第六十三話 古い車のレストアと愛理沙ちゃんと百合ちゃんがバトルの相手?
仕事を片付けたと思ったら古いバスとトラックの整備に追われる悟瑠たち
峠でまたバトルになって
主な登場人物と所有車
佐野 雅子 ヒロイン 24歳 4月生まれ
峠のバトラー⇒TSカップレーサー、8勝目にトライ中。
家業の佐野自動車販売の中古車販売店兼整備工場の経理、整備の段取り担当の副社長
前職はスーパーの経理兼販売促進
所有免許;大型2種、牽引運転免許、2級整備士免許、危険物乙4、玉掛、ガス溶接、救急救命士
レース以外の趣味:
オフロード走行:大型の2軸総輪駆動のエンジン、サスペンションをいじって自分好みした。
パソコン:プログラム組むのも好きでシステムを自力で組める
所有車
バス:ルーシーちゃん、獅子丸くん、ニジュちゃん、エムエム君。
大型総輪駆動:藤子ちゃん、ボンネットダンプ:カービーちゃん
小型車:イチゴちゃん
僕;佐野 悟瑠 雅子の兄 27歳、3月生まれ 妹の雅子より4学年上
家業の佐野自動車販売に就職して6年目、整備工場の工場長兼副社長。
所有資格 2級整備士、MIG溶接機、レーザー溶接機、ガス溶接、玉掛。免許は大型、けん引免許
カーキチ、スペックオタク
所有車:
バス:ゴーゴーくん、ロザン君、なごみちゃん、パン君、ニイナちゃん、キューピーちゃん、フーセンちゃん。
大型総輪駆動:サイバー君
小型車:サンゴちゃん、三四郎君
加藤 隆弘 27歳
悟瑠の同級生で親友。専学卒業後家業の内燃機整備工場に就職、佐野自動車販売に事業譲渡でそのまま異動。悟瑠の幼馴染。
所有車両
大型総輪駆動:ラッシー君 小型車:エスティーくん。
加藤 隆文 24歳
隆弘の弟。雅子より一学年上だが、3月生まれで実はほとんど同い年。工業高校から家業へ就職。佐野自動車販売に事業譲渡でそのまま異動。
所有車
大型総輪駆動:まゆかちゃん クロカン4×4:ロックン
趣味:TSカーレース
松尾 百合 24歳
雅子の親友、丸松建設のお嬢さん。雅子と同じ高校卒業して同じスーパーに入って家業に転職。
所有車
バス:武蔵君、ラムちゃん
ボンネット総輪駆動:パイ君、ボンネットダンプ:徳次郎君、小型車:エッちゃん
現在は丸松運輸の副社長 TSカーレーサー
松尾 譲 26歳 百合ちゃんの兄 丸松建設の副社長
所有車
バス:ビーフさん、ボンネットダンプ:旦那さん
総輪駆動:ゼットワン
小型車:KE70HT
小笠原 愛理沙 23歳 TSカーレーサー
雅子の同じ学校の一つ後輩。小笠原食肉のお嬢さん。元レディス総長。2児のママ かつて雅子がいたスーパーに勤務 大型免許所持
所有車:小型車、GXE10
バス:ババロアちゃん、総輪駆動:フライヤーちゃん
小笠原 哲史 26歳 愛理沙の兄。別の会社に勤めているが家業に転職検討中
所有車 小型車:AE70セダン
バス:マーシーちゃん
300ps/ 2900RPM 80kg・m/1700~2350rpm
長野さん 29歳。
バス会社に居たが欲しい車が排ガスの関係で住んでいる地域で登録できなくて雅子がいたスーパーに転職。今は愛理沙ちゃんの上司
所有車バス:
9メートル自家用
190ps/2900rpm、52kg・m/1700rpm
9メートル観光
175ps/2900rpm、46kg・m/1800rpm
9メートル路線
190ps/2900rpm、52kg・m/1700rpm
小型車:NE
狩野さん 29歳
運送会社にいたが首都圏の事業縮小で地方に転勤になったが偶然募集していた松尾建設に転職
所有車 ダンプカー
6×4V10ダンプ
V22C⇒V25C 450ps/2200rpm、165kg・m/1400rpm
6×4V8ダンプ
F20C 355ps/2200rpm、135kg・m/1400rpm
小型車:ND
「親父、これを公道復帰させて何に使う?それにしてもよく残ってたよなあTF30GDとは。何年式だよ」
「75年式の車だ。隆義の実家で除雪車にしようとしたんだが、結局荷物運びだけで使って直近の30年は眠ってた。これと同じキャビンでRD8を積んだTZ50HTがあるからRF8は乗るだろ。PE6はもう古いからエンジンはそれにしようと思ってな。うちに在庫のKC-のRF8あるだろ。ついでに6速ミッションもあっただろ。KC-までエンジン作ってだろ。それなら排ガスも何とかるだろ」
「まあ、これって公道復帰して何にするんだ?仕事で使うのか?」
