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プロローグ
悪魔は――
悪魔になるには、あまりにも優しすぎた。
笑いながら傷つけることも、誇らしげに穢れを纏うこともできない。
魔界が定めた“普通”が、その存在を異物にした。
天使は――
天使であるには、あまりにも偏りすぎていた。
平等であれと教えられながら、心はひとつを選んでしまう。
天界が掲げる“正しさ”が、その存在を出来損ないにした。
―白は清廉の色。
―黒は堕落の色。
色は、いつも正しいとは限らない。
天界と魔界の狭間に、誰にも望まれず、忘れ去られた庭園がある。
そこへ辿り着くのは、
決まって“なり損ねた者”だけだった。




