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走り屋の妹(全年齢版)  作者: 浅野 武一
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第四十話 百合ちゃん家のお仕事場のオフロードと愛理沙の峠デビュー

建機の故障を救援する悟瑠と雅子

オフの楽しさを知った雅子は何を?

そして優勝したい愛理沙ちゃんが聞いてきて

大会の表彰式では準優勝とは言っても愛理沙ちゃんはとても嬉しそうだったし、優勝したBMのドライバーは愛理沙ちゃんの若さを脅威に思っていそうな顔だった。


「雅子、帰るぞ。愛理沙ちゃんっていいセンスじゃん」


「そうね。愛理沙のお兄ちゃんが走りを聞きに来たりしてね」


「あははは、そうか。それもありかもなあ」


僕らはのんびりと錦君(U-LV224K)でアジトに帰ったのだった。

次の日から会社で車検整備していた

すると百合ちゃんから雅子に連絡が入って来た


「ねえ、お兄ちゃん。百合リンからヘルプきた。建機が壊れたみたい。救援行ってもらっていいかな?」


「建機だろ。レッカーだけでは無理だから超低床船底との2台で行くしかないな」


「建機が泥濘地に嵌って自力で脱出しようとしたら壊れて動けないらしいからレッカーと超低床船底の2台だよね。泥濘地で嵌っで動けなくなったから土砂をおろして脱出しようとしたらどこか壊れて全く動けなくなったみたい」


「よし、分かった。行くぞ、雅子一緒に来れるか?超低床船底と4軸レッカー車(KC-CB55EW改)なら3人必要だよ。隆弘も連れて行こう。残った隆文には工場内の作業の仕切りとV10ダンプ(U-CW61ANVD)の車検やってもらいたい。」


「良いよ。パパには内勤のお仕事の段取り頼んでおくから、あたしも行くよ。建機の受け入れ準備もパパにしてて貰うよ」


「良しそれで行こう。雅子、4軸レッカー車(KC-CB55EW改)三軸のトラクター(CW542GHT)のエンジンかけて。準備するぞ。超低床船底をトラクターに連結して場所聞いておいてくれ」


「悟瑠、工事現場って4軸レッカー車(KC-CB55EW改)は入れるのか?狭いなら2軸レッカー車(KC-CVS80改)の方が」


「百合ちゃんに壊れた建機の大体の重量聞くしかないよ。現場の広さと雅子わかるか?」


「動けないのは10トンのホイールローダーみたい。現場は広いらしいよ。ホイールローダーは泥濘地で嵌っているからそこから救出するの。レッカー車で運ぶにしてもドーリーいるよ。うちにそんなでかいドーリーないし」


「ってことで4軸レッカー車(KC-CB55EW改)で行くぞ。ブルドーザーなら面倒と思ったけど、ホイールローダーならなんとかなる


「よし。じゃあ行こう。隆文、このV10ダンプ(U-CW61ANVD)の車検頼むぜ。今やってるボンネット(DU780H)ダンプカーの塗り替えは3人に頼んでくれ、来週には狩野さんのV10ダンプの車検がくる」


「兄貴は?」


「建機の救援だよ。超低床船底と4軸レッカー車(KC-CB55EW改)と2台で行くから」


「隆文、救援には助手が2人いるんだよ。雅子と隆弘と僕の3人で行くよ。僕の変わりにこのV10ダンプの車検整備を頼むぜ」


「あ。このV10ダンプ(U-CW61ANVD)は俺が煙突マフラー作ったやつだな。分かった」


僕らは超低床船底を三軸のトラクター(CW542GHT)で引っ張って、隆弘が4軸レッカー車(KC-CB55EW改)に乗って工事現場に救援に向かった。


「お兄ちゃん、あたしがナビするね」


「よろしく」


僕の隣に乗っている雅子がスマートフォンの画面を見ながら案内する。

雅子が言うには工事現場の場所はダムの底攫いをやっているところで、底攫いしている超大型建機から降ろされた腐葉土交じりの土砂をダンプトラックに積み替えるホイールローダーが泥濘地に嵌って動けなくなったらしい。

自力で脱出しようとした時に何故かエンジンはかかるが動けなくなってしまった。

幸いにも土砂の積替えを2台でやっていたうちの1台なので故障しても作業効率こそ落ちるが仕事が止まることがないと聞いていた。

雅子の案内で現場につくと動けなくなったローダーを4軸レッカー車(KC-CB55EW改)で救援する


「雅子、忙しいのにありがとう」


丸松建設の社長の車であるボンネット6×4(K-TW53LD)ダンプから百合ちゃんが降りてきた


「あれっ?百合リンも?ダンプのドライバー?」


「うん、あたしも駆り出されて土砂運びよ、パパのボンネット6×4(K-TW53LD)ダンプで救援しようと思ったんだけど空転して引っぱれなかった。総輪駆動車じゃないからあんまり牽引力なくて、ボンネット6×4(K-TW53LD)ダンプが泥濘地に嵌る前に辞めて雅子にレッカーを頼んだのよ」


