第七十四話 2台のバスの外板張替と走行会バトルにまきこれて
なみちゃんの再生が始まり、同時にBXD30Eの修理も開始
その間もGS130改、エスワン、MA45改のエンジンスワップ
出来上がったGS130改でドライビングレッスン中にまたバトルに巻き込まれて
主な登場人物と所有車
佐野 雅子 ヒロイン 25歳 4月生まれ
峠のバトラー⇒TSカップレーサー、10勝目にトライ中。
家業の佐野自動車販売の中古車販売店副店長兼整備工場副工場長、整備の段取り担当の副社長
前職はスーパーの経理兼販売促進
所有免許;大型2種、牽引運転免許、2級整備士免許、危険物乙4、玉掛、ガス溶接、救急救命士、巻き上げ機
レース以外の趣味:
オフロード走行:大型の2軸総輪駆動のエンジン、サスペンションをいじって自分好みした。
パソコン:プログラム組むのも好きでシステムを自力で組める
所有車
大型バス:
観光系 ルーシーちゃん
路線系 獅子丸くん
フーセンちゃん
短尺系 ニジュちゃん
エムエム君
大型キャブオーバーダンプ
4×4 藤子ちゃん
大型ボンネットダンプ
4×2 カービーちゃん
小型車
クーペ イチゴちゃん
僕;佐野 悟瑠 雅子の兄 28歳、3月生まれ 妹の雅子より4学年上
家業の佐野自動車販売に就職して6年目、整備工場の工場長兼副社長。
所有資格 2級整備士、MIG溶接機、レーザー溶接機、ガス溶接、玉掛。免許は大型、けん引免許 巻き上げ機、危険物乙4
カーキチ、スペックオタク、エンジンスワップ大好き
所有車
大型バス:
観光系 ゴーゴーくん
ロザン君
なごみちゃん
路線系 パン君
陽菜ちゃん
キューピーちゃん
大型キャブオーバーダンプ
4×4 サイバー君
小型車
セダン サンゴちゃん
三四郎君
佐野 康晴 僕の父親 56歳 佐野自動車販売の社長。趣味人 マニ割、エギマニ作りの名手 元整備工で板金も得意
所有車
バス:路線系
大型 ニイナちゃん
中型 アサイー君
ケーテン君
小型 いい子ちゃん
大型ボンネットダンブカー
4×4 タフさん
セダン
Q-LS131H改
佐野 康子 僕の母親 54歳 佐野自動車販売 副社長 佐野自動車販売店店長、営業、仕入れ担当
所有車
大型リアエンジン路線バス
錦くん
大型ボンネットダンブカー クレーン車改造済
4×2 デコちゃん
バン
KG-VWMGE24改
加藤 隆弘 28歳
悟瑠の同級生で親友。専学卒業後家業の内燃機整備工場に就職、佐野自動車販売に事業譲渡でそのまま異動。悟瑠の幼馴染。2月生まれ。エンジン加工の名手、エンジンスワップ大好き
所有車両
大型キャブオーバーダンプ
4×4 ラッシー君
大型自家用バス
兎ちゃん
小型車:
セダン
エスティーくん
加藤 隆文 25歳
隆弘の弟。雅子より一学年上だが、3月生まれで実はほとんど同い年。工業高校から家業へ就職。佐野自動車販売に事業譲渡でそのまま異動。板金と排気系を作るのが得意
所有車
大型キャブオーバーダンプ
4×4 まゆかちゃん
大型ボンネットダンプ
4×2 きみこ
バス 大型短尺路線系
恋路ちゃん
クロカン4×4
ロックン
趣味:TSカーレース 今シーズン未勝利
松尾 百合 25歳
雅子の親友、丸松建設のお嬢さん。雅子と同じ高校卒業して同じスーパーに入って家業に転職。松尾運輸の副社長。普段はおっとりだがスイッチが入ると途端にせっかちとブチ切れになる 5月生まれ
TSカーレーサー 1勝あげ、2勝目を目指す
所有車
バス:大型観光系
武蔵君
ラムちゃん
大型ボンネットダンプ
4×4 パイ君
4×2 徳次郎君
小型車:
クーペ エスワン
松尾 譲 27歳 百合ちゃんの兄 丸松建設の副社長。マニ割マニア
所有車
バス
キャブオーバー
4×2 ビーフさん
大型ボンネットダンプ
4×2 旦那さん
4×4 ゼットワン
小型車
E-KE70HT
E-GS130改
松尾 隆 丸松建設の社長 百合ちゃんの父親 56歳 速い車大好き 悟瑠の父親の同級生
所有車
大型キャブオーバーダンブカー
4×4 サンデー君
大型ボンネットバス
4×2 なみちゃん
セダン
E-GNY33改
松尾 友香 百合ちゃんの母親、丸松運輸の社長 54歳 旧車大好きながらもオリジナル主義
大型ボンネットバス
4×2 デビちゃん
4×4 てつしくん
大型ボンネットダンブ
4×2 でん六くん
HB
E-KP61
小笠原 愛理沙 24歳 係長
TSカーレーサー
雅子の同じ学校の一つ後輩。小笠原食肉のお嬢さん。元レディス総長(7代目)2児のママ かつて雅子がいたスーパーに勤務 大型免許所持 抜群の運転センス
所有車
小型セダン
TA-GXE10
大型リアエンジン観光系バス
ババロアちゃん
大型キャブオーバーダンプ
4×4 フライヤーちゃん
小笠原 哲史 27歳 愛理沙の兄。別の会社に勤めていたが家業に転職、副社長 大型免許所持 旧車好きでオリジナル主義
所有車
小型車セダン
E-AE70
小型クーペ
E-MA45改
大型路線系バス
マーシーちゃん
中型総輪駆動トラック
美浜ちゃん
長野さん 30歳。 移動販売課 課長代理
