第七十二話 旧車の整備とTSカーレース4戦目
納車したバスが活躍中
もう一台増えて
運転手はやっぱり愛理沙ちゃんかな?
第4戦は一体どうなる?
主な登場人物と所有車
佐野 雅子 ヒロイン 25歳 4月生まれ
峠のバトラー⇒TSカップレーサー、9勝目にトライ中。
家業の佐野自動車販売の中古車販売店副店長兼整備工場副工場長、整備の段取り担当の副社長
前職はスーパーの経理兼販売促進
所有免許;大型2種、牽引運転免許、2級整備士免許、危険物乙4、玉掛、ガス溶接、救急救命士
レース以外の趣味:
オフロード走行:大型の2軸総輪駆動のエンジン、サスペンションをいじって自分好みした。
パソコン:プログラム組むのも好きでシステムを自力で組める
所有車
大型バス:
観光系 ルーシーちゃん
路線系 獅子丸くん
フーセンちゃん
短尺系 ニジュちゃん
エムエム君
大型キャブオーバーダンプ
4×4 藤子ちゃん
大型ボンネットダンプ
4×2 カービーちゃん
小型車
クーペ イチゴちゃん
僕;佐野 悟瑠 雅子の兄 28歳、3月生まれ 妹の雅子より4学年上
家業の佐野自動車販売に就職して6年目、整備工場の工場長兼副社長。
所有資格 2級整備士、MIG溶接機、レーザー溶接機、ガス溶接、玉掛。免許は大型、けん引免許
カーキチ、スペックオタク、エンジンスワップ大好き
所有車
大型バス:
観光系 ゴーゴーくん
ロザン君
なごみちゃん
路線系 パン君
陽菜ちゃん
キューピーちゃん
大型キャブオーバーダンプ
4×4 サイバー君
小型車
セダン サンゴちゃん
三四郎君
佐野 康晴 僕の父親 56歳 佐野自動車販売の社長。趣味人 マニ割、エギマニ作りの名手 元整備工で板金も得意
所有車
バス:路線系
大型 ニイナちゃん
中型 アサイー君
ケーテン君
小型 いい子ちゃん
大型ボンネットダンブカー 4×4
タフさん
セダン
Q-LS131H改
佐野 康子 僕の母親 54歳 佐野自動車販売 副社長 佐野自動車販売店長、営業、仕入れ担当
所有車
大型リアエンジン路線バス
錦くん
大型ボンネットダンブカー クレーン車改造済
デコちゃん
バン
KG-VWMGE24改
加藤 隆弘 28歳
悟瑠の同級生で親友。専学卒業後家業の内燃機整備工場に就職、佐野自動車販売に事業譲渡でそのまま異動。悟瑠の幼馴染。2月生まれ。エンジン加工の名手、エンジンスワップ大好き
所有車両
大型キャブオーバーダンプ
4×4 ラッシー君
大型自家用バス
兎ちゃん
小型車:
セダン
エスティーくん
加藤 隆文 25歳
隆弘の弟。雅子より一学年上だが、3月生まれで実はほとんど同い年。工業高校から家業へ就職。佐野自動車販売に事業譲渡でそのまま異動。板金と排気系を作るのが得意
所有車
大型キャブオーバーダンプ
4×4 まゆかちゃん
大型ボンネットダンプ
4×2 きみこ
バス 大型短尺路線系
恋路ちゃん
クロカン4×4
ロックン
趣味:TSカーレース
松尾 百合 25歳
雅子の親友、丸松建設のお嬢さん。雅子と同じ高校卒業して同じスーパーに入って家業に転職。松尾運輸の副社長。普段はおっとりだがスイッチが入ると途端にせっかちとブチ切れになる 5月生まれ
TSカーレーサー
所有車
バス:
観光系 武蔵君
ラムちゃん
大型ボンネットダンプ
4×4 パイ君
4×2 徳次郎君
小型車:
クーペ エスワン
松尾 譲 27歳 百合ちゃんの兄 丸松建設の副社長。マニ割マニア
所有車
バス
キャブオーバー
ビーフさん
大型ボンネットダンプ
4×2 旦那さん
4×4 ゼットワン
小型車
E-KE70HT
E-MA45
松尾 隆 丸松建設の社長 百合ちゃんの父親 56歳 速い車大好き
所有車
大型キャブオーバーダンブカー
サンデー君
セダン
E-GNY33改
松尾 友香 百合ちゃんの母親、丸松運輸の社長 54歳 旧車大好きながらもオリジナル主義
大型ボンネットバス
4×2 デビちゃん
4×4 てつしくん
大型ボンネットダンブ
でん六くん
HB
E-KP61
小笠原 愛理沙 23歳 係長
TSカーレーサー
雅子の同じ学校の一つ後輩。小笠原食肉のお嬢さん。元レディス総長(7代目)2児のママ かつて雅子がいたスーパーに勤務 大型免許所持 抜群の運転センス
所有車
小型セダン
TA-GXE10
大型リアエンジン観光系バス
ババロアちゃん
大型キャブオーバーダンプ
4×4 フライヤーちゃん
小笠原 哲史 27歳 愛理沙の兄。別の会社に勤めていたが家業に転職、副社長 大型免許所持 旧車好きで母親に似てオリジナル主義
所有車
小型車セダン
E-AE70
小型クーペ
E-S130
大型路線系バス
マーシーちゃん
中型総輪駆動トラック
美浜ちゃん
長野さん 30歳。 移動販売課 課長代理
バス会社に居たが欲しいバスが排ガスの関係で住んでいる地域で登録できなくて雅子がいたスーパーに転職。今は愛理沙ちゃんの上司
所有車
大型短尺系バス
自家用
伊那路
観光系
五平君
路線系
鬼丸君
小型車クーペ
NE
狩野さん 30歳 業務課長
運送会社にいたが首都圏の事業縮小で地方に転勤になったが偶然募集していた松尾建設に転職
所有車
大型キャブオーバーダンプ6×4
