0 あらすじ (ネタバレありまくりです)
三人主人公とあって、まさに耐久レースみたいな話です。
元の世界に強制送還された三つ子の優理、遥佳、真琴だったが、三人に時間はなかった。
ゆえに優理は単独行動で、聖神殿を爆破して占い師としてティネルの街へ向かい、そこで生活を始める。優理にスタンドプレイされてしまった遥佳と真琴は、仕方なく第7神殿に避難して、その後は近くにある大きな街・ドリエータで生活することを決めた。
行き会った怪我人を助けた医師が大家の孫だったことから、遥佳は治療院を手伝うことになり、血を見るのはあまり好きではない真琴は、治療院の畑を管理することにした。
第7神殿をセカンドハウスとして行き来していた遥佳と真琴だが、近くの街・ジェルンで、優理から差し向けられた第5等神官のイスマルクを見つける。そこで遥佳は、イスマルクを薬師としてスカウトすることに決めた。
イスマルクを気に入らない真琴だったが、次に遥佳は畑でグリフォンを拾ってしまった。ヴィゴラスと名づけられたグリフォンは、遥佳と真琴の番犬になった。
一方、ひょんなことから知り合った10代の少年達をパシリにしつつ、占い師兼よろづ相談ごと指南をしていた優理だが、ヤクザみたいな仕事をしているレイスやキースヘルムに目をつけられてしまう。その危険性を指摘してくれたカイネはまだ優理に好意的だったが、カイネもまたそちら側の人間だった。
王宮に忍びこんで絵を盗み出した真琴だったが、額装の足取りから居場所を知られ、兵士から矢を受けて逃走する。妹として遥佳は治療院の医師達と共に地下牢へ放り込まれた。
それを知ったイスマルクはギバティールから第9神殿の神官と駆けつけ、遥佳と医師達を地下牢から救い出すが、それでやっと遥佳を見つけたヴィゴラスは、遥佳だけを連れて愛の逃避行。
行方知れずだった真琴は獣人であるカイトに助けられていた。真琴の行方を探っていた優理は、その隙にレイスに拉致され、お互いに恋人同士のフリをすることで協力し合うことにする。
やはり真琴を捜していた遥佳はカイトに直接会い、真琴を連れて逃げてくれと依頼する。カイトは、既に大神殿で喧嘩を売り終えていた真琴を連れて、マジュネル大陸へ向かうことにした。
そして店主の難儀を見捨てられずにバーテンダーをしていたイスマルクは、大神殿への背信行為により捕らえられ、牢へ入れられてしまう。
真琴はカイトとマジュネル大陸で新生活を始め、三人の中で一番に大人になった。
遥佳はヴィゴラスを優理に貸し出し、その間は安全な南の島ディリライトでバカンス生活を送る。そこで知り合ったキマリー国のシンクエンと王子ウルティード。遥佳はウルティード暗殺を予定していた騎士達を手にかけた。面倒見のいいケイトやカシマにのんびりっぷりを呆れられつつ、遥佳はヴィゴラスが喜びそうな真珠の暖簾を作って過ごす。そんな遥佳を、ディリライト首長は痛ましい思いで見ていた。そしてウルティードは、兄の王太子ケイファスト達の見ている前で遥佳にプロポーズし、お断りされる。
優理はキースヘルムの根城をヴィゴラスに破壊させて自分の宝石を取り戻し、更に修理も確約させた後、イスマルクをヴィゴラスと共に救出した。
遥佳はヴィゴラスと共に第7神殿へ戻り、イスマルクのいるゲヨネル大陸へ向かう。
油断していた優理はキースヘルムに誘拐され、そのまま提示された報酬に釣られて逃がし屋の手伝いを決め、キマリー国へと向かうことになった。シンクエンと会ったことから、優理はキースヘルムを騙して金貨を巻き上げ、ミザンガ王国へトンズラした。それに貧乏子爵家令嬢エミリアも同行。
マジュネル大陸で、真琴がいきなり湖に姿を消したことにより、その正体を知ったカイトは置手紙を残して失踪する。イスマルクの手配により、ゲヨネル大陸からドラゴンとペガサスに付き添われて戻ってきた真琴は捨てられたショックで嵐を呼ぶが、カイトは戻ってこなかった。
ゲヨネル大陸で暮らしていた遥佳だが、子供グリフォンだと信じていたヴィゴラスがそうじゃないようだと知り、イスマルクに頼んで年齢確認をする。うっかり騙されたヴィゴラスは、遥佳に近づけなくなった。八つ当たりされたイスマルクもいい迷惑だ。
そして優理は下層の人間であっても希望はあるべきだと考え、目をつけたのは砂漠に覆われた貧乏国家、パッパルート王国。優理はパッパルート国王ディッパをわざと遭難させて出会いの場を演出してみる。
ディッパはキマリー国の貴族エミリールが同行する優理に興味を持ち、王宮へと招いたが、優理は敵を増やして毒殺されかかり、ディッパは優理と共にミザンガ王国へ行くことを決めた。