バス会社に居たが欲しいバスが排ガスの関係で住んでいる地域で登録できなくて雅子がいたスーパーに転職。今は愛理沙ちゃんの上司 短尺バス好き
所有車
大型短尺系バス
自家用
伊那路
観光系
五平君
路線系
鬼丸君
小型車クーペ
NE
狩野さん 30歳 業務課長
運送会社にいたが首都圏の事業縮小で地方に転勤になった。偶然募集していた松尾建設に転職
所有車
大型キャブオーバーダンプ6×4
V10
古武道君
V8
福田屋君
小型車EHT
ND
綿貫 洋平 スーパーの販売部 課長 37歳
中型リアエンジン
ロニー
橋爪 正治 スーパーの社長 61歳
ボンネットバス
ポニーちゃん
デッサン
「悟瑠、今後の仕事はBXD30Eの再生となみちゃんの公道復帰だろ、エスワンとGS130改とMA45改のエンジンオーバーホールか?」
「隆弘、MA45改は1G-Gにして欲しいとか言ってたぞ。理想は7M-Gでもいいとか200ps欲しいとか言ってるよ」
「GS130改はRB25?」
「それかRB30かな?300出ればOKでしょ。25でもって言うか25+26クランクの250psでどうかな?」
「百合のエスワンはZ24?Z20のままでいくんじゃないよな」
「それかKA20がいいよ。既にボディは3ナンバーになってるから、どっちでもOKだよ」
「それで行こう。MA45改は1G-GでGS130改はRB25改、エスワンはKA20だな」
「それでいいよ。エンジンは全部在庫にある。それらのエンジンのオーバーホールだ。その次はなみちゃんの再生工事だな」
僕らは段取りを決めると、3台のスポーティーカーのエンジン積みかえを開始するのだった
「悟瑠、GS130に積むRB25改は25NEOヘッド+26ブロックとクランクが本命だよなあ」
「そう、今、うちには30ブロックの在庫がないから買わないといけない。ネット見てたんだが、ブロックの値段爆上がりで予算に合いそうもないんだよ」
「ということは。在庫の26ブロックか。悟瑠は26ブロックをかなりの数買っていたたもんな」
「ああ、うちの県の解体で出た26ブロックは殆ど買ったよ。レバノン逃亡野郎が旧車部品を放出するっていうときもN社の在庫買えるだけ買っちゃった。買ったエンジン部品はうちのオイルのドブ漬け倉庫に眠ってるよ。今回も眠っているのから使うよ」
「それに大型車のミッションも買っただろ」
「ああ、親父がVOがNDのエンジン工場とミッション工場を建設機械会社に売ると言ったときも買ったよ。エンジンのブロックも。経理の勉強しようと雅子の高校の教科書を見てVOのやり方を見ると、VOって会社のやることは自動車会社じゃなくて単なるハゲタカファンドだよ。ミッションもエンジンも作れないようにしてしかもバス事業からも撤退させ、資産を売却してその利益を吸い上げて国内の別メーカーに押し付けて後はトンヅラだよ。同じ様にBZもそうみえた。外資は僕から見たら金の亡者でハゲタカだよ」
「経営にお金は大事だけどな」
「わかるけど、VOって会社は度が過ぎてる。僕に言わせるとVOとNDが統合されてからはお客様をもてなすって心がまったくないラインナップだ。僕は儲けも大事なんだがお客様をもてなすって事をより重視したいんだよ。前二軸廃止とかクラッチペダル廃止とかメーカーの都合を顧客に押し付けている」
「そうだなあ、このところ原価低減かもしれないけどD11系のエンジンはめっちゃトラブルおおいよね」
「その通り、あの11リッターエンジンの設計みてもVOって会社は汎用性の基本を理解してない。日本はブローバイは吸気系に入れて再燃焼だけど欧州は排気に混ぜて基準クリアなら排出OK。その違いを無視するからブローバイからオイルを吸気に吸い込んでエンジン暴走のリコール出したんだよ。僕から見たら、ブローバイ取り出し口をヘッドカバーの上部じゃないところにつけること事態おかしいと思うよ」
「そう言ったらそうだな。日本だとヘッドカバー上部に抜くところつけてオイルセパレータつけてオイルミストなるべく吸気に吸わせないようにしてるもんなあ」
「それにD11系エンジンのオイルギャラリーが樹脂パイプはないだろ。普通はブロックに鋳込むけどこいつは樹脂パイプだよ。僕に言わせたらありえない。振動でパイプに亀裂入って送油量不足したら最悪焼付きだよ。サードパーティーの中国製の金属タイプの方が耐久性あるって大笑いだぜ。ロシアの整備動画に乗ってたの見て呆れたよ」
「そうそう、なんかVOは日本人に対して上から目線だよなあ。それに100万キロも走らないうちにユニットインジェクター全部交換なんて例も結構あるじゃん。そのくせユニットインジェクターは交換しずらいレイアウトになっててとかなあ。交換するのにヘッド開けづらくて苦労するとか。オルタネーターが低いところについてて泥被って故障するとか、D13系エンジンを単車に積ませないとか、日本人を馬鹿にした商品ラインナップだよ」
