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走り屋の妹(全年齢版)  作者: 浅野 武一
49/81

第四十九話 百合ちゃんと愛理沙ちゃんの車作りとオフロードコースのPR

愛理沙ちゃんのTSカー作るべく車を見ている悟瑠

今度は旧車イベントの会場にしてオフロードコースをPRする雅子たち


主な登場人物


佐野 雅子 ヒロイン 24歳 4月生まれ

峠のバトラー⇒TSカップレーサー、5勝目にトライ中。

家業の佐野自動車販売の中古車販売店兼整備工場の経理、整備の段取り担当の副社長

前職はスーパーで経理兼販売促進

所有免許;大型2種、牽引運転免許。2級整備士免許

レース以外の趣味:

オフロード走行。大型の2軸総輪駆動(U-FZ2FJCA改)のエンジン、サスペンションをいじって自分好みした。

パソコン:プログラム組むのも好きでシステムを自力で組める

所有車:大型バス2台、大型総輪駆動、イチゴちゃん。


僕;佐野 悟瑠(さとる) 雅子の兄 27歳、3月生まれ 妹の雅子より4学年上

家業の佐野自動車販売に就職して6年目、整備工場の工場長兼副社長。

所有資格 2級整備士、MIG溶接機、レーザー溶接機、ガス溶接、玉掛。免許は大型、けん引免許

カーキチ、スペックオタク 所有車:バス9台+大型総輪駆動、サンゴちゃん、三四郎君


加藤 隆弘 悟瑠の親友。家業の内燃機整備工場に就職、佐野自動車販売に事業譲渡でそのまま異動

悟瑠の幼馴染、専門学校卒業後家業に就職 大型総輪駆動、CBA-GVB。


加藤 隆文 隆弘の弟。雅子より一学年上だが、3月生まれで実はほとんど同い年。工業高校から家業へ

所有車 大型総輪駆動。ロックン


松尾 百合 雅子の親友、丸松建設のお嬢さん。雅子と同じ高校卒業して同じスーパーへ。兄は譲さん


小笠原 愛理沙 雅子の一つ後輩。小笠原食肉のお嬢さん。元レディス総長。2児のママ 兄は哲史さん

一日鉄骨運びをやってアジトに帰って来た雅子にエンジン換装の効果を聞くと


「うん、お兄ちゃん、いいよこれ。実力で480psでしょ。発進も楽でしかも百合リンのトラクター(KC-FP515DR)がターボ効いても簡単についていけるよ。」


「それは良かった」


夜にアジトで次の日の休みの準備していると


「え?百合ちゃんのTSカー作るから場所を貸してくれってか」


「隆弘さんね」


「うん、愛理沙ちゃんの積載で運んでくるって」


「隆弘さんもお休みないよね」


「そうだな。僕も愛理沙ちゃんのTSカーやるか」


休みの日の使い方が決まったのだった。

次の日は僕と雅子の休みの日だった、僕はアジトのガレージで朝から愛理沙ちゃんのTSカーのベース車両のKA11を見ながらどうするか考えていた


「まず、この埃を全部落としてだな、ええと足回りは雅子のよりも太いなあ、S110の部品と共用だな。ってことはストラットはこっちがいいのか。そう言ってもなあ、百合ちゃんのは86の部品が使えるからなあ。強化デフも、シャフトあるなあ。それ言ったらこっちも一緒か。ラリー用の強化部品が使えるか。」


「お兄ちゃん、何ぶつぶついってるの?」


アジトのガレージで愛理沙ちゃんが持って来たKA11を見ていると、起きてきた雅子が声をかけてきた。


「ああ、足回りの部品どこから流用しようかと思ってね。トレッド広げていった方がいいかなって考えているんだよ。そうすっとS110の部品を流用してが手っ取り早い。それにデフも強化されていたからなあ」