「俺の趣味だな。このところのミーティングに行くと面白いのがいっぱいあってだな。脚は悟瑠のサイバー君とか松尾のお嬢ちゃんのパイ君と同じやつな。このところの旧車の買い付けで2軸総輪駆動レッカーで行くんじゃあうちの仕事とぶつかるだろ。それでどこでも行ける車が欲しくなってな。マニ割と左右煙突でいくぞ。そうだラテリンもよろしく。藤子ちゃんやサイバー君がオフロード走ってるのを見て俺も走ってみたくなった」
「はああああ」
その場でがっくりとしていた僕と雅子と対象ににっこりしていた親父とお袋だった。
「雅子、いいニックネームつけてよ。愛称あると愛着沸くでしょ」
お袋が言う、雅子は思案顔になっていたが、
「うーん、TF30GDのTとFと3でタフさんはどう?」
「タフさんか丈夫なつくりだからいいかもね」
「お兄ちゃん、この車は百合リンのパイ君と同じようにV8積んでマニ割と脚はリーフ+エアアシストかしらね」
「それが一番無難でしょ。V8積んだボンネットの参考で。それに生エンジンでしょ」
「そうだねえ。悟瑠、ターボは無理だよね」
「PF6ならできそうだ。タフさんのキャビンのままじゃあRF8では無理だな。ボンネット内の幅が足りない」
「仕方ないか、悟瑠は今度のKN川の河川敷のミーティングにも行くんだろ。重機や発動機と小型メインだけどな」
「もちろん、あそこは北関東有数のレベルだから。あのオフロードコースに来れなかった車もいっぱい来るみたいだ。総輪駆動なら重機ってことで」
「お兄ちゃんは何でいくの?」
「サイバーくんで行くよ。KC-だけど重機扱いでどうかな?ターボで武装した馬鹿っぱや」
「そうね。あたしはカービーちゃんかな?」
「俺は、タフさんでいきたいなあ。悟瑠。鈴木さん。頼むぜ」
「じゃあ、あたしはデコちゃんね。丸松さん所も来るでしょ」
「ああ。多分、隆はハットくんで奥さんは鉄子ちゃんかなあ、バスの試乗会出来るコースは無いからなあ。お嬢ちゃんはパイ君だろ、息子さんはもしかするとゼットワンもなあ」
「後は長野さんも来そうだなあ。9メートル路線かな?狩野さんは6×4V10ダンプかな?」
「それなら決まったな。今週はいいことに綿貫さんのバスのメンテがあってもう一台BXD30の車検が来ただけだろ。その2台片付ければタフさんの整備もOKだろ。次のミーティングに公認間に合わないなら仮ナンバーで行くから」
「工場長、お隣の県から頼まれたBXD30のオーナーは高尾製油所の知り合いだそうです。6トンボンネットをターボにして、総輪エアサスにくれたんで良かったとかいって」
「まさか、ターボとはいわないよねえ」
「実はターボにして、後ろをエアして欲しいそうですよ。そのお客さんは私が居た前の工場のお客さんなんですよ。整備工場が廃業していたんでメンテに困ってたらしいんですけど。高尾さんに聞いてきて、私を見てびっくりしてました」
「そうですか、悟瑠。エアサスは任せたよ。ダーボは乗るだろ」
「のるけどさあ。親父、ターボのエギゾーストマニフォールドよろしく。隆弘、やるか。鈴木さん、もしかして次のミーティングに間に合わせて欲しいとかありますか?」
「私が聞いた限りではないです。錆取りもということなんで一月みててくださいと言っておきましたので。マフラーもできれば作って欲しいとか。パッチ当てて溶接してますけど限界らしくて」
「雅子、鈴木さんからBXD30のオーナーの情報聞いて詳細を詰めておいてくれ。悟瑠、綿貫さんはボディの錆取りとエンジンのオーバーホールと外板塗り替えだったな。この時代の京○カラーで」
「うん、情報探して塗るよ。B622Bの車検が切れそうなんだよ。綿貫さん通すのかな?」
「お兄ちゃん、あたしが二人に聞いておくよ。綿貫さんは多分車検取らないと会社に乗っていけないでしょ。29人乗りだよね」
「そうだね。結構内装放置されてたようなんだねえ。ちょっとカビ臭いって聞いたぞ」
「雅子さん、その通りですよ。かび臭いです。ってことは内部が錆びていることも考えられます。外装はメンテしてあるようです。でも内装は結構カビが来てますよ」
「綿貫さんに内装どうするかも聞いてみるよ。あの性格からすると人も乗せそうだよ。それならカビ取りもしないとまずいでしょ」
「意外に長期の入院になるかもな」
「親父、タフさんは先に在庫のRF8エンジンばらしていじるから。親父も好きだよな」
「頼んだぜ。いいだろ。俺はエンジン積み終わったらエギゾーストマニフォールド作るよ。フレームは隆義に頼まれて俺が錆び落としして、防錆メッキした後にここのでカチオンかけたから大丈夫だろ。あいつはエンジンの途中までやって忙しくなってできなくなったんだ。フレームとキャビンは全部俺が修理やったんだよ。隆義のやったエンジンはPF6ターボだけどな」
「そういうことか」
「俺はV8のほうがいい。ってことでミッションも買って在庫してある。RG8用のミッションだ。かなりのところまで行けるだろ。RF8でも排ガスはある意味ないに等しいからなあ。パワー出るよなあ」