V10
古武道君
V8
福田屋君
小型車EHT
ND
綿貫 洋平 スーパーの販売部 課長 37歳
中型リアエンジン
ロニー
橋爪 正治 スーパーの社長 61歳
ボンネットバス
ポニーちゃん
「愛理沙がポニーちゃんをドライブね」
「納得かな?愛理沙ちゃんの腕なら確かだよ。普段からババロアちゃんを運転してるんでしょ」
「そうよね。ある意味適材よね。普段から仕事で移動販売車の大型ロングノンステ乗ってるんだもんね」
「長野さんは自分の鬼丸君も駆り出されたのか?」
「そうね、綿貫さんのロニーもでしょ」
「次のミーティングにはポニーちゃんも展示かな?」
「あははは、そうかも」
僕らは駄弁りながら大型引き摺りローリー納車して4tローリー引取りするとそのままアジトに帰って、次のTSカーレースの準備をしていた。
雅子は今シーズン初めての超テクニカルサーキットなので対応方法を検討していた。
昨シーズンは改修中で走ってないので、サス、ミッションギヤ比の仕様をどうするかシミュレーターを使って真剣に考えていたのだった。
仕事が終わってアジトにかえり、夕ご飯を食べながら雅子とだべっていた。
「お兄ちゃん、次の地元のコースって意外に設定難しいかもね。タイトと高速があって、しかも1速迄使うようなコースあってでしょ」
「そうだね、エンジンももうちょっと低速に振ったほうがいいかも。パワーバンド広く取りたいなあ。ミッションとのトータルバランスだよ。最高速度なら150キロは超えるだろうし、そこから一気に40キロくらいまで減速だよ。ブレーキも負担がでかい」
「ミッションとのトータルバランスかあ。正直に行って6速欲しいよね。シミュレーターでやってみるけど、正直ベストなセッティングでないかも」
「だね。予備エンジンのT仕様+5速ゼロヨン用クロスミッションかなあ?路面が荒れてるからそこに上手く対処しないと難しいよね」
「そうよねえ。ピッチングひどいと目線移動激しくって疲れるから乗り心地重視で行こうかな」
「そうだな、例のコースのダートコースも走って決めるかな、荒れててもいけるようにしたほうがいいって」
「そうしよ。ダートのデータもあるから、ターマックと両方走って確認すればなんとかなるかな?」
「なんとかするしか無い。言えるのは今回は隆文のKPの方が有利だ。タイトコーナーが多い分、小柄な車のほうがラインの自由度が高い。とは言っても差としてはわずか70mmだからなんとも言えないけど。あとは立ち上がりのときにパワーバンド外すと1秒なんて簡単に落ちるからね。エンジンも難しい」
「そうだよねえ、エンジンっていうかミッションもよね。パワーに振ってもギヤ比が合わないと大変だもんね。お兄ちゃんの言う通りじゃん。足が良くてもねえ」
「そうなんだよね。ミッションのギヤ比とのバランスも考えてやんないとね。ワイド過ぎるとパワーバンド外れるし」
「うーん、とにかく取ってあるデータ使って計算してみるよ」
雅子は夕飯を食べ終わって片付けると自分の部屋に入ってシミュレーターを回していた。
次の日会社に行くと
「えええええ?またスーパーの社長から依頼が来ちゃったよ。もう一台ボンネットバスを買ったから一緒に引き取りとシート載せ替え、エアコン取付、29人乗りに変更、総輪エアサス化だって。車見ないとわかんないけどロングシートだったら交換するシートあるかなあ。」
「シートはうちの在庫だけじゃあ足りないでしょ。幸いポニーちゃんの時はビーフさんのシートと部番一緒だから使えたけど、もう在庫だけじゃあ数が足りないよ」
「レン君と伊吹君、アサイー君のシートも見てみよう。他にはないよねえ。あるとすれば笠木さんのところだけどあるかなあ?」
「聞いてみる。ニジュちゃんちゃん買ったお店にも」
「そこにも頼むよ。後はハットくんのキャビン買ったところにも」
「後はどっかにシートの図面でもあればいいけどなあ」
「雅子、BXD30は会社の送迎車にするから29人乗りにするんだよね。社長の趣味車じゃないよね」
「えーと、趣味車兼の会社の送迎車だって。定員は着席で29人。運転手除いて28席ね。できるかな?総重量で8トン超えなきゃマイクロバス扱いだよね」
「うん、そう。BX521は29人で約7トンだからマイクロバス扱いだよ。BXD30は7.9トンかあ、ギリかも。ええとシートは単純に二人掛けが左右合計で7列か。ってことは右に8列、左に6列かなあ、ピッチがきついか?」
「まあ、そういったらそうだよね。左はドアで1列はなくなるもんね。そうか。バッテリーの関係で前向きが出来ちゃうんでしょ」
「そう、BXD30はBX521よりも車幅あるからどうしようもないなら補助席という手もあるよ。シートさえあればポニーちゃんのときにやったからそんなに時間はかからない。改修に時間がかかるとしたらフレームとボディの錆落としとエアサス、エアコンだよ。この車のエンジンはビーフさんからおろしたDA640があるから載せ替えは簡単だよ。譲さんが忙しくなってあんまり走ってないみたいなんでDA640エンジンの傷みもほとんどないからそのまま載せ替えでしょ。BDFで内部の汚れもほとんど無いし」
「そうよねえ。でもビーフさんからおろしたDA640ってターボ付きだよね。社長に聞いておかないとね。ターボ要るかって」