「へええ、そうなんだ」


「うん、それはいいけど。重くなるからなあ。うーん、悩みどこ」


「そうよねえ。軽さで勝負ってできないもんね」


「うん、ボディの前投影面積は殆んど一緒だからホイールベースが60mm長いのと元々のトレッドがフロントで10mmmリアで35mm広い分でどう出るかだね」


「それを前後10mmずつ広げるんでしょ」


「うん、なんかさあ、A11系はボディが狭いからその分トレッドつめてる。同じアンダーフロアのS110はボディが広い分カバーするために広げたって感じだね」


「へええ、あんなに幅違うのに?、そっかあ、A11とS110のどっちも大きなエンジンつんでるよね」


「うん。フロントには重いエンジン乗せてるんで、31ちゃんよりもストラットが太いよ・メンバーもごつい」


「そうなの?」


「どっちにしても倒立を使うからあんまり差は出ないけど、フロントのハブベアリングの径の差がでかいよ。これを雅子の車につかえればいいかもなあ。できるかなあ。ロアアーム交換できればなあ」


「そうなの?お兄ちゃんは部品の流用名手だからなあ」


「ロアアームと後ろのホーシングはS110用に交換しようと思う。これもハブのベアリングの径がでかい」


「ふーん、何がいいの?」


「キャンバー剛性が高くなるんだよ。スタビリティで有利、しかも前もキャンバー剛性高いってことはアンダー出にくいし、運転しててリニアになる」


「愛理沙の車って素性はあたしのよりも上ってこと?」


「部品だけ見ればね。雅子の車に両方とも流用できればもっといいけどね」


「あたしのに付けるには何かネックが?」


「それは取付だよね。S110用の強化品もあってそれが着けばなあ」


「重くなるんでしょ」


「雅子の車って重量合わせでバラスト積んでるんだよ。その分減らせばいいんだよ。しかも重心より下だから重心も下がる」


「そうか、それじゃあねえ。お兄ちゃんならやりたいって言うよね」


「とにかく、この愛理沙ちゃんの車を一旦掃除してだな」


僕はKA11を外の洗車場に引っ張って行って高圧洗浄機で洗浄していく。

元々の色は白の様でグレードは最低のデラックスと言うものだった。

幸いは保管場所が倉庫か何かの2階にあったようで下回りの錆がほとんどなく、腐っているのはマフラーだけだった。

マフラーには触媒からでてくる水がどうしてもたまって、その水で鉄製のマフラーが腐ってしまうのは仕方ないのだろう。

愛理沙ちゃんの車を洗浄していると、ガラガラガラとディーゼルエンジンの音が聞こえ、愛理沙ちゃんが積載に百合ちゃんのTSカーのベースを乗せてきた。

助手席には百合ちゃんが乗っていて、その後ろからはブババババと言うマニ割の音が聞こえてきて隆弘が自分の総輪駆動(U-FR415H改)でやって来た。


「こんにちは、悟瑠さん、雅子先輩、百合先輩とベース車両を持ってきました」


「はい、ここにおろして。隆弘が見るんだろ」


「おう」


隆弘がいつも自分の総輪駆動(U-FR415H改)を停める場所に置くと降りてきて言う


「へえ、これも結構レアだよね」


「悟瑠さん、これはKE55です」


「そうなんです。実はあたしのKA11と同じオーナーがもってて、亡くなったんで家族が処分するっていうことで百合先輩のところで働いている人にどうやってやればいいか?あたしのパパ経由で相談が行ったんですよ。車を保管してた倉庫を取り壊す必要あって、建設会社を紹介してくれっていうことで百合先輩の会社を紹介したんです」


「そうかあ、百合ちゃんの車って情報が違ってたなあ。E70系って聞いたんだけど」


「違うの、KE70のハードトップにしようかって言ってたら、実はお兄ちゃんが気に入っちゃって乗るって言いだして、書類があったんで公道復帰です。それで書類がなかったこの車にしたんです」


「そうか、確かになあ。結構これはきてるなあ」


「悟瑠、そうみたいだね。百合ちゃんに聞いたんだけど、S110もあってさ、アメリカ仕様の2.4仕様があったってよ。でもさそれはオークションで売れたとか言ってた。」


「すげえなあ、何台あるんだよ」


「6台ありました。KP61の5ドアも有って、それはあたしのママが乗るって。KP61は書類あったから公道復帰させるって言ってます、AE70セダンの3AーUがパワー無いって言ってます」