「わかったよ」
雅子が綿貫さんとBXD30のお客さんに詳細情報を聞いてやってほしいことをリストにして作業を進めていた。
僕と、隆弘は在庫のRF8エンジンをバラして洗浄、チェック、交換が必要な部品がない事を確認すると各部の重量合わせして組み立てていた。
その間、鈴木さんたちはBXD30からエンジンをおろして隆文と3人組の一人の渡辺さんと一緒にオーバーホールしていた。
綿貫さんのB622Bは先に内装の洗浄ということで若手君にシートを全部外して床面の掃除と錆チェックしていた。
「工場長、社長の腕はたしかですねえ。キャビンもフレームも防錆処理がしっかりしてあって、全く錆がないですよ。これなら軽く下地揃えれば直ぐにキャビン塗れますよ。フレームも全く錆びてないのでこれも防錆剤塗ればOKです。こっちを先にやっちゃいますよ」
「親父は趣味に走ると仕事が丁寧っていうか徹底するんだよねえ」
「そうなんですね」
「親父は趣味人だからなあ、塗替えお願いします。色はベイサイドブルーにして、佐野自動車販売ってシルバーのゴシック体つかって書き込みです」
「あはは、そうですね~。承知しました」
僕と隆弘はピッチを上げてRF8エンジンの組み立てを終えて、フレームに積み込んでいた。マウントも親父が防錆処理するときにV8も積めるように準備してあったのでペラの位置もぴったりだった。
エンジン全長が短いのもあって僕らは電動ファンを4つ並べて対策したが、タフさんの荷台にはV8用のファンシュラウド迄準備してあったので呆れていた。
突貫で仕上げて公認こそ間に合わなかったが、親父は北関東のミーティングにはタフさんに仮ナンバー付けていって展示して満足そうだった。
ミーティングではこのタフさんのレストアとエンジンスワップについて聞かれてニコニコしながら説明していたのだ。
ミーティングに行った次の日、ボンネットバスと綿貫さんのバスの整備を隆弘たちに頼んで僕と雅子、親父の3人はタフさんの全開テストに行っていた。
半分はウッディパラソルに行って、モーグル路での走破性をテストしたかったのもある。
雅子たちが経営しているコースはいま、コース増設と路面改修工事で閉鎖してるのでウッディパラソルもオフロードで性能を見るためもあって向かっているのだ
「お兄ちゃん、吸排気系をいじってそれに噴射ポンプを高圧化して薄い方に調整したって言っても全開で高回転まで回すとカービーちゃんくらいの黒煙は吐くよねえ。その頃の基準だとEGR要らないけどさ、煙突デュアルだから上に上がるからいいとしても」
「そうだなあ、試験用の軽油で今は仕方ないけど。普段はBDFだから大分吐かないと思うけどね」
「そう言ったらそうね。NAじゃあこの坂厳しいかもね。今は5速のロー?」
「多分。ミッションがハイ/ロー切り替えでクロスしているからいけると思うけど。思ったよりも速く走ってるよ。実力で340ps、120kgってスペックだし、わずか7.5トンの車体だよ。十分いけるよ」
「そうだよね。あ、シフトアップ?まだ加速するよ」
「5速のハイに入れたね。ハイとローの切り替えは電磁したから楽になったとか言ってるもんなあ。しっかりパワステ付けて」
「そうよね。ミッションはフィンガーシフトにしてるんだよ。クラッチはバスのバイワイヤでブレーキはエアオーバーライドよ」
僕らはモーグル路でスタックした時の救援のためにサイバー君でタフさんの後を走っていた
親父は急な上り坂を全開でカッ飛んでいて、その古いスタイルに似合わない軽快なエンジン音と左右の煙突から聞こえるドドドドドドドドドというマニ割の叩きの音が坂道にこだまして、吐きあげる黒煙が古いトラックというイメージになっていた。
登り切って下りに入った、親父は追加された2段のリターダーを使って下っていく
「下りはさすがにリターダー追加した分、しっかり減速するねえ。これなら現代的な走りにもガンガンついて行けちゃうよね」
「見てるとパパって嬉々として走ってるよね」
「そうだなあ。ホイールもなくて22.5インチだもんな」
「ホイールとマニ割の煙突以外はドノーマルの外観でしょ。なんか、百合リンみたい。外観ノーマル、中味がギンギンの車でって」
「あははは、そうかもね」
と言っていると、ウッディパラソルに着いた。
「笠木さん、お邪魔します」
「佐野さん、いらっしゃいませ」
「おう、佐野。って言うか康晴、来たか。おおお、これが隆義のところで眠ってたTF30GDか、お前はほんとにマニ割と煙突好きだからな。相変わらずの叩き重視かあ。塗装は鈴木がやったな。全くベイサイドブルーとは漫画の見すぎだろ」