「そのとおり、ミッションも。微速コントロールとか止まる時に変速ショックっ防止に使いたいクラッチペダルがない。なんか、俺達が作った車に文句言わずのれ、ドライバーの意見は聞かない、いや聞くもんかってかんじだな。もう一つのMFを牛耳っているBZもそうだけどな。あの会社はミッションがかなり故障率高くて一気にシェア落としたよ。それに不幸にもすったもんだやってくっついた別のメーカーも新社長が外人だと日本的なおもてなしはしなくなるだろと見た。任期終わったら母国に帰るから、自分の任期の間だけを凌げば後は野となれ山となれってのが外国人経営者におおいよなあ。」
「そうだよなあ」
「あのHNはエンジンパワーこそなかったけど低振動で低騒音、故障率低いのが取りえだった。そのメーカーのエンジンががうるさくて振動と故障だらけになってしまいそうだよな。ミッションにMTあればまだいいけど全部発進しづらいAMTになってるんじゃあなあ。ダンプのAMTは運転手が無理掛けて保護制御入るとそれでも無理掛けて走らせるもんだからエンジンとミッションの壊れ方がひどいね」
「そうだなあ、もっというとVO社は中国とも関係深いところ有るから、有事なんかあったら要注意でもあるだろ」
「そうだな。情報抜かれたり、部品供給がヤベえだろ。外資に乗っ取られトラックの価格だけが上がって品質は下がってしかも直系のディーラー以外整備させないスタンスになったらもうBN連合も終わってるなあ。整備機器が高いとかな」
「そうだな。悟瑠。やべえ、しゃべっちまった。仕事だ仕事。」
「やべえやべえ、今日はまずは、百合ちゃんのエスワンを急いで仕上げよう。譲さんのGS130改と哲史さんのMA45改はその次だな」
「悟瑠、隆文がみたらKA20DEはオーバーホール済ってあったって言ってるから単に載せ替えだな」
「隆弘、なんかこのKAのブロックは形状がZ20にそっくりじゃん。ってことは意外に簡単に行くかもよ。オカマフランジの形も一緒じゃん」
「それなら、載せてみようぜ。隆文は準備いいか?」
「はい。これからアジトに行って載せ替えですよね。1G-Gはうちに在庫ありましたけど、7MーGは在庫ないですよ」
「そうなんだよなあ、7MーGも値段爆上がりなんだよなあ。バブルのころGX71、GX81でいっぱい1G-G作ってたからうちの在庫は豊富だけど、7MーGはあんまりないもんな。そうだ26ブロックとネオヘッドはアジトにある在庫してよなあ」
「うん、悟瑠さん、兄貴、1G-Gはオーバーホール要るんですよ。26の方は部品の重量バランス取れば組めます。ゴム部品も小間物部品も全部アジトにそろってるんで」
「じゃあ、悟瑠、隆文、倉庫から1G-Gも積んでいこう。アジトでオーバーホールすればいい」
「それで行こう。先にアジトに行っててくれ。わりいが雅子に呼ばれちまった。BXD30Eの依頼主がバスに乗って見積もり取りにくるとか」
「そうか、先行ってるよ。デーブ君にKA24と1G-Gを積んでいくよ」
「よろしく。あ、この"グロウグロウグロウ"いう音はDA640エンジンの音じゃん、隆弘、悪いが頼むぜ」
「ほいよ。鈴木さんたちにはなみちゃんの錆取りかな?鉄板は既に先週の金曜に来たから作業はできるよ」
「ありがと。こっちはまず、ボディ降ろしてフレームの防錆処理だよ。一回全部カチオンも落としてそのまま脱脂、ジンクメッキ槽にドボンだな」
「その後はもう一回カチオンかけなおして防錆か」
「ああ、俺たちのサイバー君や雅子の藤子ちゃんたちと一緒だよ」
「そうだなあ、デビちゃんとかてつしくんや軽快君もそうか」
「その通り、全部一旦塗料落として再メッキしてその後に防錆処理ってこと」
「悟瑠さん。エンジンを積み終わりました。先に行ってますね」
「隆弘、隆文悪いね。BXD30Eの見積もりやって、どこまで直すかが決まったらアジトにすぐ向かうから。今週のここの段取りは雅子に頼んで、先に小型の3台処理。来週からは丸松建設のダンブの点検来るからな」
「はいよ、どっちにしても鈴木さん達はなみちゃんの公道復帰が先だろう」
「その通り、クーペは百合ちゃんは自分の足のエスワンが復帰してくれないと街乗りの車がないから譲さんのKE70とか母親のKP61を乗ってるって」
「そうかあ、百合は乗ってたエッちゃんを売っちまったからなあ」
「そうなんだよ。隆弘のカノジョの車だ。念入りに頼むぜ」
「わかったよ。悟瑠、明日の夕方から愛理沙ちゃんとデートだろ」
「ああ、はや上がりで言ってくるよ。うちにも愛理沙ちゃんは欲しいよ。雅子とおかんの二人じゃあ経理だけでも結構回すの大変だ。じいちゃんも手伝ってるくらいだからな」
「愛理沙ちゃんまで抜けたらスーパーが大変だろ」
「そう言っちまったらそうだけどな。優秀なのは引っ張りだこになっちまうよ」
「じゃあ、3台のスポーティーカーは任せろ、まずはエスワンの公道復帰だろ」
「よろしくたのむぜ、Eーよりは排ガス規制の厳しいエンジンだからなんとかなるって」
「だな」
「今日の帰りはデーブ君のまま帰ってOKだ。ラッシー君は雅子に乗ってきてもらうから明日乗って帰ってくれ」
「それはたすかるぜ、今週は俺達はアジトで仕事で」
「そのとおり」
隆文と隆文は2機のエンジンを積んだデーブ君に乗ってアジトに向かっていった
グロウグロウグロウとDA640エンジン独特のアイドリング音がやむと、お店に40代後半の人と70代くらいの人が入って来た
