンの重量が300kg増えるのがどうかと思ってる」
「ビーフさんは良いことに前軸の許容軸重が増えてるからエンジンの重量が300キロ増えても問題ないよ。フレームがキャブオーバートラックと共用だから前側に荷物積んだ時のために余裕持ってるんだよ」
「だったね。調べたらかなり余裕もって使っているんだと思ったよ」
「だろ。多少は前輪の減りが早くなるけどまあいいかな?」
「それは仕方ないよ。他は何とかなるよ」
「俺も調べてみたら、バスなんでラッシュ時は200%乗車になってもいいように設計してあったよ。後ろのデフは重量対策で強化したものが入ってるだろ」
「それならいけるよ。いいことにビーフさんが移動事務所の時には重量のほとんどが後ろのオーバーハングに集まってて登りでフロントの荷重抜けがやばいかなと思っていたんだけどフロントが重くなって重量バランスが良くなる方向だから。レイ君だと無理な変更だよ」
「そうだな。レイ君のフロントアクスルはボンネット用で、耐荷重に余裕少ない分エンジン重量あげるともたないからな。と言うかフレームのエンジンベイのところの幅が狭くてDH100エンジンは入らないって。それに悟瑠はビーフさんをフィンガーシフトにしたんだろ。通常の左手シフトになってるから運転しやすくって良いかもな」
「実は、譲さんにビーフさんを左手シフトにできないか聞かれてて、レイアウト検討したけどロッドの取り付けが上手くいかなくてだめなんだよ。次にプッシュプルケーブルにしようとしたんだけど上手く通す場所が無くてそれならフィンガーシフトにしてしまえってやったらうまくいったんだよ」
「ビーフさんはエアサスにしたのも大きかったな」
「ああ、そうそう、ビーフさんはエアサスにしたからミッション制御用のエアがふんだんにあるから、制御やりやすくなったよ。なみちゃんとレイ君もフィンガーシフトにするし、レン君もフィンガーシフトにしてある」
「全くやること早すぎだろ。鈴木さんたちはなみちゃんとレイ君の貼り換えやってるのか?順調そうだな」
「うん。パネルは昨日のうちにできるだけ作って、データもできるだけ取った。今日の段取りは隆弘と村上くんは残ったところのデータ取り。今日の午前には2台のデータ取りがおわる。隆文と小林くんが鉄板加工。田口君は軽整備」
「それなら、順調か」
「お兄ちゃん。笠木さんからメールが来て、P-FG195BAが見つかって西の方にあるんで詳細送ってもらうって」
「もう来たの?まじかあ。早いなあ」
「ホイールベースが5050ならすぐに見に行った方がいいな」
「親父、見に行くの頼めるか?」
「いいよ。雅子、場所を聞いておいてくれ。たまにはと言うかこのところ遠出もなかったからニイナちゃんで行ってくるか。仮ナンバー持って康子を連れて行って来るよ。事務所扱いなら高速も安い」
「頼んだよ。僕はなみちゃんとレイ君の外板貼り替えとK-ZC121改とBH15、DA90の計画作るからいくのは無理っぽい」
「任せろ」
「たすかる。」
「お兄ちゃん。見にはパパとママがいくのね。場所は福井県だからよろしくね。」
「おう、それなら日本海側から行くよ」
その週は隆弘達、鈴木さん達、村上くん達総出でなみちゃんとレイ君の張替えと伊吹君をバスにすべく内装工事をやっていた。
通常のメンテナンスは僕が指揮を取ってアルバイトできてくれたチームのメンバーたちに作業してもらっていた。
その間も加藤運輸のトラックやスーパーの車のメンテナンスが入ってきて大忙しだったが、なんとか週内に片付いた。
あろうことか、譲さんは自分でお願いした仕事を少しでも手伝いたいということで松尾建設がお休みの日に2日間アルバイトで伊吹君のバスにする内装工事をやりに来たのだ。
そのお陰もあったのか?無事に伊吹君の内装工事と公認、前軸にデフロックを入れて脚の見直しも終わって丸松建設に納車していた。
週末の日曜日、愛理沙ちゃんの兄である哲史さんと譲さんが出るはずのドリ競技会が隣の県のサーキットであった。
車のメンテと輸送を頼まれているので、サーキットの駐車場に停めたパン君の中で哲史さんと譲さんたち待っていると、雅子のスマートフォンに連絡が来たらしい
