第六十八話 バスが仕上がった隆文たちとTSカーレース2戦目とまたバス買っちゃった
気に入って買ったバスのメンテも大変だけど楽しい
2戦目はどうなるのかな?
悟瑠が買ったバスは一体?
主な登場人物と所有車
佐野 雅子 ヒロイン 25歳 4月生まれ
峠のバトラー⇒TSカップレーサー、9勝目にトライ中。
家業の佐野自動車販売の中古車販売店兼整備工場の経理、整備の段取り担当の副社長
前職はスーパーの経理兼販売促進
所有免許;大型2種、牽引運転免許、2級整備士免許、危険物乙4、玉掛、ガス溶接、救急救命士
レース以外の趣味:
オフロード走行:大型の2軸総輪駆動のエンジン、サスペンションをいじって自分好みした。
パソコン:プログラム組むのも好きでシステムを自力で組める
所有車
バス:
観光系 ルーシーちゃん
路線系 獅子丸くん
フーセンちゃん
短尺系 ニジュちゃん
エムエム君
大型キャブオーバーダンプ
4×4 藤子ちゃん
大型ボンネットダンプ
4×2 カービーちゃん
小型車
クーペ イチゴちゃん
僕;佐野 悟瑠 雅子の兄 28歳、3月生まれ 妹の雅子より4学年上
家業の佐野自動車販売に就職して6年目、整備工場の工場長兼副社長。
所有資格 2級整備士、MIG溶接機、レーザー溶接機、ガス溶接、玉掛。免許は大型、けん引免許
カーキチ、スペックオタク
所有車
バス:
観光系 ゴーゴーくん
ロザン君
なごみちゃん
路線系 パン君
ニイナちゃん
キューピーちゃん
大型キャブオーバーダンプ
4×4 サイバー君
小型車
セダン サンゴちゃん
三四郎君
加藤 隆弘 28歳
悟瑠の同級生で親友。専学卒業後家業の内燃機整備工場に就職、佐野自動車販売に事業譲渡でそのまま異動。悟瑠の幼馴染。2月生まれ
所有車両
大型キャブオーバーダンプ
4×4 ラッシー君
バス
兎ちゃん
小型車:
セダン エスティーくん
加藤 隆文 25歳
隆弘の弟。雅子より一学年上だが、3月生まれで実はほとんど同い年。工業高校から家業へ就職。佐野自動車販売に事業譲渡でそのまま異動。
所有車
大型キャブオーバーダンプ
4×4 まゆかちゃん
大型ボンネットダンプ
4×2 きみこ
バス
恋路ちゃん
クロカン4×4
ロックン
趣味:TSカーレース
松尾 百合 25歳
雅子の親友、丸松建設のお嬢さん。雅子と同じ高校卒業して同じスーパーに入って家業に転職。
所有車
バス:
観光系 武蔵君
ラムちゃん
大型ボンネットダンプ
4×4 パイ君
4×2 徳次郎君
小型車:
軽4輪 エッちゃん
現在は丸松運輸の副社長 TSカーレーサー
松尾 譲 27歳 百合ちゃんの兄 丸松建設の副社長
所有車
バス
キャブオーバー ビーフさん
大型ボンネットダンプ
4×2 旦那さん
4×4 ゼットワン
小型車
KE70HT
小笠原 愛理沙 23歳 TSカーレーサー
雅子の同じ学校の一つ後輩。小笠原食肉のお嬢さん。元レディス総長。2児のママ かつて雅子がいたスーパーに勤務 大型免許所持
所有車
小型セダン
GXE10
大型観光系バス
ババロアちゃん
大型キャブオーバーダンプ
4×4 フライヤーちゃん
小笠原 哲史 27歳 愛理沙の兄。別の会社に勤めていたが家業に転職、副社長 大型免許所持
所有車
小型車セダン
AE70
大型路線系バス
マーシーちゃん
長野さん 30歳。
バス会社に居たが欲しい車が排ガスの関係で住んでいる地域で登録できなくて雅子がいたスーパーに転職。今は愛理沙ちゃんの上司
所有車
大型9メートル短尺系バス
自家用 伊那路
観光系 五平君
路線系 鬼丸君
小型車クーペ
NE
狩野さん 30歳
運送会社にいたが首都圏の事業縮小で地方に転勤になったが偶然募集していた松尾建設に転職
所有車
大型キャブオーバーダンプ6×4
V10 古武道君
V8 福田屋君
小型車EHT
ND
僕は電話を切って聞いていた隆弘たちに説明した、4灯になったのは事故ではなく錆でということ、修理の納期の関係でやむなく4灯にしたこと、事故の修理は一回もないことを。
「悟瑠さん、実はライトの結線のところが擦れてて銅線が時々ボディの鉄板と接触してるんですよ。漏電の原因でしたよ、どうもありがとうございます。ハーネスを全部引き直すんで2灯の部品が来たらフロントを全部交換します。」
「隆文、フロント全部交換やるのか?パネルごと?」
「もちろん、2灯ヘッドライトのスタイルがレトロでいいと思います。縦にヘッドランプとフォグが並んでるのが何とも言えないですよ」
「そうだな。やるなら俺も協力するよ」