「あははは。先輩。悟瑠がやったエンジンはばっちりですよ。ここでオフロードでの脚の仕上がりを見たくて来たんですよ。舗装路ならここに来るまで確認したんですよ。最近のトラックも眼じゃないくらいガンガン行けます」
「オフロードでの脚かあ。悟瑠君の仕上げだろ。うちに売ってくれた増トン箱が速過ぎて困る位でしかもいい脚になってたじゃねーか。楽しみだな」
「先輩、モーグルと3段腹を借りますよ」
「おう」
親父は、総輪駆動にしてゆっくりモーグル路に入っていった、最初はデフロックをかけてないので対角スタック気味になりなりながらもじわじわと進んでいく。
マッドアンドスノーのタイヤもいい仕事していて、途中でデフロック入れたのだろう、全くスタックすることなくモーグルを抜けてしまった。
その後は、3段腹だったが、ここも全く問題なく抜けていく、伊吹君が超えられない最後のこぶも簡単にクリアしてしまったのだ。
「悟瑠、これは上級者むけだなあ、理性無いとスタックしたら総輪駆動2台で引っ張らないと出せないところまで行っちまう。フロントのデフがオープンでもこのモーグル路と3段腹問題なくクリアしちまうじゃねーかよ」
タフさんから降りてきた親父が言う。
脇で聞いていた親父の先輩も
「ああ、そう見えたな。フロントオープンデフ?みてて思ったんだが、とにかく後ろの脚が伸びる。これって後ろは3リンクAアームとエアか?」
「先輩。フロントのデフロック使ってないってことですよ」
「何だと。デフをロックしないでクリアだと?」
「このタフさんの後ろは上下ベローズではずれないようにコイルスプリングでアシストしてます。」
「見る限りフロントはリーフでタイヤの位置決めしてエアアシストかあ。ドラッグリンク軌跡を合わせるためのラテラルリンクもあるのか」
「そうです。というかフロントは2枚リーフにして、メインリーフ延長、且つワイドにして特製のリバースロングシャックルです」
「これはもう俺の理解を超えてるよ。そうかあ、俺も作ってもらいたくなったなあ。そうだ。徹治。そういえばここにU-FL417Fが在庫にあったなあ。それ確保な。そのうちに頼みに行くよ」
「えええ?先輩もですか?」
「ここまでこのTF30GDが完璧にクリアするとは思いもしなかったよ。この脚を作れるのはまさに才能だ。U-FL417Fに積むエンジンは在庫から6D17もってくから。トルク重視で」
「先輩。お店の在庫でいいんですか?」
「俺が買って持ってく。今は漬物屋の親父がメインだけど。この総輪駆動なら真冬どこでも配達にいけるだろ。経費だな。笠木工房のメンバーでもあるからよ」
僕らにまた仕事が来ることが決まったのだ。
親父はタフさんの性能が思ったよりもいいのに満足していて、終始ご機嫌で帰って来た。
その週の週末、僕と雅子、隆弘、隆文、愛理沙ちゃん、百合ちゃんは愛理沙ちゃんのホームグラウンドに居た。
雅子と愛理沙ちゃん、百合ちゃんにこのところの走り方が雑になってきてるというので教えてくれといわれていたのだ。
教えるのを一人では大変なので隆弘と隆文にも来てもらっていた。車は僕のサンゴちゃんと隆弘たちはエスティーくんだ。今日の雅子は藤子ちゃん、愛理沙ちゃんはフライヤーちゃん、百合ちゃんはパイ君で来ていた。
「お兄ちゃん、今日は往復で練習したいの。このところ獅子丸くんとかカービーちゃんとかニジュちゃんみたいなステアリングの遊びが大きいのばっかり乗っててさ、たまにイチゴちゃん乗ると違和感凄くて」
「そうかあ。それなら舵角少なくする走りの練習しないと。ここで舵角を小さくしてスムーズに走るってことだよ」
「やっぱりそうだよね。」
「それじゃあ雅子から練習してみよ。隆弘、車見ててくれ。雅子。行くよ」
「愛理沙、あたしの後ろに乗ってみてて」
「はい」
サンゴちゃんのナビシートに僕、後ろに愛理沙ちゃん、雅子のドライブで走りだした。
「うーん、そうか。雅子はちょんと当てながら走るのにまだ慣れてなかったかあ」
雅子のステアリング操作をみててふと気が付いた、ちょっとセンターの動かし方が速くなっている
「え?それって?舵を左右どっちかに当てて走るってこと?」
「そういうこと、これはサンゴちゃんじゃあ分かりづらい、ここで3人乗れるのは愛理沙ちゃんのフライヤーちゃんだけか。愛理沙ちゃんフライヤーちゃん使わせて。一回戻ろう」
「お兄ちゃん何か見逃してたの?」
「ああ、悪かったよ。雅子の走りがスムーズ過ぎて見逃していたよ」
僕らは途中の展望台でターンすると一旦上まで戻った。
「悟瑠、どうした?」
「ちょっと車を交換。フライヤーちゃんの方がわかりやすい」
「そうか、よろしく」