「初めまして、ネットで見積もりを依頼した矢代と申します、オーナーの父です」
「はじめまして、矢代と申します」
「いらっしゃいませ。佐野自動車販売販売店店長の佐野です。こちらが息子で工場長、娘で販売店副店長、副工場長です。あいにく社長は出てますが息子と優秀な板金課長がお車を拝見しながら見積もりします」
「よろしくお願いします。実は戸隠の高尾さんからご紹介されまして。高尾さんがお持ちのボンネットダンプも送迎用バスもここで直してもらったとか聞いてまして」
「送迎用バスとボンネットダンプですね。ここで整備させていただきましました。いい個体でしたよ。今は送迎用バスをうちの従業員が乗ってます」
「そうなんですね。実は隣の県で小規模なトラック展示会あったんですよ。そこに高尾さんのボンネットダンプが出品されててオリジナルの良さを残しながら現代でも通用するようにターボとかエアオーバーブレーキ、パワステ、エアコン、フィンガーシフトにアップデートされててとても素晴らしいです。この車もアップデートお願いします」
「過分にお褒めいただきありがとうございます。承知いたしました。それではおクルマを拝見させていただきます」
「はい、こちらです」
駐車場に止まっていたBXD30Eだが、下周りを見たいと思った僕らは
「矢代さん、BXD30Eを工場に一旦入れでいいですか?下からも見たいので」
「はい、お願いします」
僕はBXD30Eを工場のピットに入れて鈴木さんと一緒に床下からフレーム、フロアパネルの傷み具合を見ていた。
「工場長、これは笠木工房で面倒見ていた個体のようですね。ここに防錆剤を吹いた月日が書いてあります。工房縮小の頃にこの車を前のオーナーが手放したんですかね」
「そのようですね。とにかく良かったと言うか助かったのはフレームの電子防錆装置がまだ作動してるってことですね」
「そうですよ。フレームがいってると大変ですからね」
僕らはピットから上がってきて次にルーフの状態を見るために天井通路に登りながら外板と内装を見ていた二人に聞いてみた
「おーい、渡辺、外板の具合はどうだ?田口、車内はどうよ」
鈴木さんが声をかけると
「課長、工場長外板は雨が当たるところにおいてあったみたいで錆の状況ですが下側は全部交換必要です。窓のところはここも異種金属で錆びてて全部交換、方向幕周りはゴムパッキンのところが全部いってます、非常口周りも上部のゴムパッキンが腐っててそっから水が入ってしまってて交換です」
「渡辺、それなら全部取っ替えが早いだろ」
「そう言ったらそうなんですが、笠木工房で1回外板を総取っ替えしてるようです。前面の裏に笠木工房の銘板が貼ってあるんですよ」
「工場長、そうか。未再生原型車じゃないってことかな?ルーフはうわあ、これは総取っ替えですねえ」
「ルーフはその当時の笠木工房では仕方ないですね。お客様の要望を聞いてですね。防錆鋼板の様ですねえ。でももう効果がないのかな?ジンク防錆塗料は吹いてあるようですけど」
「はい、そうですね。電気防錆もついてますがカバーしきれませんでしたね。田口に内装の画像撮ってもらったんで総合してですね」
「助かります。オーナーの希望次第ですかねえ」
「そう、あと何年乗るかですよ。正直いって5年乗るか20年乗るかで直すところも違ってくるしょうね」
「そうですね、何年乗るかで修理の方向決まりますね」
僕と鈴木さんは事務所に戻った。
母親と雅子と世間話しながら待っていた矢代さんたちに結果を言っていた
雅子は修理するべき箇所と内容、理由を撮った画像をモニターに映してくれたので、僕はモニターを使って修理が必要なところを伝えながら矢代さんたちの意向を聞こうとしていた。
「これから20年乗りたいなら外板総とっかえですね。ルーフと窓廻り、方向幕廻り、非常口周りが防錆鋼板に張り替えてるとは言ってもかなり来てます」
「これにエンジンのターボをお願いしたらどうなりますか?」
「え?ターボですか?」
「はい、高尾さんがボンネットダンプをターボにしたら、登りでもシフトダウンしないで済むので運転が楽になったということ聞きました。なので僕のBXD30Eもターボに出来たらお願いしたいんです」
「いいですよ。以前BF30でDA640にターボつけたことありますから」
「そうなんですね。BF30はフロント周りが違ってて特車というか新型キャブオーバートラックとフロントのフレーム、足回りが統合されたようですが」
「はい、そうですね。他にはこの前展示してあったスーパーのBXD30のDA640エンジンにもターボつけました。そのへんはお任せください」
「凄い。他のお店のことをいったら失礼ですが、元社長が若いころにやってた笠木工房と同じですね。なんでもやったことあって経験豊富。そう言えはここで私の知り合いの息子さんのダンプもエンジン載せ替えやってもらったとか聞きましたよ。V10ダンプのマニ割もやってもらったとか」
「あ、はい。思い出しました。あのCW61ダンプのオーナーさんと知り合いなのですね。今はアルバイトで丸松建設でダム工事現場で土砂輸送してますね。排気系はマニ割だとうるさいこと言うところがあって今はダブル煙突ですが、等長エギマニとサージタンクにしてます」