「百合ちゃん、このハマり具合じゃあ。ダンプの単機じゃ無理だよ。隆弘。救援しよう」


「うーん。この埋まり具合はやばいわねえ。それにぬかるんでるし。粘土質じゃん」


僕らは4軸レッカー車(KC-CB55EW改)をホイールローダーの後ろにつけて引っ張ろうとしていた。ぬかるみにがっちり嵌っていて引き上げるのに苦労しそうだ。


「雅子。三軸のトラクター(CW542GHT)も使おう。駆動軸にデフロックあるし、後ろの前後軸もロックできたよな」


「できるよ。もしかして最初から2連で引くってことね」


「そう」


「わかった。お兄ちゃん誘導よろしく」


雅子は三軸のトラクター(CW542GHT)に乗ると超低床船底から停車用の脚を出す、その後油圧ホースの接続を切って切り離した。


「悟瑠。チェーン巻こう。そっちの方が確実だ。この三軸のトラクター(CW542GHT)も動けなくなったら後が大変だよ」


「そうだな。雅子。ちょっと待て。チェーン巻く」


するとダンプカーの運転手さんたちも手伝ってくれたので、思ったより早くチェーンが巻けた。


「隆弘。4軸レッカー車(KC-CB55EW改)をつなぐからな。幸いにも牽引用のアンカーがあるからそこにワイヤーひっかけてクワトロラインで行くぞ。雅子。三軸のトラクター(CW542GHT)の後ろのメンバーにロープをかけて。三軸のトラクター(CW542GHT)を引っ張るようにセット」


「はいよ」


僕らはセットすると、僕は4軸レッカー車(KC-CB55EW改)に乗る前に三軸のトラクター(CW542GHT)の運転席にいる雅子に声をかけた


「雅子、隆弘の合図で発進しろよ。僕は4軸レッカー車(KC-CB55EW改)を動かす」


「任せて」


「隆弘、誘導頼んだ」


「おう、雅子、ゆっくり引っ張れ。当たったな。悟瑠。引っ張れ。ゆっくりゆっくり。よし引っ張れ」


ぐおおおおんと2台のエンジンがうなりを上げる。

じわりじわりと泥に嵌っていたホイールローダーが動き出した。


「そのままゆっくり、ゆっくり」


僕は4軸のデフロックと軸間のロックを作動させタイヤを空転させないように気をつけて進めていく。

雅子もチェーンをつけているとは言え、空転させないように慎重に進めていく


「よしよし、いいぞ。悟瑠、雅子。ゆっくり。あとちょっとだ。そのまま、いい調子」


隆弘が見てて指示をだす

10メートルくらい動いたところで


「よし、抜けた。停まって」


「上手くいったな。脱出OKだ」


「雅子、船底つけて積もう」


「はいよ」


雅子はロープを外して三軸のトラクター(CW542GHT)を超低床船底と連結していた。

その間、僕らはホイールローダーの確認していた。

なんと、ミッションオイルと言うか?ATFが全くなくなっている。

どうやら泥に嵌ったところでなぜかドレンボルトが外れてしまったようでフルードが全量抜けてしまったようだ。

これでは動くはずがない。

しかも泥水を吸っている様子もあるので場合によってはミッション全交換になりそうだ


「うーん、これは結構重症かも。泥を吸ってるぞ」


「うん。それに漏れたオイルにはフェンス作って吸収しないとダムに行っちゃうよ」


「そこは、百合ちゃんの会社に任せよう。僕らはホイールローダーの修理だよ」


「OK」


「百合リン、この車の故障はATF抜けたの。泥も吸ったから修理するね。オイルフェンス張らないとやばいよ」


「えええ?やばいじゃん。とにかくこの泥を全部掬って捨てないとね。オペレーターにいって大型ショベルでトラックに乗せるよ」


「百合リン、うんATFの処理よろしくね。最悪このローダーミッション交換かも」


「雅子。わかった。ええと、廃業したところが最後の点検か?仕方ない修理頼むね。うん、汚染土は全部取り除く処理するよ。雅子救援ありがとう。修理の見積もりよろしくね」


僕らは三軸のトラクター(CW542GHT)のチェーンを外して洗車、4軸レッカー車(KC-CB55EW改)も洗車してお店に帰って来た。


「お兄ちゃん。やっぱり総輪駆動車っていいかもね。思い切り走れるオフロードコースを百合リンと作って経営もいいかも」


「おいおいおい、コースを作るって?」


「嵌って動けなくなったら救援が大変だけど。普通の車が走れないところを難なく走れるって良いじゃん。百合リンと共同で泥んこコース使ったサーキットもいいかなって思った。ダンプのオペレーターを養成するの。他にはラリーのSSとか」