「オリジナルのスタイルの良さが旧車の魅力ですよ。フロント周りは全面防錆鋼板にします。ふへへへへー楽しみ」
旧車に沼った隆文だった。
「隆弘、隆文、二人は仕事の領域を広げるためにこの2台のバスのレストアを命じるからやるように。隆弘は兎ちゃんの板金というか外板張替、隆文は恋路ちゃんに積む6D15Tエンジンの整備とチューニング。トルクは65~66kg、出力は230ps以上、乗ってる6D11エンジンはうちの在庫に」
「え?悟瑠、どう言うことだ?」
「今、隆弘はほとんどエンジンがメインでほとんど板金、エギゾーストをやってない。逆に隆文はエンジンをやるけど補佐で板金とかエギゾースト系はばっちり自力でできる」
「そういうことか、俺に板金とマフラー作りを勉強しろってことだな」
「そういうこと。隆文は自力でエンジンを組むってことだよ。TSカーレースでも役に立つよ」
「わかった。とはいっても恋路ちゃんの板金は隆文だろ」
「もちろんだ。ルーフとサイドはほとんど張り替えたけど、前を後ろはそのままだろ。特に前はドアのところがそのままだろ。そこも張替だよ」
「ヘッドライト周りもあるから前面の張替と後面も」
「おおお、俺は全部か」
「師匠は鈴木さんに頼んだから」
「悟瑠さん、エンジンの師匠は?」
「僕がメイン。他には隆文の叔父さんがいるだろ。時々応援で来る」
「あ、わかったよ。叔父さんは今でこそ輸送の仕事してるけどエンジン部品加工の名手だなあ」
「僕も叔父さんから学んだよ。それに僕もこれから板金、エギゾースト系を作るのを学ぶんだよ」
「悟瑠が?」
「もちろん、エギゾーストマニフォールドからエンド迄自分でつくる。TSカーレースで抜けのもっといいパワー出るやつを作る。その練習もやるよ。自分も壁に当たってるよ」
「さすがだな。エギゾースト系の師匠は悟瑠の親父さんか?」
「もちろん」
「OK、やろうぜ」
「隆弘、バスを持ってきて中に入れてやるよ。隆文は先にエンジン組み立て」
「悟瑠は?」
「僕は、R31のエギゾースト系作りだよ。タコ足が欲しいと言うのとボディの錆取りだよ。あっちは日本よりも道が荒れてて結構車体も傷んでるからボディのアライメント取ってくれって言われてるよ」
「俺は鈴木さんに聞きながら兎ちゃんの外板張替か」
「隆弘、工場の自動鉄板鍛錬機は自由に使っていいから。防錆鋼板、防錆メッキ装置、ペイントも。隆弘の教育の扱いだよ。僕は親父に聞きながらR31のマフラー作りぶっつけ本番だ。親父に相談しながらやるから変なことは起きないはずだ」
「まずは俺は兎ちゃんの外板張替え、隆文は自分の恋路ちゃんのエンジンをつくってことだな」
「そういうこと。隆文、先にトルクをちゃんと出すにはどうするか考えろよ。出力は回転で決まるからな。黒煙の目標は計測器で20%未満な」
「やってみます。トルクは66kgですよね。悟瑠さんは各部品の重量バランスはどこまで追い込んでるんですか?」
「基本は5g以内。理想は1gだけど、ディーゼルでそこまで追い込んでもあまり意味が無いからやめてる。TSカーなら0.1g以内を目指してる」
「えええええ?そんなに?」
「隆文、それだから雅子のエンジンは静かで上までビンビン回るだろ。燃焼室形状も合わせてしかも吸入空気量もそろえているんだ。隆文のエンジンも同じだぞ。俺が削っては洗浄して測ってだ」
「う、やってみる。悟瑠さん、もしかして吸気ポートの段付きもですか?」
「もちろん、吸排気の段付きは0を目指す。まゆかちゃんもやってあるよ。梨地加工してあるよ」
「ううううう、やべえ。」
「俺からもう一つ、コンロッドは大端部と小端部の重量も合わせるんだぞ。重心位置も」
「えええええ?兄貴?そこまで?」
「当たり前。隆文のまゆかちゃんもきみこもバッチリ合わせてある」
「隆文、わかった?お兄ちゃんが組むエンジンが静かでも速い理由」
「凄すぎて。頑張ります、クランクも?」
「当たり前だ、クランクプーリーもフライホイールもクラッチカバーもだ。単体である程度合わせたらアッシーにしてバランス取るんだよ」
「えええ?兄貴、そうなの?」
「悟瑠が組むエンジンはなめらかなのはその努力の結晶だからな。よく心して乗れよ」
「はい。すげえ、悟瑠さんの組むエンジンが振動少なくて静かなのはそういうことかあ」
「そう言うことだ。悟瑠。俺も板金の勉強だ。鈴木さん。いや、鈴木師匠。よろしくお願いいたします。」
「副工場長がそう言うのは違和感ありますねえ。いいや、じゃあまず兎ちゃんを隣の作業場に入れて」
「はい」
隆弘は同じく外板の総入れ替えをやっているK-UA31Kの隣の作業場に兎ちゃんを入れていた