「へえ、そのAE70のセダンはどうすんだい?」


「実は、あたしのお兄ちゃんが乗るっていっててKP61が公道復帰したらもらう予定です。実はあたしがこのところお兄ちゃんのGXE10を独占してるんで」


そう言うのは愛理沙ちゃんだ。

どうやら、愛理沙ちゃんは今までは殆んど積載で走っていたらしいが子供を二人乗せるのことが増えてきてチャイルドシートが2席着く哲史さんの車をしょっちゅう使うもんだから哲史さんが自分専用の車を探していたらしい。


「そうか。仕方ないか。このKE55でやるんだね」


「はい、そうそう、B120もあったからパパが構内専用にするって言って買ってました。うちの本社の構内管理用で使うって」


「構内専用ね、それならナンバー要らないね」


「そうなの。96年式の軽トラック(DC51T)もナンバー切って使ってるけど。こっちが良いって言うことで。500kg積めるのよね。後で雅子のお店で見てね。なんか調子悪いから」


「そうかあ。旧車一家になったねえ」


「いいの、今まではお兄ちゃんはあたしのエッちゃんかパパとママ共用のサザン君使ってて不便してたからね。さすがに旦那さんってニックネーム付けた6トン4×2ダンプ(DU780Hダンプ)は街乗りできなくて」


「それはそうだね。じゃあ、このKE55を何とかするか。隆弘よろしくだな」


「隆弘。これは、直しがいあるじゃん。ドアとボンネットの錆びきてるなあ」


「まあな。塗装が逝ってるもんな。公道復帰できないならボンネットとドアはカスタムしてレース走るのもいいだろ」


「そうだな。E70系より軽いからいいよ」


「後ろのサスがリーフだからどうすっかなあ?」


「あーあ、もうお兄ちゃんたちの談議が始まっちゃったよ」


「ああ、ヤベえ。よし、とにかく今日はKE55もボディのチェックだな」


「そうだ。雅子。ママとお兄ちゃんの車の公道復帰手続きよろしくね。必要なら直して」


「どこまで?トラックと違って結構お金必要よ。って言うか車見て錆の状態見ないとわかんないって」


「大丈夫よ。10年錆が来ないくらいでOK。保管してた場所って昔の芋の越冬倉庫で通気性はいいところだったよ。あたしも見に行ったの。実はパパがその古民家って言うか?倉庫の解体の見積もりに行ったときにこれらの車も見つけたの。どうも部品取りで買ったんだけど部品取る前に乗ってたのを売ったみたいね。愛理沙のKA11は先に愛理沙に売ったみたいね」


「あたしのパパに相談来たんですよ、亡くなったオーナーがパパの先輩で奥さんが同級生、それで建設会社知らないかって。オーナーの家の近くの建設会社は軒並み廃業してて困ったの。それで百合先輩の会社を紹介って形ね」


「まあ、わかったわよ。KE55だけボンネットとか錆びているのは?」


「雅子、どうも錆びたボンネットとドアは部品提供したようだな。代わりとしてつけてあるようだ。もしかしてガラスの予備かも。それなら全部廉価版って言うのも納得できる」


「え?どういうこと?」


「多分、KE55はTE51用の部品取り、KA11はRKA11でLZのシルエットフォーミュラもどきにしたくてガラスを取るために買ったんじゃあないかな?KE70はTE71の部品取り。昔のブルーガラスじゃなく透明のガラスが欲しかったんだよ。あ。このB120とKP61はどうも自分で乗るためだねえ」