そう言ながらこんなコースにしたらいいとか、ラリーのSSに使えるようにするのもいいかなとか航空写真を見ながら言っている妹の佐野(さの) 雅子(まさこ)

峠のバトラーからスタート、無敗のままバトラーを卒業、その後はドリフト競技に参加して3回も優勝して卒業。

今はTSカップのレースに参戦している24歳。

TSレースでも3回も優勝してしまった。

雅子のTSカーはうちの会社の他にも元職場のスーパーと百合ちゃんの家の建設会社からもスポンサーを受けている。

運転が大すきな雅子は今度はオフロードに嵌ってしまって大型の総輪駆動を買ってきて、走るためにエンジンをいじって、サスペンションを自分好みにいじった。

その総輪駆動はV8の大排気量エンジン+ターボ追加してオンロードでもそこそこ速い車にしてある。

オフロード車は隆弘が詳しいのでエンジン特性やサスペンションのセッティングも勉強できてとてもたのしそうだ。

雅子は親が経営している中古車販売店兼整備工場の経理、整備の段取り担当の副社長になっている。

運転免許は大型2種免許と牽引免許を取った、資格は2級整備士を取っている。

必要なら大型トレーラーや積載車を運転して買い付けた車の引き取りや、納車前のお客さんの車をメンテもやれる。

それにくプログラム組むのも好きなので、実家の規模に合わせたいろんな経理システムを自分で組んでいて、両親も大助かりといっている。

自分の車の脚を組むときに計算してスペックを探してしまっていたし総輪駆動では動きのシミュレーションもしていた

雅子は僕といっしょに仲間内からアジトと呼ばれている祖父母が経営していた製材所の跡に併設してある家に住んでいる。

そこから市内のお店に通っている、使う車は大型9メートルカテゴリーのニジュちゃんと呼んでいるバスを改造した貨物車のU-RP210GAN改280ps仕様か、エムエム君と呼んでいる、大型9メートルカテゴリーのバスを改造した貨物車の○アロスターMMのU-MM618J改の300ps仕様だ。

この2台には以前勤めていたスーパーから買っている使用済みの食用油をリサイクルして作ったバイオ燃料を使って環境に配慮している。

その燃料は会社で使ってるトラクターやバス達、積載車にもつかっていて環境にやさしいBDFとステッカーを貼っている。

僕:佐野 悟瑠(さとる)は妹より4学年上の3月生まれの27歳。

地元の大学を卒業して家業の中古車屋に就職して6年目、今は家業の中古車販売店、整備工場で中古車の納車前整備や車検、修理、一般整備もしていて、時には中古車の買い取り査定もする。

大学のころから2級整備士を取って家業の手伝い=バイトしていてMIG溶接機、レーザー溶接機、フレーム修正機はバッチり使えるようになったし、板金もできるようになった。

会社にはいってから、へこみのリペア、カラスリペアと危険物の免許と玉掛けも資格を取って入社4年目の4月から整備工場の工場長兼副社長をしている。

免許は大学在学中に大型をとってさらに就職してから直ぐにけん引免許もとった。

オークションに買い付けに行く時には自分でキャリアトレーラーを運転していける。

またバスの管理士になれるので、中古の大型観光バス4台と大型路線バス5台もってしまった。

ほ他には丸松建設のバスの管理もやっている。

僕らの両親はどちらも車が大好きでそれが高じて中古車屋兼大型車や建設機械の整備もする整備工場を経営している。

万一、小型車を整備する場所が不足した時は僕と雅子が住んでいるアジトのガレージでやる。

そこもお店の工場にしてある。

アジトの車両をいじる設備はすべて中古で、大型車対応のボードオンリフトが2機、大型エアーコンプレッサー、スポット溶接機、MIG溶接機、プロパン+酸素バーナー、レーザー溶接機、グラインダー、エアツール一式、板金道具一式、定盤、2000トン油圧プレス、油圧けん引機、油圧ベンダー&カッター、ボール盤、旋盤、フライス盤、20トン対応天井クレーン、3トン対応のリフター3機、ワゴンしき工具箱、タイヤチェンジャー、バランサーまでそろっているので、小型車のメンテどころか大型車の改造迄できてしまう。