僕らは、フライヤーちゃんに乗ると僕のドライブで下りを走っていた。
「いいか、この車もある程度は詰めてはあるけど、サンゴちゃんよりは遥かに遊びがでかい。こういった車はどっちかに軽く当てて走る。当てている側と反対の時はこんなふうに少しずつ反対にずらしていく。雅子はずらしかたがちょっと急なんだよ」
「そういうこと?ってことは普段乗ってるカービーちゃんとか他のバスでも練習出来るってことかな?」
「そのとおり、雅子の大型車なら何でも」
「そうなんだ」
「ちょっとここで交代しよう」
僕と雅子は席を変わって今度は雅子の運転で走り出した。
「ううう、ヤバい。遅れる。これかあ」
「先輩、それでも乗っててわかんないですよ」
「そうなんだけど、レースとかギリギリの争いになるとその分、タイヤが切れてしまうから抵抗が増えちゃう。特にハイグリップはコーナリングフォースの立ち上がりが早いのが多いから気をつけるところ」
「うーん、奥が深い」
「あたしも。下っててエギブレ使いながらって結構忙しい、それでも当てながらを意識してって言うのね、練習しよう。お兄ちゃんありがとう」
下りきってターン出来る場所で向きを変えると今度は愛理沙ちゃんのドライブで走り出した。
結構スムーズに走って行く、3速、4速のシフトチェンジが忙しいが、常に左右どちらかに軽く当ててふらつかないようにしつつ、先読みしてゆっくりとステアリングを操作して各コーナーをクリアしていく。
「このふにゃっとしたお布団に触っているような感じですね。難しいかも」
「愛理沙ちゃん、結構うまくやってるよ。もしかしたら移動販売車乗ってるせいかな?」
「あ、そうかあ、愛理沙はあたしよりも大型バスを運転する時間が長いもんね」
「そうですね、いい練習になってたんですね。知りませんでした。そうですね、先輩は大体が朝と夕方ですもんね」
「もっと練習しよ。愛理沙ってセンスいいよねえ」
僕らが戻ると、愛理沙ちゃんが居たレディースに絡んでいるのが居た。
「はあ?あたしたちとバトルしようってえ?あ、7代目、お疲れ様っす」
「由香里、どうしたの?」
「この連中がバトルしようっていうんです」
「ふーん、由香里が出るまでもないでしょ」
「おい、お前はいったい?7代目?」
「そうよ。この方は7代目の総長、総長時代は喧嘩100戦100勝の猛者よ、聞いたことないわね」
「しらんなあ」
「総長。7代目を知らないなら雑魚でしょここはあたしら任せて」
「雑魚だと?言ってくれるじゃねーか」
「そうね。言っとくけどあたしたちはダウンヒルだけ。ヒルクライムはやんないの。それでいいなら」
「いいぜ、じゃあ。俺が行くぞ」
「CN9Aね、ほんと多いわよねえ」
「7代目。あたし行ってきます」
「由香里、それならあたしがいくよ。ここはあたしのホームグラウンド。荒らされるなんてごめんだわ」
「7代目?」
「レディース引退してトラガになってるのに?舐められたもんだな」
愛理沙ちゃんのフライヤーちゃんをみて言う、TSカーのドライバーとは言わずに愛理沙ちゃんは
「悟瑠さん。サンゴちゃんいいですよね」
「いいよ。思い切り行ってきな」
「悟瑠さん、ナビいいですか?」
「いいけど」
「なんだ?ウエイトハンデか?」
「そうね。これで同等よ」
「サーキットで鍛えた俺に勝てるとでも?10年はやいぜ。隣にカレシか?いいかもな」
愛理沙ちゃんがサンゴちゃんのドライバー席に座ってポジションとベルトを合わせていた。
僕はナビシートに乗るとベルトを合わせていた。
「7代目、この前と同じように各コーナーに配置します。動画撮って実況します。おーい、みんな、配置につけ。実況だぞ。この前みたいなあああああとか、いけええはダメだかんな。わかったな」
「「「「「オスッ」」」」」
そう言うと各コーナーにレディースのメンバーが散っていった
「7代目、よろしくお願いいたします。勝ったから」
「由香里、ありがと、悟瑠さん、行きますよ。暖機してあるんでフルにいっていいですよね」
「うん、念のためタイヤはハードSにしてある。この前よりも食いつくからね。そこは覚えておいて」
「はい」
ヴォン、ヴォンとアクセルをあおってCN9Aとサンゴちゃんが並ぶと間にレディースの副総長が入ってスタートの合図する。
"ぼおーん、ぼおーん、と低めのエギゾーストノートをあげるサンゴちゃん、これまたぼおおーん、ぱしゅるるるとブローオフの音を響かせるCN9A
「レディ、ゴー」
スターターの両腕が下がってスタート、ぎゃぎゃぎゃぎゃと絶妙のホイールスピンで立ち上がるサンゴちゃん、一週間前にエンジンもオーバーホール完了してパワー回復しているがやはり4WDの威力は絶大でサンゴちゃんの1車身先をダッシュしていくCN9A
