表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/7

U.T.W.と怪奇な少女事件

「なぁ、これ本当に大丈夫か」

「さーね?生徒会長はよく分からんから。」

 次の日、何故か廃れたゲームセンターに来ている俺達。

「ていうか潰すって、そんなの僕らに出来る訳無いじゃん」

 じゃあ何で来たんだよ優。

「生徒会は普段からこういう仕事をしてるのか。」

 何故生徒会がこれをしているのかと言えば、単純にこの島は生徒会によって治安が保たれているようなものだからだ。警察はほぼ機能していない。

 ゲームセンターの中に入ると、鷹穂が口を開いた。

「まあ生徒会長の言う事だ。十中八九不良なんていないさ」

「なら良かっ・・・良くないわ、それどういうことだよ」

 普段より落ち着いている圭介。突っ込む時に感嘆符が付いていないのは稀だ。

 落ち着いていると言えば優以外は落ち着いている。

 煌は激辛ポップコーンを食べながら歩いているし、鵲先輩は例によって読書中だ。

「つまりだ。僕の知ってる生徒会長なら、【不良の始末】という名目で【もっと面倒な事】を依頼してくるはずなんだよ。彼はそういう人間だから。そもそも僕達が不良に殴りあいで勝てないことぐらい分かるだろう、普通に」

「分かるような分からないような。まあそう言う人なのか」

 2人は落ち着いて話しているが、よく考えれば不良の始末なんかよりもっと危険な事をやらされているのかもしれないんだから警戒した方がいいと思うが。

 1階全体を探索しているが、特に何も無い。暗い中だから見落としが無いとは言えない。でも何らかの音も聞こえないのでまあ何もないだろう。

「2階に何かあるかもしれ・・・」

「しっ!」

 その時だ。圭介の言葉を煌が途中で遮った。小声で続ける。

「2階から微かに声と物音が聞こえたわ。」

 静かに待っていると、確かに足音や壁に手をつく音、また何か喋り声のような音が聞こえる。何を言っているかは分からない。

「行きましょう!出来るだけ音を立てないで」

 自販機の横を通り、慎重に階段を上って行く。

 2階に着くと、奥のカウンターのところに、3つ人影が見えた。

 1つはカウンターにもたれかかって座っている少女、2つはその前に立って何かを話している中肉中背の男と、少し大柄な男。少女はここからでは良く分からないが、背がかなり低い。小5くらいか。

「そこのクレーンゲームの機械の陰に隠れて様子を見ましょ」

全員でこそこそと移動する。ここまで来ると、会話が少し聞こえてきた。

「君、名前は何?」

「覚え、て・・・ない・・・ホントに・・・何も」

 会話を聞いていると、どうやら知らない人同士なようだ。しかも少女は何も記憶が無いという。

 するとだんだん会話が危ない方向に行っている気がしてきた。

「ちょっと来てほしいところがあるんだけどな」

「きて・・・ほしい?」

 嫌な予感が倍増する。

「どうする・・・」

 煌は迷っているようだ。

「いったら俺達も危ないぞ。かなり危険だ」

 圭介がそう言った時、大柄な方の男が少女を起こして、手首を掴んだ。

「あっ・・・」

 圭介が声を漏らした時には、既に鷹穂が男の方へ歩き始めていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