事実、僕らの総輪駆動はここで脚を組んだのだ。

アジトは元製材工場なので木材搬送のために大型トレーラーが20台以上を悠々と停められる敷地の広さがあり、父親が中古車版売店、整備工場を始めた場所でもある。

社長である父親は元は大型車整備メインのディーラーにいたが、結婚を機に独立してこの店を立ち上げた。

若いころはマニ割をやっていて、今もその技術を使ってマニ割り+左右の煙突デュアルマフラーに自分で改造してしまうほどのマニ割マニアっぷりを発揮している。

マニ割仕様のエギマニはステンレスパイプをベンダーを使って手曲げで作ってしまうほどの腕を持っている。

大型車メインの整備工場に勤めていた時にはマニ割車を100台以上作ってはお客さんに収めていた。

トータルでマニ割車を何台作ったか覚えていないというマニ割マエストロでもある。

その業界ではいまだに名の知れた存在で旧車のマニ割作って欲しいという発注がいまだに来る。

副社長の母親は、独身の頃にドリフト競技、ラリーに出ていたという位の運転好きだ。

かなり上手く何回か入賞する位の腕を持っていたらしい。

ドリフト競技に出ていたころ、ドリ車の整備と改造を当時大型車メインの整備工場に務めていた父親に依頼したのが馴れ初めで結婚したのだ。

乗用車の整備工場では見てくれなかったが、大型車メインの工場なのにうちの父親が仕事を引き受けていたのだ

この両親を見れば僕と雅子が車大好き、運転大好き、競技に出たいとなってしまうのは当然だろう。

雅子の小学校からの親友で高校の同級生の松尾(まつお) 百合(ゆり)ちゃんも同じく車好き。

百合ちゃんは雅子と同じ地元の商業高校を2番目の成績で卒業して雅子と同じスーパーに入った。

販売部にいた時、提案した買い物難民救済用の移動販売車の成果が認められて主任になってキッチンカーの担当もしていたが、家業の人手不足もあってやむなく家業に転職した。

この百合ちゃんも大型バスにも嵌って2台買った。

2台ともV8エンジンで、その排気音が好きというほどの車好きだ。

百合ちゃんの一家も車好きで社長の百合ちゃんの父親は旧車好き、且つ速い車が好き。社長の奥さんで副社長の百合ちゃんのお母さんも大型車好きでしかも旧車好きのオリジナル志向、百合ちゃんの兄も旧車好きで、なんとマニ割好き。

この百合ちゃんのお兄さんは車を作るときはマニ割優先で出力よりも優先している。

それに百合ちゃんの家の会社の車と建設機械のメンテもうちの仕事になっている。

もう一つの仕事として雅子の元職場のスーパーのリース車両のメンテを引き受けた。

雅子が辞めた後はリース車を各店舗で管理してメンテする方式にしたが、車検切れさせたので、元通り本社で一括管理にしてそのメンテナンスをうちで引き受けた。

その仕事もあって人員も増強したがそれを上回る仕事量で嬉しい悲鳴を上げている。


「雅子、土地はどうするんだよ?広くいるだろ?」


「ああ、大丈夫。放置山林を見つけて買えるから。競売物件でいいところ見つけてあるの。百合リンの会社の仕事だとオフロードを走れるように養成しておかないとスタックして救援が大変なのよ。百合リンはいつもこぼしてるよ。あたしよりヘタってどういうことって」


「そうだな、職人的な腕を持つドライバー減ったように思えるなあ」


「でしょ。それはあたしも昨日の作業見てて思ったよ。それならってことで養成するコース作るの。ダートラとか、ラリーのSSもできならいいけどそこはコストとの兼ね合いで」


「やるなあ。そうか。ダートじゃねえ」


「いいでしょ。それにコースの整備はブルドーザーとかショベルカーの練習にもいいでしょ。それに泥んこコースも作って発進とかの練習用。笠木さんのコースって考えてあったもんね」


「なるほどね。そっちも練習するのか?。あのコースいいよ」


「もちろんよ。洗車場も整備して落としたどろは再利用するの。あのコースのモーグルと登りの部分を再現出来たらなあ」


「そこまで考えてるのか。僕の考えの斜め上行ってるよ」


「お兄ちゃんにはコース設計で相談するからね」


「はいはい。ホイールローダーの修理しないとな」


「うん、解体屋さんに同じのが出てるって。百合リンの会社って古いのを整備してるから解体屋探した方が早いんだもんね」


「そうか、見つかってよかったよ」


僕らはその日のうちに解体屋からミッションを買ってきてATFを交換、オイルパンについたスラッジも全部落としてバルブ内に入っていた古いATFも全部交換して取り付け2日で仕事に復帰させていた。