兎ちゃんを改めてみた鈴木さんが
「この兎ちゃんは良く直してる個体ですよ。それにきっちりと中の手入れしづらいところには防錆鋼板と電子錆止め使ってメンテナンスフリーにしてますよ」
「そうなんですね」
「点検中ですが、兎ちゃんはK-UA31Kの3Eボディよりも防錆しっかりです。もしかすると兎ちゃんは笠木工房の若がやったのかもしれません。確か笠木工房は自分の父親に聞いたんですが、若のほうが手先が器用って」
「そうですか。それは」
「それでも経年で防錆鋼板が劣化してるんで交換したほうがいいですね。では、鉄板をはがしましょう。リベットなんでリベットリムーバーで取ったらシール材でくっついてるんでそれを剥がして行くんです。なるべく形を壊さないようにすると楽ですよ」
「はい。」
隆弘が真剣な表情で鈴木さんから板金をきいている。
うちの工場には最新のダイレス加工機があるので車両の四隅とかルーフはレーザー光線で計測して作成する鉄板の大きさを入れると自動でその形に加工してくれる。
とは言っても、実際に車に当てて見るとズレはどうしても起きるのでその分の修正は必要になる。その参考になるのが車についていた鉄板なのだ。
僕は隆弘の近くでR31のマフラーを作っていた。
「悟瑠、マフラーは仮に点付けをやってそれから本溶接だからな」
隆弘が板金を学ぶのと同時に僕は親父からマフラーの作り方を聞いている。
お客さんに頼まれたオーストラリア仕様のR31のマフラーを作っていた。
要望はなるべくまっすぐにしてほしいというのでその要望に従っていた。
パイプの径はオリジナルのままとして、サイレンサーをストレート構造にして排圧係数を少し下げる様にしていたのだった。
「悟瑠、次はちょっと難しいタコ足の作り方だ。幸いにもうちにはフレキシブルパイプがあるだろ。それを使ってレイアウトを決める。エンジン側の取り付け部はなるべくまっすぐにして作ると取り付ける時にらくになる」
「はい」
工場にある型取り用のフレキシブルパイプを使って形を決めていく。
この形も3次元パイプベンダーを入れていてレーザー光線で計測するとそのとおりに曲げ加工してくれる。
とは言え、やはり実際に当てて見ると少しはズレが生じるのでその分の修正加工は必要になる。
しかしながら、昔ながらの全部手間げの時よりも遥かに楽に作れる様になったのは確かで、両加工機とも結構高価だったが導入したことで鉄板やパイプの加工時間がない時の50分の1迄短縮できて事故修理も早く終わるようになったのでとても助かっている。
僕は親父に聞きながら溶接とパイプベンダーを駆使してタコ足を作っていく。
「難しいのは、6発エンジンは長いから前と後ろの3気筒で長さを統一することなんだよ。某メーカーのタコ足も長さが違っているんだよ。音の良さは6発が等長になっているものにはかなわんよ。街乗りならロングデュアルが一番いい」
「そうだよなあ、同期が取れるほうが良いもんな」
滑らかに曲げていって後ろ3気筒の距離を稼ぐ様にして作っていく
集合部はサージタンクの形にして太めの区間を設けてテーパーで径を絞ってデュアルのパイプ系に合わせる
慣れないので、終わったときには既に夕方になっていた。
「悟瑠、いい出来だ。熱害はTSカーで慣れているだろうから大丈夫だろう。ヤバそうならタコ足の方に遮熱板をつけるんだぞ。必要ならヒートバンテージを巻いてもいいからな」
「うん、床下の所に巻いたほうが良さそうだから巻くよ」
「そうだな。そのほうが安全だろ。触媒の直後も」
出来上がったタコ足とマフラーにヒートバンテージを巻いて熱対策してその日は残業になったが仕事を終えて帰ってきた。
アジトで
「お兄ちゃん、結構大変そうだったよね」
「まあな。慣れないならな」
「お兄ちゃん、来週末は北でTSカーレース2戦目だかんね。大丈夫?」
「おう、それまでにはR31の板金片付ける。雅子の310の時よりは楽だよ。ダイレス加工機と自動パイプベンダー入れてからは」
「そうね。高価だったからねえ。ほとんどもっと元取ったんじゃあ?」
「まあな。高尾さんのMK116の時は楽だったよ。腐ったボディのところは張替したけどあっという間に鉄板加工ができちゃうし。その後の細かい調整で板金の腕は上がるけどね」
「そうかあ。おにいちゃんはお仕事頑張ったんだね。あたしも塗装とかやりたいなあ」
「練習もいいかもな。そうだ。親父はどうも赤黒ツートンにデコちゃんをしたいっていってお袋に怒られていたよ。お袋の錦くんを白黒にしたって言うのにって」
「だよねえ」
「どっかからバスを買ったら赤黒ツートンにしそうだなあ」