「S110は?」


「BS110もどきを作ろうと思ったんじゃ?KA24DEエンジンが現場にあったってことはエンジン載せ替えの準備してたんじゃないかな?」


「へええ、悟瑠さんの博識すごすぎ」


「お兄ちゃんは、とにかくの車バカだかんね。愛理沙、ありがと」


「うん。愛理沙、ありがとうね。今日は帰ろう。隆弘さんお願いします」


「先輩、失礼します。明日からスーパーにお肉運びしながら出勤なんで。新しくって言うか2トン総輪駆動保冷車(U-LG8YS41改)いいですよ」


「愛理沙は結構大変ね」


「いいんですよ。お肉運んで家から出たらお仕事開始なんで、早く帰れていいですよ。定時迄いたら残業付くし」


「そうだけどね。移動販売車の運転ね」


「そうですね。明日はあたしの部下とペアですよ。高卒の可愛い系女子です。車は久しぶりに大型ノンステロング(UA452PAN改)ですよ。長野さんが今は週3から4日内勤なんであたしが主にこの車のハンドル握るんです」


「そうか。愛理沙は経理じゃなくて?異動しちゃったの?」


「はい、今は課長ごと販売促進部の移動販売課に異動になりました。あたしたちは販売促進部の一部とくっついて。課は長野さんと同じです」


「へええ、すごい」


「長野さんが係長であたしの上に居て、移動販売車とか移動キッチンの配車管理とかやってますけど運転する方が性に合ってるなんてぼやいてます」


「あははは、そうかもね」


「雅子先輩、すみません、あたしも用があるんで帰ります。どうもありがとうございます。」


「そうね。愛理沙。ありがとう。帰りにどっかでご飯おごるからね。雅子、昨日はほんと助かった。ありがとう。隆弘さん。車お願いします」


「うん、愛理沙、引き留めてごめんね。百合リン。気を付けてね」


「はい、失礼します」


ペーッとホーンをならして愛理沙ちゃんが隣に百合ちゃんを乗せて帰ってしまった


「隆弘。KE55とは思わなかったなあ」


「そうなんだよ。後ろがリーフだろ。形式は変えちゃあまずいよねえ」


「うん、そうなんだよ。形式を変えるは駄目でしょ」


「ってことは車体の取り付け部を補強してアシストのバネを入れるんだろうな。ショックのところを使ってかな?」


「だな、とにかく車を作って行こう」


「悟瑠の方はどうなんだ?」


「こっちはS110の部品が使えるからいいかもな。強化ハブもあるよ」


「そうだよなあ。サファリの時にでてた車だよなあ」


「そのへんも見て車体補強するよ」


「よし、やるか」


僕らは百合ちゃんの車を洗車していた。その後、2台を持ち上げて下回りの錆を見て内装を剥がして全体の錆の状態を見ていた。


休みが終わって会社に行くと


「悟瑠、丸松建設から重機にトラブル起きたとか連絡来たぞ。ウインチのワイヤーがやばいとか」


「親父、出張修理だなあ」


「そうか、誰か行けるか?」


「隆弘たちに頼むよ。引っ張る事あるならレッカーだな」


「いいよ、行ってきてくれ」


僕が親父からの情報をもらって工場に行ってこのところ忙しすぎて工場の機器の手入れができていなかったので手入れしていた隆弘と隆文に声を掛けた。


「隆弘、隆文。出張修理頼みたい。丸松建設の重機のワイヤー交換。いいことにうちに在庫あるから積んで行ってその場で交換」


「いいよ、隆文とだな。カシメ機も持って行けばいいか」


「そう、ってことは2台いるか」


「泥にでも嵌ってるのか?」


「そうなんだよ。泥に嵌って自前のウインチで脱出しようとしてやってたらワイヤーが木の根っこに引っかかって切れたらしい」


「よくあるパターンだな。ウインチになれないとやるんだよ。良いよ、レッカーでかな?いいや河川敷の地均し現場たよな、俺と隆文の総輪駆動で行ってくるよ。牽引ロープある。総輪駆動なら引っ張れるし、どうしようもないなら2台で引っ張るよ」


