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走り屋の妹(全年齢版)  作者: 浅野 武一
25/81

第二十五話 雅子のTSカーシェイクダウンとドリ競技会

仕上がったTSカーのシェイクダウンする雅子

合間でドリ大会にも参加するパワフルな雅子

悟瑠は雅子の大会、百合ちゃんちのにバスのパワーアップに忙しくて

「あの課長と社長やるわね。道の駅でキッチンカーって」


「俺もそう思うよ。キッチンカーの注文もきてるんだろ。雅子、悟瑠、このP-RU636BBを松尾のところに納車よろしく、忘れてたけど早速今週丸松建設からバスがメンテで入ってくる。 P-RA52Mの○士重R15型BとP-RU192AAの2台。納車のついでに引き取りよろしく。それからボンネット6×4(K-TW53LD)ダンプとボンネット6×6(P-HTW12K)ダンプも来週には来るからな。どっちも最終型だ。しばらく動かしてないらしくて車検切れてるからレッカーで持ってきてくれ。さび落としも頼まれたから。ボディ腐ってたら張り替えも。大がかりな作業と言っていたな。」


「ええええ?ねえ。パパ、ここって修理工場でレストア屋さんじゃないんだけど」


「仕方あるまい。仕事頼まれちゃ。社員が増えるから悟瑠、教育よろしくな。雅子、2台引き取りよろしく」


「「はああああああ」」


大きなため息が出た僕と雅子だった。


「雅子、納車に行って車引き取るから一緒に来てくれ」


親父から話を聞くとバスを引き取るべく雅子に声を掛けていた。


「いいよ。お兄ちゃん。ねえ。隆文。来週は古いトラックの錆取りするからね。定期点検やメンテは他の人やバイト君に振っておくから」


「はいよ。雅子、他には建機のメンテもやるんだろ」


「そうみたいね。どんな建設機械が来るかな?」


「親父、建設機械ってクレーンもか?パワーショベルもくるのか?」


「クレーンもブルドーザーとかもだ、建設会社で船底持ってるから建機は船底に積んでトラクターで引っ張って来れば大丈夫」


「わかったよ。大型クレーンまでやるのかか。入るかな?」


「入るように作ってあるよ。ここを拡張するときに既にメンテの仕事頼まれていて、拡張する費用折半で作ったようなもんだ。クレーン車も大丈夫だぞ」


「はあああ。わかったよ。それならやれるんだな」


「雅子、悟瑠。まずはバスの整備を頼むぜ。クレーンは来月車検で来るよ」


「はいよ。雅子行こうか。連絡して2台引き取るって言っておけばいい」


「百合リンに言っておくよ」


雅子が百合ちゃんに電話している間に僕は納車するバスに雅子を乗せて納車先に向かった。

帰りに2台のバスを乗って来る為でもある。

雅子の案内で向かった先は普通のマンションでチラ見ではバスが置けるとは思えない。

駐車場がわからないのでマンションの玄関前で左に寄せてハザードを焚いて停めた


「お兄ちゃん、まってね。百合リンに聞いてみる。ここでいいはず。百合リン。雅子だけど。武蔵くん(P-RU636BB)来たよ。駐車場分からなくて」


『雅子?ごめん。降りて行く。駐車場の入り口って違う場所にあるから、案内するよ』


5分もしないうちに百合ちゃんが普段着で降りてきた。

プシュウウウとエアの抜ける音をさせてドアを開けた。


「雅子、案内するから」


バスに乗り込んで雅子のすぐ後ろの席に座った。

百合ちゃんが来るので運転は雅子に変わっていた


「雅子、次の交差点を左に曲がって」


「はいよ」


雅子が答えると同時に後ろを確認してウインカーを上げた。

一旦停止して安全確認、確認出来たら左折を開始。

曲がり終わったところで


「ちょっとわかりにくいけど。すぐ先におうちに挟まれた大型車も入れる位の道があるから入って。目印無くて分かりづらいの」


「え?ここ?」


住宅に挟まれた路地だった。

これは初見なら迷ってしまうだろう


「うん。ここ。ここがマンションの駐車場に行く道なんだ」


雅子が驚くのも当たり前だろう。

大型車同士すれ違いが難しいくらいの幅しか無い道だ。

ゆっくりと入って行くと30メートルもいかないうちに正面に百合ちゃんのマンションの駐車場が見えてきた。

そこは周りの家に囲まれている駐車場だ。

正面の門をくぐったところが駐車場になっていた。

門が閉まっていた。


「待ってね。今門を開けるから」


プッシュウウウとドアを開けると百合ちゃんが降りて行ってセンサーにカードをかざすとゴワンゴワンと電動で門が開く


「奥のマキちゃん(U-LV270H)の隣に停めてね。そこが武蔵くん(P-RU636BB)の場所。持っていって欲しいのはあの2台で整備終わったら会社に戻してほしいの。今日は武蔵くん(P-RU636BB)の納車があるから2台ここに持ってきてもらったの」


「よし、雅子。どっちのっていく?」


「どっちでもいいよ。両方ともロッドシフトだもんね」


「まあね。そっか、百合ちゃんちのバスって全部ロッドなんだね」


「そうね。ロッドの方がギヤの状態がわかるからいいんだ。ギヤをいたわってシフトチェンジ出来るでしょ。ガリガリ言わないようにするんたよ」


「さすが百合リンいい心がけね。そうね。あたしが乗ってたエッちゃんも丁寧にのってから安心したもんね」


「そうだね。もしかして百合ちゃんの親御さんも?丁寧に乗ってるの?」


「うん、そう。なんかね。両親の丁寧なシフトワークみてたからかな?自分で運転するようになったときに丁寧にしないとガリっていう感じがするってわかったの。それからガリって言わないようにさせたらいいのかな?って思ったの」