「そうなんですね、2年くらい前まで自慢のV10ダンプが調子悪かった時はめっきり老け込んでたけど、この前会ったら10歳くらい若返った様に見えました。ダンプカーで仕事してるっていいんですよ。私も仕事頑張ってこのBXD30Eの修理費用稼ぐことにしました。身体が動くうちにということで」
「親父、ところで外板は全面張替えで、エンジンターボにしてか?内装は床材の張替?」
「ああ、できればエンジンもミッションもオーバーホールだな。内装材の張替。床がやばい」
「もしよければ、オーバーホール済のエンジンとミッションが在庫にあるのでそれに載せ替え、この車のエンジンとミッションはうちで買い上げますがいかがでしょう?」
「いいですね、それなら工期もかかりませんね」
「そうだよ。親父。BXD30Eに何か不調が有ったら今度からはここにお願いすればいいよ。親父にはもう一台K-ZC121改もあるんだから、僕のBH15もここに頼もうかって思ってるよ」
「そうだな。ここにお願いしよう。それでは見積もり通りでお願いいたします。内容は外板全面張替、エンジン、ミッション交換、内装材の張替」
「張替ですが、リベットを使いますか?見積もりはレーザー溶接です」
「え?全部レーザーなんですか?」
「はい、それが早くてコストがかからないので、実はスーパーのBXD30もBF30もレーザー溶接リベットレスです」
「錆はどっちが出ないですか?」
「それはレーザーです。溶接の手間がかからないのと防水のシール材も要らないのでコストも安いです」
「あ、後このルーフベンチレータ除去とは」
「うち、オリジナルです。ルーフの錆防止ともうルーフベンチレータ周りの防水パッキンが製造廃止になっていて新品が出ないので、ベンチレーターからの漏水防止も兼ねて撤去です。エアコンとセットにしてます」
「そうですね。それなら廃止も仕方ないですね。あ、そうだ、エアコンも乗せれるんですね。夏場暑くてたまんなかったけどそれはいい」
「はい、ルーフから空気取れないのでエアコンとセットです。それではルーフベンチレータは取ります。冷気ダクトはルーフと天井材の隙間に通します。このへんはBXD30と同じです」
「それでは見積もりの仕様にて再生お願いいたします」
「車は今日から預かりですか?」
「はい、あ、脚がない」
「それでは僕がお送りしますよ。これから丁度出るので」
「ありがとうございます。契約書にサインしておきます」
「はい、これでお願いいたします」
再生の契約が成立したので、僕は雅子が作った契約書にサインしてもらっていた。
その後は雅子と母親に今日の予定を言っていた
「雅子。僕は急いで百合ちゃんのエスワンを仕上げるんでアジトに行って作業してくる。雅子の帰りに隆弘のラッシー君乗ってきてほしい。僕はゴーゴーくんで二人を送ってからアジトにいく。ラッシー君には3人乗れないから仕方ない」
「いいよ、明日も隆弘さんたちはエスワンの仕上げとアジトで1G-Gのオーバーホールだよね」
「うん、幸いと言うかエスワンの内装は掃除と消臭で済みそうだ。念のため内装材外して水洗いをお願いしたよ」
「百合リンならそれでいいかも。わかったわよ。明後日には納車できるかな?」
「車庫証明がくればね。排ガスは元がE-だからそんなに問題はない、Z18ETだったから楽は楽だよ。換装するKA20エンジンの方がE-よりも排ガスが厳しいから触媒ごとスワップで車検が通るよ」
「そうなのね。公認も簡単ってことね」
「うん、いいことに元から乗ってるターボをネットに直した出力とトルクが載せ替えるエンジンより大きい、強度計算も要らない。じゃあ、アジトで」
僕は暖機していたゴーゴーくんで矢代さんたちを家に送ってそのままアジトに向かっていた。
僕がアジトに着いた時には既に隆弘たちはKA20エンジンをエスワン車体に乗せ終わっていてエンジンコントロールユニットをつなごうとしていたのだ。
「載せ替え早かったなあ」
「うん、このエスワンはシンプルだから早いよ。ミッションおろさずにそのままでエンジンが抜けた」
「そうなんだ」
「しかもエンジンのマウント位置が全く一緒でミッションのおかまの穴も一緒であっという間に乗っちまった。クラッチも新品着いていたから変えてない、レリーズ位置も一緒でいいからこれまた楽でいいよ」
「どうもありがと。まさに兄弟エンジンってとこだな」
「そうだな。内装は外して水洗いしてファンヒーターで乾かしてるぞ。カーペットは新品入ってたよ。シートの掃除だけで済みそうだ」
「ありがと」
「シートさえ綺麗なっていれば、百合もOKだろ」
僕らは公認の申請して確認してもらえるところまで進めると夕方になっていたのでその日は解散した。
次の日、エスワンに新しく積んだKA20エンジンをかけっぱなしにして漏れ確認して、その間は1G-Gエンジンをオーバーホールしていたのだ
「この1G-GはGX81最終型用だなあ、ピン径が太い」
「うん、ツインターボと共用になって、静粛性重視の物だろ」
「このMA45改には似合ってるかもね」
