表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
84/99

84 理由

 

 歩きながら、凛が続ける。


「嫌いになったわけじゃないよ」


 その声は、少しだけ優しい。


「分かってる」


 すぐに返す。


 それだけは、本当に分かっていた。


「むしろ――」


 言葉が一度止まる。


 風が吹く。


 その間が、やけに長く感じる。


「ちゃんと好きだから」


 静かに、でもはっきりと。


 胸の奥に、まっすぐ届く言葉。


「……」


 何も言えない。


 嬉しいはずの言葉なのに、


 今はただ、苦しい。


「このままだと、壊れる」


 凛が続ける。


「……」


 分かる。


 痛いほど分かる。


 何も言わなくても、


 もう崩れ始めていた。


 無理に続ければ、


 きっともっとひどくなる。


 だから――


 終わる。


 好きなまま、終わる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