「そうだね。良いことだよ」


「百合リン。この2台のバス引き取るね。整備終わったら来週はトラックを運べばいいのね」


「うん、ボンネット6×6(P-HTW12K)ダンプは船底に積んでおくからトラクターできて。ボンネット6×4(K-TW53LD)ダンプは仮ナンバーかな?」


「いいよ、レッカーで来るから」


「わかった。整備完了したら本社に来てね。そこなら車渡すの簡単だから」


「了解。じゃあお兄ちゃんいこう」


「おう」


僕と雅子は2台のバスを整備工場に運んでいた。

雅子は P-RA52Mを乗って、僕はP-RU192AAに乗って帰って来た。

どっちもメンテが行き届いていてしかも丁寧に運転されてきたのか?ミッションの入りがいい。

走行距離こそどちらも100万キロ近くいっているがいい個体のようだ。

工場に納めると事務所で雅子と喋る


「お兄ちゃん、百合リンのバスは2台ともいい個体ね」


「そうだね。先ずはオイル交換とタイヤのチェックかな?」


「え?ちょっと待ってよ。 P-RA52Mにターボつけてほしいって。運転してて見落としたけど百合リンからライン来てた」


「わかったよ。ターボはエンジンルームにスペースあるから何とかできそうだよ」


「それなら、え?P-RU192AAもパワーアップ出来ないか?お兄ちゃんできるかな?」


「どのくらいのパワー欲しいかによるな。P-RU192AAはU-のミッションにすればいいよ」


「そうか。P-RA52Mは?」


「これもRA552の6速入れちゃえ。それなら持つよ」


「なんだ。それなら百合リンにできるって言っておく」


「目標はP-RA52Mが450psの155キロでP-RU192AAが250psの70キロかな?」


「それならP-RU192AAは百合リンのマキちゃん(U-LV270H)よりもかなり出力小さいけどいいのかな?」


「うーん、中型バス用のミッションが持たないよ。百合ちゃんの運転ならいいけど」


「それならいいや、百合リンに言っておくね」


「うん、雅子、急いで部品集めよろしくな」


「はいよ。エギマニとタービンとラジエターとインクラね」


「うん、P-RU192AA用のも、タービン大きくするからちょっと低速減るかな?」


「インクラ大型にするんでしょ」


「もちろん、ブーストは目一杯上げてとにかく黒煙は減らすから。ポンプはインタークーラーターボの使うよ」


「そこはさすがね」


僕らは百合ちゃんの家で所有するバスの整備とP-RA52Mのターボ化の準備していた。

もう一台のP-RU192AAはタービンと冷却系をいじってインタークーラー追加してパワーアップする算段していたのだ。

一週間仕事して休みの日の前日、雅子と僕はアジトでTSカーとドリ車を積載に積んで、部品や燃料をサポートカーの一台エムエム君(U-MM618J)に積み込んでミニサーキットに行く準備していた。


「雅子、明日の朝も早いぞ。五時出発だ。」


「うん、大丈夫。TSカーのシェイクダウン行こうね。ふへへへへー楽しみ」