「お兄ちゃん、やっぱり今日はあたしが走るんだって。譲さんの代わりに。一昨日からの熱が下がんなかったって来てた」
「え?雅子が?確かに譲さんは金曜から大熱を出してダウンしちゃったって言ってたなあ。回復しなかったかあ。百合ちゃんこれないんだね」
「うん、昨日の夜に百合リンから連絡来て、あたしの代わり頼むかもとは言ってきちゃってたよ。オフィシャルにはOKもらったとか書いてある。百合リンのせっかちスイッチ入ったね。今日の百合リンは急遽トレーラーダンプのオペレーターになってるのよ。今朝から狩野さんも大熱でダウンとかでもっというとダンプのオペレーターの一人もダウンしたって」
「雅子、わかったけど、ドリ車のセッティングを決めて無いじゃん。全然乗ってないでしょ」
「良いわよ。まあぶっつけ本番だけどいくよ。百合リンにはドリ車のスペックきいてるよ。あたしがここを走って優勝した時のスペックだって。それなら覚えてるから行ってみるよ。エンジンとか車体はお兄ちゃんがメンテしてるんでしょ。それなら問題なし」
「OK」
僕と隆文で積載車から譲さんのドリ車を降ろしていた
エンジン、ボディのメンテナンスは僕らが請け負ってやっていたので大体の調子は把握している。
「エンジンの調子もいいし、ミッションも問題なし。これならいけるな。雅子、とにかくガンガン行って来いよ」
ざっくりと車の状態を駐車場からパドックに車を降ろしながらみて雅子に言った
「ありがと。行って来るね。お兄ちゃん。さっき、哲史さんに連絡来たけど愛理沙はお子さん二人が熱だして今日は急遽来れなくなったって。哲史さんは前回の優勝者だから今回は1番手スタートよ。あたしとは午前中の直対はなさそう」
「わかった」
テレメトリーをつな来ながら雅子がコースわきの待機エリアに行く準備していた。
今日雅子が乗る車は元々雅子がドリ車として入手した車で、CV37の右ハンドル仕様だ。
ATしかないのだが、MTに換装してV6エンジンではなく、定番のあ、アメリカのV8に載せ替えしかも草レース用の4バルブヘッド、フラットプレーンクランを組み込んだ仕様になっている。
「雅子、聞こえるか?」
『うん、ばっちり』
車に乗り込んで各部の確認をしている雅子に声をかけた。
「大丈夫だな。今日はサポートは隆文と僕、チームから来てくれた3人いるからね。ガンガン行って来い。壊したら僕らが直す」
『はいよ。今日の午前中の相手は前に走ったことあるBMだよ。進化してるかもしれないけど、こっちの車もいい調子なんでガンガン行くよ』
「雅子、この車のエンジンはカムを交換してある。念のため測ったら650psでてるから高回転の伸びが前とは違う。乗ってた時との違いはそこだけだ。インジェクションだからどっから踏んでもOK」
『高回転が伸びるのね。ありがと。後一踏みが有効ってことか、それなら行けそうじゃん』
「競技の時は相手もここのサーキットは狭いからそんなにパワー上げてくるとは思えないからなあ。」
『まあ、プラクティスの状況見て考えるから大丈夫』
「よし、始まったな。久しぶりだろうから慣らしつつ行ってこいよ」
『はいよ。行って来る』
雅子がコースイン、最初は馴らすように左右に振っていたが、2周目から全開で吹っ飛んでいく
「悟瑠さん、雅子は相変わらずですね。兄貴が百合ちゃんから須走さんの代わりのダンプのオペレーター頼まれて丸松建設に言っちゃった。カノジョからのお願いなんで断れなくて休日返上で行っちゃったからここに来れないんですよね」
「そうだったね。このところ隆弘もエンジンスワップやなんかんだ忙しくってつかれまくってるからなあ、レン君のエンジンを換装する改造が終わったらみんなで温泉でも行ってとかいいと思うけどなあ」
「いいですね。近くの温泉もいいけど、海を見ながら海鮮物食べて温泉に浸かってがいいなあ」
「そうだね。企画しよう。日本海側と太平洋側のどっちがいいかなあ」
『お兄ちゃん、それいいよ。来週ね。あたしは日本海側がいいなあ』
「こらー、雅子。雅子は走りに集中」