「OK、頼む」


「カシメ機は明日返却でいいか、現場まで約2時間、作業2時間、帰りは夜になっちまうな。まっすぐ家に帰るよ」


「良いよ、それでいこう。明日だな。修理ヨロ」


「OK。隆文、行くぞ。まゆかちゃん(K-SKS390)にワイヤー積んで、工具セットも積んでくれ」


「兄貴のラッシー君(U-FR415H改)には?」


「カシメ機とウインチの分解整備工具積むよ」


「僕は場所を知らないから、兄貴について行くよ」


「OK、じゃあ、悟瑠。いってくら」


「頼んだ」


ブババババと2台の総輪駆動がマニ割の叩きの音を奏でて現場に行った。


「百合リンも大変ね、さっき連絡きたげどお兄さんの譲さんと次の旧車ミーティングの準備してるって。丸松建設のPRの準備だって」


「うちもやろう。大型車の整備もやるから」


「レストア屋さんになりそうじゃん」


「あはははは、そうかも。丸松建設のトラック直してるっていうかさ。ボンネットダンプを何台公道復帰させたか」


「そうね。え?なになに?やっぱり来たよ」


「雅子、どうした?」


「はああ、車再生の依頼が来たよ。百合リンのお兄さんの譲さんからKE70の公道復帰とお母さんからKP61の公道復帰の依頼」


「雅子、既に今朝、譲さんが愛理沙ちゃんの積載でKE70持ってきちゃったよ」


僕が言う


「さすが、せっかち兄妹ね」


「雅子、工場に車を見に行こうぜ」


工場に雅子といく、洗車したほうがいいと思って洗車場に持って行こうとしてKE70のエンジンをかけた。

すると、どうも一気筒が死んでるようでエンジンの振動が酷い


「雅子、KE70のエンジンあんまり調子よくないぜ」


「そうみたいね、それならこのエンジンは百合リンのレースカーの予備エンジンにすればいいんじゃない?」


「そうだな」


「副社長、この車は?」


「ああ、鈴木さん、この車は公道復帰頼まれた。見る限り錆とかなさそうだけど確認してもらえるといいな」


「はい、洗車して。内装を一部剥がして確認してみますよ」


「お願いします」


「お兄ちゃん。加藤運輸から救援依頼来ちゃったよ。パパが競争入札行ってるから救援あたしがいくから。なんとか月夜野で降りて駐車場に入ってるって。代わりのトラックも回送お願いだって。フォークもいるみたい」


「じゃあ、お袋にお店の仕切りたのんでだな」


「うん、4軸レッカー車(KC-CB55EW改)よね。高速でいくの?」


「その様子だと、急ぎだな。4軸レッカー車(KC-CB55EW改)にフォークを積んでいくぞ。雅子、4軸レッカー車(KC-CB55EW改)のエンジンかけてくれ。鈴木さん、加藤運輸のトラックの救援いってくる。ウイングの修理の準備お願いします」


「はい。フォークを持って行くんですね。クレーンで積んでですね」


僕と雅子は4軸レッカー車(KC-CB55EW改)にフォークを積むと加藤運輸の人が持って来たウイングで最寄りのインターチェンジから高速に乗って救援に走っていた。


『お兄ちゃん。この4軸レッカー車(KC-CB55EW改)って速くていいよね。登りでもガンガン行けちゃう』


「だよね。雅子がフルパワーで登ったらこのトラックは全開でもついていけないって」


『そうよね。この勾配でも荷物満載したトラック楽々牽引するパワーあるもんね』


「まあな、ミッションの関係で250kgでトルクは切ってるけど695psは半端ないって」


故障車がいるというインターで降りて脇の駐車場に入った


「お待たせしました。いつもお世話になっております。佐野です」


「あ、佐野さん、こちらこそお世話になってます。お忙しいところすみません。金森です。どうもありがとうございます。ミッションのトラブルで7速以上シフトアップしなくなって。エンジンかけなおしても変わらずです」