「明日は隆文も来るとか言ってたぞ、ドリ車はどうする?」


「隆文が欲しいって言ってたけど乗ってから決めるって。それなんで持っていくよ」


「そうか、それならいいかも」


「あたしはTSカーの方が優先だから。隆文が要らないならもう一回大会に出るのもいいよ」


「まあな、今のセッティングなら隆文の運転じゃあ曲がんないだろう」


「そうね、荷重移動できないとドリフトアウトね」


「隆弘が自分の運転スタイル変えればいいけどね」


「そうだよね」


僕らはその夜は朝が早いのがわかっているのですぐさま寝ていた。

次の日、チームのメンバーと積載トレーラーにTSカーとドリ車、エムエム君(U-MM618J)に部品を積み込んでミニサーキットに乗り込んでいた。

隆文のドリ車の確認でもある。


「えっと、メインスイッチをオンにしてイグニションをオンにしてスターターおす」


くううっ、ぶるぶるぶるるるるっ、ぼぼぼーん、ぶおーん

雅子が操作するとTSカーのエンジンが目を覚ました。


「お兄ちゃん、暖機終わったら軽く走ってくる」


「うん、3週走ったら戻ってきて。足回りの点検しよう。後は車体関係も」


「OK!」


「ハンドリングは見てないからセッティング出しもあるからね」


「うん、そうね」


「じゃ、気を付けて」


「はいよ」


雅子がピットを走りぬけてコースインする。

ヒューランドパターンのシフトにはなじみが少ないとはいえ、大型バスで見ているのである意味慣れてはいる。

ブバババん、ブバババと1速、2速とシフトアップしていく

ぐおおおんとトーヒールで3速から2速に落としてコーナーを回って行く雅子

シェイクダウンなので50%くらいの走行のようだ。

無線で雅子に聞く


「雅子、エンジン足回りはどうだ?問題ないと思うけど」


『うん、大丈夫。エンジンのふけが軽いよ。慣らしは済ませたんだよね』


「おう、7500迄。今日は9000までで10000迄は次回だな」


『うわー、すっごい7500なんてすぐじゃん。足回りは思ったよりもドアンダーよ。これじゃ踏めないよ』


「それは良かった。足回りは直すか」


雅子が3週すると戻って来た


「お兄ちゃん、もっと後ろのロール剛性上げないとドアンダーだよ」


「OK、後ろのスタビ上げないとダメか」


「そうね。ばねを上げちゃ内輪の荷重が抜けるからトラクションかかりにくくなっちゃう」


「そうだな。LSDしか使えないからな」


「トラクションが抜けないようにしてアンダー減らしたいの。それに内輪浮いたらまたアンダーになるからね」


「そうだな。後ろの内輪を浮かないようにしてか。わかった」


僕は車を持ち上げ下にリジッドラックをかませて後ろのスタビを交換していた。

2ランクほど太いものに変えてついでに足回りの点検も済ませた。

車をおろしてシートやロールバーのゆるみを確認していた


「雅子、これでいいか乗ってきて」


「OK」


そう言ってまたブオンブオンとアクセルをあおってぶおおおおっとピットロードを走りだしてコースインした妹の佐野(さの) 雅子(まさこ)