「ネットで中古のバスを狙っているかもね」
2週間後、先に恋路ちゃんの2灯化とエンジンが仕上がった隆文が
「悟瑠さん、ちょっとこのエンジンの全開試験に行ってきたいんですが」
「おう、いいよ。雅子。念のため2軸クレーンレッカーでついて行ってくれ」
「はいよ。隆弘は僕と一緒に兎ちゃんの外板総張りかえだよね」
「おう、やっとルーフを終えて次は後ろだ。モノコックだから結構大変だよ。笠木工房って防錆が上手で内部の骨になるところはがっちり防錆してあるからいいよ。恋路ちゃんも同じだけどちゃんと電気防錆つけてるんだよ。バッテリーには厳しいけどな。このバスにはサブでディープサイクルバッテリーが積んであって走行中だけって言うかエンジンの回転を検知すると回路がつながってディープサイクルバッテリーに充電するようになっていたよ。これは笠木工房で電子防錆つけた車全部だけどな」
「すごいね。わかってるって言うか。昔の車は錆との戦いだからなあ」
「うちもそれ真似して再生したバスには全部付けたし、バスだけじゃないよ。トラックも全部付けたよ。トラックはキャビンとフレームだけどな」
「そうか。この兎ちゃんは結構走らせていたから足回りはそのままでよかったのか?マーシーちゃんとか恋路ちゃんとかババロアちゃんは相当ばらしたけど」
「そうだな。このバスは定期的にって言ってもひと月に一回だけど走ってるよ。それに燃料に酸化防止剤を入れて長持ちするようにしてるし手入れはいいバスだよ」
「工場長。このK-UA31Kもですね。ちゃんとメンテしてあるんで足回りがしっかりしてて傷んでるのはボディの外板だけですよ。内装も木床風のリノリュームにして欲しいってことなんで」
「よし、目標は後2週間だな。悟瑠。わりいが頼むぜ。エギゾースト系をしっかりやろうぜ」
「もちろんだ」
僕らは鈴木さんに聞きながら外板パネルを作っては後で交換しやすいように骨の部分に捨て鉄板を貼ってから外板を貼り付けていったのだ
忙しく仕事して兎ちゃんのフロントとK-UA31Kの後面の張替が終わったころ週末になった、週末は北の方でTSカーレース2戦目だった。
僕らは移動事務所のパン君、なごみちゃん積載車の3台でエントリーしていた。
来たのは僕と隆弘、雅子、隆文、百合ちゃん、愛理沙ちゃん、長野さん、譲さん、狩野さん、哲史さん、アルバイト君が3人だった。
土曜日の予選はやはり雅子が速くポール、セカンドには愛理沙ちゃん、サードに百合ちゃん、隆文はクリアラップを取り切れずに4番手となっていた。
少し離れた5番手には色部選手、6番手に能條選手、7番手に久保田選手、8番手に玉城選手が続く状態だった。
クラス1のトップが9番手に寺田選手が食い込んで10番手にクラス2の神保選手だった。
天候は時々雨が降るというなかなか難しい状態で迎えた2戦目、決勝がスタートしていた。
"やってきましたTSカーレース2戦目、本日は雨が降ったりやんだりというあいにくの天気ですがみんな燃えてますね、本日の実況はあたくし小林、解説には末田さんです。本日もよろしくお願いします"
「悟瑠、今日は熱血実況じゃなくて正確無比な実況だな。熱狂実況も面白いけど今回はどうなるんだろうなあ」
「まあ、いいじゃないの」
"今日はタイヤ選択が結局は順位に効きますよ。といっても柔らかすぎでは最後の方で踏ん張りませんからねえ。無交換かどうか各チームの作戦が出ますね"
"そうですね。さあ、シグナルの赤が点灯してエンジンの電光掲示がでました。各車始動です。なかなか良い音を響かせていますね"
"そうですね。ポールの佐野選手が2連勝なるか、それとも止める選手が出るかですね。ベテラン勢がセカンドグリッド迄に入れなくなってますが今年はどんな対策してるんでしょうか?そこも今日の見どころです"
"前回を見ても安定して速い佐野選手をどうやって止めるか?そこですね。ベテラン勢は1戦目はなんか脚のセッティングがちょっと決まってないって言う感じでしたね"
"はい、あの若さでどこでも脚をばっちり決めるセンスは大したものですよ。新人のころからばっちり決まった脚でレース中のトップタイムも何回も記録してますからね"
"はい、今日はどう言った展開になるのかが楽しみです。さあ、シグナルがイエローに変わってフォーメーションラップのスタートですね"
"うーん、音を聞く限りだと。全車良い音の様ですね"
レースが始まった、フォーメーションラップは1周で整ってペースカーがピットに入るとシグナルが青に変わってレースのスタートだった。
"ポールから飛び出したのは佐野選手、それを追うのは小笠原選手、松尾選手、加藤選手と続いています"