ホイールローダーの修理が完了した次の日、百合ちゃん家のダンプカー(CW55XHUD)の車検をやっていた。


「お兄ちゃん、百合リンには後でホイールローダーのミッション新品かリビルトに交換するように言っておくね」


「うん。解体屋からの中古部品だから耐久性の保証はできないからね」


「外したミッションはリビルトに回してもだめなんでしょ」


「相当量の部品の交換が必要みたいで難しいって。コアとして引き取ってもらったけどね。そのミッションリビルトは大変だって」


「やっぱりねえ。泥吸ってたもんね」


「うん、そうだね」


「次は移動販売車の補充車を探すの頼むね。2トンロングだって。愛理沙から注文来ちゃった。笠木さんにも頼んでおいたけど」


「はいよ。これってここら辺だけだよね」


「うん、そう。古くても大丈夫」


「ああ、それなら、ニジュちゃんを買ったお店に有ったよ」


「え?そうなの?見てこよ」


「うん、悪いけど雅子と愛理沙ちゃんで行ってきて。こっちは丸松建設のダンプ達の車検で手一杯になってる。無理かかってるせいか壊れてるところが多くて」


「だよねえ。底攫い突貫でやってるもんね。百合リンも10日休みなしとか言ってるよ」


「車の傷みもそれを物語ってるよ。点検してても結構やばいよ」


「だよねえ」


「じゃあ、明日、愛理沙と行ってくるね。お兄ちゃんたまにはイチゴちゃんで」


「いいんじゃないか。たまには」


次の日、雅子が愛理沙ちゃんと2トン保冷車を見に行った。

残った僕らは3軸総輪駆動(P-HTW12K)の車検をやっていたのだ。


「これも相当くたびれているなあ」


「ああ、意外に酷使されてるよ。フレームに罅とかないか見ないとな。この手の車は上手くすると部品流用できるから良いけどね」


「うん。エンジンは結構無理かかっているなあ。オイルのへたりが早い」


「全開走行多いんだろうな。交換しよう。ターボつけた時開けてなかったよねえ」


「確かに開けてないなあ。」


3軸総輪駆動(P-HTW12K)の車検を終えて納車すると次はマキちゃん(U-LV270H)の車検だった。

夕方雅子が帰ってきて


「お兄ちゃん、いいの見つかったよ。これならいけそう」


「そうか。どっちだい?」


「U-FE437EVにした。乗りやすいっていって。しかもパワーあるからって。愛理沙も運転してこれが良いって」


「じゃあ、え?乗って来たの?」


「うん、仮ナンバー持って行ったから。それと愛理沙からお願いがあって、峠の走り方教えて欲しいって。お兄ちゃんいいかな?」


「わかったけど。教えられるのは僕らのホームコースのところだよ。遠くないか?」


「うん。そこでいいんだよ。じゃあ。愛理沙にいいよって言っておくね」


「うん。車はなに?」


「GXE10だって。6MT」


「へえ、わかったよ。じゃあ休みの前日かな?レア車だな。ストレート6か」


「うん、火曜日の夜いいですかって。そうなのよ。車を聞いてあたしも聞いてびっくりしちゃった」


「いいよ。じゃあ。って言うかさ、お子さんは?いいの?」


「ああ、愛理沙のお母さんに頼んだって。お泊まりになるよって言ってあるみたい。前回のところで抜けなかったでしょ。よっぽど悔しかったみたいね。愛理沙って妊娠してて峠走って無いの。サーキットだけなんで抜くには峠のバトルのテクがいるって思ったんだって。TSカーのあたしの走り見てて」


「わかったよ。それじゃあ。火曜の夜だな。お泊まりはアジトの客間で」


「そうね。シーツ交換してあるから大丈夫ね」


「よし、それで行こう」


そう言って仕事に励んでいた。

火曜の夜、僕と雅子と愛理沙ちゃんはホームコースのスタート地点にいた。

教えるので車の特性に慣れるためにしたからスタート地点までは僕が運転してきた。

雅子には小型用のレッカーでついてきてもらっていた、


「雅子、待機しててくれ。何かあったら呼ぶからその時はレッカーで迎えに来てよ」


「うん、いいよ」


雅子をスタート地点に残して僕がまずハンドルを握ってホームコースを走る。

久しぶりなのでゆっくりと下っていく


「愛理沙ちゃん、多分一発じゃあ覚えられないから、失敗するとダメージの大きい高速のところをシッカリ思えてね。この車で僕が走ってみてどのくらいで曲がれるか見てからね」