免許を取ってしばらくは峠のバトラーだったが、その後はドリフト競技に嵌って2回も優勝してしまった、今回はTSカーに乗ってみたいと言って車を探してきてTSカップに出るべく休日すべて使って僕と一緒に車を製作してシェイクダウンしている23歳。

普段は大型9メートルカテゴリーのニジュちゃんと呼んでいるバスの改造車の貨物車、U-RP210GAN改275ps仕様、またはエムエム君と呼んでいるこれまた元バスの○アロスターMMのMM618〇改の300ps仕様の貨物車、時には僕のコレクションから乗ってみたいバスを選んでは自分で運転して僕らが住んでいるアジトと言われている元祖父母の家から勤め先の大きな市内にある実家が経営している中古車屋兼整備工場で経理担当の副社長になっている。

普段は車両の仕入れ、売却、メンテナンス部品手配や整備した車の納車が主な仕事だが整備も好きで整備士の資格を取っているので、時には整備工場に来てお客さんの車をいじることもある。

僕らが住んでいるアジトとチームの仲間たちから呼ばれているところでもお客さんの車を積載に乗せて来てメンテすることもある。

妹の雅子は地元の商業高校を断トツの1番の成績で卒業して、商業簿記2級、電卓検定初段、キーボード早打ち選手権全国準優勝、エクセル1級、アクセス1級、ビジュアルベーシック1級と事務系なら引っ張りだこになるくらいの技能をもっていた。

その雅子は高校卒業後すぐ入社して4年チョイ務めて異例の速さで係長に出世して、同期からは初の高卒30代女性役員誕生かとうわさされたスーパーをいろんな車に乗る仕事したいと言ってあっさり退職して家業についてしまった。

なぜなら雅子はスーパーでは出世することに全く興味なく高卒ながら大卒でも7年はかかるはずの係長に5年目でなって大方の大卒5年目よりも多くの給料をもらっていた。

しかし、もともと車を運転するのが大好きでいろんな車に乗れる仕事がしたくて家業の中古車販売店、兼整備工場に転職した。

家業に従事してからは危険物、大型2種免許を取ってしかも整備士の二級免許、牽引免許も取ってしまったほどの車好きだ。

ちなみにスーパーでの実績は入社3年目で、各店舗から集まる情報処理集計システムを自分で組んでしまった。

いいところは妹が作ったソフトのほうが勤めていた会社の事情に合っていたのと、パソコンになら大体標準で入っている○クセルを使うので、他に導入費とメンテナンス費用が浮いた。

その成果が認められ、高卒の3年目の途中に主任に昇格して、部下を持ってその指導もするようになった。

4年目の7月からは主任として入ってきた自分より年上の大卒を部下にもってチームを組んで仕事しているのだから驚く。

スーパーにいた頃の所属は経理部だが、4年目の4月から全社の業務効率化チームのサブリーダーに抜擢されて仲間と一緒に効率化、自動化を進めていた。

そのチームで売り上げ仕入れ管理システムのプログラムを雅子達が自力で組んでしまってさらに業務効率が上がったのだった。

当時は雅子の直ぐ上の係長がリーダーをやっていたが、効率化の褒美で5年目には係長が課長に雅子が係長に昇格したのだった。

5年目からは係長になった雅子がリーダーでさらなる効率化と拡販につなげていた。

雅子はプログラム組むのが好きなこともあって自分のドリ車のエンジンの制御コンピューターも自分でプログラム組んでしまった。

それなので僕はエンジンを載せ替えたトラックのBCMのフルコンのセッティングをお願いしたらきちんと仕上げてくれた。

最新の点検機器も扱えるので整備の面でも助かる

他には実家の規模に合わせたいろんな経理システムを組んでいて、両親も大助かりといっている。

特にしっかりと財務状況がわかるようなソフトを作って管理しているので今までは確定申告のときにバタバタだった準備作業が雅子の組んだソフトのお陰ですべてデータとして蓄積されていて簡単にネット上で申告できるようになっている。