『きゃはははは』
雅子のインカムからは"ギュギュギューッ"というタイヤの悲鳴が聞こえてくる
「雅子はドリフトの最中でもこれか?」
「雅子さんの腕はすごいんですね」
アルバイト君が言っている
「そう、チームで一番速いでしょ」
「悟瑠さん、実は隠れナンバーワンでしょ。この前も赤〇でレコード更新してるじゃん」
「あはは、バレちゃった?」
「悟瑠さんも大会に出ればいいのに」
「いいんだよ。僕は車を作ってる方が楽しいから」
「兄貴と同じこと言ってるよ」
「隆弘も本気を出すとばかっぱや」
「えええええ?リーダーもですか」
「そうだよ。兄貴も実はめっちゃくっちゃ速い、それなのに走らない。この前走った時なんかあっさりとヒルクライムのベストレコード更新しちまうくらい速いよ」
「ですよね。めっちゃ速かったって由香里が言ってましたよ」
「あ、ああ。13代目の総長か」
「そうです。由香里もドリフトに出たいとかいって練習してますよ。総長を降りたんで。後継が決まらなくて2年もやってましたもん」
「そうか、うちに聞きに来るのかな?」
「はい、雅子さんに聞きたいとか。雅子さんは6代目のマブとか」
「ああ、6代目って舞由良ちゃんね。雅子の同級生だよ、愛理沙ちゃんが7代目で雅子の後輩。総長つながりってあるんだよね」
「そうですね。歴代総長の命令は絶対だとか」
「そうかあ、道理で愛理沙ちゃんは若いのにすごく考えてるって思った」
「そう聞きましたよ」
といっていると、あろうことか6代目の舞由良ちゃんが由香里ちゃんと紫陽花ちゃん、配下の新人だと言う3人を連れてきていた
乗って来たミニバンは6代目総長の舞由良ちゃんの車だった
「こんにちは悟瑠さん、雅子が走るんですって?」
「はい、譲さんのピンチヒッターです。大熱だしてダウンしたとかで」
「そうですね、百合は狩野さんも熱だして走れなくて代わりに借り出されてトレーラーダンプのオペレータですもんね。今日はカレシをダンプのオペレーターにしちゃったもんね」
「そう、ほんとは隆弘も来てここに来てサポートするはずだったんだけどね」
「仕方ないわね。百合リンは。紫陽花、あんたできることやってあげて。お兄さんの車の整備やってたんでしょ」
「押忍っ。悟瑠さん、隆弘さんよろしくお願いいたします」
「どうもありがとう、怪我しないように手袋をちゃんとつけてね」
「はい、この前、悟瑠さんに運転聞いてよかったです。カートとは全く動きが違うんです。雨の日の走りの勉強になりました。自分の運転が荒いってよくわかりました。悟瑠さんのようにアクセル、ブレーキを20段階で踏んで、ステアリングも20段階で切る運転できるように練習してます。練習用でMTの軽の箱バンを買いました」
「すごい。やるなあ」
「そうなんですよ。紫陽花のいいところは勉強熱心なところですよ。軽の箱バンは重心が高いのと非力でしょ。それにミッションのギヤ比も離れてて上手く走らないと大変なのよね」
「そうだね。それでうまく走らせるんだね」
「はい、さすがにブレーキだけは強化しました。偶然でしたけど登録車のブレーキがつかえたので」
「それはいいね。時間だ。トップは哲史さんだよ。対戦相手は常連のJZXG10じゃん、同じメーカー同士の対決になったね」
「TSS10ですよね。そうですね。あたしもその車にしちゃお。今でも40万キロ走った廃車が出るんでしょ」
「出るよ。タクシー上がりだから安いよ」
「ZN8はお兄ちゃんと共用なんで、バイトをガンバって買います。あたし専用の車にしてミッション載せ替えて練習です。悟瑠さんよかったらお店でバイトが有ったらお願いいたします」
「悟瑠さん、紫陽花をお願い致します。あたしが保証します。いい?紫陽花、バイトの時は学校の制服着なさいよ。メイクは無しよ」
「押忍っ」
「紫陽花ちゃん、わかった。機会はいっぱいあるよ。学校は何時まで?」
「3時半ごろです。実習なければ。学校からすぐに向かいます」
「2時間くらいしかできないけどお願いするよ。整備だけじゃなくて経理系もあるんで雅子の仕事もやって欲しい」