「はい、承知いたしました。まずは荷物を積みかえましょう」


「2台並べてですね。フォークもあるんですね。助かります」


僕はフォークを4軸レッカー車(KC-CB55EW改)のクレーンでおろすと荷物を積みかえていた。

30分足らずで積みかえを終えてロッカーでパレットを固定するとドライバーの金森さんがウイングを閉めてファンとクラクションを鳴らして


「佐野さん、助かりました。ギリ間に合うかもしれません。どうもありがとうございます。」


「気を付けて」


降りたインターから高速に乗って北陸方面に走っていった。


「雅子、牽引して帰ろう」


「うん。大変よね。休憩時間なくなったんじゃ」


「そうかもしれないけど、430がうるさいからなあ」


「そうね」


そう言いながら前の2軸を持ち上げて念のためプロペラシャフトをデフから切ってスリングベルトで固定すると一般道で帰って来た。

トラックを整備工場に入れて件の3人と新人君に修理を頼んで事務所に行く


「おやじ、帰ったぜ。入札は?」


「悟瑠、雅子。今回は流札だ。価格に合わないってことで誰も入れなかったよ。別件だけど、俺の知り合いの旧車ミーティングの主催をやってる奴から次のミーティング開催にいい場所ないかって相談きてる」


「そうか、あの河川敷はちょっと途中の道が住宅街にあって狭いよな」


「そうよね。大型が多いからちょっと迷惑かも、それに住宅街近いから風向きによっちゃエンジン音とか排気音が五月蠅いかも」


「それなんで、雅子と松尾の娘さんがやろうとしてるオフロードコース貸してほしいって言うんだよ」


「あたしはいいわよ。百合リンの返事次第」


「松尾のお嬢ちゃんはOKだってよ。コースのPRにはピッタリってことで」


「そうねえ。広場なら100台は大丈夫でしょ。それにバーベキューもできるよ」


「OKって言っておくよ。借りるから契約しに来るみたいだな」


「百合リンとあたしのサインが居るのね。わかったわよ」


「お前らもいくんだろ」


「そうねえ、あたしは何で行こうかしら?ニジュちゃん(U-RP210GAN)かな?」


「そうだな、僕はルーシーちゃん(U-RU2FNAB改)だな」


「俺は4軸レッカー車(KC-CB55EW改)で行くか。康子はケーテン君(K-102H改)2軸レッカー車(KC-CVS80改)だな」


そう言っていると、事務所に3人組のリーダー格の鈴木さんが来て、


「副社長、どうもエンジンコントロールユニットの故障ですね。エンジンのコントロールユニットがいっててそれで高負荷にならないように変速制限入ったようです」


「仕方ないな。エンジンコントロールユニット交換か?」


「はい、10年選手ですからねえ。ユニット交換ですけど」


「ですけど、なんだい?」


「DPFも相当詰まっているようで」


「仕方ないな。外して洗浄に出してみよう」


「はい。ターボですかねえ?なんか異様にって言うか吹けが重いんです。ユニット交換してみてみますけど」


「どうもありがとう。おかしかったら言ってください」


「はい」


「雅子、あのエンジンのトラブル情報検索やってくれ、僕らがトラック引きあげている間にどうも百合ちゃんのお母さんがKP61を持って来てたみたいだ。それに愛理沙ちゃんのお兄さんの哲史さんからもAE70の名義変更と点検が来てる」


