表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
明日の日記帳(休載)  作者: 間宮 凪
6月
7/11

サークル introduction

「ども、チヒロです。 ギターの代わりで来ました」


「よっ! 救世主!」


 ワタルが満面の笑みで大きく拍手した後に続いて、メンバーである他の二人も軽く拍手をした。


 授業を終えた夕方。

 大学の校舎の隣に設備されている、その校舎と同じくらい割と大きめなサークルの部室棟。

 ここの大学の軽音サークルの部室は、思っていた以上の3倍は広かった。

 部室棟はもっと古臭い小さな部屋をイメージしてたものだから、ここまで広いのは意外な印象だった。

 部室の角にはドラムセットやギターがごっちゃに並べられ、そこに細かな機材が添えられている。

 ワタルいわく、それぞれ別のスタジオに行って練習をしているため、ここではメンバーでのミーティングにしか使っていないらしく、そこら辺の物はただの置くスペースのようだ。

 それで今そのミーティング中なわけで、俺が来て早々にメンバー全員の自己紹介が始まっていた。

 「メンバーの絆をズバッと深めるためには、お互いのことを知る所からだ。いいか、まずはな、自己紹介だ!」というワタル独自のルールの元、言葉通りに自己紹介が始まっていた。

 まぁ、そういう細かい所からモチベを上げてこうという考えは、ワタルらしいなとは思った。


「じゃあ次はボーカルさん!」


 ワタルに指名されて「え、私!?」と言わんばかりの動揺をする彼女。

 しなやかな茶髪のロングヘアに透き通った茶色の目、全体的に落ち着いた雰囲気を感じる服装、初めて見た印象は「優しい」だった。


「ボ、ボーカルの、アカリ…です! 短い間だけど、よ、よろしく、ね?」


 と、上目遣いでこちらを伺う。

 よろしくと返すと彼女はえへへと照れるように微笑んだ。

 その様子を見ている俺に、ワタルはニヤニヤしていた。


「ん、なんだよ」


「あ、可愛いなって思ってるの、バレバレだぜ?」


「そんな顔に出てた?」


「いや、別に? ただ言ってみただけだけど、チヒロの反応がつまんないなぁ、31点」


「はいはい、俺は赤点ぎりぎり男ですよ」


「意外とお前ってツンデレキャラ的なオチなのか?」


「嫌な分析すんなよ」


「まぁなんだ、よろしくやってくれよ。 アカリはすげぇ歌が上手いんだぜ? 透き通った歌声してるっていうかさ。 この前なんて、カラオケで98点出してて凄かったんだよ」


「へぇ、そりゃすげぇわ。 今度合わせるときが楽しみだな」


「えぇ! えと、あの、が、頑張ります!」


 と、アカリは「はぅ…」と縮こまった反応をしては、顔を赤くして口をパクパクしていた。

 んー、「優しい」というかこれは…。


 (小動物みたいだな)

「小動物みたいだな!」


 ワタルが俺の考えていることと同じことを言うと、今度は俺の方を見てニヤニヤする。

 …ワタルうざい。


「…あのあの! ベースの子!紹介するね」


 アカリはそのベースの子の後ろに逃げるように隠れた。

 ベースの子の方が身長は少しだけ小さいからか、隠れきれていない所が可愛らしく見える。

 黒髪のボブヘアに奇麗な紫の瞳でストリート系統の服を着ているが、アカリと比べて彼女は物静かな印象を受けた。


「ベースの子…」


「……。」


「……。」


「…え、終わり?」


「…のユカです」


 謎の沈黙の後に、礼をして挨拶をするユカ。

 それに思わずコケる動作をしてしまう。


「圏外にいるんかアンタは」


「…はい」


「え、あ、そーなんですね」


「嘘です」


 うん、まぁですよね。


「俗にいう、ベースジョークです」


「どこにベース要素あったんだ」


 てか俗にいうのかこれは。


「ベースの、ベース」


 自分が言ったベースジョーク(?)でクスクス笑っているユカ。


「なぁワタルよ」


「んー?」


「ユカの頭のどこかが故障してるんじゃあるまいな?」


「いや、平常運転だけど」


「そか…」


「でもねでもね、ベースすっごく上手なんだよ!」


 さっきまでユカの後ろに隠れていたアカリが、いつの間にか隣で目を輝かしてユカを褒めていた。


「うん、ベースの技術といったらー級品だ」


 アカリの言うことに大きく頷いては、ワタルもユカのことを褒めた。


「そーなんだな」


 改めてユカの方に目を向けて、返していなかった挨拶を返す。


「酷いこと言ってすまんな、よろしくな」


「べーす(つ)に気にしてない」


 本当に大丈夫なんだろうか。




日付が過ぎてしまって、申し訳ないです!


次話の投稿は2月11日になります。



読んでいただきありがとうございます。


「面白かった!」


「続きが気になる!」


などと思ったら、下の☆☆☆☆☆から作品の応援をお願いいたします。


面白かったら星5つ、つまらならかったら星1つ、読んでみて正直に思ったことで大丈夫です。


ブックマークもいただけると本当に嬉しいです。


これらの評価を得ることで、今後の執筆に活かしていきたいと考えています。


何卒よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