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右翼と神様転生とクールジャパン

 今でも忘れられないやり取りがある。


「母親と恋人どちらか一人しか助けられないとしたらどちらを選ぶ?」

「それっていつもの政治関連の比喩か?」

「いつもの雑談だ、政治関係なし」


 確か俺が右翼思想に染まろうとしていたころ、俺はまだ左翼の友人を一人保有していた。よく意見は対立したが、それを入れてもよき友人だったと思っている。


「君は僕がマザコンかどうかを知りたいわけじゃあるまいし。ハンターハンターのあれか」

「やっぱり答えは沈黙か? 妙な頓智で解決するのはやめてくれよ」

「そりゃ、沈黙だ」

「つまらないな」

「君は冷たい方程式を知っているか?」

「え? ああ、一応。ネタバレだけ」

「あの時は、助けなければならない対象がいて、価値は等しくなかった。少女には罪があって、罰を下さなければならなかった。悪意はなくとも。ところが今回母親と恋人は同価値だ。逃げ口上は幾らでも述べられるが同価値だ。同価値だから、選べない。もしも片方を選んだら、選んだものと選んでないものという価値の差を作ってしまうからだ」

「ならどうするんだよ」

「だから、沈黙だ。両方とも助けない」

「…………」

「例外を作ってはならない」

「そんなのおかしいだろ」

「時々君らが解らなくなるよ。だって僕たちを感情的だと批判するくせに、その批判が感情的な物だからね。ましてや感情的なこともバンバン言ってる。そして君らはそれに気付いていない」

「じゃあ、お前は何でそんなことをしているんだ」

「――――大いなる善のために」

「――――――――」


 あいつは本当に左翼だったのだろうか? もっと恐ろしいナニカだったんじゃないか、今でもそんなことを思う。そして数年後、あいつはアメリカの何処かで死んだらしい。




 俺も、死んだ。


「やあ、未来の活動家さん?」

「誰だ」

「神だよ! 敬いなさい」


 死んだと思ったが確かに今存在している。目の前の存在は三途の川の渡し人だろうか。


「だから、神様だよ!」

「カロンも神に準ずる存在ですよ」

「ああそうなんだ……ってそうじゃなくて」

「俺は死にましたか?」

「私が殺しちゃった」

「それはどうしてですか?」

「だって君、数年後にテロ起こすから、殺した方がいいかなって」

「……そうですか」

「その代価として、異世界に飛ばしてあげようと思う。魔法とか、夢が詰まったファンタジー世界」

「そんなことして何の意味があるんでしょうか」

「……クールジャパンって知ってる?」

「は??」

「君は当然知っているだろうけどさ。大量に死んでいく日本の若者を有効活用しようって話になってさ、折角だから日本の素晴らしい文化を伝える日本大使になってもらおうかなーって。日本なんていずれグローバル化でジャパンになっちゃうから、今のうちに。少しでも日本の文化を残すためにってこと」

 政治シリーズその2? 

 日本の文化がああも上手く浸透するのも、神様が世界を厳選しているからと考えれば違和感はない。神様がクールジャパンをやった結果が神様転生であるというアイデアは割と気に入ってる。

 この後人を殺す葛藤とか死んだはずの友人と再会したり大いなる善とやらに向き合ったりするだろうけど、政治のことをろくに知らない作者が書けるわけがない。


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