「悟瑠、この後はRB25改の組み立てか」
「うん、新品ブロックとクランクはオイル漬けになってるから錆びてないはずだ」
「洗い油で洗浄して組み立て開始だな。隆文は1G-G頼むぜ。洗浄装置でブロックごと洗浄して段べりないか確認だろ」
「もちろん」
「エスワンの漏れがないなら全開試験はしないでもいいかと思ったよ。ラジエター見たらFJ24用だった。オイルクーラーも入ってるからいいかな」
「純正で水冷式がついているとはなあ」
「このブロックは多分AT用だろう、E24ワゴンのエンジンのコントローラー+触媒なんでE-なんか全く問題なく通っしまうよ」
「そうだなあ、漏れはないな。悟瑠はこれから登録か?」
「そうする。内装も仕上がっているから試験してだね。足回りもブッシュ類は全部イミテーションだけど新品にしたから」
「ガス険の予約は取れているんだね」
「もちろん」
「登録頼むぜ」
「後はGS130改とMA45改を仕上げて納車だな。3台とも新品のブッシュ類があるとは思わなかったぜ」
「そうだなあ」
僕はエスワンに乗って届け出に行って公認を取っていた。
ガス検査は一発で通っていて、晴れてEーPS110改となってナンバーが着いた。
雅子が百合ちゃんに連絡すると、譲さんとKE70に乗って30分もしないうちに引き取りに来たらしい
その時、譲さんに日曜日ミニサーキットで練習会があるので走り方を教えて欲しいといわれた。
僕らは土曜日も出勤してアジトで残ったGS130改とMA45改を仕上げて納車していた。
日曜日、納車したばかりのGS130改でミニサーキットの練習会に来ていた。
「悟瑠さん、雅子、ありがとう」
「哲史さんは来なかったんだね」
「まだ、慣れてないからって言ってた。ドリ車がTSS10だからってMA45改にしたって言うから徹してるよね」
「そう言うことか、リジッドアクスルってことね」
「そうなのよね。あの車ってリジッドで」
「あ、危ない。おおお、上手い。譲さん避けた」
「スピンね」
ミニサーキットでドリフトの練習していた、譲さんの前を走っていた車がスピン。
同じくドリフトに入りかけていた譲さんは冷静にスピンした車が来ない方向に逃げてクリア、しかし譲さんのすぐ後ろの車は何とか逃げたもののエスケープゾーンに飛び出してしまった
「コースの掃除だね」
「そうそう、仕方ないか」
譲さんが戻ってきて、車の点検していた。
「お兄ちゃん、危なかったね」
「練習だからなあ。僕はまだこの車になれていないよ。今はいてる中古のタイヤはエコタイヤにしてズルズルにしてきっかけづくりの練習だからね」
「そうねえ、譲さんは派手さはないけど華麗にって言うかなあ。そんな感じだよね」
「そう、僕は百合みたいにド派手にってじゃなくフィギアスケーターが滑るように走りたいんだよ」
「そうなんだね」
「この前のTでの大会でそれで同点優勝だったよね」
「うん、哲史さんはアグレッシブに行くんだけどタイヤマネージメント上手いよ」
「ちょっと違うタイプだよね」
「うん」
「あ、クリアになったじゃん。お兄ちゃん、気を付けて」
「はいよ」
譲さんがブレーキや他の手を使わずに荷重移動だけでドリフトに移行しようとする練習を続けていると
「アイツ、なんだ?譲さんがドリフトしてるのに後ろからやったらヤベえだろ」
「そう、今日は練習なんだから、バトルじゃないよ」
「あ、譲さん冷静だね。戻って来た」
譲さんが戻ってきて、車を停めて降りてきた、すると後ろを走っていたのも来て
「ドリフトしねえならどけよ」
「はあ?何見てたんだ。きちんとカウンター当ててたぞ」
「あんなのドリフトじゃねえだろ」
「お兄ちゃんに何言ってんの?見てたけどそっちが派手なだけでド下手なだけじゃん」
「あ、ヤバ。百合リンのブチ切れスイッチ入っちゃった」
「なんだと、ド下手だと」
「それならあたしのエスワンと勝負よ」
「なんだと?おめえが?へん。このボロビアでか?骨董品で何ができる」
「いったわね。女のあたしに負けるから逃げるって?」
「いったな。やってやろうじゃん」
「そうね。オフィシャルには行って来るよ。10分だけ2台にってね」
「望むところだ」
百合ちゃんは、オフィシャルにお願いして10分だけ2台で独占走行させてもらっていた。
相手はZN6で見た目はドノーマル仕様だった、百合ちゃんのエスワンはエンジンはKA20改だが他は全くのノーマル、脚こそダンパーを締めてるだけでバネ、スタビはノーマルだ
「いいぞ」
「行くよ、あたしが先行ね。抜かれたり、スピンは失格」
「見てろ」
「百合、おまえ」
「任せてよ。あたしだってドリ大会出てたでしょ。競技に出た回数ならお兄ちゃんより多いからね。スターター頼むね」
「おう」
譲さんが両手をあげてスタートの合図、5000rpmを維持していた百合ちゃんが"ドン"とクラッチをつないで発進。隣のZN6はミッションを労わったのか?派手にはしないがスムーズにスタートしていった。
「うそっ?百合ちゃん切れてる」
「ブチ切れモードで走ってるよ」
「スピンか?いや、違う。うまい。立ち上がりにピッタリ合ってる」
「あのコーナーのギャラリーがなんかZN6を指してたぞ」
