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第20話: 「地元住民を味方に!新しいスキル持ち登場!」*

---


「よし、リュエールの支部設立もいよいよ大詰めだな!」


涼は自信満々に町の広場を見渡しながら、これまでの苦労を思い返していた。魔物の襲撃を撃退したことで住民たちの信頼を得ることには成功したが、それでもまだ完全に支部設立に賛成しているわけではない。涼の次なる挑戦は、支部設立に向けて地元住民との協力体制をさらに深めることだった。


「でも、まだ支部の設立には住民たちの完全な支持が必要だ。次はどうやって説得すればいいんだろう?」


アリアが涼の隣で優しく微笑んだ。


「涼、あなたのやり方でいいと思うわ。魔物の襲撃を防いで、住民たちも感謝しているし、私たちの派遣会社が町にとってプラスになることをきちんと伝えれば、きっと協力してくれるわよ。」


「うーん、そうかもしれないけど、まだ不安を抱えている人もいるみたいだからな…。」


涼が考え込んでいると、カイルがふと口を開いた。


「ま、そんなに難しく考えなくてもいいだろう。住民たちに俺たちがどれだけ役立つか、見せればいいだけさ。派手にやるのは俺に任せてくれ!」


グラムも無骨な声で加わった。


「力で解決する必要があれば、いつでも準備はできてる。だが、今回はそういう場面じゃなさそうだな。」


「うん、今回は説得が肝心だから、力技はナシでいこう!」


涼はそう言って、住民たちが集まる町の集会所に向かった。今日の目的は、支部設立について住民たちと話し合い、彼らの疑問や不安を解消することだ。彼は地図や資料を手に取り、準備を整えた。


◇◇◇


集会所には、リュエールの住民たちが集まり、涼たちの話に耳を傾けていた。涼が支部設立の計画を丁寧に説明する中、住民の一人が手を挙げた。


「派遣会社の支部をここに作ることで、本当に町にメリットがあるんだろうか?今は静かで平和な場所だけど、大勢の人が来て騒がしくなるのが心配なんだ。」


涼はその質問に冷静に答えた。


「ご心配はもっともです。確かに、派遣会社が支部を作ることで人の出入りが増えるかもしれませんが、それが必ずしも悪いことではありません。私たちの会社はスキルを持った人材を派遣し、町の困りごとを解決することを目的としています。皆さんが抱える問題があれば、それをサポートすることができるんです。」


住民たちは少し考え込みながらも、涼の言葉に耳を傾けていた。しかし、まだ不安を完全に払拭できているわけではない。


「具体的に、どんな問題を解決できるんだ?今のところ特に困っていることはないが…。」


涼は少し悩んだ後、アリアが助け舟を出した。


「例えば、リュエールは自然が豊かで動物も多いですよね?もし動物たちが病気になったり、怪我をしたとき、治療できる専門家がいれば助かるはずです。そういったスキルを持った人材を派遣して、町全体が安心できる環境を作ることもできます。」


その言葉に住民たちは顔を見合わせ、少しずつ納得していく様子だった。


「確かに…動物たちが助けられるのなら、それはありがたいな。」


「うちの家畜も最近調子が悪いし、そういう支援があれば助かるな。」


アリアの具体的な提案が功を奏し、住民たちの心が少しずつ動き始めていた。涼はその流れに乗って、さらに説得を続けた。


「私たちの会社はただ大きな施設を作るわけではありません。町の皆さんの生活をサポートし、地域全体が成長できるようにするのが目的です。だから、皆さんの声をしっかり聞いて、それに応じた支援を提供したいんです。もし何か具体的な要望があれば、どんどん教えてください!」


住民たちは少しずつ涼の真摯な態度に心を開き始め、支部設立に対しても前向きな姿勢を見せるようになった。


---


◇◇◇


そんな中、一人の男性が集会所に入ってきた。彼は涼に向かって歩み寄り、静かに口を開いた。


「俺の名前はセドリック。この町で長年地形調査をしている者だ。最近、この辺りの地形が少し変動している気配があってな…。もし派遣会社が支部を作るなら、手伝ってくれるか?」


涼はその提案に驚いた。地形変化の調査は町の安全に直結する重要な問題であり、それをサポートできる人材がいるかどうかが支部設立の鍵となるかもしれない。


「セドリックさん、もちろん手伝います!地形変化についての詳しい情報を教えていただければ、それに合った人材を派遣できますよ。それに、もし必要なら私たちも現場に行って直接調査を手伝います。」


セドリックは少し驚いた表情を浮かべたが、すぐに頷いた。


「ありがたい。実は、俺自身も『地形変化』を操るスキルを持っていてな。だが、この規模になると一人じゃ対応しきれないことも多い。協力してくれるなら、俺もこの町での支部設立を手伝わせてもらおう。」


「地形変化…!それは素晴らしいスキルですね!」


涼は興奮を隠せず、セドリックに握手を求めた。彼が加われば、地形調査や町の安全対策に大いに役立つだろう。


「これは大きな力になるぞ…!セドリックさん、ぜひ私たちの仲間になってください!」


セドリックは涼の握手に応じ、静かに微笑んだ。


「俺も町を守るために力を貸そう。」


---


さらに、集会所の外からもう一人の人物が現れた。今度は優しい表情をした女性が近づいてきて、涼に話しかけた。


「私の名前はエリナ。この町で動物の治療をしている者です。アリアさんの話を聞いて、私も協力したいと思いました。もし動物たちの治療が必要な時は、ぜひ私にも手伝わせてください。」


涼はその申し出にまたしても驚いた。


「エリナさん、ありがとうございます!動物治療師なんて、まさにこの町に必要な存在じゃないですか!」


エリナは控えめに微笑みながら答えた。


「ええ、この町の動物たちは私の家族のような存在です。彼らが元気に過ごせるように手助けできるなら、それが私の喜びです。」


涼はその言葉に感動し、彼女の手を握りしめた。


「エリナさん、ぜひ私たちの派遣会社にも協力してください!一緒にこの町をもっと素晴らしい場所にしていきましょう!」


こうして、新たにセドリックとエリナという頼もしい仲間を得た涼たちは、住民たちの信頼を完全に勝ち取り、リュエールでの支部設立に向け


て大きな一歩を踏み出した。


「よし、これで支部設立は間違いなしだな。みんな、ありがとう!これからも頑張っていこう!」


涼は仲間たちと共に、支部設立に向けたプロセスを順調に進めることができ、次なる挑戦へと歩みを進めていくのだった。


---


次回、涼たちは支部設立を正式に進めるべく、さらなる準備を始める。果たして、支部設立は無事に成功するのか…?

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