表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/92

15 テスト勉強②

 

 同じ図書室。


 時間は少し経って、外の光はオレンジに変わり始めている。

 窓ガラスに映る影も、さっきより長くなっていた。


 ノートはだいぶ埋まって、ページの端が少しだけめくれている。


「ユウタ、頭いいね」


 凛がぽつりと言う。


「普通だろ」


「教え方うまい」


「そうか?」


 ペンを持ったまま、少しだけ視線を上げる。


 凛は素直な顔で頷いた。


「うん」


 その一言が、妙にまっすぐで――


 少しだけ、胸に残る。


(……なんだこれ)


 悪くない気分。


 むしろ、ちょっと嬉しい。


「じゃあご褒美あげる」


「いらん」


 反射的に返す。


「遠慮しないで」


「いやだから」


「ジュース奢る」


「それはいる」


 即答。


 凛は一瞬きょとんとしてから、すぐに笑った。


「正直だね」


 図書室の静けさの中に、小さな笑い声が溶ける。


 窓の外では、夕日がゆっくり沈んでいく。

 一日の終わりが近づいているのに――


 この時間は、まだ続いてほしいと思った。


 ノートの上に落ちる影が、少しずつ重なっていく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