「1カメの映像あるんじゃ?」
「ある。あ。戻ったんだ」
「減点だよね」
「なんだあの突込みは?百合ちゃん今度は繋ぎもドリフト?」
「百合リン腕上げてるじゃん」
百合ちゃんが第2コーナーにブレーキを忘れたかのような速度で突っ込んでいく、アプローチで一瞬反対にノーズを振ったように見えて一気に向きを変えると第3コーナー迄ドリフトでつないでいる
「おいおい、後ろはあっけに取られているぜ。」
「だよねえ。あんなにド派手に振ってもスピンしないって何なのよって感じ」
「なんか戦意喪失って見えるぞ」
「だろうねえ。ガンメタのエスワンがあんなにド派手にドリフトしてしかも直ドリ迄して、でもあのロール量からしてドノーマルの脚ってわかるだろ」
「戻って来た。前後入れ替えかな?」
「やる気だな」
「僕がスタートやってくるよ」
僕が2台の前にいって確認、右手を上げてイン側にずれてカウントダウン、0になったところで手をあげる
"ぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ"っとZN6がホイールスピンさせながらダッシュ。その後ろピッタリとついて行くエスワン
譲さんは何も言わずに妹の走りを見ていた。
「百合リン、速い。エスワンのエンジンパワーじゃあ全然勝てないはずなのに」
「雅子、あのエスワンのKA20改は実力で120kwだよ。165psは出てる。しかも車重もZN6よりも200kg位軽い」
「ということは?」
「エスワンとZN6はパワーウェイトレシオならエスワンの勝ち、車重が1トンチョイだよ」
「それじゃあねえ」
「もっというと前のオーナーさんが倒立タイプストラットを組んだようでサスの剛性高いよ」
「ってことは?フロントのキャンバー剛性が高いってこと?」
「その通り、しかもハブ見たらY31のハブだよ。後ろも。5穴でしょ」
「あ、そういえば」
「それ言うと、譲さんのGS130改もそうだよ。Z31のハブが入っててこれまた5穴」
「それじゃあ、ガチガチじゃん」
「それを支えるボディはタワーバーとかメンバーバー、取り付け点結合位だからそうでもないかな?補剛してほしいって来るよ」
「ふーん。それにしても百合リン上手くなったね」
「うん、おおおおお、いったああ」
広くなってるコーナーで百合ちゃんが真横を向けたままアウトから相手の車を躱していく
「あーあ、ZN6がスピンじゃん。一瞬エスワンを見たのがあだになったね」
ドリフトで回っている最中にアウトから仕掛けられるとは思わなかったのかもしれない、一瞬百合ちゃんのエスワンを見てしまってコンセントレーションが途切れた瞬間にZN6はスピンしていた
「アウトから仕掛けるとはさすがね。百合リンすっごく上手くなったね。と言っても相手はZN6で百合リンのホームコースレコードホルダーだったとは知らないんだろうね」
「そうかもね、ホルダー張本人とはわかったらどうしたかな?」
「後でばらしてみようか?」
「アハハ、そうだね」
「あ、愛理沙?どうしちゃったのかな?」
愛理沙ちゃんのフライヤーちゃんが"ドリュドリュドリュドリュドリュ"というV8のマニ割の音を響かせ駐車場に来ていた。
「こんにちは、お兄ちゃんにいい車ありがとうございました。なんかMA45改をとっても気に入って乗ってますよ。これで優雅にドリフトさせるとか言ってて」
「そう?この前の大会はめっちゃアグレッシブだったわよ」
「それを優雅方向にするとか言ってるのよね。今日は自分で練習とかいってMA45改で地元のところにいって紙コップに水を入れて練習してますよ」
「はああああ、みんなあの漫画の見過ぎ」
「あ、百合リン戻って来たね」
「百合先輩、走ってたんですか?」
「そうなの。あ、戻って来たね」
愛理沙ちゃんが降りてきて何か言いたそうなZN6のドライバーを見て
「ん?伊原?おめえ何やってんだ?6代目のマブに失礼なことやってねーよなあ」
愛理沙ちゃんがいきなり総長の口調になって言う
「あ、小笠原?え?何?今何言った?6代目のマブ?もしかしてこの方、伝説の赤い太陽の?かつてのレコードホルダー?」
「ふん。知らねーとはさすが脳筋。おめえの腕で百合先輩に勝てるか?ここは公道じゃねーから先輩は思い切りいったんだろ。ドリフトで抜かれたんだろが」
「ううううう、お見通しかよ」
「はああ、あたしのホームで妊婦のあたしにコテンパンに伸されてまだ反省なし?それにこのS110作ったのはブルームーンズの佐野 悟瑠さんだぜ。悟瑠さんを知らねーとは言わせねーぞ」
「え?????あの佐野兄妹コンビとか言ってた」
「そう、チームブルームーンズの3人のサブの2人でダウンヒル走らせたら悟瑠さんはチームトップの速さなんだけど普段はS15のナビシートにいるって言うのは知っているよなあ」
「ううううう、やばああ」
「なーんだ。今頃わかったのかあ?ここんとこ雅子先輩や隆文さん、百合先輩とあたしはTSカーカップ出てるから、ドリフトには出てないもんねえ」
「はあああ」
「まったく。ほら、おめえは百合先輩に失礼なこと言ったんだろうが、それなら言うことあるだろ」