例年夜なべして伝票整理、資料記入していたが、全くすることがないのだった。

部品の発注も整備の受注もネット上でできるようにしてあるので電話での対応も減っていてその分営業に時間がさけると母親は喜んでいるし、父親もネットで事前に不具合の状況を画像等でもらっているので修理箇所の予測がつけやすくなって仕事が早く進むと喜んでいる。

走りの面では妹は峠を走り始めて既に6年目になっていて、僕の古くからの友人で整備工場の副工場長をやっている隆弘がリーダーを務めるチームで僕と共にサブリーダーになっている。

ホームグラウンドでは断トツトップの速さで時には新たにチームに加入してきた後輩たちの運転指導もするようになっていた。

雅子が得意なのはダウンヒルで、大Rコーナーにノーブレーキで入ってアクセル全開のままドリフトさせっぱなしで抜けられるのは、チームの中ではいまだに僕と雅子しかいない。

それにサーキットを走らせたタイムもダウンヒルのタイムもチームの中では一番だ。

ドリ車を作って競技に参加するほどに嵌っていた。

この前はなんと出場4回目で2回の優勝してしまったほどの出来だった。

しかも2回ともドリフトとレース両方でトップという完全優勝だったのだ。

帰りのローダーの中ではもらったトロフィーを持って嬉しそうに笑っていたのだが、やっぱり表彰台に乗る時は真ん中がいいといっていたくらいの負けず嫌いだ。

このドリ車はうちの中古車屋でスポンサーしていて中古車屋兼整備工場のPRの一環としてやっていた。

今度はTSカーでレースしたいと言っているのでこれもPRのためにスポンサーする。

その雅子の普段の運転はとてもスムーズで隣に乗るとついつい寝てしまうくらいだ。

普段は車を労って走らせているのがよく分かる。

かつては大型バスを使ったスムーズドライブ競争でも勝ってしまうほどのスムーズさなのだ。

僕:佐野 悟瑠(さとる)は妹より4学年上の3月生まれの26歳。

地元の大学を卒業して家業の中古車屋に就職して5年目、大学の頃は自動車部でラリーやジムカーナをやっていた。

今は家業の自動車工場で中古車の納車前整備や車検、修理、一般整備もしていて、時には中古車の買い取り査定もする。

大学のころから家業の手伝い=バイトしていてMIG溶接機、レーザー溶接機、フレーム修正機はバッチり使えるようになったし、板金も大分できるようになった。

また、○ントリペアも勉強して資格もとった。

それに、カラスリペアと危険物の免許も取って玉掛けも資格を取っているので入社4年目の4月から整備工場の工場長兼副社長をしている。

大型免許は大学在学中にとってさらに就職してから直ぐにけん引免許もとっているので、オークションに買い付けに行く時には自分でキャリアトレーラーを運転していくこともある。

キャリアトレーラーも中古車で買ったものでもある。

2級整備士の資格も取ってあるので運行の管理士になれるのもありバスも持ちたい放題だ。

それを良いことに中古だが、観光バス4台と大型路線バス5台もってしまった。

妹の雅子がメインで使っているバス含めて全部ターボにしてパワーアップと同時に黒煙対策している。

特に唯一のKL-規制対応のゴーゴーくん(RA552RBM改)はDPDが付いているのでエンジン本体での黒煙を減らしておきたかったのだ。

家業の整備工場は大型車の整備もする関係で場所がいるので乗用車等の軽整備は元々隆弘の親が経営していたエンジン整備工場に機器を移していてそっちでやるか、アジトとチーム員から呼ばれている僕と雅子が住んでいるもと祖父が経営していた製材工場跡のガレージでやることになったのだ。