「そうだね、でも生でいいなら、ポニーちゃんから降ろしたDA640に載せ替えはできるよ。オーバーホールしてあるよ」
「車重ってポニーちゃんよりBXD30はどの位重くなるんだっけ?」
「おおよそ12%増えた約0.6トンだね、120psと135psの差ならBXD30にはターボはあってもいいかなって思うけどね。5速ミッションならなおさら。高速も年式の関係で、シートベルト要らないから乗れちゃうんだよね」
「そうねえ、ターボ化もいいかもねえ。依頼してきた社長に聞いてみるよ」
雅子は注文主の元居たスーパーの社長にエンジンどうするか聞いていた。
社長からは検討すると回答が来ると同時に次の日に売り主から引き取るので、ぜひ一緒に来て欲しいと頼まれた。
次の日、僕と雅子はスーパーの社長とともにBXD30を売り主から引き取りに行った。
このBXD30は高齢の方が乗っていて、もう乗れなくなったので引き取り手を探していたところスーパーの社長がぜひと言って買った個体だった
引き取った帰路の途中でスーパーの本社で社長を降ろすとお店に帰ってきて引き取ったBXD30を点検していた、引き取る途中で社長からエンジンにターボが付くならターボを付けて欲しいといわれていた。
エアコンがないので、ここ最近の猛暑を考えると是非エアコンもつけて欲しいとも依頼された。
お店に帰ってきて引き取ったBXD30を板金名手の鈴木さんにボディとフレームの錆、傷みの修理が必要かを聞いていた
「鈴木さん、ボディとフレームの状態はどうですか?錆はいかがでしょう?僕が見る限りは問題なさそうに見えます」
「工場長の言う通り、錆は無くて良い個体ですよ。このバスは私の師匠がやった車ですよ。昔いた工場で何時もメンテナンスしていたバスで、ボディを全部防錆鋼板に張り替えて裏から亜鉛版貼って電子防錆もやってるんでボディに錆はないですよ。フレームもカチオンやり直してあちこちに電子防錆つけてます。この前のてつしくんと呼んでいたバスと似た時期にやってましたよ。うちのお店に来た時は外板が5割以上錆で傷んでで結構ひどかったんすよ、この際だからって外板を全面張替えしたんですよ。その証拠にリベットレスですよ」
「あ、確かにこのバスはリベット無いですね。と、言うことはボディとフレームは全く問題ないってことですね。ああ、でも前後のリーフサスペンションのブッシュが限界でやばいですねえ。」
「はい、後は床材の木材が20年の使用でかなり減ってしまってあちこち留め具が出てます。このままだと引っ掛かるので交換が必要ですね。内装では床材は交換します。シートはこの車もBX521と同じく一部横向きにしないとまずいですね」
「そうですよね、補助シート使えればいいんですけどね。それから床はリノリュームにしましょう。そのほうが錆対策にもなるでしょう」
「床はリノリュームにします、次は後ろのシートを作ります。それから渡辺からさっき連絡来たんですが、工場長の見立て通りにCT9Aはニコイチでした。というよりも箱替えですね。フードリッジのところにはCT9Aと同じ補強入っていたけど、後は素のCD3Aそのものですよ。多分ですけどスピンしてクラッシュしたんで箱替えしたんだけど、CT9AのボディがもうなくてCD3Aを使って外装仕上げていたって感じだと聞きました」
「まじかあ?よくわかりましたね」
「あれじゃあ、画像もらいましたけど、素人なら騙されますね内装剥がして、全部CT9Aの内装に交換してあるんですよ。補強の有無をまでは素人には全く分からないですよ。たまたま渡辺が若いころCT9A乗ってたんでどこに補強があるか知ってるんでわかったようなものです」
「そうですか?ところで今回のクラッシュは修理はできそうですか?」
「何とかいけますよ箱替えした工場の腕は確かですよ。フードリッジの補強もつなぐところはきちんとつないでて、しっかりしてますって連絡が来てますよ。板金でフードリッジ作って張替、サイドメンバーは修正で行けますね」
「オーナーには上手く後ろを補強して渡せばいいかな?正直に調べたらCD3Aの箱でしたとは言っておくとして」
「そうですね。サスメンバーは前後ともちゃんとCT9Aに変わってましたんでいいんですけど、受け止めるリアセクションが弱いんでしょうねえ。補強がないんですよ。」
「ドライバーはそれを感じていたのかあ」
「違和感あったって言ってるならさすがですね」
「まあ、そうかもね。今回の相手は結構レベル高い腕だったもんな」
「そうだな、俺の時も5連迄ほとんどテールツウノーズだった。いきなり消えて、まさかのライトオフ作戦かと思ったけどな」
「動画来てたよ。ウエットの登りなんでワンミスクラッシュだよな。前に荷重かけきれなくてドアンダーで外側のコンクリートブロックにドカンだ」
「そうだな。氷の上を走ってるみたいな感じだったよ」
「僕は隆弘はよくやったと思うよ。腕をあげたね」
「悟瑠、ありがと。それに悟瑠のセッティングがいいのさ」
「ありがと。このCT9Aはフロントの変形した部分を直したら、後ろのできるところにバーを組んで返すのが精いっぱいかな」
「俺もそう思うこれ以上はやりようがない」