"予想通りの順位ですね。20周するレース序盤はこのままいくでしょうね"
実況と解説の言う通り、小雨が降る中でのレース開始でまずは雅子が飛び出してそれを愛理沙ちゃんが追う展開になっていた。
「ウエットは雅子が上手いなあ」
「そうなんだよな。愛理沙ちゃんも百合ちゃんもはるかに長いんだが」
「だよなあ。って言っても限界で走ることはしないか。大体が物を積んでて崩さないようにするから」
「そうだな」
「悟瑠さん、百合は雨が降るとオフロードコースのターマックをうちのサザン君で走って練習してましたよ」
「やるなあ。百合ちゃん車はトレッドが広い分隆文よりも有利だもんな」
と、しゃべっていた3週目。
"バックストレッチでクラッシュ、全ポストイエローフラッグです。クラス1の宮沢選手がレインボウコーナーでスピン、そこによけきれず突っ込んだのが直後の岩屋選手、トップの佐野選手が見事によけて通過しましたが、佐野選手の後ろにいて飛んできた宮沢選手の車をよけきれなかくて巻き込まれたのが一松選手です。全車スローダウンしたようです"
"せめても救いはコース上がクリアってことですか"
「悟瑠。雅子の反射神経も見事だぜ。どっちによければいいか判断して逃げたのはさすがだな」
「ああ、愛理沙ちゃんもがっちりブレーキングして何とか被害はないな」
ピーンピーンとテレメトリーシステムの警報が鳴った。
雅子の車の空気圧異常と出ている、左前後だった。
「どうした?あ、雅子の車がクラッシュした部品を踏んだようでパンク?車はよけても部品は無理か」
「雅子、ピットはいれ。パンクだ」
『お兄ちゃん、ごめん、ウエットで見えなかったサイドウォールいったみたい」
「みんな。雅子のタイヤ、4輪交換とガソリン」
僕らは交換用のタイヤを準備するとすぐに雅子が入って来た。
"ガチャっ"と前後にジャッキをかけて持ち上げるとガガガガガというインパクトの音、8人がタイヤを交換、もう一人がガソリンを補給していた。
"佐野選手、ピットイン。どうやら破片を踏んだようですね。あ、後続も続々とピットに入っていきます"
"これは、ペースカー入れた方が。あ、既に入ってますね。赤旗ですね。一旦全車コース上でストップ"
どうやら路面にクラッシュした車のFRP部品が散乱してしているようでクルーが片付けている、路面清掃車が出て掃除を始めた。
"高硬度部品ですかね?"
"そうですね。もしかすると熱硬化高強度レジンを使っていたのかもしれませんね。あれは鉄並みの硬さありますから"
路面の清掃が終わってイエローフラッグがゆっくり振り出されると、ペースカーは30キロくらいの速度でゆっくりと周回を開始している
雅子の車は幸いにもイエローフラッグに助けられて8番手でレースに復帰していたがベテラン勢の後ろになってしまっていた。
タイヤ交換を終えた他の車たちも続々とコースに復帰、レッドフラッグと路面清掃のためやむなくコース上で止まったのもあって、タイヤを交換した選手たちも受ける不利が軽減されていたのだ。
ゆっくりとペースカーを先頭にして一周したのち、コントロールタワーで黄色が点滅していたシグナルが青に変わって、ペースカーがピットに入った
"さあ、レース再開です。末田さん、これで離れていたのが一気に縮まって展開が読めなくなりましたね"
"そうですね。今年から悪辣なブロック禁止になりましたからねえ。出禁ルールも変更でシーズンまたいでも適用ですから今シーズンで終わることが無くなりましたからブロックも難しいですね"
"そうですね。昨年度小笠原選手を執拗にブロックしたのでルール変わりましたね。2台以上で協力とみなされるとポイントはすべてはく奪ですからね"
と言っていると、雅子は7番手の玉城選手をブレーキング競争で簡単に仕留めて7番手にあがって6番手の久保田選手にパッシングを浴びせて宣戦布告だ
"佐野選手気合入ってますね。久保田選手は売られた喧嘩を買うか?あ?あっさり道を譲ってますね"
"多分、あの速度差にかなわないと言うか?逆らわない方がいいと判断したんでしょう"
"冷静ですね。確かにラップで3秒以上違ってますもんね"
次は、5番手の能條選手だった。これもあっさりと雅子に道を譲ってしまった
"能條選手も同じですね。やはりインフィールドでも差を自覚していて逆らわないってことですね"
"ウエットでこれだけ走れる選手もそうはいませんよ。ラップ測ると3秒も違ってます。変に勝負して自滅するよりも先に行ってもらった方がいいということですよ"
"5番手上がった佐野選手、次は色部選手とのバトルでしょうか?"