「え?こんなに食いつくんですか?」
交換したタイヤの食いつきにびっくりした愛理沙ちゃんがきく
「おう、このタイヤだから遠慮なくいっていい。この車もTSカーの溶接の練習ですべてレーザーシームレス溶接+開口部補強してあるし、専用のブラケットでフロアセンターとトランクの繋ぎもばっちりだ。ロールゲージ入れたくらいガチガチだ」
「はい、そうですね。すごいです」
愛理沙ちゃんがCN9Aに追いすがる。
エンジンの調子が良くガンガン回って前を行くCN9Aを簡単に追い詰めていく
「コーナー三つくらいは相手のパフォーマンスを見よう。みる限りエンジンのパワーはせいぜい350ps、どうやらノーマルミッションだ。こっちは420ps出てる。パワーなら勝ちだ」
「はい」
「それからFDを4.1にしてあるからここに特化した設定だ。ガンガンいって、次は2速」
「ありがとうございます」
サンゴちゃんのギヤ変更は正解の様で特製のクロスミッションの効果でつながりがいいからパワーバンドをはずれない
「このミッション良いです、簡単についていけるというかエンジンのレスポンスもすっごく良い。全開にすると一気に行く」
「よかった。うーん、なんかあのCN9Aのドライバーはどうも普段からこのCN9A乗ってないな。どうも普段はATみたいなだなあ」
「そうですね。たまにレブに当ててますよ。ほら、今も」
ぼぼぼっというレブリミッターに当たる音が聞こえる
「ってことは、5連ターンの次のヘアピンだな。そこでレブに当てると失速する」
「はい?」
「あそこは2速で立ち上がっていくと、あの車は3速に一瞬入れないと吹け切っちゃう、この車は2速9500迄引っ張れるから2速のままで行ける」
「そういうことなんですね。あっちはレブに当たって失速するってことですね。3速に入れてもすぐに2速にダウンってこと?」
「その通り。そこで抜ける」
「はい。行きます」
愛理沙ちゃんは冷静についていく、各コーナーで毎回インに入るふりをしてぴっちりとインを締めさせていた
「愛理沙ちゃん、次のコーナーでアウトから仕掛けてみて。ストレートを全開で行くと抜けるから」
「はい?」
まだ、5連ターンまでついていないが、僕は愛理沙ちゃんに仕掛けるよう言う
ここは次のコーナーまでは少し間隔があくのでサンゴちゃんだと3速でもレブリミットギリギリになる、愛理沙ちゃんが立ち上がり重視のラインで全開で引っ張り2速から3速に入れて更に踏んでいく
「え?」
愛理沙ちゃんが驚くのも無理はない、相手はいきなり失速した
"ボン"という音がして、ボンネットからもうもうと白煙を上げていた
やむなくなのだろう、ハザードを焚いてブレーキング
「ブローですか?」
「うん、冷却系が何処かパンクしたね。もしかしたらラジエターキャップを交換してないのかも。圧力解放弁が開かなくて高温のLLCが弱いところ突き破ったんだよ」
「どうしてわかったんですか?」
「2つ前のコーナーから全開でダッシュした時にLLCの匂いがしてた。サンゴちゃんなら水圧計が異常値示すからわかる。万一水漏れしたら水圧が下がるけど、変わってない。詰まったら圧力がレッドまで上がる。ということは相手の車で何処かからLLCが漏れていたってことだ」
「悟瑠さん。凄くてもうあたしがかなわない。走行中に匂いで異常感じてるなんて。どうもありがとうございます」
「そんなことない、僕はナビだから気がついたんだよ。雅子は熱くなるスイッチがオンになると壊すまで走るから僕が停めるんだ」
「先輩らしいですね。普段は冷静なのに熱くなると自分のコントロール効かないって」
僕らは一旦ゴールまで行くとスタート地点に戻った、相手チームの連中が救援に行ってしまったと連絡が入った。
「愛理沙、腕をあげたわね。この前よりもかなり速いじゃん。お兄ちゃん、相手はエンジンブローね」
「ああ、ラジエターキャップを交換してなくてそれで冷却系が逝ったかな。多分だけど」
「そうみたいね。メンテしてないってことね。手抜きだったのかな?」
「オイル関係は替えてもラジエターキャップって見ないだろ。それにあの車を普段から乗ってなかったようだよ。もしかしたら前に全開でサーキット走ってその時にラジエターキャップが固着したのかも」
「それに気が付かなかったってことね」
「悟瑠さん、素敵ですよ。匂いも味方にするんですから」
「どうもありがとう」
「愛理沙の腕もものすごく上がったわよ。あたしも練習しよ、カービーちゃんが一番遊びが大きいからそれにしよ」
と言ってると相手のサブリーダーが来て
「リベンジだ。今度は俺が走る。相手はいるか?」
「隆弘さん、ここはあたしが行くよ」
「え?百合リンが?」