「はい、お願いします」


僕が最初にハンドルを握って走る。

久しぶりのホームコース思い出しながら走っていく


「ここから普段はバトルスタート。いいかな行くよ。怖くなったら、いうんだよ」


「はい」


スタート地点から全開で走っていく。初めて乗る車なので横Gは普段の70%以下に抑えて走る


「よし、ここはこのくらいかな?ブレーキはこのくらいだな」


事前に愛理沙ちゃんに仕様を聞いておいたので大凡のパフォーマンスは予想つけていたし、ここに来るまで、運転してきて予想とのずれを補正していた。


「え?ここでもこんな速度で?」


「まあ、70%位で行くから」


「これで70%ですか?」


「うん、ここは2速で行くんだよ、立ち上がりはレブリミットまで回してね」


次は3速で行けるので減速してグリップ走法で入って行く


「ええ?この車ここまで曲がるのお?」


「行けるよ」


ガンガン攻めていく、と言っても70%くらいに抑えて下っていく。

思えば雅子が免許取りたての頃に横に乗せて走って教えていた。

それを思い出しながら、愛理沙ちゃんに曲がり方を教えて行く

いつもの大Rに来た


「ここは無理しちゃだめだよ。おりゃあ」


「ええええ?ノーブレーキで?」


僕は久しぶりだったが一瞬のタックインで向きを変えるとノーブレーキで入ってずっとドリフトのまま抜けて行く

平日の夜にも関わらずギャラリーが居て歓声が上がっていた。


「えええええ?こんなことできるの?すごい。すっごい車線内でずっとドリフト」


大Rを抜けたら後は細かいコーナーを抜けて行く


「後は細かいところだけだからこんな感じで、バトルラインはブロックする、でも抜くにはブロックしながら走る」


そう言ってゴールまで行くと


「じゃあ、運転してね。ゆっくり登っていこう。隣で案内するから。70%くらいで」


「はい」


愛理沙ちゃんとドライバーチェンジして登っていく。


「知ってると思うけど、油断しちゃいけないのは登りは前の荷重が抜けるから、ドアンダーになって曲がれないってこと起きるからね」


「はい。気をつけます」


そう言って走っていく愛理沙ちゃん初めてのコースを登っていく。


「一旦、ブレーキ踏んでバネが伸び切る前に切って」


「はい」


愛理沙ちゃんのドライビングは抉るところが残っていて荒いところがあるが僕が教えて行くと少しずつ抉るところが減っていく


「大Rだ。切って。グリップ感じて。後が巻き込んで来たら少しずつ戻して。そのまま踏んで」


さすがにドリフトで競技に出ているだけあってスピンを全く恐れない。

これなら伸びると思って既に80%の走りになっていることを知らせずに登らせていく。


「3速落とす。ブレーキ、2速。アクセルめいっぱい」


「対向車なし、右めいっぱい。使って」


「ええええ?」


僕のアドバイスに驚きつつもその通りにしていく


「もうすぐゴールだ。じゃあ、次はダウンヒルかな?」


そう言ってターンする場所に入ると


「お兄ちゃん。ここに来てる別のチームの人がバトルだって」


「隆弘いねーな。わかったよ。いいよ。僕が行く。愛理沙ちゃん。これいいかな?車がこれしかないんだよ」


「はい、いいですけど。お願いです。隣に乗せてもらってバトルの実戦を見たいんです」


「いいよ。怖いかもしれないけどいい?」


「はい、大丈夫です」


僕は、相手に


「僕がここをホームにしてるチームサブだ。今日はリーダーが来てないから僕が代表だ」


「じゃあ、ここでのトップだな。そっちはNAだな、うちもNAで行くぞ」


「おう。それはいいな」


「圭司、いいか。お前に任す。軽いロドスタに」


「おう」


「ここは?」


「後追いちぎり方式だ。最初の右コーナー回ったら全開だ。コイントスだ」


「よしわかった。じゃあコイントスで決めるんだな」


「おう。良いか。表が出たら僕らが後追い。ちぎる条件は10秒だ」


「いいぞ」


僕は財布から100円を出して表裏を確認してトス

チャリーンと音がして転がったコインを見る。

表が出て、僕らが後追いだった。


「愛理沙ちゃん。乗って」


「はい、お願いします」


「雅子。スタート頼む」


「はいよ」


雅子が手をあげた

ブオンブオンとアクセルをあおる音


「行くよ」


雅子の手が下がる

キュキュキュキュッと軽いホイールスピンの音


「全開」


愛理沙ちゃんが身構える

久しぶりのホームコースでのバトル

緊張が襲ってくる、久しぶりの感覚

相手の作戦がわからないので一本目は様子見で行く


「愛理沙ちゃん、一本目は様子見で行くから」


「はい」


「え?こんなに?」


隣でびっくりしている愛理沙ちゃん

僕は第1コーナーを立ち上がったところで、フルスロットルをくれる。

どうやら加速性能は同等のようだ

2速でクォーンと好調に回転をあげるエンジン、タコメーターが7000のレッドゾーンに近づく。

3速にたたき込んで更に全開、7000迄上がったところであっという間に第2コーナーだ。


「ここは軽いブレーキングで荷重移動、あとは3速のまま、外にあえてはらませていく」


僕はその通りに抜けていく、イチゴちゃんと比べると重さを感じる。

それよりもブレーキがどこまで持つかわからない。

作戦を考える


「次の第3コーナーのインについて2速に落とす。相手はインを閉めるよ」


「はい」


第3コーナー抜けるとまた2速でレッドゾーンを目指すタコメータ、3速にアップして踏んでいく。

サンゴちゃんやイチゴちゃんなら高回転の伸びで行けるところでもこのエンジンは7000がいいところだ。

これでもツインターボのクランクを組んで強化したので回せるらしいが空気が入らないのか?上が回らない。

しかし、相手も同じようでシフトのポイントは似たようなところだ


「次の4コーナーは捨てて5につなぐ。ここはコツがある。うまくすると相手は5コーナーでインにつけない」


「え?もしかして?」


僕は言うとおり早目のブレーキで2速に落として向きを変えると、うまく出口に車体の向きを合わせて2速全開で5コーナーまでフルダッシュ、パワーの頂点を極めレッドゾーンをかすめる、刹那3速にシフトアップ、前は攻めたラインなので外に孕む

