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霊の少女

作者: cocoa777

僕は、20歳、


やっと大人になった。上京をして、2年ぶり、夏に田舎に帰宅した。

働いて少し貯金して両親にあげた。喜んでくれた。


「おばあちゃんのお墓に行きましょう」母が言って皆でお墓に行った。

おばあさんには、ずいぶんお世話になったな。。

僕が小さい時に、すごく可愛がってくれたな。。


そう、思いながら、車の中でぼ~してた僕。

やっと山の中にあるお墓に着いた。

「もう着いたわよ。早く降りて」母が言ってた。

「ああ、2年ぶりだな・・」


僕は、降りた。

おばあちゃんのお墓に向かった。

「おばあちゃん、おひさしぶりだね。僕、帰ってきたぞ」


お墓の花びんにいっぱいお花が・・・

「あらら・・誰かしら?お花がいっぱいだわ」

母が不思議そうに言った。


父も「おばあちゃんの知り合いかな」

皆、不思議だった。

ま、いいか、

そして、皆で拝んだ。


「じゃ、帰りましょう」母が言って、「ああ」

僕は、言って・・・帰ろうとしたら、

おばあちゃんのお墓の後ろに小さな少女が立ってる。


「あれれ?母さん、見て、墓の後ろに少女がいるよ」

母「え?誰もいないわよ」もう一度、僕は、振り向いた。

少女がいなくなった。

気のせいかな・・ま、いいか。


皆で家に帰った。その夜、僕は暑くてなかなか眠れなくて・・・

「暑いな、暑いな」

水を飲もう・・水を飲みに台所に行った。


すると、台所に少女が立ってる。

「あ・・お墓にいたね、どうしたのかい?]

「・・・お兄ちゃん、お願いがあるの・・」


「うん、いいよ、なに?」

「おじいさんに言ってほしいの」

「え?おじいさん?]「うん」


「おじいさんは、ずっと前におばあさんと離婚してるからいないんだよ」

「・・・うん、でも、おじいさんに会って伝えてほしいの」


「え?どこにいるか僕知らないよ」

「なら、お母さんに聞いてみて」

「・・・わかったぞ、明日聞いてみるよ」


そしたら、少女が消えていった。


「なんだろうな・・・」

僕は、不思議だった。

そして、次の朝、

「起きなさい」母に起こされた。


「お母さん、昨夜、変な夢をみたんだ。

 おじいさんどこにいるかって少女が言ってるけど、

 どこにいるか知ってるかい?」


僕はうそついて言った。霊の少女が出てきたと言っても

信じてくれないだろう。


母「おじいさん?もう昔なんだから、忘れなさい」

「でも、どこにいるか知りたいから教えてくれ」

「・・・今頃、なにを言ってるの、いいから忘れなさい!」


なんか、母が怒ってる気がした。おじいさんは母の父だった。

もうこれ以上言えそうもない・・・


そうだ、父に聞いてみよう。

母のいない時に、父にも聞いてみた。

だが・・「なにさ・・おじいさんもういないから気にするな」

やっぱり父も変だった。


おじいさんに何かあったかな・・・

僕は気になった。おばあさんと何かあったか、知りたくなった。

そうだ・・霊の少女なら、知ってるだろう。


出てきたら、聞いてみよう。

そして、夜がきた。

だが・・霊の少女が出て来なかった。


僕は、気になったので、いろいろ調べた。

おばあさんとおじいさんのアルバムなど、探したが

おじいさんの写真はなかった。

僕が小さい頃、おばあさんと一緒ばかりだった。

両親は共働きだったので、おばあさんがお世話してもらった。


だが、おじいさんのことは全然覚えてない。

僕が赤ちゃんの時に離婚したんだろうか。

僕はたった1週間、田舎にいるので、時間がないんだ。

あと3日・・・


そうだ、おばあさんの親せきに聞いてみよう。

そして、僕は、おばあさんの親せきにいろいろ聞きまわった。

やっと情報が入った。


「おじいさんは、他の女と浮気をして、おばあさんを捨てて出ていったのよ」

「・・・・そうですか、わかりました・・ありがとう」


僕は、納得した。

なぜ父母があんなに怒ってたのか、わかった。

きっとおばあさんも辛いだろうな・・・


しかし、なぜ霊の少女がおじいさんに言ってほしいのか、

僕にはわからなかった。

少女っていったい誰だろうか。


次の日、僕は、またおばあさんのお墓に向かった。

「おばあさん、辛かったんだろうな」

すると、墓の後ろに少女が出てきた。


「こんにちは!」少女が元気そうだった。

「あ・・やっと会ったな。あのさ、おじいさん浮気して

 おばあさんを捨てて行ったんだって」


「・・・・でも、おじいさん悪くないかも」

「え、なぜ知ってるような言い方がするんだ」

「えへへ、ごめんね、」


「あ・・もしかしたら、お前、おばあさんじゃないか」

「え?違うわよ、あたし若いよ!」

「あ。。そうだね、ごめんごめん」


「それよりもおじいさんに早く言ってほしいの」

「でも、どこにいるか僕、知らないよ」

「じゃー教えてあげるわ」

 