アジトと呼ばれているここには車両をいじる設備として、すべて中古ではあるが、ボードオンリフトが2機、エアーコンプレッサー、スポット溶接機、MIG溶接機、プロパン+酸素バーナー、レーザー溶接機、板金道具、定盤、2000トン油圧プレス、油圧けん引機、ベンダー、ボール盤、旋盤、フライス盤、ワゴンしき工具箱、タイヤチェンジャー、バランサーまでそろっているので、メンテどころか改造迄できてしまう。

事実、ドリ車とTSカーはここでどんガラの状態から作り上げたのだ。

もっとも、スポット溶接機、レーザー溶接機、タイヤチェンジャー以外は祖父が現役の頃林業で道具や木材運搬車等が壊れると、そこで修理していたのでそれを受け継いだのだ。

2000トン油圧プレスは材木が反ってしまったときの修正用兼圧縮用でかなり大きいのだ。

油圧牽引機は木材で変形した運搬用トレーラーを直すためのものでその能力は200トンと聞いた。

この場所の敷地は搬送のために大型車が20台くらい悠々と停められる広さがあり、父親がこの場所を借りて中古車版売店を始めた場所でもある。

僕らの両親はどちらも車好きでそれが高じて中古車屋兼整備工場を経営している。

父親はこのところ僕の趣味に感化されたのか中古のバスを3台も買ってきて全部をマニ割仕様して、それに乗ってどこどこ音をさせて営業に行ってしまっている。

それにレッカー車も買ってきて若いころやっていたマニ割り+左右の煙突デュアルマフラーにしろと言うほどのマニ割マニアっぷりを発揮してしまった。

エギマニは自分でマニ割仕様をステンレスパイプを手曲げで作ってしまうほどの腕を持っていた。

若いころは大型車が主な整備工場に勤めていてマニ割を相当数作ってはお客さんに収めていた、マニ割車を100台近く作ったというマニ割マエストロでもある

その業界ではちょっと名の知れた存在だ。

そんな父親なので、整備工場では僕が工場長になったのを良いことに本格的に大型車も整備するようになった。

母親が独身の頃はドリフト競技に出ていたという位の運転好きだ。

競技に出ていたころ、ドリ車の整備と改造を当時整備工場に務めていた父親に依頼したのが馴れ初めで結婚したのだ。

乗用車の整備工場では見てくれなかったが、大型車の工場なのにうちの父親が仕事を引き受けていたのだ

この両親を見れば僕と雅子が車大好き、運転大好きになってしまうのは当然だろう。


「雅子、どうだ?8000迄いいからな。さっきオイル交換もしたよ」


『OK、お兄ちゃんこれいいよ。ガンガン踏んでいける。8000ね。6割くらいでいくよ』


「OK」


雅子との通信を終えると隆弘に話しかける


「隆文はどうだ?」


「うん、なんか走行風が上手く当たらないよ。オイルクーラーが冷えない」


「クーラーをもっと前に出すのがいいんじゃ?」


「そうなんだけど。バンパーが邪魔するんだよ。切ればいいか」


「そうだな。切ってやればいい」


「俺が見る限りじゃ抉って走る癖がまだ抜けない。抉るなら今の車の方がいいな」


「それは仕方ない。隆文にはこの車の方が合うのかもよ」


「仕方ないね。抉って走る癖が抜けないと雅子には勝てないなー。雅子はTSをメインやるんだよね」


「そうだよ。でもな雅子は合間にドリに出るとか言ってるぞ。隆文には高い壁だな」