向こうは立ち上がりで速すぎたのか?どうしてもインに寄り切れない。

それがここでは致命傷になった。

左コーナーでインにつけずに外に孕んでく


「よし、予想通りだ。スピード乗ってるからインに着ききれないな。愛理沙ちゃん捕まれ。抜くぞ」


「ええええ。ここで?」


「うん、対向車無し、イン目一杯だ」


僕は後半に備えてタイヤを労わりつつ走っていたが相手がインにつけないミス、それを突かない手はない開けたインに飛び込んで2速にダウン。

相手は手の打ちようがなく僕に抜かれて行く

2速のまま立ち上がると右のコーナーを対向車がいないのを確認するとめいっぱい使ってクリア。

2速で立ち上がって3速にシフトアップ、エンジンがふけ切る直前で6コーナーが来る。

6コーナーは高速からタイトでしかも絞りこまれるので、目いっぱいブレーキングする。

そこで2速に叩き込んで、早めにインにつき、次の7コーナーの真ん中付近から侵入するようにすると立ち上がりが楽だ

ふと、見るとろの奴はシャカリキになって追いかけてくる。

立ち上がりの速度差で少しずつ離れてくる

明らかに後ろの奴の走りに焦りがみえる。

このままでは負けになるのでどこかで抜き返そうと、少しでもブレーキングで詰めようと必死の様だ。

かなりレイトブレーキングだ。


「愛理沙ちゃん、ここは後ろがいないなら外に孕ませた方がいいんだが、今は締める。水だやべえ」


その通り僕は7コーナーは立ち上がりにも影響しないようにクリップを手前にとって、水の上では進路をまっすぐにして横Gをかけないで立ち上がる。

不意に後ろでライトの光が乱れる。

そっと見るとアウトギリギリにはらんで必死の立て直しだった。

どうやら、流水を見落としたらしく横Gかかかったままで水があるところには入ったみたいでフロントが流された。

相手はこのロスで更に5車身下がる。既に計7車身以上の差が開いている。

8コーナー、9コーナーはS字でここは道幅めいっぱいつかってストレートに抜けて10コーナー11コーナーにつなげる。

既に3速でタコメータは最高出力のリミットの7000に近い所を示している。

10コーナーではインに思い切り、側溝のふたを踏むくらいついて11コーナーの立ち上がりが楽になるように走る。


「ここはめいっぱいよると次がいいんだよ」


「はい」


僕は言う10コーナーで側溝の上のグレーチングにタイヤをはみ出してクリア、その次の11コーナーも同じくイン側にがっちり寄せてクリアしていく。

その後は少し長めのストレートのあと大Rだ。

GXE10の3速を使い切って4速全開だ。

ストレートに入って後ろを確認する。

遅れはあるが必死についてきているようだ


「ここは大R。雅子と僕しかノーブレーキで突っ込めるのはいない」


どうやら後ろはこっちがノーブレーキで全開で入るとは思ってないようだ。


「行くよ」


大Rにこのスピードで初めて運転する車で突っ込むなんてことはなかった。

とにかくスピードがのっているので普段よりも早目にインに着け、向きを変えるといつものように全開でドリフトのまま抜ける。

相手チームなのか?ギャラリーいてそこから歓声が上がる。

伝説の大Rでもある。

そこに雅子と同様に飛び込んでいく。

無事にクリアできて後はタイトコーナーの連続で10のコーナーを抜ければゴールだ

大Rを抜け5つ目のコーナーに入ったところで愛理沙ちゃんのスマートフォンが鳴った。

雅子だった


『お兄ちゃん、聞こえる?相手から大Rでスピンして、そのままバーストでリタイヤだって』


「先輩、ありがと。聞こえてます」


『お兄ちゃんはなんて?』


「雅子、ゴールまで行くよ。そしたら戻る」


『いいよ。じゃあこっちは救援に行ってくる』


僕はそのあとは舵角を少しでも小さくする走り方を愛理沙ちゃんに伝授しながら無事にゴールへ入った。

ターンしてゆっくり戻ると、大Rコーナーのギャラリーのところに4輪がバーストして動けなくなっている相手の車がいた。


「大丈夫か?もうすぐレッカーがくるから。」


そう言っているとグログログロとディーゼルエンジンの音が聞こえ、雅子がレッカーを運転して降りてきた。


