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その11〜その15
10年も音信不通だった叔父から届いた荷物を開けてみると、おびただしい数の人間の歯がざらざらと出て来た。
うちのばあちゃんの家では、夜中に仏間から何とも言えない唸り声が聞こえて来るのだが、翌朝になっても家族の誰も何も言わず普通にしているので、僕も何事もなかったかのように振る舞わざるを得ない。
一夜にして住民全員がいなくなってしまった集落を探索したら、どの家にも住民達の手荷物が、旅行に出かける前のようにきちんと揃えてあった。
引きこもってずいぶん経つ妹の部屋を覗いてみると、妹の姿はなく、巨大な繭がただ一つあるだけだった。
ただ人名と年月日だけをつぶやくツイッターアカウントがあるのだが、今日ついに自分の名が3日後の日付とともにツイートされた。