「はい、良かったら8時まで大丈夫です。家が悟瑠さんのお店の近くなんです」
「え?そうなの?」
「悟瑠さん、そうなんですよ。紫陽花の実家はお店の近くのビルのオーナーです。そういえば武者修行の就職は?」
「実は今年の就職のセンコーがあの空手の顧問でどこにも依頼を出してもらえなくて」
「なんだと?由香里。そこの3人、春名レディース舐めるなよってこと教えてやるぞ。うちの旦那に頼んでスキャンダル探すから証拠硬め。うちの学校荒らす奴は」
『あたしも許さない』
「だよね。雅子」
「雅子、いいから今は競技に集中。走り終わってから」
『はいよ』
「雅子。ごめんなさい、そうだよね。今日は雅子と哲史さんがいい成績取れるように応援ね」
「うん、よし、スタートだ」
"本日は協議会の第2戦目です。トップは前回の優勝者の一人小笠原 哲史選手です。今日の相手は常連の多摩川選手です"
場内にアナウンスが流れて、シグナルが青に変わるとスタートラインに並んだ2台がダッシュしていく。
"小笠原選手一歩先を行って、うおおおお。きたああ"
実況が絶叫している。
哲史さんは相当スムーズにドリフトさせることを練習したらしく、荷重移動を使ってドリフトに持ち込んでいた。
「前に愛理沙ちゃんが言っていた通りだったなあ」
「悟瑠さん、7代目が言ってた通りでしたねえ」
「譲さんがこのタイプなんだよ。決して派手にやってるように見えないんだけど、スケーターがワルツを踊るようにドリフトするんだよね」
「すごい、コピーと言うか」
「哲史さんと譲さんは話するとダイナミックなことは譲さんなんだよ。哲史さんは丁寧で」
「そうなんですね。運転と別ってことなんですね」
"小笠原選手、逃げ切ってゴールです。判定は?さすが前回の優勝者。まずは小笠原選手が一勝。次は前後を入れ替えてです。2台が配置につきました。シグナルが青に変わって多摩川選手はダイナミックに行ったあ。小笠原選手はうおおおお、直ドリ。しかもストレート区間全部直ドリのまま。これはポイント高い"
「これは、哲史さん相当練習したなあ」
「愛理沙から聞きましたよ。雅子と百合リンが経営しているコースに通いまくっていたとか。実はもう数台廃車が出たのを引きとって練習したとか言ってますよ。YXS11とか」
「そうなんだね。もう一台もらったのか?」
「そうですね。それでガンガン練習してるみたいです。壊れたら捨てるとか」
「そうか、なるほどね」
"判定は、小笠原選手の勝ちです。AI判定でも直ドリをやり切ったのが効いてます。午後のタイムトライアルが楽しみです"
「悟瑠さん、ここは狭いから午後はレースじゃなくてタイムトライアルなんですね」
「そう、どうやってもいいから速く走ったもの勝ち。レースとはまた違った面白さあるよ」
「いいか、由香里、紫陽花、雅子の走り見てるんだぞ。ここに選手になって来たいなら雅子の走りがいるから」
「押忍っ」
「はい、6代目」
競技は順調に進んで、午前最後の雅子の出番になっていた
"競技も進んで次はスポット参戦の佐野選手と常連の太田選手です、今日は松尾選手が出れないということで代わりに佐野選手がエントリーです"
「雅子の出番だぞ。由香里、紫陽花、きちんと見ておけよ。動画も撮るけど目に焼き付けろ」
「「押忍っ」」
"シグナルが青に変わって佐野選手と太田選手のスタート、えええええ?嘘だろこんなことってありえんのかよ"
「えええええ?雅子先輩もう横向けてる」
「雅子。冗談でしょ?そのまま加速してる?」
「舞由良ちゃん。雅子は人がやらないことやるんだよなあ」
「おおお、7000迄ぶん回してるなあ」
「ド派手に振ってるんじゃないけど、白煙とスキール音がすっごい迫力」
「雅子先輩のカウンターをフルに切ってる状態のまんまストレート走ってるっていったい?」
「由香里、紫陽花。言っただろ、雅子のレベルとか愛理沙のレベルってこれだからね。このレベルの走りが雅子の凄さだからね。ここまでやるんだぞ」
「はい、6代目。来てよかったです」