「わかった。よろしくね」


「雅子、今日中に契約書類持ってくるよ。ネットに場所の告知するっていうんで」


「いいよ。お兄ちゃん。公道復帰する車手入れヨロ。」


「雅子、5Kエンジン探して欲しい、KE70に積む。ワンボに積んでたやつがあるから。4Kはもうないよ」


「OK。お兄ちゃんはどっちにしてもカムいじってでしょ」


「そうなんだけど。このエンジンはポート形状の関係で高回転で上手く空気が入らないんだよ。4Kのカムを入れてみるよ」


「フーン、そうなんだ。探してみるよ」


「あれ?愛理沙ちゃんからお兄さんがエンジン壊したって?」


「えええ?なんだそれ?」


「そうか、回し過ぎたとか言ってるよ。3Aってないよなあ」


「お兄ちゃん、ネット見たらおしいねえ4Aだって。4A-Gのクランクも単品で出品されてる」


「それだな。その4Aとクランク落札して。直すよ。いいことにトヨタのエンジンは縦置き、横置きほとんど一緒だから。」


「はいよ。ぽちっと」


「エンジンが来たらだな」


「んもう、愛理沙って言うか?哲史さん積載でAE70セダンもってくるって」


「仕方ないね。2台直そう、どうもこのKP61は調子いいなあ」


「工場長、この61は芋農家が農場を回る時に使ってたんですよ。それも15年くらい前まで。ナンバー無しですが」


「え?そうなの?」


「はい、元の整備工場でみてました。KE55も有ったはず」


「ありましたよ。部品取りみたいでしたけど」


「そうですよ。部品取りとして書類なしを捨て値で買ったんだけど結構程度良くて部品剥がしにするにはもったいないって思っているうちにオーナーが体調崩して入院の費用を払うためにTE51売って、RKA11売って、TE71も売ってですよ。S110はナンバーついてないから買い手がつかず残ったみたいですね。B120も農場用のトラックでナンバー無しです」


「道理で。わかりましたよ」


「元芋の越冬倉庫の一部を改造して2階に車おいてたんですよ。床からの湿気で錆びないように。この規模だと直接トラクターで荷物を直接2階に置けるように」


「ですよね。画像見たけど広かったですもんね」


「もともと、2階を芋倉庫にするのは1階で家畜を飼うんで冬でも暖かなんですよ。芋のために床下に暖房用の炉があったはずです。家畜の体温で暖かと言っても越冬するには不足なんで」


「へえ、すごいなあ。よく知ってますねえ」


「実家がそうなんです。祖父の代で廃業ですけどね。この車たちを直しますよ。この元オーナー家畜飼うの辞めてから車の車庫にしたようですね。下が整備場で。加藤運輸のトラックはもっと深刻です。なんか異常燃焼でピストン壊れたみたいですよ。コントロールユニットに異常はなしです。エンジン異常ってダイアグがでます」


「なるほどね。この3台の車たちはお任せします。僕はトラック見ます」


「僕らはこの3台の車の車体から見てみます。理想は内部に防錆錆転換剤いれるのがいいんですよ。フロアの水のたまる部分には防錆メッキします。」


「どんガラにして回転塗装ベンチで?」


「はい、一旦全部どんガラにしてホワイトボディの塗装と防錆メッキしなおしと電子防錆つけると完璧です」


「わかった。それでいきましょう。土とかあるでしょうから全部取り除いてください」


僕は一旦事務所に戻って親父に


「親父、加藤運輸のトラック重症そうだよ。エンジン異常ってでる。DPFも限界だよ。分解掃除するか?交換するか」


「うーん、それなら、隆義に聞いてみるよ。直すかどうか?DPFが詰まって異常燃焼起こしたかもねえ、言っとく」


「お兄ちゃん、契約したから再来週のミーテイング行こうね。百合リンがうちの積載車貸してとか言ってるよ。公道復帰したらKP61とKE70とAE70を出すとか。それから船底でTD50ADとKB112Dを運ぶから手伝ってって。」