「乗り越えれればいいけどな」


そう言ってると雅子が戻ってきた

車から降りてメットを脱ぐと


「お兄ちゃん、車チェックして。エンジンもいい調子。慣れたいから」


「OK」


「隆弘さん。隆文はドリ車どうすんの?」


「今の車でやるって、ドリ車のすかく○は雅子が使えるよ」


「それなら次はエントリーしよ。そこは惜しいところでトップ取れなかったからそこで勝てれば最高ね」


その日の雅子はTSカーのシェイクダウンとドリ車のセッティングが出来て満足げだった。

次の土日はお店休んでドリ車の大会に行った

雅子と隆文は同じクラスにエントリーしていた。

積載トレーラーに2台積んで今日のサポートカーはニイナちゃん(UA521NAN改)フーセンちゃん(KC-HU3KMCA)だ。

車をおろして2台のドリ車のエンジンをかける


「雅子、調子はどうだ?」


「絶好調よ。ここもペア走行なのね。午後は上位者のレースね」


「雅子、ドリの競技はAI判定だって。これなら良いかもね」


「そうね。全く感情入らないんでしょ」


隣では隆文が隆弘としゃべっていた。


「兄貴、午後はレース出るから、ドリ車のセッティングたのむ。」


「お前の言う通りやるよ」


「じゃあ、午前の部に行ってくる」


トップバッターは隆文と前回雅子とドリをやって惨敗したアルテッツ○だった。

ぷーっとラッパが鳴ってブオンブオンキャリキャリキャリ絶妙なホイールスピンで立ち上がる隆弘のフー○、600psのパワーを持ってガンガン行く

第一コーナーでは完全に頭を押さえて横向けていく。

アウトから隙を突こうとアルテッツ○がいく

それを見抜いていた隆文はスピンかと思うほど横に向けたままアルテッツ○をブロックして次のヘアピンを目指す


「隆文腕を上げたな」


「まあ、峠の頃から先行で逃げ切りやっていたからな。ブロックはお手のものだ」


「一周抑えきって次に抜いたらいいけどな」


「乗ってるからやるかもな」


そう言ってると隆文と後ろのアルテッツ○は途中ドリフト止まってしまうこともあったがガンガン振って戻って来た。


「隆文、お疲れさん」


「雅子、出番だな」


「行ってくるね」


雅子の相手はBMWで北の優勝者だ

コイントスで後ろを引いた雅子はピッピッとスタート前の合図の間なんとラインロックを使っていた。

ぷーっとラッパがなった刹那雅子のすかく○が猛ダッシュ。

あろうことか先行車をアウトから軽々躱して第一コーナーにこれもスピンかと思うくらいのドリフトアングルと後輪からもうもうと上がる白煙とともに飛び込む。

600psというBMWも負けじと追ったが雅子のドリフトは速くしかもS字ではコースの真ん中で左右に振るもんだから後続は脇にも並べない

バックストレッチでも5回の直ドリを決めて戻って来た。


「雅子、やるなあ」


「ふへへへへー。隆文。午後楽しみね」


「おう、やったるぜ」


次の回、隆文は後攻で雅子と同じようにアウトから攻めてわずかに前に出たのが認められた

ゴールでは抜くまでには至らなかったが、加算されたようだ。

次の雅子はぷーっとラッパが鳴った瞬間ぎゃぎゃぎゃっと見事なスタートダッシュを決めスタートで2車身後続を引き離すとほれぼれするようなドリフトアングルを維持したまま駆け抜けていく