「あたしたちのチームは暴走と喧嘩って思われてるけど、全然違うのよ。メジャーになるのはほんの一握りかもしれないけど、その一握りになりたいなら雅子とか百合リンとか愛理沙のレベルの努力よ。愛理沙なんてママになってから本格的に走ってあのレベルまでいけるの。練習次第ってこと。わかったかな?新入の3人どう?」
「はい、6代目、来てよかったです」
「ううう、すごい」
「あああああ、いったあ」
「由香里たちって"すごい"と"あああああ"しか言ってないじゃん。チームメンバーが実況でちゃんと言えないのわかるでしょ」
「ですね」
レディスの3人が話していると
"佐野選手、スタート直後からドリドリのまま行って一周、判定は佐野選手の勝ちです。次は前後入れ替えてですね。一周回って佐野選手が後ろからスタートです"
シグナルが青に変わって雅子と太田選手がスタート。
ロケットステートで一気に太田選手を躱すとアウトからめいっぱいのドリフトでストレートをドリフトしたままフル加速
太田選手は戦意喪失でドリフトすら忘れるようだった。
「雅子先輩凄すぎ」
「由香里、紫陽花、雅子を超えろ、それが目標だ。雅子は今回はスポット参戦だからな。本業と言うかTSカーカップがメインだ」
「スポットでこの凄さですか?」
「その通り、極めたらは何をやっても上手くできるんだよ」
「はい」
午後のタイムトライアルは午前中トップを取った雅子が体調がおかしいと棄権したので、今回の優勝は哲史さんだった。
車をアジトに格納して、僕と雅子が駄弁っていた
「雅子、今日は哲史さんに華を持たせたのか?」
「そうじゃないよ。なんかあたしも調子悪くって。寒いんだよね」
「おいおい、顔が赤いぞ。熱測れ。え?38.5?そうか、明日は陽菜ちゃんでお店に行くから、実家のリビングで寝てろ。熱下がったら温泉旅行の段取り頼むぜ、このところハードで疲れがたまってるからさ」
いつも元気で風邪なんかめったにひかない雅子がダウンしてしまったのだった。
月曜日、親たちはP-FG195BAのフレームを見に行った、そのブレームをそのまま使って載せ替えとおもっていたら、思わぬところに伏兵がいて、ステアリングの取り回しがキャブオーバーとボンネット用ではまるっきり異なっていて、最小回転半径を犠牲にしてボンネット専用のレイアウトにするか、ボンネットトラックのフロントフレームを持ってくるかの対応が必要であるとわかったのだった。
「工場長、軽快君は総輪駆動で元から切れ角あんまり取れないから成り立ってたんですね。後輪駆動だといいフレーム持ってこないと切れ角取れないですもんね」
「そうですね、キャブオーバー車をボンネットかするとステアリングレイアウトに苦労するんですね。レプリカバスの時もあったようですよ。BH15のフロントフレーム移植かなあ」
「後はKB122とかZM103のフロントだけでいいから残ってるかですね。新しい分切れ角多くとるようにしますよ」
「そうですよね、それならいいのを探します。先に親父にも入れておくか」
僕は、P-FG195BAを見に行った親達に追加でKB122、ZM103とZM102のフロントフレーム廻りが残ってないか聞いてきてくれと連絡した
その日はなみちゃんの外板交換とレイ君の外板交換で大忙しの一日だった。
仕事が終わったころで親父から一本の電話が来て
『悟瑠、いいことに地滑りで荷台と後ろが壊れたKB122トラックの廃車体があったぞ。キャビンから前は健在だ』
「親父、そのトラックも買ってきてくれ。BH15公道復帰には必要だ」
『わかった』
BH15は公道復帰に必要なフレーム、足回りがそろっていることがわかって、ほっとしていたのだった。
その週末の予約してある温泉を楽しみに、なみちゃんとレイ君の外板張替頑張る僕らだった。
脚の長い仕事が来ちゃったけど、深刻な状態から復旧させる方法考える悟瑠たち
雅子は、ドリ大会でも雅子は活躍
再生で疲れがたまった悟瑠たちは温泉に行けるかな?
いつも読んで頂き、どうもありがとうございます。
今回はここで更新します。
お気に召しましたらイイネや感想いただけると更新のモチベーションアゲアゲになります
次回は出来上がり次第投稿します