"うーん、あ、これも道を譲ってますね。速度が違い過ぎで勝負する方がやばいという判断ですね"
"佐野選手を止めるのはもういませんね。後は同じチーム佐野の選手が逃げ切るかですね"
"残り8周切りましたね。佐野選手が追いつくにはぎりぎりと言うかそんな感じでしょうか?"
「悟瑠。残り8周。4番手に上がったけど前は結構離れたなあ。愛理沙ちゃんが逃げ切りみたいだな」
「ああ、愛理沙ちゃんが絶好調に飛ばしてるな。百合ちゃんも速い。隆文はウエットがホイールベース短い分苦手だな」
「雅子に追いつかれるかな?」
「微妙だ、雅子は燃料補給した分燃費には余裕あるよ。隆文は挙動に苦労してるよ。とはいってもブレーキの負担は隆文の方が有利だ」
レースは残り5周になった、雨が上がって日が差してきた。
これからはラップ遅れのクラス1を上手く躱せるかにかかっている。それに路面が乾き始めてきたので挙動に苦しんでいた隆文の車が息を吹き返したようにガンガンペースを上げてきた
"あ、小笠原選手ハイビームですね"
"ええ、邪魔するなということでしょう"
"あ、何ですか?加藤選手一気にペースが一気に上がった。これもハイビーム"
"これは何でしょうね。あ、加藤選手の車はどうしても後ろに荷重がかかりにくいんでウエットではトラクションがかかりにくいんですよ。路面が乾いてきたんでこれはガンガン行きますよ。しかもタイヤを温存していたようですから残り5周全力でいくでしょうね"
「隆文が息を吹き返したな。雅子とほとんど同じペースでカッ飛んでる」
「あ、百合ちゃんが周回遅れに引っかかった?よし、抜いた」
「百合もさすがだな」
"ファイナルラップです。トップは小笠原選手。この差はつまらないでしょうね。2番手争いは加藤選手が松尾選手とテールトゥーノーズですね。ブレーキングでは重量バランスに優れる松尾選手、ストレートの速さは投影面積の小さい加藤選手。同じチーム同士の争いですね。あ、加藤選手伸びない?"
"オーバーヒートかもしれませんね。追いついたまではいいんですがオーバーヒートですかね"
"小笠原選手いまチェッカー。今季一勝目。二着には松尾選手、三着に加藤選手、四着には前回優勝の佐野選手が入りました。以下色部選手、能條選手、ここまでが入賞です"
"今回は佐野選手が部品を踏んだのが痛かったですね"
"そうですね。見事に躱して行ったのはさすがというべきか"
一周して走っていた車が戻って来た。
「ふうう、どうもありがとうございました。逃げ切りました」
車から降りてきてヘルメットを脱いだ
「周回遅れを抜きそこなったのが痛かったわ」
「百合ちゃん速くなったなあ。それにコーナー速いよ」
「隆文さんも、こっちはヒヤヒヤ。ストレートはそっちが速いでしょ」
「そうだけど、今回はオーバーヒートしちまった。兄貴。冷却系の容量あげたいなあ」
「そうだなあ、悟瑠、隆文のエンジン何かやったか?去年より上が回ってるけど」
「うん、コンロッドを3ミリ伸ばした。後はピンの方のベアリング幅を30%狭くしてみたよ」
「え?ってことは」
「それにオイルは0W-20にしてオイルクーラーの容量あげた」
「フリクションの低減化したんだな」
「そういうこと、ヘッドの形状でどうしても空気が入らなくてね。それなら少しでも高回転でのフリクション減らして回そうとおもった。一番効いたのが低粘度オイルだよ」
「道理で隆文と百合リンの車が速くなったと思ったのよ」
「クランクは特注のフルカウンター鍛造品で高周波焼き入れフィレットロール掛けしてタフト加工もしたからまあ11000迄回しても折れないよ」
「兄貴、ってことは俺は回しすぎッてことか?」
「そう言っちまったらそうだな。回し過ぎても問題ないってことだからなあ」
「まあ、吸気もソジュームバルブにして超軽量プッシュロッドにしたからこれもフリクション低減だな」
「お兄ちゃん、あたしの車は?」
「もちろん、同じものは入ってるよ。雅子の車はヘッドをやるにはもっと良い手を考えないとないけど腰下でできることないかなって思ったんだよ。このエンジンは幸いにもストロークが長いのがあるから元からフリクションが少ないんだよ」
「素敵です。道理であたしのも立ち上がりでクラス2の他の車たちよりも速いと思ったんですよ。同じ回転のはずなのに」
「そうかもね。去年のレース見てて10000より上は2%も使ってないからそこは削っても特性をちょっと下に振ってしたから回るように変更だ」