「トランク内補強バーで仕方ないかだな」
「ボディーアライメントは見てずれていたら直してかな?」
「そうですね。この車のことは渡辺に言ってお来ますよ。補強は渡辺に任せて置けばOKですよ」
「鈴木さん、お願いします。僕らはスーパーのバスを直そうと言うかエアサスの検討しよう。エアコンつけるならボディーの補強いるかなあ」
「そうだな。それからエンジンはターボ化するから必要な周辺部品準備だな」
「そうですね、渡辺達にCT9Aの板金とボディーアライメント直して後ろの補強は任せておいてですね。私達はこのBXD30のエンジン換装とエアサス、シート交換、エアコンつけるんですね」
「はい、お願いします」
僕らは渡辺さんと田口さんにCT9Aの修理は任せて、鈴木さんとBXD30のフロアの張替え検討と、フレームをみてエアサスにするためにフレーム補強いるか、エアアコンをつけのにボディ補強をしないで済む方法ないか考えていたのだった。
「悟瑠、これってサイバー君みたいに後ろだけは4エアバッグ+エアばね2段重ねか?」
検討の途中で隆弘が聞いてきた。
「そうだなあ。総輪駆動じゃないからそこまでいるかだな。とは言っても、リーフよりも脚が短くなるのはどうなのかなあ。それにエアコンも入れるんだろ。そうなるとデビちゃんみたいに車体を補強して屋根上にエバポを搭載にした方がいいだろ」
「エアコンか、確かに屋根に置くしか無いよな」
「隆弘、サスのエアバッグは観光バス用ならいいかな?元から乗り心地重視で足が長いもんな」
「悟瑠、そうか、とは言っても観光用はリアエンジンだからなあ、そうかトラック用は脚が短くなっちまうしなあ」
「観光バス用がいいんじゃないかな。どっちにしても4エアバッグにすればいいよね。観光バス用にしてストロークとろうよ、使用するエアの圧力下げればいいじゃん」
「そうだな。いいことに増トンワイド用のアームがあるからそれ使ってホーシングはうまくつけるしか無いだろ」
「そうだな、後ろはそれにして、フロントはリーフ+エアアシストで行けそうだよね。1枚リーフとエアアシストがいいよね」
「そうそう、エアアシストで検討したほうがいいな。エアバッグのところのフロントセクションをちょっと補強してやればいけそうだ」
「それなら簡単に行けそうだ、ラテリン追加するから着地点の補強も兼ねればいいよ」
「それで行こう」
僕らは鉄子ちゃんや軽快君でやったような対応を使ってエアサスにしようとやっていた。
「ものは在庫であるからなんとかできそうだよね」
「うん、後はレイアウトだ。フレーム関係は鈴木さんたちに何処に補強要るかをチェックしてもらったほうがいいけど、僕らも勉強しよう」
僕らもエンジンだけでなく、フレームやボディの板金を鈴木さんに聞いていた。
BXD30は乗車人数を考えると後ろのフレームの補強は要らなそうなので後ろは増トン等のアームと観光用のベローズを使った4エアバッグ、フロントはちょっと補強してリーフ+エアアシストにしてドラッグリンクとサスの動きの軌跡を合わせるラテラルリンクを追加して仕上げていた。
その間、隆弘はCT9Aの応援にいってアジトで板金塗装やって仕上げていた。
出来上がった車をお店に持ってきて鈴木さんが納車前のチェックしていた
「さすが3人でやると早いですね」
「工場長、隆文さんの腕が良すぎてびっくりです、油圧のフレーム修正機で戻すのが一発で決まるんですよ。スプリングバック分の読みが正確で何十年もやってる職人のようですよ」
「隆文はその辺は天性の才能だな」
「でしょうね。僕らでも10年かかったんですけどアッとうまにマスターですよ。天性の才能ですね」
「僕もそう思います。隆文はマフラーの曲げも正確ですよ。油圧ベンダーあっという間に使いこなして」
「板金の天才って言うかですね。戻り止めのレーザーを撃つ位置も正確ですよ」
「すごいなあ。向き不向きはあるけど隆文の手先はすっげー器用だからなあ」
「私も教えがいあります。あっという間に吸収して上手くなるんですから」
「もうCT9Aは納車OKですね」
「はい」
その週は、バトルで事故ったCT9Aを仕上げて納車、その時にオーナーには箱替えしてCD3Aのボディになっていることをつたえておいた。
並行して雅子達のTSカーのメンテナンスもやっていた。
BXD30の塗装は次週に回ったが、幸い新車のボディを作っていたメーカーで純正の補助席付きシートの図面が見つかったのでメーカーに発注した形にしてその通りに鉄工所に作ってもらって29人乗りに仕上げていく事ができたのだった。
その週の週末は雅子達のTSカーレース第4戦目だった。
会場は幸いにもお店からなら高速に乗ってしまえば1時間ちょっとで着けるところにあるので、お泊りにならない分エントリーするのは楽だ。
コースは低速からストレートエンドの速度が乗るところ、またアップダウンもあって超テクニカルなコースでもある。
抜く場所も限られている上に1周が6キロと長いのでラップ遅れに追いつくことは少ないと思うが、抜けない場所で追いついたら抜けるところまで遅いペースに付き合わされてしまう。
速ければ勝てるという単純なサーキットではない。
ここで勝つには、駆け引き、運、車の性能、腕、他のかつ要素がすべてそろっていて、やっと勝てるサーキットで、まさに勝利するには針の穴を通すようものだった。