「申し訳ございません、まさかあの伝説のレコードホルダーとは思ってなかったです」
「おめえは自分の地元で紙コップの練習してからだろ。ド下手解消して来いや」
「はあああ、小笠原の先輩だったとは。うめえわけだよ」
「おめえは悟瑠さんが相手じゃなくて良かったな。悟瑠さんだったら最初からコテンパンだろ。もっと落ち込んでるぜ。あたしのGXE10でNCより速く走る腕あるんだ」
「はい。すみません」
「ここで走ること自体早すぎだろ。ほら、うせな。あ、悟瑠さん、こんにちは。実はお兄ちゃんのMA45改車体を補強できないか相談に来たんです。お兄ちゃんから今日はここにいるって言われて」
愛理沙ちゃんが凄みを利かせたせいか?伊原と言われた奴はそそくさといなくなっていた。
「いいですよ。やるよ。やっぱり哲史さんも緩いよねと思ってたんだね。補剛アイテムはもう考えてあるからすぐだよ」
「ありがとうございます。お兄ちゃんに言って後でMA45改を持って行きますね」
「いいよ。図面は雅子に頼んで作ってあるから」
「悟瑠さん、僕のGS130改ももうちょっと補剛お願いしていいですか?やっぱりなんか後部が弱いんですよ。後ろ周りがKE70よりも弱いように感じて」
譲さんも言って来た
「悟瑠さん、あたしのエスワンも。ちょっと後ろが弱いかも。ガチガチのエッちゃんから比べると後ろがふにゃっとしてて」
百合ちゃんもいっていた
「悟瑠さん、実はあたしのGXE10もちょっと前後の補剛とヘッドを1G-Gにできないかなって思ってるんです」
「やってみるよ、愛理沙ちゃんのはある意味簡単で、車検証上変わらないんだよ。載せ替えてアイドル排気がOKなら通っちゃう」
「そうなんですね」
「まずは一台ずつだなあ、先に言って来たMA45改からね、GS130改、エスワン、GXE10の順番で」
「「「はい」」」
練習を終えた僕らはアジトに帰った。
すると、ほどんどすぐに哲史さんと愛理沙ちゃんがMA45改をアジトに預けに来た
「悟瑠さん、やっぱり後ろがちょっと緩いようです。うまく補剛お願いします」
「はい、バランスよくやりますよ。この車はハッチバックタイプなんで後ろが弱いのは仕方ないんです」
「そうなんですね」
「ラゲッジスペースに影響無いようにやってみます」
「お願いします。と言うか5人乗りのままならいいですよ」
僕は受け取ってエンジンスワップの時に見ておいた方法をできないか試すべく鉄板を加工して接着剤で張り付けるとホームコースでテストドライブしていた。
次の日、僕と雅子がお店に出勤すると既に百合ちゃんがきていて
「雅子、悟瑠さん。隆弘。なんかさあ、お兄ちゃんがここで再生中の矢代さんのBXD30E買っちゃったよ。キャブオーバーバスコレクターになってるよ。お兄ちゃんはパパと今日はダム底攫いの準備中で来れないからあたしに依頼してきてだって」
「なにそれ?ってことは矢代さんの契約は?」
「うん、持ってる激レアなK-ZC121改のエンジンが壊れちゃってそのトラックを直すんで修理の資金を出すために売りにだしたの。この際フルにレストアするってことで。売る条件はここの契約をそのまま引き継いで再生を続けるってことが条件だったのよね。それはいいんだけど、お兄ちゃんは3台のキャブオーバーバスのエンジンスワップお願いたいって言ってるのよ」
「はあ?3台全部?」
「うん、簡単にいうと玉突きスワップ。レン君のエンジンをビーフさんに積んでビーフさんのエンジンをBXD30Eに積むの。」
「そうなるとレン君は?何かあるの?」
「6QA1のターボにして欲しいの。もう買ってあるの。ミッションも。出力は錦くんよりチョイ落ち位の325psと113kg位出せればいいって言ってた」
「はいはい、わかったわよ。エンジンとミッション探さなくていいならいいかな?」
「譲さん嵌ったねえ」
そこにうちの母親がやって来た。
「あ、百合さん。いらっしゃい。譲さんにお礼言っておいてね。KE70ありがとうって。悟瑠が整備したんで調子はいいわね。ちょっと非力だけど」
「え?ママなんかしたの?」
「うん、愛理沙ちゃんのおうちにあたしのKG-VWMGE24改をあげちゃったの。どうしても個人商店にラードを卸す時に使うバンが欲しいっていって探して欲しいって言われてたの。ラードって重いのと取り扱い増えたから今まで使ってたKE71Vじゃあ積み切れなくてどうしようもないって。あたしはこのところKG-VWMGE24改には荷物を全く積んでなくて単なる脚にしかなってないから、あげちゃった。お買い物の脚がほしいなあって思ってたらそれなら譲さんがGS130改買ったんで、KE70をあげるって言うから、もらっちゃった」
「うそでしょ。それにしても愛理沙の家のKE71Vっていったい何年つかってたの?KE70と同世代だよねえ」
3人が見つけてきた旧車を直す悟瑠たち
百合ちゃんの腕はさすがです
今回は妹は妹でも譲さんの妹の活躍でした
いつも読んで頂き、どうもありがとうございます。
今回はここで更新します。
お気に召しましたらイイネや感想いただけると更新のモチベーションアゲアゲになります
次回は出来上がり次第投稿します