「だよねえ。去年より500rpmも下が使えるんだもん」
「素敵です。悟瑠さん。おかげでトップ取れました」
そう言って抱き付いてきてキスしてきた愛理沙ちゃんだった。
他は呆れて見ていた
「雅子はパンクが痛かったな」
「そうね。でもさ。レースの運だから仕方ないって。神様が走りをみなおせって言ってるのかも」
「兄貴、冷却系でかくしよ」
「そうなんだが、隆文の車は開口部が狭くてこれ以上は無理だ。導風板だ」
「そうかあ、いい方法考える。風量増やすのか」
「そうだな。思ったより高回転の熱が多かったな。百合ちゃんのは古い分開口部が広いのとエンジンルームも広いから風が十分入ったね。さて、表彰式終わったら撤収だ」
「佐野さん、小笠原って今日はいい仕事しましたよ。スーパーの看板も背負ってるんで明日から来週末まで優勝セールしますよ」
「そうかあ、長野さん、集客も増えるのね」
「ええ、移動販売車でも話題になりますよ。運転してきて販売してる小笠原が優勝ですから」
「あ、そうよねえ」
「車積むぞ、みんなは撤収」
僕らがサーキットを出て途中のお店でささやかな優勝のパーティーしていた
「そうです。あれ?綿貫さん?」
そこに来たのはあろうことか綿貫さんだった。なんと愛理沙ちゃんが務めるスーパーの役員をも連れていた。
口々におめでとうと言っていたのだ
「皆さん、ここはうちでスポンサードしますよ。小笠原トップと年間ポイントも今のところトップですから。今回は社長も見たいとかいったんで乗せてきたんです」
「そうかあ、愛理沙は2着とトップだもんな。もしかしてB622Bにですか?」
「はい、私たちは別便で帰ります。みんな懐かしいとか言ってますよ、バスで移動って」
「社長、専務、常務、部長、綿貫さん、皆さんどうもありがとう」
「愛理沙って幸せものね」
「俺はウエット下手ってよくわかったよ」
「あたしもまだまだね。ウエットもっと練習しよ」
「それにしても愛理沙ってウエット上手いよね」
「ああ、それは子供たちの保育園の近くにいつも路面に水が流れているところがあるんです。ほとんど車通らないんでお迎えにいくときにババロアちゃんでもフライヤーちゃんでも限界まで練習できるんで助かってます」
「え?そうなの?」
「百合も雨だとオフロードコースのターマックで練習してんじゃん」
「まあね。毎日じゃあないよ。雨の日だけ。雅子って雨降ると夜中でも走りに行くよね」
「ってことはウエットで一番練習してないのは俺かあ」
「隆文、それじゃあ勝てるわけねー」
「はああ」
「「「「「「あはははははは」」」」」」
愛理沙ちゃん優勝のパーティの後はアジトに帰ってきて車を片付けると百合ちゃんと愛理沙ちゃんは譲さん、哲史さんが運転する車で帰って行った
次の日、これまた旧車でGA61の整備を頼まれてしかもクラッチの交換時期なので軽量フライホイールがないかと言われてネットで探してしたときについつい程度のいい観光仕様バスを見つけてしまった
パン君と同じシリーズのボディだがシャシがひと世代古いKC-UA460NANだった。
ホテルの送迎用の様で傷みも少ないことからついついポチしてしまった。
「お兄ちゃん、ねえ、また買ったの?呆れた」
一週間後、遥か遠くの地からアジトに届いたバスを見た雅子が呆れていた
「これはいいや。エンジンをこの前スーパーに納めた移動販売車のようにしよう」
「載せかえるんでしょ。エンジンももうポチしてあったりして?」
「もちろん。ミッションとデフも。エンジンは丸松建設のK-TW53LDのカムをベースにして噴射特性もRD8に合わせてみるよ」
「ニイナちゃんと同じじゃん。同じのがあっても」
「ちょっと違うんだな。顔はどっちも路線系だけど、ニイナちゃんは路線系のボディ。これは観光系のボディだから剛性と遮音ががまるっきり違う。シートも」
「はああああ、マニアしかわかんない世界だあ」
呆れる雅子をしり目にお客さんのGA61の整備を行って納車した後はRF8エンジン、ミッション、デフを入手してスワップ、移動販売車と同じく公認を取っていた。
その後にお店に乗っていって板金の鈴木さんに見せて相談していた
「鈴木さん。ボディは事故にもあってなくて傷みも少なくていい状態と思います、シャシ、足回りもしっかりしてていい個体とおもいますがどうですか?」