「うん、各コーナーに実況聞いててあたしまで熱くなってきた、隆弘さん、エスティーくん借りていいですか?」
「おう、僕がナビに。練習はいいのか?」
「軽く流してから。いいわよ。あたしが相手。今日はここを走ってないから一本流してからね」
「いいぞ」
「隆弘さん、お願いいたします」
そう言うと百合ちゃんは隆弘とエスティーくんに乗って流しに行った。
「みんな、もう一回行くよ。今度は6代目のマブだからね。実況よろ」
『『『『『オスッ』』』』』
由香里という総長のスマートフォンから声が聞こえる、すると百合ちゃんが戻ってきて
「いいわよ」
「じゃあ行くぞ」
今度の相手もCN9Aだった。
「はああ、もうなんかげっぷが出そうね」
「先輩そうですね」
「あ、スタートね」
「レディ、ゴー」
ヴォオオオオッと2台の4WDがダッシュしていった。
ダッシュはエスティーくんが速くあっという間に2車身引き離す
『こちら第一、百合さん、すげえ突込み。もうついてこれない』
「ありがと」
『こちら第二、断トツ。百合さん。速い、一気にブレーキング、ドリフトしてる。ガンガン前に行きますよ』
「そう、すごいじゃん」
『こちら、第3もう10車身離れてる。百合さん、派手じゃないけど速い、うわー、次も一気に向きを変えてクリアしちゃった』
「すごい」
そう言っていると、上の湖の方から一台の車が来て駐車場に入った。やや派手目の服を着た女性が降りてきた。
「あ、雅子じゃん、愛理沙も?なんか珍しい組み合わせね」
「あ、6代目。ご無沙汰です」
「あ、舞由良じゃん、久しぶりじゃん。こんなところにどうして?」
「恥ずかしい話、弟がバトルするっていってて、奈津子から連絡来たの。由香里のところだもんで呆れてるのよ。って今誰が走ってるの?」
「百合リンが走ってるよ。今は?何してるのよ。高校卒業してからご無沙汰じゃん」
「百合リン?そうかあ。今は家業の副社長だよね。あたしは今は主婦で育児休職中。」
「そう、百合リンはドリフトもやってたし、今も走ってるからいけるよ。愛理沙もおなじ。ってもう結婚しちゃったの?」
「愛理沙もドリフトで完全優勝したんだよね。うん。一昨年ね。会社の先輩。出来婚だけどね」
「そうなんですね。6代目。はい、この悟瑠さんのおかげです」
「あ、悟瑠さん。失礼しました。福田 舞由良です。初めまして。雅子と同級生です。今は一児の母です。6代目レディースの総長やってました」
「初めまして、悟瑠です。雅子の同級生ですね」
「はい、あ、隆文じゃん。久しぶり。ってことは隆弘さんも来てるのね」
「おお、舞由良久しぶりじゃん。元気でよかったよ」
「雅子はものにしたの?」
「お、おい。舞由良。何てこと言うんだ。今は雅子は俺の会社の副社長だ」
「えええ?あ、そうなの?雅子って転職?あのスーパーにいたのに。あのスーパーの移動販売車ってありがたいよね」
「うん、あれは百合リンが企画して提案したの。今は愛理沙がドライバーの一人」
「すごいじゃん、あたしも結構使ってるよ。お弁当とお惣菜の販売って助かるんだよ。育児してると自分と旦那の食事が作れない時があって、お昼もだけど。夜のお惣菜もあれのおかげで時間節約と子供の気分転換で買いに行けるの」
「6代目、ご利用ありがとうございます」
「愛理沙って半年で8代目に交代だもんね。高校3年生で妊娠して」
「はい、もう二人居ますよ」
「そうね。旦那さん大変だったけど明るくなったわね。あ、そう言うことね」
しゃべっていると
『すごいです、百合さん、ぶっちぎりでゴールです』
「みんなありがとう。何秒差?」
『はい、15秒以上』
「どうもありがとう、完全にぶっちぎりね」
「まったくもう、百合を相手にしちゃねえ。今は破られたけど赤〇のレコードもってたよね」
「そうね。百合リンが持っててなかなか抜けないって言ってたらしいわね」
「悟瑠さんが破ったんでしょ」
「そうね。ヒルクライムは隆弘さん」
「ああ、聞いたよ。菅原たちとやってぶっちぎりのタイムでしょ」
「そうね」
「あ、6代目。戻ってきました」
「おう。由香里、ちょっとな」
そう言うと、福田さんが百合ちゃんとバトルしたドライバーのところに行った
「健二、あんたは誰とバトルしたかわかってるの?」
「あ、お姉。どうしてここに?」
「相手はあたしが総長やってたレディースだぜ。情報来るだろ。それよりも相手は赤〇のコースレコードもってたの。あんたねえ。その程度のうでて勝てると思ってたの?それにここにいる悟瑠さんと隆弘さんが今の赤〇のレコードホルダーよ。その弟子たちに勝てるわけないじゃん。ドリフトで何回も優勝してるんだよ」
「ええええ?そうなの?お姉のレディース?しかも相手は伝説の丸松の?」
