はじまり
「これですわ!」
とある書物によると、世界を渡るには転移門が必要だとある。
「転移門……
大きいのは少し怖いですね…
簡易ポータルだと駄目なのでしょうか?」
女は度胸です!
意を決して
私は、軽トラに飛び込んだ。
目を覚ますとそこは、見知らぬ白い部屋の中
規則的な機械音に、僅かな消毒剤の臭い
「此処が世界の狭間?」
こちらの呟きに反応したのか声する。
「お気づきになられましたか?
私は、貴女の担当で『神谷』と申します。」
声がした方に顔を向けると、そこには白衣の天使が居た。
「貴女が女神様ですか」
「…?いえ、私は介護士で
貴女の介護を任された者です。」
下位…五指?護使?
下っ端なのかな?一日の死者は10万人近いらしいので
五人(神?)は居ないと応対仕切れないのでしょう
そしてこの方が、私の悔悟を試されるのだと…
「落ち着かれましたか?
幾つかの応答をよろしいでしょうか?」
来た!
チート能力が貰えると思うと心の中で笑みが零れる。
了解の意思を見せる為に、ゆっくりと頷く
「ありがとうございます。
それでは、お名前とコチラに来た経緯などわかる範囲でお願いします。」
「はい!私は鳳凰院 麗華永遠の17才です。
簡易ポータルを使用し召喚されました!」
「……え、と?
鈴木 萌さん、2じゅ…『鳳凰院麗華です!』……。」
「17才です!」
女神様が何か考え疲れた表情のまま黙ってしまいました
「わかりました…
鈴…『麗華とお呼び下さい!』……麗華さん…。」
「身体には異常は見つかりませんでした。
容態が急変する恐れが有りますので、暫く滞在して頂きます。
それと身辺の支度や費用等はご心配なく、心安らかに安静にして下さい。」
ひときしり言い終わると、そそくさと退出してしまう。
……あれ?
チート能力は貰えないのでしょうか?