Epilogue
崩れ落ちた屋上から落ちない様にゆっくり下を確認する僕と澤田さん
「終わったね。」
「・・・うん」
「いてて。」
安心すると先程フェンスにぶつけた時の痛みが一気に身体に来て倒れてしまった。
「大丈夫!?園田くん!!」
「ハハハ・・・なんとか。」
覗き込む澤田さんの顔を見ていると
いつの間にか僕等は 何と戦って何の為に戦っていたのか忘れていた。
恥ずかしくなったので屋上から見える景色に目を移した。
気づけばいつの間にか陽が落ち始め、空は綺麗な夕焼けになっていた。
景色を見る僕を見て澤田さんも景色を見始める。
「うわー!凄く綺麗だね!」
「うん。疲れも吹き飛ぶね」
「うん!」
「でも澤田さんと見れて良かった。」
自然と出たその言葉に、やってしまったと澤田さんの方を振り向くと
不思議そうにこちらを見つめている。
「え?」
「あ・・・いや。その・・・。」
少しの沈黙の時間が経ち 僕は勇気を振り絞り澤田さんへの想いを口にした。
「澤田さん。」
「・・・はい」
「好きです!ずっと前から・・・!」
そのまま勢いで立ち上がり手を澤田さんに差しだした。
「僕と・・・付き合ってください!!!!」
澤田さんは、少し迷い僕の手を握ってくれた。
顔を上げると笑顔でこちらを見つめてくれている。
それは照れ隠しにも思えた。
「【友達】からでもいいかな?」
「あ・・・はい。」
「あっ。」
「えっ?」
「流れ星だ。」
その後、皆の記憶から今日の一部の出来事は、忘れ去られ。
学校の復旧作業の為。
少しだけ早い夏休みが始まった。