「百合ちゃんちの総出で運ぶの?」


「うん。お兄さんは仮ナンバー付けてDA100D運んで、百合リンは徳次郎君(TK20GD)でお母さんはやっぱりデビちゃん(DB100)で行って会場と駐車場の往復」


「うちは親父が4軸レッカー車(KC-CB55EW改)でお袋は2軸レッカー車(KC-CVS80改)で雅子はニジュちゃん(U-RP210GAN)で僕は船底か」


「いいんじゃない?トラクターも会社名ばっちりでしょ。船底も。あたしは藤子ちゃん(U-FZ2FJCA改)でいくよ」


「隆弘たちも総輪駆動で来るんだろうな。それで行こう」


それからイベント開始まで加藤運輸のトラックの修理と2台の車の公道復帰、AE70の修理に追われていた。

他にも雅子の元職場の車の定期点検、車検、メンテナンスをやっていた。


「雅子、僕は先にいってボンネットダンプ(KB112D)を運ぶよ」


「うん、百合リンもボンネットダンプ(TD50AD)を運ぶって、現地でね」


僕は丸松建設の本社によってボンネットダンプ(KB112D)を乗せると、雅子たちが経営するオフロードコースへ向かった。

V10にした2軸トラクター(KC-SH3FGEG)は加速力が段違いにアップしていて登りでも楽になっている、V8のマニ割の頃よりもはるかに走りやすい。

オフロードコースの駐車場について待っていた譲さんにボンネットダンプ(KB112D)を託すとデフロックを作動させてゆっくりと車両展示場へ行った。

既に100台位の古いアートトラックや飾ったダンプカー、ボンネット総輪駆動が来ていたし、発動機の展示をしている人もいた。

丸松建設のところには公道復帰したばかりのKP61とKE70も展示してあって、あろうことか小笠原食肉店の保冷車と哲史さんのAE70もおいてあった。

展示場の脇のスペースには雅子の元職場のスーパーからメキシコ料理のキッチンカー(U-RB1WEAA)お弁当販売車(RM211GAN改)2トン後輪駆動保冷車(U-FE437EV改)が来ていた。


「愛理沙ちゃんも?」


「はい。今日は後輩も来てお弁当販売です」


「そうなんだ。お仕事だね」


「うん、課長の綿貫さんと長野さんもです。長野さんは狩野さんの6×4V10ダンプ(U-FS1VKBD)乗って来たんです。もう一人の運転手さんとメキシコから来た人でメキシカンを売って課長は朝取り野菜担当です」


「百合ちゃん。おはよう。狩野さんは?」


「あ、悟瑠さんありがとうございます。狩野さんに頼んでTWD20改乗ってきてもらいました。丸松建設ののぼりをつるすんで」


「やるなあ」


見ると、TWD20改のクレーンの先にのぼりが着いていてめいっぱい伸ばしていたのだった。

しばらくするとアナウンスがあって開始だった。

その日は天気に恵まれてて晴れていたので暑いくらいだった

ここは民家から離れているのでトラックのエンジンはかけっぱなしでいいことになっていて自慢のトラックの排気音が響いていたし、発動機の音も響き結構にぎやかだったし。バーベキュー場では家族で楽しんでいたし、愛理沙ちゃんのスーパーでは飲みものが予想よりはるかに売れていて2トン総輪駆動保冷車(U-LG8YS41改)が走りっぱなしだったようだ。

高速コースであれば総輪駆動でなくても走れるのでデビちゃん(DB100)でコース案内していたし、雅子と隆弘と隆文の総輪駆動やボンネットの総輪駆動を持ち込んだオーナーがモーグルを走って楽しんでいた。

ブババババと隆弘と隆文の車のマニ割の音がモーグルコースで響いていたし、途中で動けなくなった車を引き揚げていたのだった

めいっぱい楽しんだあとクロージングになって


「本日の会場は丸松建設と佐野自動車さんが共同で経営するオフロードコースです。一般開放してますので是非ご愛顧お願いします。本日はマッドコースが使用できませんが通常の土日は使用可能です。ぜひお楽しみください」


ミーティングをたっぷり楽しんだ後、僕は船底でボンネットダンプ(KB112D)を運んで丸松建設の届けるとまっすぐアジトに帰って来た。

次の日、会社に行くと


「予想通りね。再生依頼来ちゃった。」


「何かな?」


「デコトラの復活だって。エンジンの再生とフレームの修理も」


「おおお、親父よっぽど営業したなあ」


「そうね。復活ならいいんじゃない?登録ナンバーないから何でもありでしょ」


「そうだな。そうだ。来週はTSカー試走だな。土日でだったな」


「うん、再来週レースあるからね。愛理沙と百合リンがレースデビューできるように」


僕の車いじりは続くのだった。

何とか形になった愛理沙ちゃんの車と百合ちゃんの車

オフロードコースをイベントで貸し出し?


いつも読んで頂き、どうもありがとうございます。

今回はここで更新します。

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