ジンネル大陸に戻ったカイトは、神子を誘拐しろというドモロール王国宰相の依頼を受けてディリライト島へ向かった。悲しみに暮れていた真琴は、ドラゴンのラーナやペガサスのガーネット達と共に、ディリライトにいるカイトの所へ、猫として入りこむ。
家出したヴィゴラスを追いかけて、ゲヨネルからジンネルのパッパルート王国へ向かったイスマルクと遥佳は、パッパルート王弟デューレにより「王妃になる予定のユーリ姫」として外交を押しつけられた。そしてデューレはルートフェン王女の所へと行ってしまう。
ルートフェン王女カディミアは、デューレではなくギバティ王弟ラルースとの結婚を受け入れるしかない立場にいた。だが、ラルースはカディミアではなく妹王女エルネーへ好意を抱く。デューレはカディミアと秘密の時間を持ちつつも、そんなラルースをルートフェン国に迎えようとしていた。
パッパルートからミザンガへと向かったイスマルクと遥佳だが、密航の疑いをかけられてミザンガ王国第三王子ゲオナルドと知り合い、ゆえに愛人として遥佳は王城へと連れ攫われてしまう。
そうして一般庶民の身でありながら第三王子妃になろうとする遥佳は王城の様々な人々を敵に回しつつ、ゲオナルド王子の教育係と化した。
ヴィゴラスと優理はディリライト島に行き、カイトから報酬を分けてもらうことでドモロール王国へ誘拐されることを決めた。ヴィゴラスの強さに感心したカイトは、猫(真琴)をヴィゴラスに渡してしまう。
ラーナ達が城の屋根などを壊す隙に宰相の邸から盗んだ物を質に入れて資金を作った優理は、猫(真琴)をカイトの所に捨てて、ドモロール観光しながらミザンガへ戻った。
カイトは真琴と共にキマリー国の島へ行き、海賊に襲われていたリヴィール王国のイアトン王子を助け、友達になる。祖父のリヴィール国王により神官にさせられようとしていたイアトン王子だが、真琴に協力したシルフの助けでそれを切り抜けた。
カイトやラーナ達と共にディリライトの聖地へと向かった真琴は、ディリライト首長コウヤよりマンツーマンの講義を受ける。だが、勘違いでカイトと二人きりでパッパルートの聖地へと飛び、デューレがしていた儀式へ紛れ込んでしまい、恵みをもたらすイタチとしてカイトと共にパッパルート王宮へ迎えられた。
マジュネル大陸の聖地へ、イスマルクとヴィゴラス、サフィルス達と向かった遥佳だが、そこで白い大亀をヴィゴラスは師匠と呼び、遥佳獲得に向けて動き出す。遥佳はマジュネル大陸のあちこちに看板を立ててあげたりしている内に、断りきれずに新聞社のバイトを始めた。
パッパルート国王ディッパと合流した優理は、神官と医師を確保する為、ドリエータに向かうことにした。ドレイクはキースヘルムに移住の誘いをかけるが、キースヘルムはその裏をかいて優理だけを手に入れるべく、僅かな手下と共に行方をくらませる。
デューレ達と共にギバティ王国へ向かったカイトと真琴だが、真琴はデューレを案じてカイトをデューレと同行させた。
大人しく留守番していた真琴は山の中でラースと出会い、サラちゃんを手に入れた。
リンレイにやってきた優理は王太后ミネルタに遥佳と間違えられ、追手を掛けられるが、そこでデューレとカイトにより保護され、ウルティードも含めて皆で逃走、エミリールとカイネは捕まった。
一方で真琴は、キースヘルムやラースにご飯を食べさせてもらう日々だったが、ディッパと再会して、変態に目をつけられた優理を救う為、ドリエータに向かうことにした。キースヘルムとラースもそれに加わる。
シルフに騙されたカイトはパッパルート騎士を救い出し、ギバティールへと向かう。真琴はディッパのサポートに支えられ、塔を壊してカイネを救出し、キースヘルムはリンレイ城へ囚われた。
ウルティードは遥佳の名誉の為、リンレイ城をヴィゴラスと共に壊した真琴を遥佳だと断言し、それにディッパとラルースも同調する。
ギバティ国王から条件を引き出したパッパルート国王ディッパだが、それによりパッパルート王弟デューレはルートフェン王女カディミアをルートフェンから自国に引き取ることとなった。そしてラルースはギバティ国内において王太后ミネルタ程ではないながらも失脚し、ルートフェン国へ王配として向かうことになる。
優理はティネルに戻ったが、留守にしていた間にキースヘルムの組織はずたずたにされていた。それを取り戻すべく、キースヘルムはドレイクに助けを求め、対価を差し出す。
レイスはリンレイ城での痕跡により弟リシャールに見つかり、妹エリーネを保護したが為に、父テオドールと再会する。そこへ乗り込んできた第2等神官ウルシークにより、その邸へと連行された。それを知った優理はウルシークの邸に乗りこんでレイスを取り戻し、そこでウンディーネの血を引くことを暴露する。
ティネルの街に戻った優理は真琴を使ってキースヘルム一家の乗っ取りを企むが、キースヘルムを優理に近づけるのは好ましくないと考える真琴は、キースヘルムの拠点を壊滅させてしまった。