今回のレースは一周6キロのコースを15周するレースだ。
土曜日の予選の結果はポールポジションにはやはり雅子、セカンドにはストレートの速さに勝った愛理沙ちゃん、3番手に百合ちゃん、サスのセッティングが硬すぎて跳ねてアクセルを踏めなかった隆文が4番手だった。
以下は能條選手、神保選手。奥山選手と続きクラス1に転向した一色選手、クラス1の市川選手、クラス2の佐藤選手が上位10傑だった。
「兄貴、このセッティングじゃあだめだ。跳ねて全然踏めないって。悟瑠さんのエンジンが良いから逃げ切ったようなもんだけど、雅子と2秒も差がついてる」
「そうだよなあ。見てて苦労がわかったよ。跳ねるからなかなかアクセル踏めてないもんな」
「兄貴、今から足を変えたい。とにかくピッチングを減らして踏めるようにしたい」
「そうかあ、俺もやるよ。踏ん張るようにしたのがあだになったな」
「路面の荒れの程度を読み間違えたのは痛いぜ?」
予選が終わった後、隆文と隆弘はアジトで夜中までかかってサスセッティングを変えて、荒れた路面に対応できるようにして跳ねてアクセルが踏めなかったのをアクセルを踏めるようなセッティングに変えていた。
決勝当日になった、場内の放送が始まった
"TSカーレース4戦目、本日は晴天に恵まれ絶好のレース日和です。本日の実況を務めさせていただきます松島です、解説は干野さんです。本日はよろしくお願いいたします"
"解説の干野です。よろしくお願いいたします"
"干野さん、TSカーカップも折り返しになってますが、相変わらず佐野選手速いですねえ。これで4連続ポールですね"
"はい、腕よし、車よしですね。このところ決勝では不運に見舞われてトップ取り切れてませんがコンスタントに入賞してポイント争いでは僅差で2番手ですね。今後の結果でどうなるかはわかりませんが佐野選手、小笠原選手に追いつけるのは同じチーム佐野の選手でしょうね"
"そうですね。他の選手は入賞してても連続で優勝しないと追いつくのは無理ですもんね"
"そうなんですよ。トップのポイント大きいですし、3着と4着のポイント差もあるので、本戦除いてのこり3戦では今まで3着までの入賞なしで来てるときついですね。ポールポジションポイントもありますからね”
"そうですね。連続で入賞した時のボーナスもありますし、3着以内連続でも特別なボーナスポイント入りますからね"
"そうなんですよ、佐野選手は前々回4着、前回2着なので今回3着以内に入れば特別ボーナスもらえますね。それもありますが、ポールポジションポイントが効いてますもんね"
"佐野選手も速いですが、小笠原選手の安定感は大したもんですよ。3戦連続で3着以内ですから3着以内のボーナスポイントが大きいですね"
"そうですね。干野さん、今日の決勝の見どころはどこでしょうか?"
"このところトップを取ってない加藤選手の動向と佐野選手、小笠原選手、松尾選手がどうなるかですね。それ以外で望みがあるとすれば3戦連続入賞の能條選手、一色選手ですが、一色選手はクラス1に転向しましたんでクラス1の争いも面白いですね"
"ですね。クラス1はクラス2よりも50kg軽いんですよね。ここは軽い方が相当有利ですからね"
"そうなんです。クラス1にとっては登りがきついんですけど、その分タイトでクラス2を追いかける展開ですかね"
"そうですね。それにこのサーキットはクラス1とクラス2の差がつきにくいとは言っても抜けるところが限られているので周回遅れに追いついたら結構大変ですね"
"躱すところも見どころですね。
そんなアナウンスが聞こえてきた、雅子たちは既にグリッドについて集中力を高めている時間だった。
「隆弘、KPのセッティングを昨日夜に変えてぶっつけ本番だけどいいのか?」
「ああ。プラクティスで乗っていけると踏んだ。ここは縮みのストロークを重視して組んでみた。車高はあがったけどその分はパンピーなところも全開で踏めるようにしてみたよ。さっきのプラクティスでも隆文が状態がいいと喜んでいたよ」
「なるほどね。ここはバンピーだからフラットな姿勢がいいんだよな」
「ああ、昨日は高速に重点を置いてちょっと踏ん張る設定にしたのがまずかったな、跳ね方半端ねえ。ばねをあげてショックのテンコン比を変えた。縮みはバネ任せて減衰下げて伸びを抑制してみた特にピッチをさせないようにしたんだよ。後ろは伸びを強くしておいた」
「なるほどね。それはいい。結果をもらうぜ。データに追加だよ」
「もちろんだ。後は隆文がどこまで踏むかだな」
「そうだな」
そう言っていると、"プオオオオーン"とラッパがなってエンジン始動の時間になった。
"くうくううくううう、ブロロロローン"と各車のエンジンがかかる音がサーキットに響く、レースの開始だった。
"さあ、フォーメーションラップのスタートです。ポールの佐野選手、その次は小笠原選手、松尾選手、加藤選手と続いています。干野さん、フォーメーションラップスタートして決勝の始まりですが車を見て何かありますか?"
"そうですねえ、加藤選手の車の動きがフラットになってますね"
"そうですか、脚を変えてきたんですかね?"