「そうね。まったくもう。バトルするって言うからみゆきを旦那に預けて急いで来てみればこれだよ」
「ううう、こんなにコテンパンにとは思わなかった」
「ちゃっちゃと引き上げな。あたしに恥かかせるんじゃないよ。まったくもう。由香里、愛理沙。ありがとね。雅子、百合。元気そうでよかったわよ。悟瑠さんと隆弘さんにいい人いたら紹介しないとかな?」
「あははは、舞由良の世話焼きがでちゃう?大丈夫。隆弘さんは百合リン。お兄ちゃんは愛理沙ね。愛理沙は独身に戻ってるからいいことに」
「なんだー、それじゃああたしの出番はないわね。じゃあ、後は雅子かしらね」
「あたしはまだいいなあ。今はTSカーレースが楽しいから。来年もシリーズチャンピオン取ったら考えよ」
「雅子と百合はあのスーパーやめちゃったのね。もったいないなあー」
「そう?まあ仕方ないって。うちはお爺ちゃんが引退するって言うから。もう80だから」
「そう、うちは廃業していくところを何とかうちの会社の取り込んでいると本社の人が足りなくて、お兄ちゃんもそうだけどパパに頼まれちゃった。今は丸松運輸になってるよ」
「へえ、大変ね。愛理沙はどうすんの?精肉屋さんだよね」
「うん、お兄ちゃんがどうするかよね。今は移動販売が楽しいからもうちょっとやってからかな?」
「そうね。移動販売ね。愛理沙はあたしの家の近くに来ないからドライバーやってるの知らなかったのね。もしかしてあのトラックは愛理沙の?後はまさか百合のも?」
「うん、そうよ。あたしのはパイ君っていうの。お仕事で行った先で動力源として使ってたのを雅子の会社に頼んでレストアしてもらったの。雅子が乗ってるのは藤子ちゃんって言って結構速いの。ボンネットダンプのカービーちゃんも持ってるよ。うちでもってたのを売っちゃった」
「うん、そう。あたしのカービーちゃんは総輪駆動じゃないけど。この藤子ちゃんと百合リンのパイ君、愛理沙のあのキャブオーバーは総輪駆動。あたしたちは愛理沙のはフライヤーちゃんって呼んでる」
「そうなんだね。楽しそう。ニックネーム付けたの雅子でしょ。昔から好きだったよね。みんな元気でよかったわよ。会えてよかった。あ、ヤバそろそろ帰んなきゃ。愛理沙。子供って大変だけど可愛いよね」
「うん、6代目も元気でよかったです」
「じゃあ、皆さん、お先。由香里、ちゃんと13代目見つけるのよ」
「はい、6代目。今日はありがとうございました。よかったら動画編集して送ります」
「ありがとうね」
「由香里、あたしたちも引き上げましょうね」
「はい、雅子さん。6代目にも会えてよかったです。さっき動画見たんですけど。百合先輩の切れた走りってすごすぎです」
「でしょ。隆弘さん。お疲れ様」
「ああ、上手になったよ」
「みんな、無事につくのよ」
「そう、7代目に心配かけないように。みんな解散!安全運転!」
「「「「「「オスッ」」」」」」
僕らは解散して帰って来た
アジトについて
「お兄ちゃん、愛理沙すっごく上手くなったね」
「うん、僕もびっくりだよ」
「あたしはしばらくカービーちゃんで練習しよ。愛理沙とは乗る時間の差は大きいよね」
「そうだろうな、それに時には一日中KC-FR1FKCDで廃油の回収もでしょ。うまくなるよ」
「そうね。百合リンもダンプ乗ったりトラクターヘッド乗ったりしてるもんね」
「うん、走る時間はあの二人の方が多いよね。練習あるのみだね」
「このところ行ってないホームのバイパス行こうかな?練習しよ」
「うん、その向上心がいいんだよ」
「今作ってるターマックコースも走って練習しよ」
月曜日、会社に行くと
「悟瑠、雅子。DA640エンジン予備とかあるかな?見たらブロックがやばいんだよ。ロア側が開いてる」
「親父、6BGにするのがいいと思うよ。DA640のブロックは在庫無いよ」
「だよなあ、オーナーに言って6BGに交換だなターボなら200psいけるか?」
「もちろん、雅子、ハットくんは255psの70kgだよなあ」
「うん、6BGならうちに在庫あるよ。ハットくんと同じくらいまでなら」
「インクラとオイルクーラーもOKだな」
「うん。ハットくんと同じメニューにすればいい」
「俺がオーナーに言うよ。綿貫さんのエンジンもオーバーホールしてか。タフさんの公認よろしくな。そうだ。先輩から依頼が来たぞ。明日U-FL417Fに6D17エンジン積んで乗ってくるってさ」
「はーい」
僕らは仕事を貰えてうれしいのとちょっと休みが欲しいと思っていたのだった。
サンゴちゃんとエスティーくんの出番。
やられた輩はその差にびっくり
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