結果としてキースヘルム一家を手に入れた優理は、それゆえに牢へ引きずり込まれる。助けをリシャールに求めた優理だが、ウルティードとエミリールは優理をキマリー国の姫に仕立て上げて交渉の場に立った。
新聞社の社長ケインの代わりにマジュネル大陸サインをもらう旅に出た遥佳は、真琴の代わりに蛇獣人の里にも行く。順調に契約を続けていたが、再会した守り人により、幻獣とヴィゴラスを引き離されて一人にされてしまう。そんな遥佳に、緑の兎獣人はずっとここで暮らそうと手を差し出した。
真琴はウンディーネの恋を応援する為、マジュネル大陸の花を使ってイスマルクを罠にかけようと思いつく。
リシャールに姪と信じ込まれている優理は、彼からその過去を聞き、どうにか取り持とうと考えた。それを大きなお世話だと思うレイスは優理の身を案じ、優理をパッパルートに逃がし、自分はアボルト家に戻る。
レイスは大神殿に乗りこみ、一気に第3等の位を狙って騒ぎを起こし、更なる試練も受けることで自分と優理を捜していた貴族達の目を集めた。そして大神殿にやってきた遥佳をヴィゴラスに乗せて逃がしたレイスは、デングラー男爵夫人ルシアを遥佳に引き合わせる。
そして貴族達に街角で拉致されたレイスを、単独でリシャールは助けに向かう。そのレイスを手助けしていたエレオノーラだが、第1等神官として迎えられたイスマルクは大神殿から出られずにいた。
パッパルート国王ディッパの了解を得て、ルート砂漠で運動会を開いた真琴だが、連れてこられたウルティードやタイキ達と再会した遥佳は、真琴に翻弄されるまま景品に使われた。
ゲヨネルの守り人やヴィゴラスに失望した遥佳はマジュネル大陸へ家出し、新聞社長ケインの自宅へと招かれる。そこで蝶の魔物の羽化に立ち会った遥佳は大人へと変化した。
子供グリフォンのレオンに船や海を楽しませてあげようと、カイトと真琴、ラークとルーシーはミザンガへ向かうことにした。
先行したカイト達とは別にイスマルクへ会いに行った猫(真琴)は、大神殿に招かれて歓待された。イスマルクを放置して飛び立ったルーシーと真琴だが、ヴィゴラスによって足止めされていた遥佳もゲヨネル大陸に戻る。
祖父ランディと祖母アレクシアへの思いを胸に屋外の説法を終えたレイスは、次々と貴族達を処分し、それをエレオノーラは見守っていた。
ミザンガ王国でレオンはドレスをデザインして作ってもらうのを楽しんでいたが、そこでホルパイン公爵夫人マリアーナと知り合う。ホルパイン公爵家に招かれた真琴達は王太子シャレールとその息子フェリクスとも仲良くなった。
真琴を追いかけてきた遥佳はギバティールでエレオノーラと合流し、レイスの殺人を止める。そうして大神殿へと向かった遥佳だが、そこでグラディウスにより彼らの聖地へと連れていかれた。
ミザンガで遥佳を装って海賊退治をした真琴だが、その一方でフェリクスとレオンは種族を越えた友情を築く。
グラディウスの聖地から優理の所へ出向いて差し入れした遥佳は、真琴を追いかけ直すことにした。そうしてミザンガへ行ってみれば、またもや自分の名前を勝手に使われている上、断りきれずに遊覧船に乗る羽目になり、そうしてミザンガ第二王子の王女まで世話することとなった。
真琴は真琴で、荒稼ぎする前に遥佳にとっ捕まってしまったものだから、おとなしくヴィゴラスとペナルティを受けるしかない。
パッパルート王宮で国王の婚約者として滞在していた優理は遥佳の話を聞いてイージスを呼び出すが逃げられ、ムカつく気持ちのままに大神殿掌握という野望を抱く。そうしてケイトと共に大神殿へと向かうことにした。
ドレイクは、忘れていたかった過去がエスティスを捕まえかけたことに気づく。そうしてバラバラになるドレイク一家をしり目に、キースヘルムは着々と足場を固めていた。
大神殿へ向かう筈が、鳥獣人達によってクローラマ王国に連れていかれた優理は、惣菜店で売り子のバイトをしていた。愛する姉妹が助けに来てくれることを信じて夜空にモールス信号を送るが、今までの行動によって心配する価値もないと思われている為、真琴は夜空など見ていない。
遥佳はヴァイオレットだけではなく第二王子アルマンにも一人暮らしに大切なことを躾けなおし、お姫様っぽい格好をしてちやほやされてみるのにも飽きた真琴は、遥佳にご令嬢生活を押しつけた。
ヴァイオレットに続いてフェリクスとレオンも遥佳に懐いたばかりか、フェリクスが遥佳の正体を見抜いたことにより、遥佳はフェリクス達を旅行へ連れ出した。ギバティ王女エステルも参加だ。
置いていかれた真琴は、趣味と実益を兼ねて海賊退治をしてみる。
やがて戻ってきた遥佳はグリフォンと去った。