"そうですね。予選の時とは動きが別物ですね。とにかくどうなるかが楽しみです。佐野選手も車の動きはフラットですね。そこはわかってるんでしょうね。ここはバンピーなんで脚を動かすという方向にしてますね"
"そうなると、今回の優勝候補は筆頭に加藤選手、佐野選手でしょうか?」
"そうですね"
場内放送を聞きながら、僕らは無線のチェックに余念がなかった
「雅子、感度はOK?」
『OK、ばっちり入るよ』
「隆文、OK?」
『OK、大丈夫』
「愛理沙ちゃん、OKかな?」
『はい、OK。感度良好』
「百合、いけるか?」
『隆弘。OKよ』
「全員、無線はOK。何かあってもすぐに行ける」
「おお、そろったな」
"シグナルが青に変わってTSカーカップ第4戦目、スタートです"
"昨年度は改修に当たっててここじゃなくて、Nサーキットでしたね"
"はい、狭かったんで速度が乗らない分ドリ大会みたいになってましたね"
"ここは低速から高速までバリエーションに富んだコースでしかも一周が長いんで何かあったら戻るまで大変ですからね"
"そうですね、6キロとTサーキットのほぼ3倍ありますからね"
"その分選手の負担も大きいですね。15周なんで大凡90キロですね。平均車速が90位と聞いてますんでほぼ一時間の勝負ですね"
"そうなんですね。さあ、各車順調にラップを刻んでます。トップは佐野選手、次に小笠原選手、松尾選手、加藤選手と続いてますね。この4台は他よりも2秒近くペースが速いので他は上位が落ちてくるのを待つ作戦ですかね?"
"そうですね。みる限り、4台のセッティングは完璧に近いですね。加藤選手もガンガン踏んでますね。予選の時の苦労が嘘みたいに速いですね"
"そうですね、後方では一色選手が前を行くクラス2をタイトの突込みで躱しそう、いったあ、奥山選手を躱して7位に上がってますね"
"スリップについて行ってブレーキング競争で躱しましたね。やはり軽いのは楽なんでしょうね"
"それなんですよ、クラス1はタイヤへの負担も少ないんで最初から突っ込んでいけるんでしょうね。それにしても一色選手上手いですね。6番手の神保選手のスリップに入って奥山選手に抜かれないという作戦ですね"
"それだけじゃなくて、一色選手のエンジンはどうも高回転の伸びがいいのか?奥山選手も大きめのコーナーでは抜きあぐねてますね"
”一色選手は予選でもクラス1でクラス2を喰ってますから腕は確かですね。なんか一色選手はクラス2よりもこっちの方が合うのかもしれませんね"
"そのようですね、レースは佐野選手を先頭に3周目に突入しましたね。チーム佐野の4台のペースはほかを圧倒してますね"
そんな場内アナウンスが流れる中僕と隆弘はレースの行方を追っていた。
「なんか雅子はここ2戦不運が続いてたけど今回はいい調子だな」
「そうだな。今回はトップ取るぞみたいになってるなあ。隆文がトップ取れなくて焦り気味だけど裏目になんないといいけどね」
「そうだよなあ、初戦からずっとオーバーヒートに悩まされてるなあ。隆弘、今回も対策したんだよね」
「オイルクーラーを限界までデカくした。ラジエターは前回のFで使ったのが入る最大、後はエンジンルームから空気を如何に抜くかが鍵だから」
「そうだよなあ、今回はその対策で様子見だね」
「いまのところは問題ないが、後半どう出るかだな」
レースは順調にラップを重ねて行って、7周を終わって8周目に入ったところで隆文から無線が入った。
『兄貴、左のフロントがやべえ、交換頼む』
「OK、隆文が来るぞ」
そのすぐ後に雅子、そして愛理沙ちゃん、百合ちゃんから無線が入った。
『お兄ちゃん、左側のタイヤがヤバいの交換よろ』
「雅子も?直ぐに準備。燃料もだろ」
『うん、よろしくね』
『悟瑠さん、タイヤ交換お願いします。もうズルズル』
「OK、次入って。雅子と愛理沙ちゃんが交換」
『隆弘、あたしのタイヤ交換お願い。もうやばい。おっと』
「はいよ。百合も来るぞ」
「4台分場所エントリーしてて良かったぜ」
「そうだな、予想通りだったな。スタッフも増やして正解だったな」
「ここは1周が長いから、同時に来ると思ったからね」
今回は普段と違って1周が6キロと長くて周回数が少ないので4台同時にピットインすると踏んで4台分のピットエリアを確保していたのだった。
板金名手の3人にも出勤扱いにしてスタッフにしていたし、若手の3人も同じく出勤扱いでピットスタッフになっていてこの僕と隆弘+6人で雅子と隆文の車をアシストする。
愛理沙ちゃんの方はお父さんと哲史さん、長野さん、綿貫さんがスタッフになってきていたし、百合ちゃんの方はお父さんとお母さん、譲さん、狩野さん、従業員の神山さんがスタッフになっていた。