「うおおおおお」


ギャラーリーからの声援


「いけえええ」


その声に後押しされるように雅子の走りはさえわたっていた

最終コーナーをずっとドリフトしたままで抜けてきた。

走り終わってピットに戻って来た雅子に声をかける


「お疲れ」


「へへへ、どうかな?」


「AIがどういうかだけどな」


「まあね。さて午後のレースに備えてセッティングしようね。ここは狭いけど一番抜けるのってストレートなんだよね」


「だな。立ち上がり重視の設定にするか」


「そうね。Fよりは曲がる設定ね。勝つにはインフィードも速くしたい」


「ミッションのギヤ比もいじりたいけど時間が無いからな」


「うん、ファイナルを下げたからそれがどう出るかかな?ドリにはバッチリ」


「そうだね」


そう言って雅子の車のセッティングしていた。

隆文も隆弘と相談しながら決めていた。

午後のレースは雅子がポール、隆文は三番グリッドからスタートだった。

フォーメーションラップからスタート

今度は2番グリッドのBMWが速く雅子を躱してトップで第一コーナーに飛び込んでいく


「ブーストあげたな」


「そうだな。700ps仕様だろう」


「インフィールドは生エンジンの方が有利だろう」


「うん、そこで。いったあ」


雅子はS字を抜けた第一ヘアピン手前でBMWのインに飛び込んでラインの自由度を奪って前にでる

BMWも必死に直角、第二ヘアピンまでに雅子を追い詰める


「ん?このまま行くとパワー差で雅子はストレートで抜かれるな」


「そうだね。え?隆文?」


隆文が第二ヘアピンで雅子を抜こうとしていたBMWが雅子にばかり気が行っていた隙をついてスリップからさっと並んでインに飛び込んで前をふさいだ。


「これは?やるなー」


隆弘がいう


「そうか、隆文も雅子を抜かないと優勝がないんだよな」


「隆文もやる気満々だな。セカンド取りそこなったから必死だな」


雅子ばかり気にして立ち上がり重視のラインをとろうとしてインを開けてしまったのが災いして隆文に入られしかもブロックされて行き所がなくなったBMWはやむなくブレーキング。

隆文は2番手で立ち上がってバックストレッチで雅子を追う


『くっそー、ふけろシボレーV8』


隆文の声がテレメトリーから聞こえる


「あれ?雅子の方が速い?」


「あ、そうか雅子はファイナルをFの時から2ランク落としてるよ」


「え?そうか。隆文は1ランクしか落としてない」


「あれ?意外にBMWの加速速くない。ミッションのギヤ比変えてないとか?」


「そう言うことか、ギヤが高すぎなんだよ。ワイドなのかも」


「なるほどね。あ、そうかわかったよ。今の所は回転を落としすぎてしまってターボが効くまで回復に時間かかったか?」


「だな。4番手にも並ばれたけどブーストかかったらはや。あっヤベえ」


なんと隆文抜かれて熱くなったBMWのドライバーは踏み過ぎたのだろうか?ターボがさく裂した瞬間車が横を向いた。


「直線スピンか?」


「やっちまったな」


さすが上位の連中見事に躱していく

2番手争いは隆文とアルテッツ○だった。

雅子は上手く差をつけていて逃げ切り体勢


「隆文いけえええ」


「アルテッツ○もやるな」


「因縁の対決だよなドリでも」


「そうだな」


『雅子、はええ。待ちやがれ』


「やれやれ、隆文は」


「そのほうがいいよ。同程度の奴を見るよりも雅子を見てた方がいいよ」


「そうかもな。ファイナルもきちんと合わせてくるとは雅子はすげえよ」


「僕もそうそう思うよ。TSカーもいけるよそこまで考えて走れば」


「そうだな」


と言ってるとレースは雅子がトップでゴールして最後まで争った隆文とアルテッツ○は最終コーナーの立ち上がり迄並んでいたが生エンジンのレスポンスに助けられて隆文がまさに鼻の差で2着に入っていた。

表情台の真ん中に立っていた雅子

まぶしい笑顔は世界一と思ったのだ。

雅子の3連勝の余韻に浸る暇もなく、僕は丸松建設のP-RU192AAのタービン交換、ラジエター交換、インタークーラー追加、オイルクーラー追加とポンプ交換していた。

このところTSカーやエントリーで休みなしなので疲れがたまっていたのだった。

ジャンルの違う2足わらじに挑戦する雅子

裏方の悟瑠は大忙し

いつも読んで頂き、どうもありがとうございます。

今回はここで更新します。

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