「良い状態のボディシャシとおもいます。銘板を見るとこのバスの所有していたのがこのボディーメーカーが親会社ですよ。整備はもしかするとボディ製造工場のお客様対応部門で行っていたのかもしれませんね」
「ですよね。防錆もしっかりしていて」
「これはいいとても個体です。手入れが良くて直すところ全くないですよ。好みの色に塗ってですね」
「そうですね、僕はもっと南の島の県のバスカラーにしたいですね。昭和のバスが現役なんで。鈴木師匠手ほどきお願いします」
「はい、喜んで」
僕がKC-UA460NANの塗装変更、移動事務所、エンジン換装の公認が終わったころ、隆文の兎ちゃんも貼り変えを完了してこのバスの最初のオーナーのバス会社の当時のカラーにしてこれもエンジン載せ替えの公認を取っていた。
「隆文、できたな。明日は全開テストいくぞ」
「おう、悟瑠のは全塗装だけか」
「まあな。手入れが良くて錆が全くないいい個体でびっくりさ」
「お兄ちゃん、好きだもんね」
「良かったよ。そうだ。親父、4軸総輪駆動レッカーを借りるよ。雅子。悪いがついてきてくれ」
「はいよ」
いつもの峠で2台のバスの全開テストを行った結果、漏れも水温、油温、黒煙量に問題ないことがわかってお店に帰ってきてくつろいでいると親父がやってきて
「悟瑠、聞きたいんだが、ニイナちゃんはどうするんだ?ほとんど同じ仕様が2台あっても仕方ないだろ」
親父が僕に聞いてきた、新たに買ったKC−UA460NANのE1ボディのバスが増えたのでアジトに置くにしても場所が手狭になって来ていて手放すかどうか検討していたのは確かだ。
「欲しい人いたら売るよ。ニイナちゃんは僕の板金塗装の練習台でもあったからなあ。ボディは適当にやっちまったんだよな」
「それなら俺が引き取る。このところオークション2箇所に行くことが増えたんだよ。本格的は移動事務所がもう一台ほしいと思ってたんだよ。靖子と今は錦くんを共有でかち合うとニイナちゃんやエムエム君をしょっちゅう借りていただろ」
「そうだったね」
「ニイナちゃんは俺のにしてKC−UA460NANの改造車は悟瑠のってことな。KC−UA460NANは観光ボディってことか」
「そう、E1ってボディで顔は路線系で中身は観光のハイデッガー。西〇96MCのN尺からV8の音が響くのもいいだろ。KC-のV8でL尺とN尺は富士〇の7Eがほとんどだからね」
「お兄ちゃん、KC−UA460NAN改のニックネーム決めたからね。陽菜ちゃんね。UA460NANの4と0とNAでね。陽菜ちゃんね」
「雅子、はやいよ」
「雅子って本当にニックネーム好きだよねえ」
「あ、そうだ。悟瑠、また、ボンネットバスの再生が来ちまったよ。今度はBX521らしい。エンジンは自分で持ってるとか。それからニイナちゃんは赤黒ツートンにするよ。楽しみだ」
「ええええ?また?ボンネットバス?それにニイナちゃんは赤黒ツートンに?はあ、パパってほんとあの漫画だいすきだよね」
親父がどうやら仕事を引き受けたらしい、BX521のレストアのプランを確認しようとすると雅子がスマートフォンに入った連絡を聞いて血相を変えた
「お兄ちゃん。緊急事態。百合リンのお母さんのデビちゃんがエンジンブローだって。百合リンのお父さんが下りでオーバーレブさせちゃって。山の中で止まってるって。救援来てって」
「え?場所は?」
「オフロードコースの近く。オフロードコースに非力な車の練習しに行ってその帰りに下り坂でリターダー使ってなくてオーバーレブさせちゃった」
「悟瑠のエンジンが静かなのも考え物かもなあ。このバスのエンジンってあったっけ?」
隆弘が言う
「多分、普段の隆はサンデー君乗ってるんだろ。だとするとサンデー君の騒音になれちまったんだよ」
親父が言う
「そうだなあ。確かにデビちゃんは遮音しっかりだったなあ。よし。雅子、2軸総輪駆動レッカーで救援いくぞ。多分エンジンはもうないよ。仕方ない、輸出で使われていた系列会社の別のエンジンを探そう。H07辺りで」
大急ぎでデビちゃんの救援にいく僕と雅子だった。
隆弘と隆文も古いバスを買って始まる古いバスライフは順調
TSカーレースでは愛理沙ちゃんが2勝目
入手したバスのエンジンを載せ替えた悟瑠はエンジンスワップ大好き?
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