「明日の朝ね、約束よ、ここで待ってるわ」

「ああ、わかったよ」


そして次の日、父母に内緒して、少女と会いに行った。

少女がうれしそうに挨拶してくれた。

「どこに行くんだ?」「いいから、黙ってついてきてよ」


少女の手が僕の手を握って、連れてもらった。

つめたい手だが、

小さくてかわいい手だった。


着いたのは、海だった~

思い出した・・・おばあさんがよく僕をここに連れてきたんだ。

でも、なぜここなのか?少女に聞いた。


「あのね、おばあさんね、おじいさんと、ここで初めてのデートだったのと言ってるよ」

「・・そうか・・・でも、なぜおじいさんがおばあさんを捨てたんだろ」

「・・・おじいさん悪くないの、、、おばあさん悪いから」


「え?おじいさんの浮気だろ」「・・・違うの、聞いてくれる?」

「うん、聞かせて」


「おじいさんはね、おばあさんのこと大好きだったの」

「うん」

「おじいさんは、一途だったの、おばあさんすごく幸せだったのよ」

「うん」

「でもね、おばあさんは、他に好きな異性がいて・・・

 「うん・・え?]


僕は、ますます混乱になってしまった。

でも、最後まで聞いていよう。おとなしくうんうんと聞いた僕。

「実は、おばあさんが好きな人とこっそりと会っていたの、

それで、おじいさんが苦しんでたの」


「ばれてしまって・・おばあさんがおじいさんにお詫びをしたの」

「うん」

「でも、おじいさんずっと苦しんでたから

 他の女性と遊びたかったかもしれないわ」


「うん」

「でもね、おばあさんは何も言えなかった。自業自得だったから」

「うん」

「とうとうおじいさんは家から出て行ったの」


「女と一緒?」

「うん、女と出て行ったけど、おじいさんはやっぱりおばあさんのこと

 好きだったから、すぐ女と別れて・・」


「うん」

「それ以降、ずっと独身のはず」

「そうか・・でも、もう昔だから終わりにしようよ」


少女「・・・・」

「もう僕は時間がないから、もう少しで帰るぞ、いろいろありがとう」

「うん・・もしもよ、おじいさんと会ったら、そう伝えてほしいの」

「うん、わかったよ、なに」


「あの時は、ほんとにごめんなさい、生まれ変わったら

またおじいさんと結婚をしたい、そうおばあさんが言ってるの」


「・・・わかったよ」

そして2人で海辺で、他の話題もしながら、おしゃべりをした。

もう夕方になった。

「僕、明日上京するよ、楽しかったよ、ありがとう」


「明日帰るのね、寂しいわ」

「あはっは、また冬に来るから、また会いにいくよ」

「うん・・ありがとう」

笑顔でバイバイしていた少女。


そして2人は別れた。

帰宅したら、父母に怒られた。

「なにしてるの、電話しても出ないし・・明日上京するんだから

 最後の夜、家族で食べにいくよ」


家族で焼き肉を食べに行った。

久々に弟も一緒に来て・・・・

皆でワイワイと食べた。


そして、次の朝、いよいよ家族と別れた。

帰りは、新幹線で上京していく。

ある駅で父母が寂しそうに手を振ってくれた。

弟は、まだ起きてないから来れない。ま、いいか・・


そして田舎から離れていった。

新幹線の席を探して やっと空いてる席を見つかった。

窓側の席にすわってる知らないおじいさんが座ってた。


「すいません、空いてますか?」

「ああ。どうぞ」おじいさんがやさしそうに言ってくれた。


僕は座って、、やっと落ち着いた。

バタバタだったお盆休み・・・

知らないおじいさん「お盆休み、田舎に行ったんですか」


「はい。。そうです」

「やっぱりですね、」「どうしてわかったんですか」

「いや・・ほら、お土産がたくさん持ってるから」


「あはは、そうですね。おじいさんも田舎に行ってきたんですか」

「懐かしい田舎に行ってきたよ」

「家族と会いに行ったんですか?]


