第4話: 「予算の危機!? 資金集めと派遣先探しの二重苦!
「ふぅ…。これで二人目のスキル持ちも確保できたな。」
涼は異世界で立ち上げた「異世界人材派遣会社」の順調なスタートに、ほっと一息ついた。リックの建築スキルに加え、アリアの『植物操作の魔法』も確保できたことで、少しずつだが人材は増えている。
「でも、スキル持ちの人材を集めるのはいいけどさ、運営資金ってどうするんだっけ?」
涼は突然、大事な問題に気がついた。人材を派遣するのはいいが、そもそも彼の派遣会社はまだ十分な資金がない。人を雇うための給与も必要だし、活動資金をどうするか考えていなかった。
「うわ、完全に盲点だった…。会社運営って、金がかかるんだよな。」
現実世界でもお金の問題はつきものだが、異世界でもそれは同じ。涼は資金集めを考えつつ、派遣先を探すことにした。
「よし、今日は派遣先を探しつつ、どうやって資金を稼ぐか考えよう。まずは行動だ!」
意気込んで街に繰り出したものの、涼はふと立ち止まった。資金がない以上、従業員のためにもまずは早急にお金を稼ぐ方法を見つけなければならない。
「でも、異世界で金稼ぎってどうすんだ…?クエストとか受けるのか?いやいや、俺、冒険者じゃないんだよな。剣も魔法も使えないし。」
涼は頭を抱えながら、考え込む。と、そのとき、突然後ろから声がかかった。
「そこの兄ちゃん、ちょっと手伝ってくれないか?」
「え?」
振り返ると、そこには筋骨隆々の中年の男が立っていた。服装を見る限り、どうやら商人らしい。男は何かを運ぼうとしているのか、重そうな箱を抱えて苦しそうにしていた。
「助けてやりたいのは山々だけど、俺もそんな力ないんだよな…」
と涼がつぶやくと、男は笑いながらこう言った。
「いやいや、力仕事じゃないんだ。ただの相談だよ。実はさ、この先で開かれてる商人ギルドの大会に参加してるんだけど、どうにも勝ち目がなくて困ってるんだ。」
「商人ギルドの大会?そんなのがあるのか?」
「そうだ。各地から商人たちが集まって、自分たちの商売の腕を競う大会さ。この大会で勝てば、王国からの支援金ももらえるって話なんだが、どうも俺一人じゃうまくいかなくてな。」
「支援金!?それはデカい…!」
涼の脳裏に、目の前の問題解決の糸口が浮かんだ。この商人ギルドの大会で勝利すれば、派遣会社の運営資金も確保できる。まさに一石二鳥だ。
「俺、涼。異世界で人材派遣会社を立ち上げたんだ。もしよければ、その大会で力を貸すよ!」
商人は驚いた様子だったが、すぐに笑顔を見せた。
「そいつは心強い!俺はゴードンって言う。あんたが助けてくれるなら、大いに助かるよ。」
こうして、涼はゴードンの商売を手伝うことになった。商人ギルドの大会で勝利し、運営資金を手に入れるために。
**◇◇◇**
商人ギルドの大会は王都の広場で開催されていた。広場には様々な商人たちが自慢の商品を並べ、来場者たちが品定めをしている。
「さて、俺の商売の腕なんて皆無だけど…ここでどうやって勝つかだよな。」
涼はまず、ゴードンの商品の状況を確認することにした。ゴードンが扱っているのは、異世界特有の香辛料やハーブ類。品質は悪くないが、他の商人たちと比べると少し地味だ。
「なるほど…これは勝つのがちょっと難しそうだな。」
涼は冷静に現状を分析しつつ、どうすれば他の商人に勝てるかを考えた。そして、彼の頭にあるアイデアが浮かんだ。
「ゴードン、このハーブ類を使って何か簡単に作れる料理とかはないか?」
「料理か?まあ、いくつかレシピは知ってるが、俺は料理人じゃないからなぁ。」
「そこだよ!ただ香辛料を売るんじゃなくて、その場で使い方を実演して、どうやって料理に使うかを見せるんだ。そうすれば、みんな興味を持ってくれるはずだ!」
ゴードンは目を輝かせた。「なるほど、それは面白い!だが、俺一人じゃ実演するのは難しいな。」
「そこは俺に任せろ。アリア!」
涼が呼ぶと、突然地面から植物がニョキニョキと生え、アリアが登場した。
「涼、何の用かしら?私は今、植物の研究で忙しいんだけど…」
「いやいや、そんなこと言わずに、手伝ってくれよ。この大会で勝たなきゃ、俺たちの会社がヤバいんだ。」
「会社が…?仕方ないわね。」
アリアは不満そうな顔をしながらも、すぐに状況を理解し、協力することにした。彼女の植物操作のスキルを使えば、香辛料の使い方をさらに華やかに見せることができるだろう。
**◇◇◇**
大会が始まると、ゴードンと涼、そしてアリアは連携プレイで挑むことになった。ゴードンは香辛料の使い方を説明し、アリアは魔法を使ってハーブを一瞬で調理用の材料に変え、涼はその手際の良さを売り込んだ。
「ほら見てください!このハーブを使えば、こんなに簡単に美味しい料理が作れますよ!」
来場者たちはその手際に目を奪われ、次々とゴードンのブースに集まり始めた。
「おいおい、これなら売り上げがどんどん伸びるぞ!」
ゴードンも驚きを隠せなかった。彼のハーブは次々と売れていき、大会の他の商人たちを圧倒していた。
**◇◇◇**
最終的に、大会の結果はゴードンの圧勝だった。涼とアリアのサポートが功を奏し、ゴードンは王国からの支援金を獲得することに成功した。
「涼、本当にありがとう!これで俺の商売も軌道に乗りそうだ。おかげで支援金も手に入ったしな!」
「いやいや、こちらこそ助かったよ。これで俺の派遣会社も資金を確保できたし、アリアにも感謝しなきゃな。」
アリアはふっと微笑んだ。「まあ、涼が本気でお願いするなら手伝ってあげるわ。これからも頑張ってね。」
「よっしゃ、これで次のステップに進める!次はもっと多くの人材を集めて、さらに派遣会社を拡大していくぞ!」
涼は心の中でガッツポーズを決めた。こうして、派遣会社の資金問題はひとまず解決したが、彼の挑戦はまだまだ続く。
「でも、これって…どんどん内政改革のコンサルタントみたいになってるよな。まさか、俺がこんな仕事をするとは…。」
涼は一人で突っ込みを入れながら、次なるステージに向かって歩き出すのだった。