「4輪か?タイヤはあるか?ないならレッカーするしかないかな。うちのがある」


「すまん。焦ったかな?」


「いや、ここにノーブレーキは入れるのはいまだに僕と雅子しかない。そのコーナーだよ」


「え?雅子さん?あの無敗のバトラーの?もしかして?」


「そうよ。あたしが雅子。今日のドライバーはお兄ちゃん。ほとんどバトルしてないから知らない人多いよね。実はあたしより上手なのよ」


レッカー車から降りてきてヘルメットをかぶっている雅子が答える


「はあ、そうですか。15でなかったんで気が付きませんで」


「やっぱり、あの佐野 雅子さんですか?道理で。隣の方は?」


「ああ、この()は小笠原 愛理沙。ドリフトレディスクラスの県チャンピオン」


「え?小笠原兄妹の妹さんの方ですよね。どうしてここに?」


「レースバトルの時に勝てないから峠のバトルの時の走り方を学びに来てたの」


「そうなんですか。これは相手が悪かった」


「雅子、レッカー頼むぜ。アジトに行けば取り急ぎ交換できるタイヤがあるよ」


「すみません、タイヤが4本とも行くとは」


「ここは速度高いからタイヤがいくよ。このコーナーは鬼門だから」


レッカーで持ち上げて峠の下までおろす準備する


「そこのリーダー、この圭司君をのっけてくれ車は明日にタイヤ交換して渡すから」


「すまんな。レッカーもあるとは。恩に切るぜ、いくらだ?」


「正規料金はぶっ高いけど。今日はたまたま僕らのために来てたんだ。タイヤ代だけだな。無事なら空で帰るだけだ」


「ほんとに何から何まで。ありがと。明日の何処かで車引き取りますよ。リーダー家までお願いします」


「わかった。明日の夕方かな?車を引き取り来るんだろ」


「はい、出勤は予備の軽で行きます」


「じゃあ、うちの工場に帰るぞ」


僕らはアームとドーリーで完全に浮かして運んでいく

アジトについておろす。

機材の片づけはついてきたみんなが手伝ってくれた。


「なんか、至れり尽くせりで助かった。4輪バーストとは思わなかった」


「気にするな。気をつけて帰ってくれ」


「ああ、後で明日何時ごろになるか言うよ」


「おう、明日は佐野自動車はお休みだから前もって言ってくれ」


「はい、どうもありがとうございました」


そういってそいつらは去っていった。

ドライバーはリーダーの車のパッセンジャーシートに乗って帰って行った。


「先輩、本気のバトルの隣に乗るなんてこんな体験できませんよ。」


「愛理沙、どこが悪いかわかったの?」


「はい、先輩も悟瑠さんもスムーズです。あたしは荒かったんですよ。向きが変わらないとかそう言うところはブレーキとかアクセルで無理やり変えてたんで。練習します。全部覚えてます。」


「そうね、舵角小さくする練習するのはいいことよ。さすが愛理沙ね。昔から記憶力は良かったもんね」


その日はそのままアジトで車を車庫に片付けると寝ていた。

次の日、朝一番に電話がかかってきて


「夕方6時過ぎに行きます。タイヤ代はいくらですか?」


「コミコミで4万だな」


「えええ?そんなに安いんですか?」


「ハイグリップじゃないから普段履き用だけど」


「それでいいです。グリップ落として練習です。タイヤのグリップで走っていたのがわかったので」


「待ってるよ」


電話を切ると、雅子と愛理沙ちゃんがリビングに来た。


「お兄ちゃん、衰えてないわね。ドリフト出ても優勝するんじゃない?TSでも速かったし」


「いいんだよ。僕はいじる方が好きだから。セッティングドライバーで」


「はあああ、悟瑠さん。素敵過ぎです。先輩と悟瑠さんがうまいのは努力してたんですね。あたしももっと勉強します。悟瑠さん。素敵」


「ええええ?愛理沙。まさかあんたねえ」


うっとりした目で僕を見る愛理沙ちゃんだった。

仕事といいつつもオフロードに沼る雅子

それにつき合わせれるのはやはり悟瑠


いつも読んで頂き、どうもありがとうございます。

今回はここで更新します。

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