「1号車OK」
「雅子行け」
「2号車OK」
「3号、5号OK」
4台が一斉にコースに復帰していった。
雅子たちがコースに復帰した時のトップはタイヤ交換していないクラス1の一色選手で、他のクラス2の車が続々とピットに入る中、軽くて、トルクの小さいクラス1の方はタイヤが1周多くつかえるので、ピットの渋滞に巻き込まれないようしていた。
事実、雅子たちが交換してコースに復帰した後はピットレーンでちょっとした渋滞が発生していたのだ
うまく渋滞を避けて一色選手は、次の周にはピットに入ってタイヤを交換するのだろう。
コースでは一色選手からやや離されて、もう一台のクラス1の市川選手が2番手、雅子が3番手、愛理沙ちゃんが4番手、次に百合ちゃん、隆文となってレースが続いていた
1/3週もしないうちに雅子たちが2番手を走っていた市川選手に追いついた、ストレート同士をつなぐ大きめのRのコーナー手前だったので雅子たちの車との性能差を見たのと、既にタイヤがすり減って限界近くになって来たのを自覚したんだろう、市川選手はアウトによけて4台を先に通していた。
次に一色選手にはバックストレートに続く大Rで追いついて、タイヤをいたわって走っているところをあっさりと躱していったのだ。
「また、雅子がトップで、愛理沙ちゃん、百合ちゃん、隆文の順番にかわりないな」
「隆文は残り6周の間に放熱が持てばいけそうだな。今はちょっと水温が苦しい。オイルクーラーがあるけどさっきのピットインで温度が上がっちまった」
「そうだね、この前のオーバーヒートとか愛理沙ちゃんみたいに5速が使えないとか最後まで4人の車にトラブルが起きないことを祈るよ」
「そうだなあ。テレメはデータどうかな?」
「今のところは、雅子、愛理沙ちゃん、百合ちゃんの車は問題ない。やっぱり隆文の車はちょっときついか?油温はいいけど水温が高めだ、サーモは取っ払ってるよね。それでこれかあ、ポンプを何とかするしかないぜ」
「うん、そうだけど。95度かあ、油温が100度でうーん、これよりもあがるとヤベえなあ。そうかあ、雅子たちの車4台は戦闘力が互角でなかなか抜くに抜けないコースだからなあ。ポンプ交換するかなあ、電動にするかだよ」
「そうだね。雅子が全般的に安定して速い、それについて行く愛理沙ちゃんと百合ちゃんか。隆文は結構タイトは速いけど大Rはちょっと厳しいなあ」
「だよなあ、車の差はあるよなあ。隆文は後ろのブレーキが最大のサイズのアルフィンドラム入れても雅子には及ばないだろ」
「そうなんだよなあ。雅子と百合ちゃんはアルフィンドラムだろ。フロントはカーボンローターでそれがあるから攻めていけるからなあ」
「フロントは4ポットでみんな互角と言っても一番有利なのは愛理沙ちゃんだろ。4輪ベンチディスクでしかもS110のホーシングでストレートの速さはとにかく一番だろ」
「まあな。その分ちょっとタイトは苦手みたいだ。どうしてもプッシュアンダーが出まくるとか言ってるよ。外したタイヤが物語ってるよ。前がかなり来てる。愛理沙っちゃんのKA10は高速で安定してる分ストレートが速いから隆文は抜くに抜けないんだよ」
「ホイールベースが100mm長いんだよねえ」
「それにトレッドが一番広いんだよ」
「そうか、ブレーキよし高速よしなら抜くのはむずいか」
"残り、5周を切って、依然としてトップは佐野選手、それを追うのは小笠原選手、松尾選手、加藤選手です。干野さん、何事もなければレースはこのまま行きそうですね"
"そうですね。佐野選手が安定して速い、タイトが速い加藤選手はどうしてもストレートがきつい。小笠原選手はタイトがきつい、松尾選手もトータルバランスはいいけどいかんせん3番手のポジションでは難しいか"
"今のところはそのままのようですね"
レースは順調に進んでいって残り1周と半分になったとき、
「愛莉紗ちゃんどうした?百合ちゃんと隆文に道を譲った?」
「愛理沙ちゃん、どうした?」
『すみません。タイヤがヤバいです。踏みすぎました。前が結構ズルズルでやばいんでペース落とします』
「了解、完走しよう」
『はい』
と愛理沙ちゃんとやり取りしていると、隆弘に連絡が入った
「隆弘、ごめん。もうタイヤがヤバい。攻めすぎたかも」
「百合もか?完走目指そう」
『はい』
"あ、松尾選手が加藤選手に進路を譲った?何があったんでしょうか?"
"どうやら、タイヤのようですね。もうズルズルなんでしょう。それにしても佐野選手の車が行けるのはよっぽど車のバランスが良いんでしょうか?"