「いや・・妻が亡くなったんだから独身だけどね」

「そうですか、残念です、お子さんはいますでしょうか」

「子供・・いないんだよ」「そうですか」


僕は、このおじいさんではないか気になったけど、

どうも子供がいないようなので、人違いか・・・


惜しい気もするが・・気にしないことにした。

しばらく、2人は何も会話もなく、、

僕は、うとうとしていた。


すると、おじいさんが「もう降ります。君、気をつけて帰って下さいね、

色々ありがとう」やさしく挨拶をして出て行ったおじいさん。


僕も挨拶をして、おじいさんと別れた。

「おじいさんじゃないな、かっがりだな」

僕はどこかに期待したいような気がした。


となりの席に何か忘れ物が落ちてた。

おじいさんの本だった。

あ、、おじいさんもう行った・・・

だめだ・・・駅に着いたら、駅に届けに行くか・・


でも、ちょっと暇なので、本を読もうっと・・

悪いな、おじいさん・・読ませて頂くよ。

僕は、本を開いた。


すると・・・・写真が落ちてた。

あれれ・・・若い女性の写真だった・・・しおりの代わりらしい。

あはは、もう年なのにな・・


しかし・・女性の写真をよく見ると・・白黒の写真だった。

亡くなった奥さんの写真らしい・・・。

大事な写真だから、いけないんだ、

早く届けよう。きっと今頃、あわててるんだろうな、

ドジなおじいさんだな・・


ちゃんと届けに行くから心配するなよ、おじいさん。

しかし、美人だな。。奥さん・・・おじいさん惚れたんだろうな。

僕は、思わず、写真の裏も気になって、見ていた。

いつ撮ったかも知りたい・・・


大正か・・・海で撮った記念・・・あれれ?

海??海辺で撮ったらしい・・・


あれれ・・偶然かな。うちのおばあさんも海で出会っただし・・・

いや・・子供がいないと言ったから違うんだろうな。

すると、駅員が来て「あの、すみません。ここに本置いてませんでしたか」


「忘れ物があって・・電話が来まして・・・本ありませんでしたか」

「あ・・この本です。届けに行こうと思って・・渡します。

写真も一緒に落ちてましたよ。写真も大事に届けてください」


「はい、かしこまりました・ありがとうございます」

「念のため、お名前を教えて頂けませんか?]


「ああ、いいよ」僕が言って、名前を書いてサインをした。

駅員が丁寧に挨拶をして、本と写真を持っていった。

ああ、もう少し見たかったな・・・

惜しい気がした。


やっと東京駅に着いた。


1週間後、となりの席のおじいさんからお礼の電話が来た。

「助かった、ありがとう」おじいさんのうれしそうな声。

「いいえ、無事に届けて、何よりです」


「あの写真、奥さんでしたか」

僕は思わず、聞いてしまった。厚かましいだろうな・・・

「そうです、美人だろ、自慢の妻だったよ」

「うんうんわかります。奥さん幸せそうな顔ですね」


「あの、海辺で撮ったんですか」

「ああ、そうです。初めてのデートで撮ったんですよ」

「初めてなんですか・・・・あの、おばあさんのお名前、教えて頂けませんか」


「え?名前?どうしてですか」

「いや・・・もしかしたら、うちのおばあさんかなと思ってね」

「・・・・・君、まさか、」


「OOと申します。」

「・・・・・・いや、人違いです。

おじいさんではありません。子供がいないので、」


「・・・そうですか、失礼しました。すみません」

「あはは。いいよ、ほんとにいろいろありがとうございます」

「また電話をしてもいいですか」


「・・・・でも、おいら、入院することになったから電話もできないけど」

「うん。。わかりました、お大事になさってください」


「はい、いろいろありがとうね、君もしっかり生きていくんだよ」

「はい、ありがとうございます。。あ、待って・・・

「おばあさん、なんかおじいさんにお詫びをしたいって言ってました。

 生まれ変わったら、また同じ人と結婚をしたいと言ってました」


「・・・・人違いですよ。もういい、ありがとうね」

なんかおじいさんの声がちょっと震えてたそうです。


やっぱりおじいさんだった・・・

でも、もうこれ以上、言うの、やめとくと思い、最後の電話で別れをした。

そして2人の会話が最後になった。


おばあさんとおじいさんのたった2人だけの思い出ですから

そっとしてあげよう・・・


そして1年過ぎた。

またお盆休みに田舎へ行った。

もちろん、おばあさんのお墓に行った。

「おじいさんに伝えたよ、安心しなよ」


そう僕は、おばあさんに報告をした。

すると、笑い声が・・・・


お墓の後ろから小さいな子供達の声が聞こえてきた。

少女かなと思って、後ろを振り向いた。

違う少女と少年だった。


2人が笑いながら、遊んでた。

「ね、将来あたしと結婚してくれる?」

「照れくさいよ、まだ早いよ、」


僕はびっくりした。

まさか、去年、おじいさん亡くなったんだろうか。















































 


 
































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