「なんか言ってるけど、雅子のペースが上がってるんだよ。隆文も気が付かないうちだろうが10000近くまで回してるぞ」
「隆弘、そうだよなあ、隆文のKPっはもう水温100か?後1周ちょい持つかだな」
「やべえなあ、隆文は熱くなってて水温に気がついてない。もうファイナルラップだ。雅子に必死に食らいついてるぜ」
「あ、百合ちゃんが更にペース落とした。ありさちゃんが躱した」
「悟瑠、うわあ、やべえ。隆文のKPは105度だ。ブローしちまう」
"ピーン、ピーン"とピット内に警報の音が響く、やはり空気流を根本的に対策しないとどうしてもうまく冷えないようだ
「しかたねえ。ペースダウンさせよう。この差なら隆文はなんとか2番手で逃げ切れる」
「よし。隆文、オーバーヒートだ。9000rpm以下ではしれ」
『くっそ~、またか』
「ブローして止まるよりいいだろ、労って帰ってくるんだぞ」
『うん。兄貴、次どうするよ』
「エンジンルーム内の空気流根本的に対策しないと駄目だろ。これ以上は大きくできないからラジエターに当てた空気をうまく抜くしか無い。百合の車が問題ないってことは空気流だよ」
『そうかあ、次に向けて対策だな』
"佐野選手危なげなく逃げ切って2勝目ですね。2番手には加藤選手、小笠原選手が3番手、松尾選手が4番手ですね"
"佐野選手、うまく逃げ切りましたね。それにしてもいい車に仕上げましたよ。コースレコードも更新です"
"すごい、一昨年のデータですけど。5秒以上速くなってますよ"
"改修前はコーナー部が路面の劣化でツルツルですから改修したとはいってもうまく走ったってことですよ。いい腕です"
"そうですね。それに車も作り方がうまいってことですよね、それでは結果です。優勝は佐野選手、準優勝は加藤選手、3着には小笠原選手、4着に前回優勝の松尾選手、5着には能條選手、6着にクラス1の一色。ここまで上位ポイントが付与です。3着まで入賞すると連続入賞ポイントが入ります"
場内の実況が流れる中、雅子たちが戻って来た。
「隆文、オーバーヒート?」
「ああ、これよりでかいラジエターは無理だ」
「百合リンの車は問題ないんだよね」
「そうなんだよ。ステアリング系はコンパクトなラックアンドピニオンで整流の邪魔にはならないはずなんだけどなあ」
「隆弘。煙流してみてみようぜ。あちこちに小型カメラつければいいよ」
「そうだなあ」
「雅子先輩、良くタイヤ持ちましたね」
「うん、気温高いから一番ハードなコンパウンドにしたの。フロントのホイールのスポークにいじってなるべ扇風機の羽みたいなつけてくブレーキとタイヤに風を当てていたんだよ。冷やさないとだめと思ったから」
「うーん、その差かあ」
「そうなんですね。雅子やるわ。あたしのはタイヤの熱だれが酷くって」
「雅子の作戦には参るぜ」
その後のレースの後の表彰式で2勝目を上げてニコニコしていた雅子だった、その笑顔が眩しかったのだ。
週が開けた月曜日、日曜日出勤扱いにした鈴木さん達、若手達には代休としていた。
「今日は、修理の車って無いよね」
「ないよ、スーパーの車も落ち着いてるし、BXD30はエアコンをつけるよ。見たらダクトを運転席の後ろから上げたほうがいい事がわかったよ。デビちゃんはエバポを天井に上げたけどこの車は冷たい空気だけにしようとおもってね。補強要らないから」
「なるほどね」
「今日はそのダクト作って上手く結露防止を考えるよ」
「2重管にしたらどうかな?」
「うん、それもいいね。空気を断熱材にしちゃう」
「雅子、いいアイディアじゃん」
「そうかあ、TSカップでも雅子はいろんなアイディア出るからかあ」
「そういうことだ、脳筋はだめってことだよ」
と、言っていると”ガラガラ"とエンジンの音と、ドリュドリュドリュドリュというV8エンジンの音が聞こえてきた
「雅子、悟瑠さん。すみません。2台車直してほしいんです」
「どうしたの?何か」
「うん、お兄ちゃんはGS130改見つけちゃって、あたしはママのKP61を仕舞ってあった倉庫に有ったPS110を買った人が手放すっていうから買っちゃったんです。その人とあたしのエッちゃんを売ったんで結局等価交換しちゃったの」
「悟瑠さん、すみません。お兄ちゃんがMA45改見つけて直してほしくって」
「3台も?」
「雅子。実は、同じ人から買ったのよ。大病患ってさすがに5台の維持は大変だって、そのうちパパもお願いしに来るよ。TDJ72改の元レントゲン車」
「嘘だろ。4台もくるかあ。承知しました」
「百合リン、まさかレントゲン車ってボロボロじゃないよね」
「結構きてた」
「はいよ」
4人が帰った後、隆文が言って来た
「悟瑠さん、恋路ちゃんのエンジンをターボ取っ払って生にしたいんだけど、6D15に125mmクランクって組めるかなあ?」
「6D17の4バルブが出る前のクランクなら。それじゃないとクランクのジャーナル径が合わないんだよ。コンロッドを6D17にしてできるかだよ。ブロック高は6D16と6D17は同じだったような気がしたけど6D15まではわかんない。クランクとコンロッドは在庫にあるよ。在庫の6D17ブロックに6D15スリーブ入れるっていう手もあるよ」
「使えるならそれ組みますよ。コンロッドも17用に交換すればいいかなあ。」
「一度寸法測ってだな。ピストンの圧縮ハイトが合うかだなあ。10mm以内がどうしてもあわないならアッパーデッキ組む手もあるよ」
「そうかあ、低速トルクをあげるにはいい手だと思ったんだけどなあ」
「そうだよね。そうか、125mmのストロークなら7.5リッターになるよね。オリジナルの6DBエンジンよりも排気量は0.8リッターほど小さくなるけど、直噴でパワー出るし、トルクはチョイ落ちかな?しかも隆文特製のエギゾースト系だろ。実力で190psでトルクは52キロか。オリジナルよりも5キロほどトルクが落ちるけどミッションは今のターボと変えないで6速のクロスのままならいいんじゃないかな?」
「はい、悟瑠さん。その手で行きます。ターボやめて生でいくんです。恋路ちゃんをターボにして乗ってましたけどやっぱりターボってなぜかいまいち性に合わなくって。190ps位に出来れば生の方がいいって思ってるんですよ。低回転から高回転までスムーズに回って、あるところからドッカンと来ないような特性がいいんですよ。兄貴の兎ちゃんみたいなエンジンがいいんですよ」
「隆文は生が好きなんだなあ」
「ビールも生でしょ」
「「「「「あはははは、至言」」」」」
哲史さんが見つけてきた激レア車と譲さんが見つけてきたスポーツ車
久しぶりの小型に戸惑ってしまう悟瑠たち。しかも百合ちゃん迄?
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